私の初めての作品です。なぜ最初にこんな列車を作ろうとしたかは覚えていません(笑)ですが、ペンネームのパシフィックに由来にもなった記念すべき作品です。
最初の作品ですが、動力からフルスクラッチしたり、電装も施したりとだいぶ挑戦的なことをしたなと思います。当然うまく走らないことが多く、車両性能の向上を志すきっかけにもなりました。
特急あじあ号 昭和9年11月
パシナ型 - テユ8(手荷物郵便車) - ハ8(三等車) - ハ8(三等車) - シ8(食堂車) - ロ8(二等車) - テンイ8(一等展望車)
有名なパシナ型を先頭に流線形客車6両の編成です。昭和9年の登場時の編成をモデルにしています。
979号機は川崎車両で製造された1500両目の記念すべき車両です。
当時からプラ板フルスクラッチは変わっていませんが、プラ板の曲げ方などは試行錯誤している様子がうかがえます。また、連結棒と主連棒を再現したり、スポーク車輪も間を抜いたりして足回りもリアルにしています。動力は自作のテンダードライブ方式ですが、ウォームギヤ1段減速の初代はあまりに牽引力が小さかったので、後にクラウンギヤを用いた方式に作り直しています。
パシナが注目されがちですが、客車もあじあ号の特徴のひとつです。やはり客車も特徴を再現するために、プラ板フルスクラッチすることにしました。側面の厚さ1.5mm、屋根の厚さ1mmという規格は2023年現在も変わっていません。今の車体製造技術の基礎になった車両ですね。尾灯をあとで電装化するつもりでしたが、結局できていません。
当時はパソコンによる設計は行っておらず、プラ板に鉛筆で直接罫書いて切り出していました。
車体の緑とグレーはタミヤの缶スプレーで塗装し、銀色の帯は筆塗です。
パシナ製造の様子。プラ板で骨組みを組んでます。何もかも初めてなので見様見真似で作ってました。
ある程度組みあがった段階。途中で気に入らなくなってスポークやロッドも手を加えました。
初代の動力です。モータ自体を傾けることでスパーギヤから離し、手転がしに切り替えていました。
二代目の動力です。製品を参考にし、クラウンギヤをずらして手転がしに切り替える方式でした。
客車の罫書の様子です。同じ車両を量産するわけではないので手書きでもなんとかなりました。
展望車の仮組中。曲面はいくつかに分割してプラ板を貼り、それ以外はパテで造形しています。
起工:2015年5月頃
竣工:2015年11月
現状:動力装置の老朽化に伴い静態保存(2023年8月現在)