令和5年度 低温科学研究所研究集会
北太平洋移行領域の物質循環と
海洋生態系に関する研究集会
開催概要
日時:令和5年 10月4日
場所:北海道大学低温科学研究所 講堂(N302)
参加費:
・研究集会 無料(※要事前登録)
・懇親会 各自
世話人・連絡先:力石嘉人(北海道大学・低温科学研究所/ychikaraishi★lowtem.hokudai.ac.jp)★を@に変換してください
開催趣旨
日本の東側の北緯40度付近に帯状に広がる北太平洋移行領域では,黒潮(高温・高塩分・貧栄養)と親潮(低温・低塩分・富栄養)およびそれぞれの続流からの水が混合した水塊が形成されている。この領域は,亜寒帯海域にもかかわらず南からの熱供給により比較的暖かく,また北からの豊富な栄養塩が運ばれるため,領域全体としてみれば,豊かな海洋生態系が形成される条件が整っており,実際に,サンマなどに代表される様々な魚種の漁場となっている。しかし,この領域は,太平洋赤道域のエルニーニョ・ラニーニャ現象や,地球温暖化に伴う海洋環境の変化の影響を受けやすく,領域の内部では,暖かい黒潮と冷たい親潮とが異なる割合で混合してできた著しく不均一な水塊が,時空間的に移動し,物質循環と生態系構造(捕食–被食,競合などの生物間相互作用)に非常に大きな変化をもたらす(それは,特定の魚種の豊漁・不漁などの原因になっていると考えられている)。このため,「北太平洋移行領域の物質循環と海洋生態系」の理解は簡単ではなく,学際的な研究や,新しい技術(化学的な分析法)の導入などが求められている。
本研究集会では,各々の研究の取り組みや得られた結果を紹介していただくとともに,「北太平洋移行領域の物質循環と海洋生態系」を理解するうえでの課題,開発すべき技術,推進すべき共同研究のアイデアなどを共有する機会を作りたい。