[台本] 破滅手前のファルスディっ!
Farcedy(茶番劇)→Farce+Comedyの造語。
登場人物
〇初瀬 貫徹(ういせ かんてつ)
20歳、男性
ごく普通の青年で、不器用で誠実な性格の常識的に驚いてくれる人物。
どんなに理不尽な目にあっても、使命を帯びても自身の信念は曲げない頑固者でもある。
昨日、來泪という女の子の告白されたが、自身の誠実さ故に振ってしまう。
〇來泪(るい)
???歳、女性(?)
貫徹の事が好きな女の子、だが振られてしまう。
その正体は、無垢で悪意無き少女の姿を模った天使。製造番号:ρ/010(ローゼロイチゼロ)。
ただの木っ端天使だったが意思が発現したイレギュラー。
來泪が貫徹に振られた事により世界の崩壊が始まってしまう。
〇エージェント“S”
年齢不詳、男性
金髪くせっ毛とペリドット色の瞳が特徴の男性。
かなり腕が立つスーパーエージェントで
貫徹を守りながらヴェルデの企みを挫く為に奮闘する。
〇ヴェルデ・セレブロ
30歳、男性
犯罪組織『バンデラアラニャ』、支部長。
來泪の力を利用して世界を滅ぼし、世界の中心を自分に挿げ替えようと目論んでいる。
大胆で荘厳な物言いが多いが本当は小心者な小物。
狡猾な知略により今の地位を手に入れた。
どうやら“S”とは因縁浅からぬ関係らしい。
〇シャスタ・デイジー
19歳、女性
ヴェルデの部下の一人。
部下内で数少ない女性であり無邪気で馬鹿。
來泪の心を開く様にヴェルデから命令を受けるが、久々に同年代くらいと話せるとわくわくしている。
※ニュースキャスターと兼ね役(1台詞)
〇殺し殺し(ころしごろし)
??歳、女性
貫徹と“S”を抹殺すべく現れた仮面の女性。
丁寧な喋り口調で自身を淑女と自称する。使用武器は銃火器、爆弾がメイン。
“殺し殺し(ころしごろし)”という戦闘センスが高く、最強にして最恐。最高最凶至高の殺し屋を名乗っているが……?
初瀬 貫徹 ♂:
來泪 ♀:
エージェント“S” ♂:
ヴェルデ・セレブロ ♂:
シャスタ・デイジー/ニュースキャスター ♀:
殺し殺し ♀:
↓これより下が台本本編です。
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貫徹:昨日、女の子を振った。
間。
貫徹:「……。」
間。
貫徹:「それが──」
(貫徹と“S”、車で爆走して逃げている。)
“S”:「世界の存亡に関わる事になるとはな。」
(“S”、ドラテクで爆撃を華麗に避ける。)
貫徹:「うぎゃああああああああああああああああああああ!!!!」
“S”:「ははははは。まるでアポカリプスものの映画だな。」
貫徹:「言ってる場合ですか!!!」
殺し殺し:「この私からここまで生き延びているなんて!貴方達凄いわね!!」
貫徹:「っ!!また無数の爆弾来ます!!」
“S”:「……ちょうど橋を通るか。初瀬 貫徹(ういせ かんてつ)。一瞬運転頼む。」
(“S”、ハンドルを取って貫徹に渡して窓の外へ身を乗り出す。)
貫徹:「え??ええ!!??えええええええええええええ!!!!」
(貫徹、ハンドルを急いでくっつけて運転席へ移動して操縦する。)
殺し殺し:「っ!」
“S”:「銃よりは剣の方が主戦場なんだがな……。
──だが!!」
(爆弾の雨が空で炸裂する。)
殺し殺し:「たった一発の弾丸で全ての爆弾を処理するなんて────」
(煙の中からバズーカ砲を構えた“S”が現れる。)
殺し殺し:「バズーカ!?」
“S”:「すまないが、この橋は通行止めだ。進みたけりゃ迂回するんだな。」
(“S”、バズーカ砲で橋を破壊する。)
貫徹:「ぎゃああああああああああああああ何をしてんの何をしてんの何をしてんの!!!」
“S”:「橋を破壊したんだ。これでしばらく時間を稼げる。」
貫徹:「やりすぎですよ!!!」
“S”:「ははは。世界の危機だ。言ってる場合か。」
貫徹:「そういう問題じゃないですよ!!
