2023年10月の鉄道模型ひろばinルミエール府中ではじめて自分のブースを出展させていただくことになりました。レイアウトを出展するなら、やりたいことがありました。それは閉塞信号機による複数列車の自動運転整理です。これまで1つのレイアウトに複数の列車を走らせることはありましたが、手動による運転整理だったため、忙しく、事故のリスクもありました。今回はそれを自動化し、小さいレイアウトながら、1ループに2列車同時走行、上下線で合計4列車の走行を目指しました。
とはいえ、運転会への出展が決まったのは開催の約1か月前。時間がないので完璧なものを作ろうとはせず、「プロトタイプ」として割り切りました。列車の検知機能は不完全ですし、ストップレール駆動用のサーボも大きく、信号間の通信も有線です。しかし、とりあえず作ったおかげで、様々な改善点が見つかりました。今後は閉塞信号機の量産型の開発を進めていきます。
サーボモータでストップレールを動かす単純な構造です。
列車を検知するセンサは透過型のフォトインタラプタです。これをレール面に2か所装備しています。車輪の数をカウントし、2つのセンサのカウント値に差があれば、車両が残っているという判定になります。
三灯式の信号機も取り付けてみました。
この閉塞信号機は2つセットで使用します。ループ線を2閉塞区間に分け、お互い閉塞区間の進入と進出を制御する方式です。そのため、2台の信号機はUARTで通信します。
1ループを2閉塞区間に分けるのですが、完全に2閉塞区間しかないと2列車運転ではデッドロックしてしまいます。そのため、信号機の前のストップレール区間も1閉塞とみなし、実質的には4閉塞ある想定でプログラムを組みました。
したがって図の閉塞Dに列車が到達した瞬間に信号①はY現示になるので、列車の最後尾が閉塞Cを抜け切る前に閉塞Cへの他の列車の進入を許すことになり、完全な閉塞ではありません。ここは割り切っています。
また、車輪カウント方式による列車検知の精度がよくなく、誤動作を前提とした列車を保護するためのプログラムとなっているので、やはり厳密な閉塞ではありません。2日間の運転会で数回、衝突が発生していました。量産型では改良が必要です。
信号機は3Dプリンタで出力しています。いい感じにデフォルメできたと思います。
駅の先端に設置しました。どうしても停止位置はホームを超えてしまいます。小型化してホームの下に収めたいです。
起工:2023年9月頃
竣工:2023年9月
現状:供用中(2023年12月現在)