[台本]きょくげんハンバーガー
〇A
性別不問、年齢不問
航空機ハイジャックに会ってしまい、挙げ句の果てに機体がガス欠を起こして墜落し、
「もう助からないゾ♥」な状況からなんとか助かって無人島に漂流する。
まあまあ限界。
ちなみにA以外の搭乗者は無事でハイジャック犯も全員お縄。
〇B
性別不問、年齢不問
友人たちとクルージングしていたら鯨にぶつかってきてエンジンが壊れて海上で立ち往生、
突然のハリケーンに会って船が大破したが、彼だけ無人島に漂流する。
首の皮一枚なメンタル。
ちなみB以外の友人たちは運良く人のいる沖に打ち上げられた。
A:
B:
※一人称や語尾など言い方を変えても問題ありません。
↓これより下が台本本編です。
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(AとB、楽しそうに猫撫で声でやりとりしている。)
B:「かーぷっ♥」
A:「何してるのーん♥」
B:「かーぷっ♥」
A:「何食べてるのん♥」
B:「ハンバーガー♥」
A:「わあ♥僕も食べたィン♥」
B:「はーい♥あーん♥」
A:「かーぷっ♥もぐもぐ♥」
B:「どお?おいしン?♥」
A:「もぐもぐもぐ♥」
(A、スンと真顔になり猫撫で声を辞める。)
A:「まるで霞を食べている様だ。」
(Bも食べてるジェスチャーを辞めて猫撫で声を辞める。)
B:「だって何も食べてないもの。」
A:「……。」
B:「……。」
A:「無人島、辛いな。」
B:「漂流して5日。……早く助け来ないかなぁ。」
A:「ここがどこか、見当もつかないからな。
とにかく生き延びる事を考えるしかない。」
B:「それは凄くそう。」
A:「……。
それにしても、ハンバーガー食べたいなぁ。」
B:「食べたいね。」
A:「……。」
B:「……。」
A:「作ってみるか。」
B:「そうだね。作ってみよう。」
A:「とりあえずまずはバンズだな。
漂流物の中に塩と砂糖はあった。水も濾過装置を作っているからどうにかなる。
あとは小麦粉があればなんとかなるか。」
B:「だけどこの島、隅々まで探索したけれど、小麦やお米が自生している感じは無かったよ。」
A:「さて、どうしたものか。
小麦粉の代替品になるものって何があるのだろう。」
B:「んー……木の実?」
A:「そうなるな。
では、ある程度採取、なるだけ細かく粉砕、胚乳を集めてみるか。」
B:「そうしよう。」
A:数日後。
(AとB、楽しそうに猫撫で声でやりとりしている。)
B:「小麦粉の替わり、あつまれあつまれー♥」
A:「わあ!♥いっぱーい!♥」
B:「んふふー♥わたしたちィン、頑張ったねン♥」
A:「んねー♥じゃあ水分ぬきぬきしようねン♥」
B:「ぬきぬき♥」
(B、粉砕器を手に取る。)
B:「次はもっと細かくしよン♥」
A:「すりすり♥」
(AとB、スンと真顔になり猫撫で声を辞める。)
A:「で、出来上がったのがこれです。」
B:「お~~~……まあ、っぽいね。」
A:「うん。期待値高まったな。」
B:「じゃあ水と砂糖と塩を加えて捏ねて生地を作ろう。」
A:「うむ。そして出来たのがこちらだ。」
B:「3分クッキング方式だ。」
A:「ではこれを発酵させる為に、直射日光を避け、布を被せて数日放置だ。」
B:「楽しみ楽しみー」
A:「そしてこちらが数日置いたものだ。」
B:「3分クッキング方式だ。」
A:「さて、結果を見てみよう。」
(A、 布を取る。)
A:「……。」
B:「……。」
A:「一切、生地が膨らまない。」
B:「まあ、酵母もグルテンとかも無いだろうしね。」
A:「それはそうなんだよな。
とりあえず、バンズっぽい形に成形して、この数日で作った竈門で焼いてみよう。」
B:「まあ、膨らまずともパンっぽくなれば良いからね。」
A:「レッツ、ベイキング!!」
間。
(AとB、楽しそうに猫撫で声でやりとりしている。)
A:「焼けたゆ!♥」
B:「わ!くろーい!♥」
A:「においはどうかなン♥」
B:「くんくん♥」
A:「くんくん♥」
(AとB、スンと真顔になり猫撫で声を辞める。)
A:「くせぇ!!」
B:「焦げたから臭いとかじゃない……!とにかく臭い……!」
(AとB、猫撫で声を再開する。)
A:「で、でもっ!大事なのは、あーじっ♥」
B:「うんうん♥」
A:「ちぎってはんぶんこんこんしよっ♥」
B:「こんこんっ♥」
(A、二つに千切ろうとするが……)
A:「か……硬ェ……!!
