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低次元重力談話会

日時: 2024年3月5日(火)14:00~.

場所: Zoom のミーティング(ここをクリックして入室終了しました).

※名前の後ろに所属を記載した状態でご入室ください.

プログラム

発表者: 堀越 啓吾 氏(立教大学大学院理学研究科物理学専攻修士2年)

タイトル: JT重⼒とランダム⾏列の理論における双対性

アブストラクト: 

本発表ではJackiw-Teitelboim(JT)重⼒とランダム⾏列の理論における双対性に焦点を当てる.この双対性は2019年にSaad, Shenker, Stanford(arXiv:1903.11115)によって証明され, JT重⼒の⾮摂動効果まで含めた経路積分がランダム⾏列の理論, 特にレゾルベントの漸化式を⽤いて計算することが可能となった.この発表の⽬的は, これら2つの理論を結びつける双対性を理解することである.

第8回理学部数物合同勉強会

日時: 2022年10月6日, 10月23日, 11月1日, 11月4日, 11月7日, 11月12日.

場所: Zoom を用いてオンラインで開催.

プログラム

10月6日(木), 13:25~(4時間半以上).

発表者: 井出 雄大 氏(立教大学理学部物理学科3年)

タイトル: 熱力学の再構築

アブストラクト:

まず熱力学とは何を目指している分野なのかを簡単に説明する.等温操作と断熱操作について基本的な要請をした上でHelmholtzの自由エネルギーと内部エネルギーを導入する.また等温操作でのエネルギー保存則を考察することで熱を形式的に導入し, Carnotの定理を得る.Helmholtzの自由エネルギー, 内部エネルギーをCarnotの定理で結ぶことでエントロピーを導入する.エントロピーの物理的な意味も考えたい.このように導入された熱力学変数達の関係を偏微分したりで導く.ところどころに演習問題をつける.

キーワード: 

熱力学, 最大仕事, Helmholtzの自由エネルギー, 断熱仕事, 内部エネルギー, Poisson関係式, 最大吸収熱, エントロピー, Maxwell関係式.

メッセージ: 

最初の30分くらいは式を全く使わず熱力学を低級な物理とみなしてはいけない理由を説明するので, そこだけでも是非聴いていただきたいです.それ以降は, 物理的な考察も増えてきますが, 熱力学の構成上, 難しい式は出てきにくいので偏微分ができれば学部1年生でも理解できるのできると思うので, 難しそうだからいいやとか考えなくていいです.

実況: 許可する.

発表資料: RCS有志セミナーのサイト内で公開中


10月23日(日), 15:00~(1時間半から3時間).

発表者: 小宮 秀人 氏(中学校教諭)

タイトル: 意味論:基本的意味説

アブストラクト:

本発表では, 言語学の意味論における議論の一つである「語の多義性」の問題を取り上げ, それに対する一つの理論である「基本的意味説」を紹介し, 詳しい解説とともに説明を行う。なお, 発表では具体的な事例(日・英を中心)も適宜取り上げて説明を行うこととする.

構成としてはまず, 基本的意味説が依拠する, ソシュールによる構造主義言語学の言語記号観を詳細に述べ, さらに, なぜ語の多義性が意味論において問題となるのかという点を説明する.

次に, 先述の構造主義の理論を発展させる形で基本的意味説の概要を紹介し, 語の多義性の問題に対してどのように解答を与えているかという点を明らかにする.また, ここではE. コセリウの「慣用(norma)」という理論を導入して, 言語の流動性, つまりは語の意味が変化するという問題についても触れることとする.

最後に, 基本的意味説に対する批判やそれに対する説明, 基本的意味説の課題, および近年主流の認知言語学と基本的意味説との親和性という点等について触れ, まとめとしたい.

キーワード: 

基本的意味説, 多義性, 構造主義, 意味変化.

メッセージ: 

言語学や言葉の意味に興味のある方々(事前知識の有無にかかわらず)のご参加をお待ちしております.

実況: 許可する.

発表資料: 第8回理学部数物合同勉強会への参加登録を行った方々のみに公開.


11月1日(火), 20:00~(1時間半から3時間).