……あの人……他の人を巻き込んだりしないでしょうか……。」
“S”:「それに関しては安心していい。
既に人払いは済ましているし、そも奴は関係無い人を襲うタイプでは無いだろう。」
貫徹:「…………。」
間。
殺し殺し:「……こちら、“殺し殺し(ころしごろし)”。“目標(ターゲット)”たちが橋を破壊しました。
船の調達と対岸にて車両の準備を。」
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~來泪サイド~
ヴェルデ:「分かった。金に糸目は付けん。絶対に“目標(ターゲット)”と“S(エス)”を俺様たちの下へ来させるな。」
殺し殺し:『了解。』
(ヴェルデ、通信を切る。)
ヴェルデ:「おのれ“S”……!最強の殺し屋“殺し殺し”を持ってしてもここまで梃子摺らせてくるか……!」
シャスタ:『あーあーぼすぅ~こちら、シャスタ。シャスタ・デイジーですぅー』
ヴェルデ:「…………。なんだ。」
シャスタ:『來泪(るい)ちゃんピザ食べたい気分みたいですぅー』
ヴェルデ:「それお前が食いたいだけじゃないのか。」
シャスタ『え~~~食べたいよねルイちゃーん?』
來泪:『た……食べたいです……。』
シャスタ:『ほらほら~~~~』
ヴェルデ:「……………………分かった。手配しよう。」
シャスタ:『ねぇ~~~~?うちのボスってばルイちゃんにあまあまだからなんでも言う事聞いてくれるよ~~~~~』
ヴェルデ:「────チッ!!ピザな!?なんでも良いな!!!」
來泪:『できれば、会った時に食べさせてくれたじゃがいも乗ってるバジルの食べたいです。』
ヴェルデ:「任せろ!!!!!!!」
シャスタ:『あーサイドでポテトとチキンとサラダもおねがいしますー!!』
ヴェルデ:「それはお前が食べたいだけだろ!!」
來泪:『あ、私も……あとオレンジジュース欲しいです……。』
ヴェルデ:「OK!!!!手配しようッ!!!!では通信切るぞ!じゃあな!!」
(ヴェルデ、乱暴に通信を切る。)
ヴェルデ:「……………………んんん!!!耐えろ俺ェ!!!
ルイという女の心を開く事が出来れば世界を掌握出来るんだからッ!!!
……フフフ……ふはははははははははははははははは!!!!」
(ヴェルデ、笑いながらピザ屋に電話を掛ける。)
ヴェルデ:「──あーもしもしぃ!ポテトとベーコンのジェノベーゼピザを1つと照りマヨピザを1つ!!!!!!!!!!!」
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~貫徹サイド~
“S”:「……うん。一旦撒けたな。」
貫徹:「はぁー……なんでこんな事に……」
“S”:「これは3時間のハリウッド超大作では無いからな。回想は手短にな。」
貫徹:「何言ってんの急に?!」
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貫徹:始まりは、今日の朝……。
ニュース:「おはようございます。
本日は、あいにく世界規模で混乱した一日の始まりとなっています。
各地で地震や落雷、火災が相次いで発生しているほか、
地磁気の異常変動、いわゆるポールシフトの可能性も指摘されています。
さらに、一部地域では、すでに埋葬されたはずの遺体が地上に現れるという報告もあり、
専門家の間では『現実的な説明が追いついていない』という声が上がっています。
なお、現時点で人類滅亡の可能性については、“否定も肯定も出来ない”との事です。
続いて星座占いのコーナーでーす。」
貫徹:「……え……?どういうこと……?」
貫徹:意味が分からなかった。昨日まで普通だった日々が、急に崩壊した。
(家のチャイムが鳴る。)
貫徹:「……こんな時に、誰だろう。」
(貫徹、扉を開けようとする。)
“S”:「扉に触るな!そして伏せろ!!」
貫徹:「え?」
殺し殺し:「お命、頂戴致します。」
貫徹:「えぇ?!」
“S”:「させるかよッ!!」
殺し殺し:「────ッ」
“S”:「……ッ!!」
貫徹:呆けてる僕を男の人が扉から離す。
扉を貫通して二本の刀が飛び出してきた。
貫徹:「えぇ!?!うあああああああああああああ!!!!」
殺し殺し:「……何者。」
“S”:「人殺しに名乗る名など無い。
立てるかウイセ カンテツ。」
貫徹:「は……はい……。」
(殺し殺し、扉を蹴破る。)
殺し殺し:「……。
あら、貴方も仮面を付けているのね。私たちお揃いね。」
“S”:「……。」
殺し殺し:「無視……。
私は淑女ですので、名乗らせて頂きます。」
(殺し殺し、一礼、お辞儀する、)
殺し殺し:「私、最強にして最恐。最高最凶至高の殺し屋“殺し殺し(ころしごろし)”と申します。」
貫徹:「殺し屋?!」
殺し殺し:「お見知りおく必要はありませんわ。
だって、貴方達はここで死ぬんですもの。」
貫徹:「──なッ、一瞬で間合いを──」
殺し殺し:「改めて、さような──」
“S”:「させない、と言ってるだろ。」
(“S”、貫徹と殺し殺しの間に入って攻撃を弾く。)
殺し殺し:「……貴方、相当な手練の様ですね……。」
“S”:「そういうアンタはまだまだ手を抜いてくれている様子だな。」
殺し殺し:「…………。ま。貴方達諸共爆殺すればイイわね。」
貫徹:「わあ!服の中爆弾だらけ!」
“S”:「そうやって言葉の意味を考えてしまった時点で一手遅れている。」
(“S”、何かを落とす。)
殺し殺し:「────閃光弾ッ!!」
間。
殺し殺し:「居ない……!あの一瞬で……!」
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“S”:「回想終了。」
貫徹:「よく分からないままですが、助かりました……。」
“S”:「何、気にする事はない。
これから君には世界を救ってもらうんだからな。」
貫徹:「……え?」
“S”:「オレはエージェント“S”。そのまんまエスとでも呼んでくれ。
昨日、“初瀬 貫徹(ういせ かんてつ)”が振った女。あれ、“天使”だったんだ。」
貫徹:「えぇ?!」
“S”:「だが所謂、天にまします神様の従者的な感じじゃなくて、“星体管理小端末”って言われる、この星の一部みたいな物だ。」
貫徹:「えええええ?????」
“S”:「その星の一部が振られた悲しみで世界の危機って事だ。
今その子はとある組織に捕らえられているから救出して、お前はその子の想いに応える。
そうすれば世界は正常に戻る。それが今回のミッション。頼んだぞウイセ カンテツ。」
貫徹:「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
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~來泪サイド~
シャスタ:「ピザ美味しい?ルイちゃん。」
來泪:「はい……美味しいです……。」
シャスタ:「うふふ!良かった!