んだこれ!石か?!?!」
B:「が、がんばれ!君ならいけるよ!!」
A:「ぐ……!ぐおおお……!!……っえーい!いけたァ……!!」
B:「おー!流石~~!」
(AとB、猫撫で声を再開する。)
A:「はぁ……はぁ……さ……さ♥食べよっ♥」
B:「うん♥」
A:「かーぷっ♥」
B:「かーぷっ♥」
間。
(AとB、スンと真顔になり猫撫で声を辞める。)
A:「苦い、渋い、粉っぽい、死ぬ程不味い。」
B:「分かってはいたけどカッチカチだしパサパサ。」
A:「失敗だな。」
B:「まだ一回目だよ?」
A:「勿論この方法は継続し、経過観察はする。
それはそれとして別の方法も模索しよう。」
B:「おー!」
A:「さて、どうするか。」
B:「パンを一から作るのが土台無理だったかも。」
A:「土台ガタガタだからな。」
B:「そうなってくるとバンズの代わりになるものを探そう。」
A:「根菜なんてどうだろうか。」
B:「そういえばじゃがいもっぽいのが採取出来たよね。」
A:「そう。じゃがいもっぽいのがね。」
B:「これを蒸かして形を整えてバンズっぽくしてみよう。」
間。
A:「よし、とりあえず試作1号。」
B:「すんすん……うんうん良い感じの香り。」
A:「これは期待値高まったな。」
B:「よし、半分こして試食してみよう。」
A:「いざ実食。」
(AとB、食べる。)
間。
(AとB、嬉しそうな猫撫で声になる。)
A:「んんん~~~♥」
B:「おいちぃ~♥」
A:「おいちぃ~ねいン♥」
B:「こんなにおいしいのン♥無人島来てから初めてン♥」
A:「だうねぇ♥」
B:「だうだう~♥」
(AとB、スンと真顔になり猫撫で声を辞める。)
A:「だがしかしな。」
B:「うん。しかし、だね。」
A:「これを、細長く成形して──」
B:「小麦粉の代替品、“木の実粉(きのみこ)”制作の際の副産物、“木の実油(きのみあぶら)”で揚げる……!」
(B、 素晴らしい手際で揚げていく。)
A:「最後に塩をまぶす!…………これはッ!!」
(A、揚げられたじゃがいもっぽいものを食べる。)
B:「そう!!French friesッ!!」
A:「French fries are popular deep-fried, batonnet-cut potatoes, served hot and crispy as a snack!」(※ちゃんと言えていようがいまいがどちらでも良いです。)
(訳:フライドポテトは、棒状にカットしたジャガイモを揚げたもので、熱々カリカリに揚げられたおやつとして人気があります。)
B:「つまりとてもおいしい!」
A:「だがしかしな。」
B:「うん。しかし、だね。」
A:「我々が食べたいのはハンバーガーなのだ。」
B:「そう。これはとても喜ばしい副産物だけれど、
それでも目指す正道は遥かに遠い。」
A:「うむ。頑張ろう!」
B:「おー!!」
◇
A:「ハンバーガーを食べたいと思ってから半年。」
B:「こちらは、家畜化した猪っぽい肉で作ったパティ。」
A:「こっちは別に“レタスみ”も“キャベツみ”も無いけれど、食べられる草。」
B:「見た目がトマトっぽいやつとその他諸々で作ったソース。」
間。(AとB、膝をつく。)
A:「結局、バンズが……!!」
B:「作れないまま……!!」
A:「雨風凌げる頑強な家を建てても!」
B:「用水路を引き、自動濾過された安全な水を供給出来る様になっても!」
A:「猪!山羊!狐!よく分かんない鳥!を!家畜化出来ても!」
B:「定期的に収穫出来る畑のルーティンを組みきっても……!!」
(AとB、慟哭する。)
A:「結局、バンズが……!!」
B:「作れないまま……!!」
A:「……かくなる上は……」
B:「そうだね……」
間。
B:「こちらは、家畜化した猪っぽい肉で作ったパティ。」
A:「こっちは別に“レタスみ”も“キャベツみ”も無いけれど、食べられる草。」
B:「見た目がトマトっぽいやつとその他諸々で作ったソース。」
A:「これは……バンズ抜きのハンバーガーだ。」
B:「バンズ抜きのハンバーガー……!
しかし!それはハンバーガー足り得るのだろうか……!」
A:「足り得なくても!!」
B:「ッ!!」
A:「目を瞑れ……!」
( B、悔しそうにぎゅっと目を瞑る。)
B:「く……ッ!!」
A:「バンズは想像しよう……!」
B:「そう……ぞう……!」
A:「そう!仕方が無い!詮無きこと!是非もなし!だって……!
ここ無人島だもの!!」
B:「そう!ここは無人島……!
嗚呼!我々はなんてちっぽけなのだろうか……!
ハンバーガーの1つさえ、再現させられない……!」
A:「しかし、これで終わりではない。」
(A、 Bにバンズ抜きハンバーガーを渡す。)
B:「……!」
A:「これは、勝利へ繋ぐ為の敗北。
ここから、また始めよう。」
B:「うん!
……じゃあ、食べようか。バンズ抜きハンバーガーを。」
A:「うむ。」
(AとB、バンズ抜きハンバーガーを手に取り、猫撫で声になる。)
A:「かーぷっ♥」
B:「かーぷっ♥」
A:「もぐもぐもぐもぐ♥」
B:「もぐもぐもぐもぐ♥」
A:「もぐもぐもぐもぐ♥」
B:「もぐもぐもぐもぐ♥」
A:「もぐもぐもぐもぐ!♥」
B:「もぐもぐもぐもぐ!♥」
間。
(A、スンと真顔になり猫撫で声を辞める。)
A:「流石にこれをハンバーガーと言うのは無理があるな。」
(Bも食べてる手を止めて猫撫で声を辞める。)
B:「これ私たちの普段のご飯だもんね。」
A:「……。」
B:「……。」
A:「無人島、辛いな。」
B:「漂流して半年。……早く助け来ないかなぁ。」
A:「用水路を利用した水力発電で、灯台と通信機を作ったが、成果は無い。」
B:「今はとにかく生き延びる事を考えるしかない。」
A:「それは凄くそう。」
B:「……。
それにしても、ハンバーガー食べたいなぁ。」
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END