NMR実用技術交流会 設立趣意
NMR(核磁気共鳴法)は、物質の構造から動態までを分子レベルで解き明かす極めて強力な分析手法であり、基礎科学のみならず、医薬、材料、食品、環境・エネルギーなど、現代の産業発展を支える基盤技術として独自の地位を占めています。
しかしながら、NMRは高度な専門性を要する技術であり、現場の研究者・技術者は多くの課題に直面しています。
・「測定手法の複雑化」:さまざまな測定手法に対し、パルスプログラムや最適条件の設定が複雑で、最新情報への更新が容易でない状態となっています。
・「解析の属人化とブラックボックス化」:ノウハウが個人の経験に依存し、組織内での継承や若手の育成が困難になっています。
・「企業間・産学間の技術的孤立」:日常の些細な「コツ」や失敗事例から得られる貴重な知見を共有する場が限られる状態となっています。
これらは、個別の企業や研究室の努力だけでは解決が難しく、我が国全体のNMR活用力の低下を招きかねない切実な問題です。
そこで私たちは「NMR実用技術交流会(略称:PractNMR)」を設立し、産業界を中心に、NMR実務に携わる研究者・技術者等、多様な関係者が集い、実用技術の発表、意見交換、技術交流および人材育成を行う場を提供することを提案します。本会は、単なる学術発表の場ではなく、実務者が直面する現場の課題を起点とした互助的なコミュニティを目指します。
(1)実用技術のオープンな共有:最新のアプリケーション、前処理の工夫、データ解析の自動化など、即戦力となる実務的知見を共有します。
(2)実務者ネットワークの構築:所属を超えた相談が可能な、信頼できる人的ネットワークを形成します。
(3)次世代の技術者育成:若手や異分野からの参入者が、体系的な実務知を効率的に習得できる機会を提供します。
本会は、これらの活動方針を通じて、NMRという強力な手法を誰もが活用できる環境整備を進め、日本の科学技術の発展と産業競争力の向上に寄与することを目指します。
2026年2月18日
NMR実用技術交流会 設立準備委員会 委員一同