……ねぇねぇ、ルイちゃん、なんで泣いてたのー?」
來泪:「…………。」
シャスタ:「……まあまあ!話したくなったら話してね!
うちら、友達だから、ルイちゃんがもやもやしてるより笑顔な方が嬉しい!」
來泪:「友達って……昨日今日の仲なのに……?」
シャスタ:「昨日今日の仲でもだよ!うちはルイちゃんの友達になりたくなった!
だから!友達!」
來泪:「……そっか……えへへ。」
シャスタ:「えへへ!」
◇
ヴェルデ:「……。」
(ヴェルデ、モニター越しに二人を監視している。手には資料。)
ヴェルデ:「シャスタめ……作戦資料をちゃんと読んでないな……
來泪(るい)。苗字は不明。
この町に住む18歳。パン屋でバイトをしている。
その正体は、天使……『星体管理小端末・試作機“エンジェルコード:ρ/010(ローゼロイチゼロ)”』……。
その権能は、世界の磁場関連の安定。
だが、先日、同じ町に住む青年“初瀬 貫徹(ういせ かんてつ)”に告白し、振られた事により、管理機能にエラーが発生。
結果、世界はこの有様……。
ま、シャスタの場合、こんな情報邪魔だったかもしれんな。」
間。(ヴェルデ、資料を閉じる。てりマヨピザを手に取る。)
ヴェルデ:「……あの女の心が手に入れば、この世界を掌握出来る……。
『バンデラアラニャ』の支部長なんぞ……俺様の玉座には小さすぎる……
『バンデラアラニャ』の頭目……いやいや、国の王……!いやいや!世界の王!!神!!!」
(ヴェルデ、両腕で天を仰ぐ。)
ヴェルデ:「このフザけた茶番劇もこれで終いだァ!!!!!!
ふははははは!!!ふはははははははははははははははは!!!!!」
シャスタ:『ぼすぅ~』
ヴェルデ:「なんだ!!」
シャスタ:『ルイちゃんがオレンジジュースおかわりとのことですぅ~~~』
ヴェルデ:「飲みすぎだろ!分かったー!!すぐ持って行かせるー!!!
通信切るぞ!!」
シャスタ:『ありがとぼす──』
(ヴェルデ、通信を切る。)
ヴェルデ:「天使と精神年齢が近そうなのがシャスタしか居なかったから任せているが……本当に大丈夫なのか……?」
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~貫徹サイド~
“S”:「──で?なんで振ったんだ。」
貫徹:「え?いや?あの子の事あまり知らないから……。」
“S”:「なら付き合ってやったって良いじゃないか。」
貫徹:「えぇ??」
“S”:「付き合ってから知っていって、好きになる。そういう恋愛だってある。」
貫徹:「それで好きにならなかったら、相手の時間を奪う事になります。
時間だけじゃない。心を傷付ける事になるかもしれません。
だから、そういう恋愛はしません。」
“S”:「優しいんだな。」
貫徹:「優しさではありません。
……今よりもっと傷つけたくないだけです……。」
“S”:「……。
助け出すまでに気が変わっていなかったら、その女を破壊する。」
貫徹:「ッ!!」
“S”:「そうしなければ『バンデラアラニャ』から救い出したとて、状況は変わらないからな。」
貫徹:「そもそも!來泪(るい)が天使で、世界が滅茶苦茶なのもあの子のせいってのは本当なんですか?!信じられません!!」
“S”:「信じようが信じまいが自由だが、捕まってるのは事実だ。
助けなきゃだろ?」
貫徹:「…………!