発表者: 大日 蒼 氏(立教大学理学部物理学科2年)

タイトル: 音ゲーのビジネスモデルについて

アブストラクト:

音楽ゲーム, 略して音ゲー.そのルーツは1996年にKONAMIがリリースした『パラッパラッパー』まで遡る.翌年の1997年には同じくKONAMIが『Beatmania』をリリースし, アーケードにおける音ゲーの先駆けとなった.音楽に合わせて操作をする, もしくは音楽を再現するように操作するというゲーム性は, 長年にわたって多くのファンを虜にし続け, テクノロジーの発展とともに進化を遂げてきた.そして現在, デバイスの性能向上により, 携帯端末はアーケードでの音ゲーと遜色ない操作性を持つようになった.

そんな音ゲー戦国時代ともいえる現代において, 長続きしている音ゲーはどのようなものなのか, そして新進気鋭の音ゲーは生き残っていけるのかを考察し, 音ゲー業界の将来を考える.

キーワード: 

(なし.)

メッセージ: 

理学部有志勉強会という場だからこそ, このようなカジュアルなテーマが増えてほしいですねお金がかかるのではまりすぎるのはよくないですが, ぜひ一度一通りプレイしてみてください

実況: 許可する.

発表資料: RCS有志セミナーのサイト内で公開中


11月4日(金), 11:20~(1時間半から3時間).

発表者: 堀越 啓吾 氏(立教大学大学院理学研究科物理学専攻修士1年)

タイトル: 解析力学を使って特殊相対論をわかろう

アブストラクト:

解析力学における最小作用の原理と特殊相対論における要請をもとに, 自由粒子の相対論的な作用や, 電磁場そのものの作用まで示します.また, ここから電磁場の方程式であるMaxwell方程式も導きます.解析力学や電磁気学の初等的な知識はあったほうがよいのですが, そのあたりを補いながら話していくつもりなので少しでも興味があれば聞いていただけると幸いです.たぶん, 通常のカリキュラム(?)に従って解析力学を学んだ人が, 次に聞いたら面白い内容と思います.

キーワード: 

解析力学, 特殊相対論, 電気力学, 最小作用の原理, ラグランジアン, ハミルトニアン, Euler-Lagrange方程式, 自由粒子の作用, Lorentz変換, Lorentz不変性, 電磁場テンソル, Maxwell方程式, 場の古典論.

メッセージ: 

こういう議論にハマる人は理論研に向いてると思います.

実況: 許可する.

発表資料: RCS有志セミナーのサイト内にて公開予定.


11月7日(月), 13:30~(1時間から1時間半程度      ※延長の可能性あり).

発表者: 髙寺 俊希 氏(立教大学大学院理学研究科物理学専攻修士2年)

タイトル: 修正重力理論で探るダークな宇宙

アブストラクト:

現代宇宙論における大きな課題の一つとして, ダークエネルギーの存在がある.これは現在起こっている宇宙の後期加速膨張の原因となるものだが, その正体についてはまだよくわかっていない.このダークエネルギーを説明する一つのアプローチとして, 近年修正重力理論についての研究が盛んに行われている.修正重力理論は, 標準的な重力理論である一般相対性理論を拡張したものであり, 現在までにさまざまな理論が提案されている.本発表では, 一般相対論の概要を話した後に, スカラー・テンソル理論とmassive gravityの二つの修正重力理論について紹介する.

キーワード: 

修正重力理論, 宇宙論, ダークエネルギー, 一般相対性理論.

メッセージ: 

難しい内容かもしれないので, できるだけ分かりやすく解説することを心がけます.一般相対論が既知であることは前提としないので, 知らない方も安心して聞いていただけると幸いです.

実況: 許可する.

発表資料: 発表当日の参加者のみに公開.


11月12日(土), 13:30~(3時間から4時間半).

発表者: 村田 知瞭 氏(立教大学大学院理学研究科物理学専攻博士1年)

タイトル: 初期宇宙論入門

アブストラクト:

宇宙論の基本的な内容について概観する.今回は特に初期宇宙のインフレーション理論に注目し, その当時の現象を数式を用いて理解することを目的とする.また, 現在行われているインフレーション理論の研究についても紹介する.

キーワード: 

初期宇宙, インフレーション, 古典場の理論.

メッセージ: 

最初の時間で自己紹介を兼ねて, 博士課程の生態について少しお話ししようと思っています.博士課程に進学しようか悩んでる人や, そもそも博士課程ってなに?って人にも聞いてもらえたら嬉しいです.

