流電として有名なモハ52ですが、後の増備は半流型のモハ43となりました。流線形ではないものの、シル・ヘッダーがなく、張り上げ屋根のスマートな電車です。
見た目は旧型国電そのものですが、この作品の最大の特徴は、PDCCシステム(準備中)の始祖である制御回路を搭載していることです。赤外線コントローラによる前進・後進の切り替えと6段階の速度制御、磁石検知による自動折り返し機構を備えていました。
ただし、当時は技術力が低かったため、回路や動力機構の安定性が乏しく、まともに走れる作品にはなりませんでした。この反省を生かして、その後は「運転会でちゃんと走れる車両を作る」ということをテーマにして、研究を重ねていくことになります。
残念ながら、あまり走らせないまま廃車になってしまったのであまり写真がありません。
旧型国電といってもシル・ヘッダーがないタイプですので、車体の製作はそれほど難しくありませんでした。一方、足回りの製作にはかなり苦労しました。当時の制御回路は大きかったので、車内にはぎりぎりまで回路が入っています。
当時はまだプリント基板の製造技術がなかったので部品はすべてユニバーサル基板にはんだ付けしています。スペースの関係で基板は3つに分かれており、それぞれが配線で接続されていたため、一層複雑になっています。
メインは足回りなので、まずはこちらから製作しました。2両の動力車が協調して走行可能かテストしているところです。
続いて車体も作っていきます。これは中間のサハを組み立てているところです。2段窓のサッシは1mmプラ棒を使いました。
台車と組み合わせた状態です。屋根を取り付ける前なので、ギチギチに回路が入っているのが分かります。
2017年8月のプラレールひろばinちゅうおうでの走行風景です。
2017年11月の大学の学祭にて。先輩のHOゲージとの並びです。
起工:2017年5月頃
竣工:2017年7月
現状:廃車済み(2023年12月現在)