というか、『バンデラアラニャ』って一体──」
“S”:「口を閉じてしっかり掴まれ!また爆弾の雨だ!!」
貫徹:「うわっ!うわあああああああああああああああ!!!!」
殺し殺し:「追いついたわっ!!」
貫徹:「さっきの人!!」
“S”:「そういえば、アイツが言っていた“殺し殺し(ころしごろし)”だが、
裏の世界で最強の一角と恐れられた怪物だ。
奴を殺そうとした奴を尽く返り討ちにし続けた結果、“殺し屋殺し”の異名が縮んで、“殺し殺し”と呼ばれている。」
貫徹:「滅茶苦茶やばいじゃないですか?!?!」
“S”:「あーやばいよなー」
貫徹:「なんでそんな他人事なんですか?!」
“S”:「とりあえずアイツを迎撃する。運転を頼むウイセ カンテツ。」
(“S”、貫徹にハンドルを渡し、車の天井を開ける。)
貫徹:「なんでハンドル外れるんですか?!」
殺し殺し:「……!
私の相手をしてくださるのかしら?」
“S”:「邪魔だからな。露払いだ。」
殺し殺し:「フフフ……!死になさい!!」
“S”:「また爆弾をバラ撒く奴か。その程度……!」
(“S”、再び1発を跳弾させて爆弾を全て破壊する。)
“S”:「ざっとこんなも──ッ!!」
殺し殺し:「フフフ。」
貫徹:「“S”さん?!なんか上の重量が増した気がするんですけど?!」
(殺し殺し、“S”たちの車の上に乗っている。)
殺し殺し:「貴方の心臓と脳みそ、頂きますッ!」
“S”:「そういうわけにもいかん。」
(“S”、殺し殺しの足を払う。)
殺し殺し:「きゃっ!」
“S”:「もうすぐ目的地に着くんでな。じゃあな。」
(“S”、車上から殺し殺しを蹴り落とす。)
殺し殺し:「うわあああああああああああああああああああああ!!!!」
“S”:「よし。」
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~來泪サイド~
シャスタ:「なるほどねぇ~振られちゃったのね~~」
來泪:「はい……。」
シャスタ:「それで、落ち込んでいる所をボスに拾われたと。
くぅ~~~~ボスも隅に置けないねぇ~~~~~!!」
來泪:「…………うぅ……。」
ヴェルデ:『おいシャスタ!!!ルイを泣き止ませろ!!!!!
うわあああああああああ蛙の雨だぁああああああああああああ!!!』
シャスタ:「?
でもボスの言うとーりだよー泣いたってしょーがないよ。
だって、そのウイセクンって人とはちゃんと喋った事が無かったんでしょ?
流石に急に付き合ってくださいって言ったって~むりむり~」
來泪:「うぅ……!!」
シャスタ:「この星に男が何人居ると思ってるの?……41億。女は40億。」
來泪:「ううう……」
ヴェルデ:『毒蛙では????毒蛙じゃないかぁああ!!!!!!!!!!!!!
シャスタァアアア!!!シャスタァアアアアアアアアアアアアア!!!!』
シャスタ:「あう。ごめんねルイちゃん?泣かせる気は無かったの。
そうだよね?そういう話じゃないもんね?……ほら、見て見て?」
來泪:「?」
シャスタ:「何もないところから~……はい、花が出てきました~」
來泪:「わ……!すごい……!」
シャスタ:「えへへーただの手品だけどねー
はい。あげる。」
來泪:「あ、ありがとうございます。
…………わたし、どうすれば良かったんでしょうか……。
過去のわたしは、どんな風に動いていれば……」
シャスタ:「……。
どーすれば良かったんだろうねぇー。」
來泪:「…………。」
シャスタ:「例えば、告白する前に徐々に仲良くなって、意識させておくべきだったかもしれない。」
來泪:「……。」
シャスタ:「例えば、好きになった時にもっとアピールして、印象付けておくべきだったかもしれない。」
來泪:「…………。」
シャスタ:「例えば、同じ学校や幼稚園保育園に通って、近くに居るべきだったかもしれない。」
來泪:「え?」
シャスタ:「例えば、お互いが生まれる前に親同士を仲良くして、生まれたら幼馴染になるようにしておくべきだったかもしれない。」
來泪:「む、無理ですよ……!通う学校や、生まれる前の事なんて、どうにもならないじゃないですか……!」
シャスタ:「今は。」
(一拍。)
シャスタ:「告白する前、好きになった時、生まれる前。どれも一緒だよ。」
來泪:「……っ」
シャスタ:「どうにもならない過去の話。100年前も10年20年前も、昨日も。
今のうちらじゃどーにもならない過去。
そーじゃない?」
來泪:「…………。」
シャスタ:「過去を反省するのは良いかもしれないけれど、過去のもしもを考えたって、今は変わらないよ?」