実況: 許可する.

発表資料: RCS有志セミナーの会員のみに(メーリングリストで)公開予定.

7回理学部数物合同勉強会

日時: 2022年3月15日, 16日, 19日, 21日.

場所: Zoom のミーティング(オンライン開催).

プログラム

3月15日(火)10:30~16:30(昼休憩を含む)

発表者: 堀越 啓吾 氏(立教大学理学部物理学科4年)

タイトル: 弦理論への招待(※ファイルはこちらで公開しております

アブストラクト: 

基本単位が粒子ではなくひもである, とされる弦理論.この理論によると, 弦の量子化により光子や重力子が出てくるという.この発表では古典的な弦のラグランジアンを考察するところから開始し, 弦の量子化と光子状態について述べる.また,共変な記述をすることにより, 弦理論の立場からよく知られたMaxwell 場の性質をお話する.

講演者からのメッセージ:

おそらく一度で理解することは難しいと思うので, 「そんなものもあるのだなあ」という感じで聴いていただけると良いと思います.興味を持ったら物理をやってみよう.


3月16日(水)15:20~18:50(+質疑応答等)

発表者: 小宮 秀人 氏(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科修士1年)

タイトル: 言葉の意味って何だろう? : 意味論への招待

アブストラクト:

本発表では, 言語学の意味論におけるトピックを中心として, 構造主義言語学や言語哲学, 認知言語学などの様々な理論を概観する.具体的には「語」の意味(語彙的意味論)について様々な具体例を交えつつ検討を進めていき, それと同時に関連する言語理論を紹介することとする.言語を用いてコミュニケーションをするということは, 必然的に私達は言葉の意味をすでに理解しているという事を含意しているが, 実は私達は言葉の意味に無意識的である.ここでは, そのような普段注意を向けないような言葉の側面に「光を当てる」ことにより, 言語について考えることの面白さを伝えられたら幸いである.

講演者からのメッセージ:

予備知識の有無に関係なく, 言葉の意味や言語学一般に少しでも興味のある方の参加をお待ちしております.


3月19日(土)13:25~17:00

発表者: 寺本 拓海  氏(立教大学理学部数学科4年)

タイトル: 代数幾何学超入門

アブストラクト:

可換環論と位相空間論の復習から始め, アフィン代数多様体やアフィンスキームを中心とした代数幾何学の初歩的な内容について講演する.代数幾何学を知らない人たちにも代数幾何学の雰囲気を伝えることのできるよう努める.

講演者からのメッセージ:

私自身も代数幾何の扱いに完璧に熟達しているわけではないので, そこまで応用的な内容は扱わないつもりです.環と図形の対応していく様子を皆様にわかった気にさせることが本講演の目標です.なお, 参加者の集まり方によっては, 復習内容と代数幾何学内容の時間配分を再調整する可能性があります.


3月21日(月)15:20~17:00

発表者: 寺本 拓海  氏(立教大学理学部数学科4年)

タイトル: 理系向け音楽理論入門

アブストラクト:

音楽理論の話題の中から, 特に理学部生の好きそうなものを集めた.「なぜドとミとソの3 音で綺麗に響いて聴こえるのか?」「なぜ1 オクターブは12音に分けられたのか?」などの疑問に, 数学的・物理学的な視点から迫っていく.

講演者からのメッセージ:

今回は音楽的な概念の中でも, 音程や和音に関する話題に多く触れたいと思っています.コードの種類など音楽実践向けの内容というよりは, 音楽的事象の理由解明などが主な内容となります. 理系向けとは言いつつ理系でない人にも面白く聴けるような講演にするつもりですが, 数学に関して, 一部高校の数学II+B程度の知識を要求する部分があります.

第6回理学部数物合同勉強会

日時: 2021年10月8日, 29日.

場所: Zoom のミーティング(オンライン開催).

時間割についてはこちらをご参照ください.

プログラム

10月8日(金)5限

発表者: 堀越 啓吾 氏(立教大学理学部物理学科4年)

タイトル: 日本の方言

内容: 

日本にある言語“一つ”――日本語の方言というものの存在や, その特徴, 伝わり方, 社会との関わりについて触れながら, 個別の語というよりは一般的な話をもとに紹介していく.内容としては専門的というよりは入門的で初歩的なものであるから, 予備知識は必要無いが, むしろ知識を持つ者にとっては多少曖昧な表現などもあるかもしれないので, 随時議論を望む.興味を持った人がいればぜひ参考文献に挙げた書を読んでいただきたい.


