こんなものを書き始めましたがペタンクの投げ方に正解はありません。
何人かいろんな選手の投げ方を紹介します。
今世界で一番有名であろうペタンクプレイヤーDylan選手(フランス)
総合力だと最強かも?Sarawut選手(タイ)
フランスの至宝?Bonetto選手(フランス)
握り方が独特な女性選手(カンボジア)
かなり独特な投げ方をする選手(タイ?)
以上見て分かるように色んな投げ方があります。動画の中の他の人の投げ方もぜひ見てみてください。
人によって体は微妙に違うわけで、フォームに唯一の正解というものはありません。
個人的にはペタンクがもっと普及すると、指導が標準化されて独特なフォームで投げる人は減ると思っていますが。
しかし、いろいろなフォームがあるとはいえ必ず守ったほうがいい原則が存在すると思っています。
それは
真下からリリースポイントにかけての手の軌道の先に目標がある
リリースの時に指がラインの方向を向いている
です。
もちろん上記の選手たちのフォームもこの原則には反していません。
真下からリリースポイントにかけての手の軌道の先に目標がある
これができているとだいたいまっすぐに投げることができます。
要は下の図のように鉛直面上で腕を振ることができていればいいのですが、理想的にはバックスイングからリリースまで鉛直面上で腕を振ることができるとGoodです。
ボールをまっすぐ投げるためには当然では?と思うかもしれませんが、初心者のうちはどこがまっすぐなのかわからないこともあり、なかなか難しいです。
※ 特に初心者のうちはバックスイングをまっすぐ引いたと思ったら背中側に入っていることが多いです。悪いとは言いませんが、腕が外回りになる原因になりやすいので意識するといいと思います。
影や鏡で自分のフォームを確認する、外内外の意識(バックスイングを引いた時点で外、腕が真下を通る時点で内、リリース時に外)で投げるといった修正方法が考えられるでしょう。
2. リリースの時に指がラインの方向を向いている
腕がまっすぐ出ていてもこれができていないためにボールに横回転がかかってしまったり、ボールが指に変に引っかかって左右に曲がることがあります。
下の画像のように指(というか掌の法線)が鉛直面上にあると安定したリリースになります。
理想は振り子です。
振り子の糸を途中で切ると、振り子は振り子が動いていた面上に飛んでいきますよね?
まずは肩を支点とした振り子になった気持ちで投げましょう。
上記の原則を守っていればどんなフォームでもいいとは思うのですが、やはり定跡というか定番の投げ方はあるので順を追って説明します。
いろいろありますが、基本的には
ゆったり構えるため、足はぴったりくっつけるのではなく少し離して右足を少し前に出す(もちろんサークルからはみ出ないように)
少し右に上体を傾けることで右腕をまっすぐ振るスペースを確保する
という点には気をつけておきたいです。
Bonetto選手の構え
前、ないしは真下あたりに構えておいた腕を真後ろに引きます。
このとき構えていた腕の力を抜くことで、楽に引くのがいいと思います。
振り子の固定を外して逆側まで自然と動くイメージです。
すでに説明していますが、このときから手(やブール)がライン上で動いているとフォワードスイングも自然とまっすぐになりやすくGoodだと思います。
この人は特に振り子っぽい投げ方をしています。
最初に腕を上げることで位置エネルギーを得るイメージ
https://www.youtube.com/watch?v=E4joLrTCZ_0&ab_channel=TanguyPenin
今度は振り子が前に振られます。
肘を曲げないようにまっすぐライン上でスイングしましょう。
ボールを握ったまま腕を振るだけではボールは前に飛んでいきません。ボールを放す必要があります。
ペタンクの投球動作で最も難しいところだと思います。
リリースする方法として2種類あると思っています。
手首を返して抜く
タイなどアジアの選手に多い投げ方です。
腕を止めて手首を返すことで握りがほどけて自然とボールが離れます。
この投げ方のメリットは以下であると考えています。
ボールが手のひらや指の上を転がっていくので回転がかかりやすい
リリースポイントの制御がしやすい
腕をそのまま振り抜いて抜く
フランスなどヨーロッパの選手などに多い投げ方です。
リリースポイントあたりを超えても腕を振り抜くことでボールが手から離れます。
この投げ方のメリットは以下であると考えています。
腕のスピードの変化が小さいので、ボールのスピードが安定しやすい
腕を止めないのでコースがが外れにくい
ただ、完全にこの2種類に分かれるかというとそうではなく、
手首を返して抜いて投げるけど、腕も少し振り抜く
腕をそのまま振り抜いて投げるけど、手首も返す
というミックスされた投げ方がほとんどです。
あくまでどちらに寄っているかというように考えればいいかと思います。
それぞれのリリースのデメリットは、もう一方の方法の裏返しで、
1 の投げ方のデメリットは
急に腕を止めるのでボールのスピードが安定しづらい
急に腕を止めるのでボールのコースが安定しづらい
2 の投げ方のデメリットは
回転がかかりにくい
リリースポイントが安定しづらい
ただ、どのデメリットも練習することでカバーできる範囲です。
どちらの投げ方もできるようにしておいて損はないかと思います。
ここにいろんな人のリリースのスロー映像があるので参考になります。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid02WUx3xticeyd5Hae9pVgu2972peGpkVrVZd6wMcuwTn3mUNWfmKdCphev5cUVC1bjl&id=100092374298952&mibextid=WC7FNe
ここまで述べてきたのは、主にコース上にボールを投げるための話でした。
しかし、いくらまっすぐ投げられてもショート、オーバーしてしまっては意味がありません(コースが外れるよりはマシですが...)。
しかし距離感を合わせるための魔法のような方法があるのかというとそんなことはありません。
ボールの軌道が何によって決まるかというと、ボールの初速と角度です。
投げたい距離、高さに応じて、腕を振るスピードとリリースポイントをうまく調整することによって、所望のスピードと角度でボールをリリースする他ありません。
スピンの掛け方まで考え出すととても難しいです。
基本的には投げられるまでの間、ボールは肩を中心に円運動しているので、45度の角度で投げたいのであれば45度の角度のところでリリースすればいいのです。(下右図)
これは意識して練習すればそのうちできるようになります。
が、実戦で使うレベルになると、数cmの調整ができるようになる必要があるので、やはりひたすら投げ込んで練習するしかないです。
理論編完