來泪:「……そうですよね。」
シャスタ:「今ルイちゃんが考えることは、これからを、じゃない?」
來泪:「これから……」
シャスタ:「そう!これから!お腹空いてる?」
來泪:「……ううん、ピザ美味しかった。」
シャスタ:「美味しかったよねー!喉渇いてる?」
來泪:「ちょこっとだけ……。」
シャスタ:「はい!オレンジジュース!」
(來泪、シャスタから渡されたグラスを飲む。)
來泪:「っぷは……ありがと。」
シャスタ:「うん!お腹いっぱい!喉も潤ってる!じゃあ!次はどうしたいか考えよー!」
來泪:「どうするか?じゃなくて?」
シャスタ:「やらないといけない事より、やりたい事やりたくない?」
來泪:「……うん!」
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~貫徹サイド~
“S”:「……あの建物だな。」
貫徹:「え?あのでっかいビルですか?」
“S”:「ああ。オセアニア地域の裏側を牛耳る犯罪組織『バンデラアラニャ』。
相当な大きさ故に、表の顔も当然ある。
この町では……ははは。いやはや、町どころか、この地方の銀行を掌握しているとはな。」
貫徹:「ええ?!じゃあ表向きちゃんとした公的機関って事ですか?!」
“S”:「ま。知ったことじゃないがな。ほら、ヘルメットだ。」
貫徹:「え?」
“S”:「さ!シートベルトをきつくして、しっかり掴まれ!突っ込むぞ!!」
貫徹:「なんですと?!このまま建物にカーミサイルですか!!!?」
“S”:「ああ。目指すは5階!飛ぶぞ!!」
貫徹:「そんな!ハリウッド映画じゃないですよコレ?!」
“S”:「ああ。だがオレの“超絶妙技(スーパースタント)”。魅せてやる。」
貫徹:「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
(“S”と貫徹が乗る車、上り坂を利用して飛ぶ。)
ヴェルデ:「……“殺し殺し(ころしごろし)”の奴……まだなのか……。
…………ん?」
(ヴェルデ、窓の外を見る。)
ヴェルデ:「なーんで車がこっちに飛んできてんだ?
飛んで……?飛んでェ!?!??!?!?!?!」
(車がヴェルデの居る階に突っ込んでくる。)
ヴェルデ:「……いっ……ててて……何とか避けられたから良かったものを……
毒蛙が降ってきたと思ったら次は車が飛んでくるとは……しかも5階に!!!
天使の磁場を操る力ってこんなんなの?!?!」
“S”:「やはりまたお前かヴェルデ・セレブロ。」
ヴェルデ:「エージェント“S”!という事は……お前が“初瀬 貫徹(ういせ かんてつ)”!」
貫徹:「……ど、どうも。」
ヴェルデ:「チッ!“殺し殺し(ころしごろし)”は失敗したか!大金を出したというのに!!」
“S”:「お前の負けだ。ヴェルデ・セレブロ。」
ヴェルデ:「“Che palle(ケッパッレ)”!お前はいつもいつも俺様の邪魔ばかりしやがって!!」
貫徹:「この人とは浅からぬ因縁なんですか“S”さん?」
“S”:「ああ。実は彼とは高校時代、学年が一緒でな。」
貫徹:「ん?」
“S”:「何かと縁があって邪魔している。」
ヴェルデ:「本当だよ!お前のせいで学年主席は取れないし体育祭も優勝出来ない!
しかもイケメンコンテストでもいっつも2番だ!!てかずっと思ってたけれどお前高校の時から見た目変わってなくない????」
“S”:「イケコンにオレは出たことなかっただろ。」
貫徹:「規模が小さい……。」
ヴェルデ:「うるさいうるさいうるさーい!!」
“S”:「今回こそお縄に付いてもらうぞ。ヴェルデ・セレブロ……いいや、ベート・レクレール。」
ヴェルデ:「人の本名を軽々と口にするな!俺様は言ってないだろうが!レギュレーション守れ!」
“S”:「問答無用!」
ヴェルデ:「も~~~~お前本当に話聞かない嫌い!!」
“S”:「ッ!!」
(“S”、退ける。)
ヴェルデ:「え……?な、何?なんで退いた……?」
“S”:「動くなベート!」
ヴェルデ:「ヴェルデ・セレブロだ!」
“S”:「お前の周囲に地雷が仕込まれている。」
ヴェルデ:「えええ????ここ土じゃなくて床なんですけど?????なんで????」
“S”:「ま、アイツの仕業だろうな。」
貫徹:「地雷……爆弾ってことは……」
殺し殺し:「ご明察。」
ヴェルデ:「コロシゴロシ?!一体どこから声が!」
殺し殺し:「上ですよ、依頼主様。」
“S”:「まさか依頼主も餌にするとはな。」
殺し殺し:「“目標(ターゲット)”の狙いは分かりきっているもの。
そこを突くのは当たり前で無くて?」