10月8日(金)18:50~19:20

質疑応答や雑談などをする時間(自由解散).


10 月29日(金)4限+5限の半分程度

発表者: R. S.  氏(立教大学理学部数学科1 年)

タイトル: アティマクをわかった気になろう

内容: 

この講演では, Atiyah-MacDonald の可換代数入門の内容を自分なりに説明しようと思う.特に, スキーム論につながる幾何学的な視点, およびネーター環の理論の初歩について雰囲気を伝えられたら良いと考えている.

終了後: 

質疑応答や雑談などをする時間(自由解散).

第5回理学部数物合同勉強会

日時: 2021年3月30日, 31日.

場所: Zoom のミーティング(オンライン開催).

時間割についてはこちらをご参照ください.

プログラム

3月30日(火)13:00~15:00(途中休憩を挟む予定)

発表者: Y. I.  氏(立教大学理学部物理学科1年)

タイトル: 物理学における線形代数の応用

キーワード: 線形代数, 行列, 固有値問題, 復元力の運動方程式, 座標変換, ローレンツ変換, 量子力学, シュレディンガー方程式, 井戸型ポテンシャル.

内容: 

物理学において線形代数はどのように応用されているかを発表する.具体的には古典力学における連成振動, 特殊相対論における座標変換, そして量子力学への応用を学ぶ.

数式や説明の書かれたpdfを画面共有しながら発表する.

発表者からのメッセージ:

学部1年次にならう線形代数の基本的な計算ができれば理解できる内容にしています.量子力学に関しては, 講義を受けたことはないので変なことを言ってしまうかもしれませんが, 気づいたらさいごに修正をお願いします.式変形には注意を払っていますが, 中にはアバウトな式変形もあります.もし気になる変形や, 計算ミス等があった場合は途中休憩のときか発表後にお願いします.

今回の発表内容については私より詳しい方々がたくさんいると思います.その方々には積極的に指摘してもらえればと思います.宜しくおねがいします.


3月30日(火)15:00~

質疑応答や雑談などをする時間(自由解散).


3月31日(水)2限, 3限, 4限

発表者: 堀越 啓吾 氏(立教大学理学部物理学科3年) 

タイトル: 解析力学, そして量子力学へ

キーワード: 解析力学, 最小作用の原理, ラグランジアン, ハミルトニアン, 対称性, 保存量, ネーターの定理, 正準変換, ポアソン括弧, ハミルトン-ヤコビの方程式, 量子力学, 量子論, シュレディンガー方程式.

内容:

目標は解析力学から量子力学へ“辿り着く”ことです.あまり細かい話には立ち入らない予定ですので興味があれば後で紹介する参考文献を読んでみてください.最小作用の原理からラグランジアンを導入し, まずラグランジュ形式の解析力学へ導きます.その後対称性と保存則について確認したのち, 量子論とも関わってくるハミルトン形式の話をします.正準変換とハミルトン-ヤコビの方程式の話をしたあと, 量子力学, 具体的にはシュレディンガー方程式を導いていきます.時間があれば最小作用の原理に関連する話題や解析力学の演習問題も扱いたいと思います.

1コマ目(2限): ラグランジュ形式の解析力学

最小作用の原理の話から一般座標と一般速度を力学変数とするラグランジュ形式の解析力学へ持ち込む.またニュートン形式からの若干天下り的な移行も話せればと思う.そこから対称性とそれに対応する保存量の話とネーターの定理について話して1コマ目は終了.

2コマ目(3限): ハミルトン形式の解析力学

ラグランジアンをルジャンドル変換してハミルトニアンを定義し, 一般座標と一般運動量を力学変数とするハミルトン形式へ移行する.そのあと, 特に正準変換とハミルトン-ヤコビの方程式について話す.

3 コマ目(4限):  解析力学から量子力学へ

量子力学への導入は考え中.量子力学における最も重要なシュレディンガー方程式を粒子と波動の二重性と解析力学の言葉を用いて説明する.また, ハミルトン-ヤコビの方程式からシュレディンガー方程式を導くこともしたい.

