改革の進め方

今全国でPTAの強制加入や学校との関係のあり方等が問題になっています。共働きの増加や個人情報保護法への対応の遅れ、非効率な運営方法がトラブルを招いています。ここでは典型的な強制PTA、年度後半(10~11月頃)に会長等の役員候補を引き受け、次年度初めからできるだけ短期間で徹底した脱強制・適正化改革を実現するための進め方についてご紹介します。

学校からの名簿提供もしくはPTAからの誤った説明や同調圧力によって強制加入が行われている場合、まずやるべきことは①教育委員会への問い合わせと②校長との面談です。

①で結社の自由や個人情報保護法を否定する公務員はいませんので、強制はダメという言質をとった上で、②に進むという順番が重要です。上部組織から何らかの通知を受けた上で、正面から違法性を指摘されて否定できる校長はいませんので、学校許可のもと校内で活動する団体(PTA)の「任意加入徹底」について同意を取り付けましょう。

それまで一会員の立場で質問や反対投票をしていたとしても、強制PTAには何の影響も及ぼせていないことが大半ですので、ゼロからのスタートと考えましょう。11~3月に市・学校とやりとりをし、新年度役員候補の賛同を得ておきたいところですが、強制PTAでは往々にして新役員候補は3月の総会で発表するまで秘密とし、候補者間で連絡をとらせない、ということが行われます。連絡をとれる場合は問題ないですが、そうでない場合、承認後すぐに改革の方向について他の新役員に理解と協力をいただけるような説明資料の準備が必要です。

真に任意加入を徹底すれば会員は激減しますので、収支と会費設定の検討は新年度までにしておきましょう。エクセル等の表計算ソフトで縦に収入と支出(費目)、横に年度(2~3年度分)を並べ、後述の「目的の明確化と活動のスリム化」とあわせてリストラを検討する方法がお勧めです。ここで一般的な旧態PTAなら支出をまずは1/2から1/3にできると思います。

4月の新年度開始と同時すべきことは入会届配布と任意加入徹底のための説明会開催(複数回)です。ここから最初の予算総会で次の改革の3本柱を実施することを目指しましょう

①任意加入の徹底

これは最低限解決しなければならない法律上の要請です。入会届の配付によって真に任意加入が周知・理解されれば会員数は激減しますが、目的を共有する意欲ある人だけが残、後述するスリム化により会費収入に見合う活動に整理できれば問題はありません。また、任意加入の徹底と合わせて、役職・活動についても立候補を原則とし、会員の意思に反して活動させられることがないよう規約を改正しましょう。

②目的の明確化と活動のスリム化

従来のPTA問題の多くは「何のための活動か」が忘れられているにも関わらず活動負担だけが強制的に引き継がれたことにあります。目的を「本校で学ぶすべての子どもたちの学習環境と通学環境の改善」等と明確化・限定することがお勧めです。PTAは保護者会員と教職員会員の話し合いの場として、教育行政の水準をチェックし、不備があれば要望を行い、さらなる改善のための活動を独自に行う団体であることを明確化しましょう。個別の事業やイベントは目的を実現するための手段の一つとして、有志会員からなる特別委員会が会員・非会員問わずボランティアを募集して運営することとすれば、やる気のある人が集まった人数で運営する組織に転換できます。

③IT活用と活動の透明化

従来のPTA活動は情報共有を紙のみに依存したために役員負担が大きく、情報の不透明性が不信感につながっていたことから、メール、ブログ、ウェブフォーム、LINEを活用して負担軽減と透明性の向上を図りましょう(ただし、紙配布の効果も大きいため、一部選択的に残すなど、現実的な対応が重要です)。

PTAの脱強制・適正化改革の詳細なノウハウについては全国PTA連絡協議会編著『PTA、こうやって変えました!』をご覧ください。