ヴェルデ:「流石は悪逆非道のコロシゴロシ!でも出来れば教えてね?ミスったら俺様もボン!だったからね?」
殺し殺し:「はい♪」
ヴェルデ:「その“はい♪”は何のはい?!」
“S”:「……流石に手早くは済ませられないな。
ウイセ カンテツ。お前が女を救い出せ。」
貫徹:「え?!」
“S”:「この更に上の階だ。行け!」
貫徹:「はい!!」
ヴェルデ:「あ!コロシゴロシ!あの男を殺せ!」
殺し殺し:「却下します。」
ヴェルデ:「えぇ???」
殺し殺し:「私はこの男を殺さないと気が済みませんわ!」
ヴェルデ:「“S”は確かに話聞かないしうざいけど!」
殺し殺し:「それに……」
(殺し殺し、構える。)
“S”:「……。」
殺し殺し:「そう簡単には行かなそうですしね……!」
“S”:「当然だ。」
ヴェルデ:「チッ!俺様が行く!お前が“S”を倒せ!」
殺し殺し:「最高の“命令(オーダー)”です!」
“S”:「……。」
殺し殺し:「あら。彼は通すのね。」
“S”:「ああ。」
殺し殺し:「“目標(ターゲット)”、殺されちゃいますよ?」
“S”:「それよりも早くアンタを倒して追いつけば良い。」
殺し殺し:「この最強のコロシゴロシを前にしてよくそんな大言壮語を吐けますね。」
“S”:「“本物”のコロシゴロシ相手だったら、な。」
殺し殺し:「ッ!!」
“S”:「まあ、本物だったら、そもそも初手でカーチェイスまで持って行かせては貰えなかっただろうな。」
殺し殺し:「…………。」
“S”:「人の名前を借りて仕事を貰う。よくある手だ。
詐欺詐称ではあるが、それで全うできれば問題無い。
全うできれば、だがな。」
殺し殺し:「ッ!!」
(“S”と殺し殺し、鍔迫り合う。)
“S”:「やはり剣は良いな。
こうやって、鍔迫り合えてしまう時点でコロシゴロシとしては失格だ。」
殺し殺し:「チッ!!大剣使いか!」
“S”:「そうやって簡単に化けの皮を剥がしてしまっている時点で一手遅れている。」
(“S”、シンプルな筋力で押す。)
殺し殺し:「きゃあッ!!」
“S”:「このまま!叩きつけるッ!!」
殺し殺し:「ぶえっ!………………ぐっ……なんて……馬鹿力……。」
(殺し殺し、気絶する。)
“S”:「さっさと縄で縛って…………おっと、確かに意識を失った筈だが、すぐに目を覚ますとは。」
殺し殺し:「くっ…………私は……ワタクシは!!」
“S”:「……。」
殺し殺し:「食い扶持の為に“あのお方”を騙ったのでは断じてッ!!」
“S”:「ッ」(構える。)
殺し殺し:「ありませんッ!!」
“S”:「……ふむ。一切目を離していないのに視覚外から走ってくる。
再び視覚内に捉えても、再び視覚外に移動している。
本物の“殺し殺し(ころしごろし)”と同じ歩法だな。」
殺し殺し:「如何にも!これは“あのお方”の御技!!
これを利用すればッ!!」
“S”:「ほう。複数の分身。なんだ。本物を超えた奥義か。」
殺し殺し:「本物を超えるなぞ愚かしいッ!これこそワタクシの本懐!ワタクシの想いの結晶ッ!
全ては“殺し殺し(ころしごろし)”による世界秩序の為にッ!!
死になさいッ!!エージェント“S”ッ!!!」
“S”:「…………。」
(“S”、串刺しになる。)
殺し殺し:「…………フフフ……今の動き……ワタクシは一人でも、全ての刃が実像とは思いませんでしたか?
確かに、貴方のお命…………ん?」
“S”:「何、ニブイチを外しただけだ。
だが、そんなもん些事だったんでな。」
殺し殺し:「ぬ……抜けない……ッ!!
くッ!そも貴方は心臓を滅多刺しにされて何故生きているッ!!」
“S”:「何、今の異常を利用させてもらってるだけだ。
どんな事が起きているか、覚えているか?
地震、落雷、火災、地磁気の異常変動、そして?」
殺し殺し:「死者の復活ッ!!」
“S”:「そういう事だ。
んじゃ、今度こそ眠りな。」
(“S”、殺し殺しの脳天に肘打ちを食らわせる。)
殺し殺し:「ぐは…………ッ!!」
間。
“S”:「……限界を超えて向かってくるとは、恐れ入ったな。
思ってたより時間を食っちまった。」
間。
“S”:「さて、あっちに行くか。」
間。(“S”の周りを大勢の人が囲む。)
“S”:「……と、言いたいところだったが、
ベート……ヴェルデ・セレブロの部下たちか。ひーふーみーよー……50人前後。
大体全員だな。
……すまないがウイセ カンテツ、しばらく一人で頑張ってもらう。」
(“S”、構える。)
“S”:「……よし。全員お縄だ!」
◇
(貫徹、走っている。)
貫徹:「ハァ……ハァ……ハァ……!