他, 各コマで時間が余れば演習問題を扱い, 足りなければ次のコマに話題を回すというふうにする.

発表者からのメッセージ:

数学科のような厳密性はあまり保証できないのでどうか広い心で聞いてください.物理の前提知識はあまり必要ありませんが高校物理程度のニュートン力学は知っておいたほうが良いと思います.基本的にはパワーポイントのスライドショーを用いたいと思いますが一部OneNote など使って書くかもしれません.


3月31日(水)5限(あるいは, 発表終了時)以降

質疑応答や雑談などをする時間(自由解散).

位相談話会

日時: 2020年5月16日.

場所: Zoom のミーティング(オンライン開催).

プログラム

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科4年)

13:25~14:25: 第1部「具体的なsettingから抽象化へ」

14:25~14:35: 休憩

14:35~15:35: 第2部「位相空間論がわかると何が学べるか」

15:35~      : 雑談(適当なタイミングで終わる)

第4回理学部数物合同勉強会

日時: 2020年2月27日, 28日, 3月17日, 24日.

場所: 立教大学池袋キャンパス10号館X108教室.

プログラム

2月27日(木)

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: 関数列から変分問題へ

キーワード: ε-N 論法, ε-δ 論法, 上極限, 下極限, 完備性, 連続性と半連続性, 一様連続性, 絶対収束, 条件収束, Bolzano-Weierstrass の定理, 各点収束, 一様収束, 広義一様収束, compact 一様収束, 一様絶対収束, 広義一様絶対収束, 同等連続, Ascoli-Arzela の定理, 変分問題, 曲線族, 汎関数, Euler 方程式, etc.

内容: 

学部1年程度の微分積分学の基本的な内容である数列の極限からはじめて, 実1変数実数値関数の連続性, 無限級数の収束・発散, 連続体としての実数全体, 関数列や関数項級数などに関する精密な議論を行う.そして, これらを, 単なる微分積分学の復習(あるいは予習) にとどめるのではなく, それらの応用として, 何らかの「量」の最大最小(あるいは極大極小)を論じる変分問題を考える.余裕があれば, 19世紀半ば頃まで自明と思われていた変分問題における解の存在に対する反例, すなわち, 解を持たない変分問題についても紹介したい.


2月28日(金)

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: Fourier 解析の理論と応用

キーワード: 線形作用素, 周期条件, Hermite 内積, L2-ノルム, Fourier 展開, Fourier 級数, Fejér  級数, Fejér  核関数, Fejér  の定理, Weierstrass の多項式近似定理, Parseval の等式, 一様ノルム, Basel 問題, 線形RLC 回路, Kirchhoff の法則, 急減少関数, Schwartz 空間, Fourier 変換と逆Fourier 変換, Fourier 反転公式, Planchrel の公式, 関数のたたみ込み, Computed Tomography, 超関数, 緩増加関数, Digital Sampling, etc.

内容: 

学部1年で学ぶ線形代数学における数ベクトル空間に関する議論のみを前提知識として仮定し, 線形常微分方程式を通じてFourier 変換の考え方に触れ, そこからFourier 解析の理論を導入する.そして, 今回は, 理論の厳密さよりも直感的な理解とさまざまな応用に触れることに重きを置く.応用例としては, 具体的には,Basel 問題の証明, RLC 回路に関する線形常微分方程式の解, CT スキャンの原理, Digital Sampling などを紹介する予定である.


3月17日(火)

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: 経路積分の量子論

キーワード: 2 重スリット実験, Born の確率則, 経路積分, 積分核, 波動関数, Schrödinger 方程式, Green 関数, Lagrangian, Hamiltonian, 演算子, コヒーレント状態, エネルギー固有状態, 井戸型ポテンシャル, 量子化条件, 調和振動子, etc.

内容: 

量子力学の基礎方程式といえば, Schrödinger 方程式である.経路積分は, それを積分方程式として書き直したものである.今回は, 古典力学の量子化からSchrödinger 方程式を得ようとするのではなく, 2重スリット実験から想像される“量子力学的な粒子像”を出発点とし, Schrödinger 方程式よりも先に経路積分の発想にたどり着く, ということを試みる.

