主催:令和6年度厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)
「放射線療法の提供体制に資する研究」(大西班)分担研究班
研究代表者:大西 洋(山梨大学)
研究分担者 (研究事務局):齋藤 正英(山梨大学)、神宮 啓一(東北大学)
※ REMOTE-IMRT trial: Reliable Expert's Monitoring through Tele-radiotherapy designed for safety Intensity-Modulated Radiation Therapy: A prospective multi-institutional trial
(ご案内)【REMOTE-IMRT trial】一般公募Web説明会および一般公募は終了しました。多くの施設にご応募いただき、誠にありがとうございました。
強度変調放射線治療(IMRT)は2000年代に我が国で初めて開始されて以来、2006年の先進医療適応、2008年の頭頸部腫瘍,前⽴腺腫瘍および中枢神経腫瘍への保険適応、2010年の限局性の固形悪性腫瘍への保険適応を経て全国に普及してまいりました。一方で、残念ながら現段階ですべての医療機関でIMRTを提供できていないことも事実です。これは、我が国の厳格な施設基準(特に、「放射線治療を専ら担当する常勤の医師が2名以上配置」という人的要件)が最大の要因であると思われ、実際にJASTRO高精度外部放射線照射部会の最新調査(2023年度)においてIMRT未実施施設にIMRTができない要因について伺ったところ、「医師が1名のみであるためIMRTが実施できない」という回答が最も多い結果でありました。
一方、近年ではIMRTの準備にかかる労力や時間は大幅に減少してきており、現行の施設基準は見直すべきフェーズに入ってきていると考えます。今回ご案内させていただく実証実験(REMOTE-IMRT trial)は、専従の常勤医が1名のみの施設でも【治療計画補助者+遠隔支援(非常勤医勤務)】によってIMRTを実施することができるかを検証するものであり、関連の皆様におかれましては我が国でのIMRTのさらなる普及のために、ぜひとも積極的にご協力いただけますようよろしくお願い申し上げます。
研究代表者 大西 洋 (山梨大学)
※ REMOTE-IMRT trialは、山梨大学医学部倫理委員会の承認を得て実施しています(承認番号 CS0047)
実証実験は3症例に対して、ご施設で輪郭描出~IMRT治療計画までを実施していただきます。それぞれの作業は実臨床に即して3日以内で実施すること規定させていただき、常勤医2名施設は最長で24営業日、常勤医1名施設は最長で42営業日の作業を実施していただく必要がございます。
なお本研究は、従来型の治療計画トライアル等のコンペとは異なり、達成が難しい線量制約を目標として作成した各施設のプランをスコア化するのものではありません。前提として、一定程度のIMRTの実施経験があれば容易に達成可能な線量制約(研究事務局からあらかじめ提示したもの【過去の臨床試験などで得られたものが多い】)は最低限順守していただき、その他については各施設のポリシーに準じたプランを立案していただきます。
参加により、将来的な診療報酬の改定やIMRTの国内の普及に貢献することができます。(なお参加いただく皆様全員を成果発表時に共著者として載せることはできませんので、その点はご了承ください。)
参加により、外部施設や研究事務局からの評価を受けることができるため、自施設のIMRT治療計画の質を客観的に把握することが可能になります。
参加により、本実証実験の結果(参加施設の治療計画の質)に関する詳細なデータを受け取ることができます。
なし(研究費の状況によっては変更の可能性有り。)
下記の<留意事項>を必ずご熟読いただき、参加同意いただける施設におかれましては、
下記のフォーム①~③のいずれかよりお申し込みください。
その後、左図のフローに従って実証実験開始となります。
<参加登録締切>
2024年11月29日(金)
<募集施設数>
有益なエビデンス構築のため、20組以上での実施を検討しております。
多くの施設の積極的なご参加をお待ちしております。
(内訳)
・常勤医1名施設:最低20施設 (疑似的施設も含む)
・常勤医2名施設:最低20施設
<実証実験期間>
各所属機関実施許可日 ~ 2025年7月末
<留意事項>
本実証実験は、IMRT治療計画を立案可能な放射線治療計画装置を保有している施設のみが対象となります。また、常勤医不在の施設は対象となりません。
実証実験の実施に際し、事前に倫理承認の手続きが必要となりますのでご了承ください。詳細は研究事務局より各施設のご担当者にご案内差し上げます。なお参加施設名についてはオプトアウト上で共同研究機関として公表する必要がありますが、各施設がどの形態(常勤医1名or2名)で参加しているかについてはオプトアウト上では公表いたしません。
本実証実験は下記フォーム①~③の形態でご参加いただく形式となりますが、その中でも①常勤医1名施設+常勤医2名施設のペアでのご参加を最も推奨させていただいております。関連施設に常勤医1名IMRT未実施施設がある常勤医2名施設におかれましては、施設間で事前にお示し合わせいただきご参加いただけますと幸いです。
常勤医2名施設+常勤医2名施設のペアでのご参加も受け付けますので①からご参加ください。その場合、どちらかの施設には疑似的に常勤医1名施設としてご参加いただきます。
常勤医1名施設単独でのご参加については、IMRT治療計画補助者(医学物理士、放射線治療専門放射線技師等)が1名以上配備されていることを必須要件とさせていただきます。
常勤医2名施設単独でのご参加については該当施設が最も多いため、常勤医1名施設の参加状況によっては実施が叶わない可能性もございます。また公募状況によっては疑似的に常勤医1名施設としてご参加いただく可能性もございます。予めご了承ください。
本実証実験に関するお問い合わせは、研究事務局(齋藤正英(山梨大学)[masahides@yamanashi.ac.jp] )までお問い合わせください。