……逃げてばかりだな、僕……。
殺し屋からも……好意からも……だけど──」
ヴェルデ:「待てェ!!」
貫徹:「ッ!!」
ヴェルデ:「これ以上進ませないぜ……。」
貫徹:「……。」
ヴェルデ:「……そもそも、ルイに会ってどうする?」
貫徹:「分かりません。」
ヴェルデ:「ハッ!滑稽な!……まあ、そりゃそうだよな。
天使に愛を伝えられたって応えられるわけが無い。」
貫徹:「そういう貴方は、ルイを捕らえて、どうしたいんですか。」
ヴェルデ:「んん?そりゃ当然。世界を手に入れる。」
貫徹:「世界を、手に入れる……?」
ヴェルデ:「そう。ルイの力を使い、一度世界を崩壊させる。
その後、俺様を頂点とした世界を再構築する!!」
貫徹:「雑すぎる!」
ヴェルデ:「雑でもなんでも!ルイには!天使にはそれだけの力がある!!」
貫徹:「ルイは、自分が天使だって事は知っているんですか。」
ヴェルデ:「知らないさ。だからこうやって隔離した。
知るのはまず、ルイを俺様の傀儡にしてからだ!」
貫徹:「……であれば。」
ヴェルデ:「あ?」
(貫徹、構える。)
貫徹:「であれば貴方の企みを阻止する理由には十分だ!」
ヴェルデ:「お前に何が出来る!!」
(シャスタ、扉を開けて出てくる。)
シャスタ:「ちょっとぼす~今ルイちゃん寝てるんですから騒がしくしないでくださいよぉ~」
貫徹:「だ、誰?」
ヴェルデ:「シャスタ!何をしている!出てくるな!!」
シャスタ:「だ~か~ら~ルイちゃん寝てるんだから、シー……!」
ヴェルデ:「………………。ってそういう場合ではない!シャスタ!」
シャスタ:「し~……!」
ヴェルデ:「シャスタ……!やつをとらえろ……!」(小声)
シャスタ:「あいあいぼーす……!」(小声)
(ヴェルデとシャスタ、じりじりと近付く。)
貫徹:「まずい!!」
シャスタ:「しーぃ……!」
貫徹:「……まずい……!挟まれた……!」(小声)
ヴェルデ:「ふはははは……!」
シャスタ:「くっくっくっく~……」
貫徹:「ど……どうすれば……」
(來泪、部屋から出てくる。)
來泪:「ふあぁ……シャスタちゃん、どうしたの……?」
シャスタ:「ルイちゃん起きちゃった~?」
ヴェルデ:「ルイ……!」
貫徹:「ルイ!」
來泪:「ウイセくん?!どうしてここに?」
シャスタ:「え?え?え!もしかして例のルイちゃんの好きな人?!
きゃー!運命的な再会!」
ヴェルデ:「チッ!!」
(ヴェルデ、走って來泪を捕まえる。)
來泪:「きゃっ!ヴェ、ヴェルデさん?!」
ヴェルデ:「これ以上近付くな!!」
貫徹:「……!」
來泪:「ヴェルデさん……こ、これはどういう事ですか……?」
ヴェルデ:「ルイ。俺様はなあ。世界を手に入れる為に、お前を思いのままにしようと目論む悪党だったのさ。」
來泪:「そ……そんな……!」
シャスタ:「ボスってば!そんな強引なやり方じゃ女の子の心を射止められません!四半世紀前のやり方ですよ!」
ヴェルデ:「そういう事じゃねぇ!」
シャスタ:「でもシャスタはそんな強引俺様系なボスも……きゃっ!///」
ヴェルデ:「そういう事じゃねぇってば!!」
來泪:「せ、世界を手に入れるとか、一体何を言ってるんですか?!」
ヴェルデ:「お前が気にする必要は無い。
何せ、お前はこれから感情も知性も失うんだからな。」
來泪:「……!!」
貫徹:「させるか!!」
ヴェルデ:「動くなと言っただろう!!手元の銃が見えねぇのか!!」
貫徹:「クソ!どうすれば……!」
ヴェルデ:「シャスタ!屋上のヘリの準備を!」
シャスタ:「ボスぅ……ルイちゃんに……ウチの友達にひどい事するんですか……?」
ヴェルデ:「チッ!お前もルイとずっとに一緒に居たいだろ!?友達と離れ離れは嫌だろ?!」
シャスタ:「いや……ですけど……」
ヴェルデ:「ここから逃げられりゃ酷い事なんかせずに済む!な?!」
シャスタ:「だったら……」
“S”:「3時間越えのハリウッド超大作映画だったら逃がしちまっていたが、生憎違うんでな。」(声のみ聞こえる。)
(弾丸がヴェルデの持つ銃を弾く。)
ヴェルデ:「ぐあッ!!」
“S”:「今だ!ウイセ カンテツ!」
貫徹:「ッ!!」
(貫徹、駆け出す。)
貫徹:「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
(貫徹、ヴェルデに突進する。)
ヴェルデ:「ぐはあ!!」
シャスタ:「ボス!」
貫徹:「ルイ!こっちへ!」
來泪:「う、うん!」
ヴェルデ:「まッ!ま────…………“Che palle(ケッパッレ)”……」
(“S”、一瞬でヴェルデの脳天に銃を構えている。)
“S”:「……。」
シャスタ:「──ッ」
“S”:「シャスタ・デイジー。動くな。お前のボスの命が惜しくばな。」
シャスタ:「……っ」
來泪:「……助けて頂き、ありがとうございます……ウイセくん……。」
貫徹:「あ、いや……その、酷い事とかされなかったか?」
來泪:「い……いっぱいピザ、食べちゃいました……。」
貫徹:「ピザ。」
來泪:「ポテトとベーコンのジェノベーゼピザ……美味でした……へへへ……。」
貫徹:「そ、それは良かった……。」
來泪:「……。あの時と同じでした。」
貫徹:「え?」
來泪:「あたしがウイセくんを好きになった時。
……この町に来たばかりで、何も分からないまま、誘拐されそうになって……
あの時もこうやって、助けてくれました。」
貫徹:「……。」
來泪:「あの時から……今も、ウイセくんの事が好きです……。」
貫徹:「…………。」
“S”:「……。」
ヴェルデ:「……。」
シャスタ:「……。」
貫徹:「……ありがとう。だけど、やっぱり、ごめん。
それでも、僕は君のことを受け入れられない。
“S”さんには付き合ってから好きになっていけば良いって言われたけれど、
僕は、そんな曖昧な形で誰かと付き合う事は出来ない。
……ごめんね。」
來泪:「……。」
(貫徹、來泪を庇う様に“S”の前に立ちはだかる。)
貫徹:「だけど……“S”さん。」
來泪:「え?」
“S”:「ん。」
貫徹:「僕はルイの気持ちを受け入れられない。また泣かせてしまう。
それでも、傷つけさせません。
彼女の気持ちを利用して守られる世界なんて滑稽だ!!