なお, この発表では, 高度な理論・議論を理解することよりも, さまざまな話題を知ることに重きを置く.前提知識は, 大学の理系学部に進学する高校生が常識とす

るものくらいで良い.


3月24日(火)

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: ベクトル解析から現代の幾何学へ

キーワード: 勾配, 方向微分, Euler 数, ベクトル場, 発散, 回転, ポテンシャル, Poincaré の補題, 微分形式, 線積分, 面積分, Green の定理, Stokes の定理, Gauss の発散定理, Gauss曲率, 平均曲率, 構造方程式, Levi-Civita 接続, 測地的曲率, Gauss-Bonnet の定理, Eulerの多面体定理, Möbius の帯, Klein の壺, 射影平面, 指数, Euler-Poincaré の定理, etc.

内容: 

勾配・回転・発散, 線積分・面積分といったベクトル解析の基本的な概念を導入し, ベクトル解析における積分定理(Green の定理, Stokes の定理, Gauss の発散定理)を考える.さらに, そこから, 曲率や微分形式, Euler 数などに触れ, 現代の幾何学へと至るまでに現れる美しい結果を見る.余裕があれば, より高度な現代の微分幾何学や位相幾何学の話題についても紹介したい.

第3回理学部数物合同勉強会

※第3回から名前が「理学部数物合同勉強会」に変更されました.

日時: 2019年8月22日, 9月12日, 13日, 14日, 17日, 18日, 19日.

場所: 立教大学池袋キャンパス4号館4403教室.

時間割についてはこちらをご参照ください.

プログラム

8月22日(木)2限

自己紹介, 発表準備, 雑談等.


8月22日(木)3限(, 4限)

発表者: 小島 理人 氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 人工知能と深層学習の基礎

キーワード: ディープラーニング, 勾配降下法, 誤差逆伝播法, CNN, Python.

内容: 

ディープラーニングの基本的な構成とその理論についての解説を行い, その応用として画像認識ではメジャーとなっているCNN という手法についての解説とそ

の解釈を説明する.また, 時間や参加者の希望によってはスルーする場合もあるが, Python における簡単なモデルの実装例や, 実際にはPython でどのように利用さ

れているかを, kerasというライブラリによって主に簡単に使用可能であることを解説する予定である.

発表者からのメッセージ: 

基本的にはスライドショーを用いる発表です.章立てとしては,

のような章立てを考えています.また, プログラムとしての実装はその章ごとに入れられるようにしていきたいと思っています.

そして, スライドショーの中に参加者の方々に問題(少し考える程度のもの)を, 例えばニューラルネットにおける線形分離不可能問題など, を出せるようにはしたいと思います.ただし, 今の所そこまで問題を解く時間をじっくり取るなどの予定はありません.


9月12日(木)2限

自由時間.


9月12日(木)3限, 4限, 5限

発表者: K. T.  氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: アクチュアリー数学

キーワード: 正規分布, 指数分布, ベータ分布.

内容: 

アクチュアリー試験の数学において頻出である連続型確率分布について試験の類題を扱いながら理解を深めることを目標とする.

発表者からのメッセージ: 

はじめに解く問題の紹介をする.その問題に対して必要な知識を説明したのちに聴衆に解いてもらう形式をとる.


9 月13日(金)2限, 3 限, 4限, 5限, 6限

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: 行列の線形代数から始める――量子力学

キーワード:複素ユークリッド空間, 正規作用素, 自己共役作用素, 部分等長作用素, ユニタリ作用素, テンソル積, スピン, 水素原子, 運動量, 角運動量, 粒子, 波動, フェルミオンとボゾン.

内容: 

まず, 学部1 年程度の(数ベクトル空間の)線形代数学からスタートし, 複素数を成分に持つn次正方行列を線形作用素$\mathbb{C}^n \to \mathbb{C}^n$と捉え, いくつかの特別な線形作用素に注目して量子力学のための準備を行う.そして, “難しい道具”は一切使用せずに, キーワードにあるような量子力学の話題について説明する.

発表者からのメッセージ: 

線形代数学はさまざまな分野に応用されているので, ただ線形代数学の勉強だけをするよりは, その応用例まで見据えていたほうが, 幾分か充実した勉強になるのではないかと考えています.そこで, 難しくない線形代数学の延長で語れる1つ目の話題として, 量子力学を選びました(2 つ目は翌日のリー代数です).内容に関しては, 学部2年以上の知識はほとんど要求しません.“初歩的な”内容でも量子力学のかなりの部分を説明できるということを実感してもらえればと思います.