そんな世界!滅んでしまえば良い!く、来るなら……来い!!」
“S”:「…………。」
ヴェルデ:「今だシャスタ!」
シャスタ:「はい!煙幕行かせていただきます!!」
貫徹:「ぐあっ!」
來泪:「きゃっ!」
ヴェルデ:「走れシャスタ!」
シャスタ:「はい!」
(窓が割れる音がする。)
來泪:「窓が割れる音が!」
貫徹:「な!投身自殺?!」
“S”:「いや……」
(ヘリコプターの風が煙幕を晴らす。)
貫徹:「うおおおッ!なんだ!!」
ヴェルデ:「フハハハハハハハハ!!これが俺様の逃走経路だァ!!!」
シャスタ:「わあ、コロシゴロシのお姉さんヘリコプターの操縦までやってのけるんですね!」
殺し殺し:「淑女たるもの、この程度アフタヌーンティー前です。」
“S”:「あの女……手足の腱でも切っておくべきだったか。」
殺し殺し:「うふふ……貴方が紳士で助かりましたわ。
“世界守護”最強の盾、エージェント“S”。
次にお会いした時は必ず、貴方を壊し、殺してみせますわ。」
“S”:「おう。その時はちゃんとコロシゴロシ以外の名前で頼むな。」
ヴェルデ:「これで勝ったと思うなよエージェント“S”ゥ!!
俺は……俺様は!!絶対に諦めないッ!!!」
シャスタ:「ルイちゃーん!頑張ってねー!!うち!めっちゃくちゃ応援してるからねー!!女の子は度胸!女は根気!恋する乙女は最強なんだから!!」
ヴェルデ:「ほーら逃げるぞ逃げるぞー!!」
殺し殺し:「御意に。」
シャスタ:「あらほらさっさー!」
(ヴェルデとシャスタと殺し殺し、高笑いをあげながらヘリコプターで逃げる。)
“S”:「ま。これで一件落着だな。」
貫徹:「え?あの人たち逃がしていいんですか?」
“S”:「良くはないが、目標を助け出せたんだ。一旦それで良いだろ。」
來泪:「あ、あの、ありがとうございました。」
“S”:「おう。」
貫徹:「……ッ」
“S”:「ははは。安心しろ、ウイセ カンテツ。
今連絡が入ったんだが、彼女を救い出した事で、世界中で起きていた異変は止まった。
世界はこれから徐々に戻っていくだろう
だから、オレは何もしないよ。」
貫徹:「……ほっ」
間。
來泪:「あ、あの。ウイセくん。」
貫徹:「ん?」
來泪:「……大丈夫。大丈夫です。泣いたりしませんから。」
貫徹:「……ルイ。」
來泪:「だって、振られちゃうのは、仕方のない事です。
ウイセくんにあたしの事知ってもらう努力をしてこなかったし、
世界には女の子が40億人も居るんだから……。」
間。
來泪:「だけど、諦めません。」
貫徹:「え?」
來泪:「これから、ウイセくんにあたしの事を沢山知ってもらって、
あたしもウイセくんの事を沢山知って、ウイセくんに好きに、大好きになってもらいます!
ウイセくんにとって、たった一人の特別な女の子になります!」
貫徹:「……。」
來泪:「何度振られたってへこたれません。根気比べですよ!ウイセくん!」
“S”:「……ふふふ。勝負を仕掛けられたんだ、受けて立つのが男ってもんだろウイセ カンテツ。」
貫徹:「……あははは……ま、参ったな……。」
來泪:「覚悟してくださいね!ウイセくん!」
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END