9 月14日(土)2限, 3限, 4限, 5限, 6限

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: 行列の線形代数から始める――リー代数

キーワード: リー代数(リー環), ヤコビの恒等式, 随伴表現, キリング形式, 半単純リー代数, カルタン部分代数, ルート, コルート, カルタン整数, 基本形, カルタン行列, ディンキン図形, リー代数の表現.

内容: 

まず, 学部1 年程度の(数ベクトル空間の)線形代数学からスタートし, 抽象的なリー代数が正方行列全体のなす部分空間と同型になること(アドの定理)を踏まえ, リー代数を最初から適当な条件を満たす正方行列全体のなす集合として定義する.そして, 必要以上の抽象的な議論は避け, 多くの具体例に触れながらリー代数とそれに関するいくつかの話題について解説する.

発表者からのメッセージ: 

難しくない線形代数学の延長で語れる2 つ目の話題として, リー代数を選びました(1つ目は前日の量子力学)です.リー代数は物理学と密接にかかわるものであり, 具体的には, 量子力学, 場の量子論, 共形場理論などで顔を出すものです.例えば, 量子力学における角運動量演算子の交換関係は, リー代数$\mathfrak{su}(2)$の生成子の交換関係と同じであることがわかります.

内容に関しては,(ここでも)学部2年以上の知識はほとんど要求しません.ただし, 余裕があれば,「お話」程度には, 難しく, そして面白い話題を用意できればとも考えています.


9月17日(火)2限, 3限, 4限, 5限

発表者: Y. W.  氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: 位相空間再論A

キーワード: 距離空間, 距離関数, 距離空間の点列の収束・連続写像, 位相空間.

内容:

位相空間の初歩を扱います.具体的には, 距離空間から出発し, 距離空間における点列の収束と連続写像など距離空間の基本事項に触れた後, 位相空間の定義に到達することを目標とします.集合と写像の簡単な知識を前提とします.

発表者からのメッセージ: 

聴講者にレジュメを配り, そのレジュメと同様のスライドを写して発表.ただし, 黒板もある程度使うかもしれない.演習問題を解いてもらう時間を設ける予定.


9月19日(木)2限, 3限, 4限, 5限(, 6限)

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)

タイトル: 大学数学の幾何学

内容: 

大学の数学科・物理学科で学ぶような幾何学とその延長にある話題について幅広く扱う.具体的には, 以下のような流れを予定している.

特に, 数学における幾何学と物理学は不可分であることを念頭に置き, 発表においては(理論)物理学との関連にも触れていく予定である.具体的には, 一般相対性理論や弦理論・超弦理論との関連について説明することを予定している.

発表者からのメッセージ: 

自分自身まだ勉強中の内容が多いため, 実際のところどれほどの内容をカバーできるかはわかりません.内容の難易度は一部を除いて大変高いと思いますが, それは発表者にとっても同じなのでご安心ください.ただし, いたずらに抽象的な話をし続けるのは避けて, 可能な限り具体例にも触れたいと考えています.また, (多くの場合)定理の証明には深く立ち入らずに, 多くの話題を「知る」ことを目的とします.

積分談話会

日時: 2019年6月29日(土)13:25~.

場所: 立教大学池袋キャンパス5号館5209教室.

プログラム

発表者: 角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科3年)


タイトル: リーマン積分入門&再考  -積分と面積の厳密な議論といくつかの応用-


アブストラクト: 

リーマン積分は, ベルンハルト・リーマンによって構築された初の関数の積分の厳密な定式化である.今回の談話会では, ε-δ論法をおさらいした後に, それを用いてリーマン積分の基本事項(区間の分割, リーマン和, リーマン可積分の意味といくつかの同値な言い換え, ダルブー積分との関係など)を論じることを第1の目標とする.

第2の目標は, それらを踏まえた上でリーマン・ルベーグの定理を証明し, ディリクレ積分(添付ファイル参照)の計算を複素関数論を用いずに行う方法を紹介する.複素線積分で考えるよりもはるかに手間が多く面倒だが, 1つの補題を用意することで泥臭い実関数の計算でも値が求まることをお伝えしたい.

第3の目標は, 集合が体積を持つとはどういうことかを論じることである.零集合という概念を導入し, 集合が体積確定であるとはどういうことか, 体積確定な有界集合上の有界関数はどういうときにリーマン可積分か, ということを考える.このあたりの議論は測度論に通じるものがあり, 今後ルベーグ積分を学ぼうと思っている方には「測度」という概念を学ぶ手助けができるかもしれない.

第2回理学部数学科合同勉強会

日時: 2019年2月19日, 3月5 日, 6日, 22日, 26日の2限から6限.

場所: 立教大学池袋キャンパス本館(1 号館/モリス館)1201 教室.

プログラム

2 月19日(火)

10:45~12:15

自己紹介, 雑談等.


2 月19日(火)

13:15~19:50

角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科2 年)

タイトル: 場の理論と幾何学I

Keyword: ベクトル場, 仕事(力学), 線積分, スカラーポテンシャル, 曲線, パラメータ, 連続の方程式(流体力学), 曲面, 座標変換, 面積分, ガウスの発散定理, ストークスの定理.


3 月5日(火)

10:45~12:15, 13:15~16:30

T. K.  氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 代数学概論

Keyword: 代数系, 環, 準同型, イデアル, 一意分解整域, ネーター環, etc.


3 月5日(火)

16:40~19:50

K. T.  氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 確率と統計続論~アクチュアリー試験数学のためのお勉強~

Keyword: 歪度, 尖度, 幾何分布, ファーストサクセス分布, 負の二項分布.


3 月6日(水)

10:45~12:15, 13:15~16:30

堀越 啓吾 氏(立教大学理学部物理学科1年)

タイトル: 特殊相対性理論

Keyword: 光速度とエーテル, ローレンツの仮説, アインシュタインの特殊相対性原理, ローレンツ変換, 相対論的運動, 固有時, etc.

3 月6日(水)

16:40~18:10

K. T.  氏(立教大学理学部数学科2 年)

タイトル:確率と統計続論~アクチュアリー試験数学のためのお勉強~

Keyword:歪度, 尖度, 幾何分布, ファーストサクセス分布, 負の二項分布.

3 月6日(水)

18:10~19:50

自由時間.

3 月22日(金)

10:45~12:15, 13:15~19:50

角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル:場の理論と幾何学II

Keyword:クーロンの法則, ガウスの法則, 境界条件, 電位, ポアソン方程式, 調和関数, 平均値の原理, 誘電率, ディリクレ問題, ビオ・サバールの法則, 絡み数, アンペールの法則, ベクトルポテンシャル, ゲージ変換, ローレンツ力, 電磁誘導, マクスウェル方程式, 電磁波.

3 月26日(火)

10:45~12:15, 13:15~18:10

Y. W.  氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル:数の構成II

Keyword:順序集合, 順序関係.

3 月26日(火)

18:10~19:50

自由時間.

第1回理学部数学科合同勉強会

日時: 2018年9月5日, 11日, 12日の2限から6限.

場所: 立教大学池袋キャンパス4号館別棟4251教室.

プログラム

9月5日(木)

10:45~16:30

T. K.  氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 初等整数論

Abstract: 初等整数論の復習から始まり, 不定方程式, 連分数, ペル方程式を扱う.


9月5日(木)

16:40~19:50

Y. W.  氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 数の構成(I)

Abstract: ペアノの公理を導入として, 自然数を定義することを主なテーマとする.論理的手続きによって理論を構築するということに注力したい.


9月11日(火)

10:45~16:30

K. T.  氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: アクチュアリー数学入門

Abstract: アクチュアリー試験における数学の確率の分野を扱う.実際に類題を解くなかで出てきた公式の導出を行い, 理解を深めることを目標とする.


9月11日(火)

16:40~19:50

角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 複素解析序論1

Abstract: 複素数で考える極限・級数といった概念と, 複素関数論における基本事項を主に取り上げる.特に, 実関数の議論を複素関数論を用いて見通しよく処理できることや, 複素関数ならではの話題を紹介したい.


9月12日(水)

10:45~19:50

角田 真一朗 氏(立教大学理学部数学科2年)

タイトル: 複素解析序論2

Abstract: 複素解析序論1のつづきである.1では扱いきれなかった内容を取りあげる.