Image: The Doctor. Luke Fildes, Public domain, via Wikimedia Commons
2025年4月12日(土) 10-17時
会場:東京大学本郷キャンパス 医学部教育研究棟13階第6セミナー室 (地図の35番) / オンライン (ハイブリッド)
言語:英語
参加費: 無料 (若手向けのトラベルグラントを準備しています)
2025年4月12日に、Somogy Varga氏をKeynote Speakerとしてお招きし、医学の科学哲学ワークショップを開催しました。本ワークショップは、もともと我々の読書会医学の哲学読書会で読み進めている本Science, Medicine, and the Aims of Inquiryの著者であるSomogy Varga氏が、早稲田大学高等研究院の招聘研究員として来日することをきっかけに企画・実現しました。
当日は対面・オンライン合わせて国内外から約40名に参加いただき、哲学・医学はもちろん、それ以外の心理学や医療人類学など多様なバックグラウンドを持つ学生・研究者が集まりました。丸一日、多様な視点からディスカッションができ、また将来の共同研究を見据えた参加者同士の繋がりも育まれ、非常に有意義な会となりました。
今回はKeynote Lecture以外にも3名の演者の発表を行いました。佐藤からは臨床医学研究と基礎医学研究における知識の違いを、論文の書かれ方や図表の数に着目して議論しました。共同主催者の清水からは、科学哲学における価値の議論と、臨床研究倫理における社会的価値の必要性(SVR: Social Value Requirement)の交差点を参照しながら、科学哲学と臨床研究倫理の両方を見据えた研究の必要性が論じられました。榊原氏からは、精神医学の特徴について、疾患の症状が行為の道徳性と関連することや、機械論的なアプローチが未だ困難であること、また客体化の問題がより複雑であることが論じられました。
Keynote LectureのSomogy Varga氏からは、特に医学の目的について、最近の著書Science, Medicine, and the Aims of Inquiryで行われている議論を中心に、医学の目的は健康を促進し個々人の自律性を強化することである、と発表いただきました。発表後活発な質疑応答が交わされ、45分間のディスカッションの時間があっという間でした。
Keynote Lectureの後には、参加者の方に5分以内でご自身の研究を紹介いただくフラッシュトークを行い、国内外から10名を超える発表をいただきました。医学の科学哲学に関心をお持ちの方が数多くおり、これをさらに大きな学術研究の流れにしていける可能性を感じました。多くの皆様にご参加いただき、感謝いたします。
本ワークショップの開催、Somogy Varga氏の招聘、そして若手研究者へのトラベルグラント支給について、中辻創智社と早稲田大学高等研究院の支援を受けました。貴重なご支援に心より感謝いたします。
佐藤達之(主催者一同を代表して)
(Updated 4/8)
10:00 Opening
10:15-11:00 Tatsuyuki Sato
"Clinical and Basic Medical Sciences: What’s in Common and What’s Different”
11:00-11:45 Ukyo Shimizu
"Bridging Philosophy of Science and Clinical Research Ethics: Towards a Valuable Integration"
11:45-13:00 Lunch Break
13:00-13:45 Eisuke Sakakibara
"Psychiatry as a practice of treating disorders with patients' active involvement"
13:45-14:45 Keynote lecture: Dr. Somogy Varga
"Philosophy of Medicine: Recent Advances and Future Directions"
14:45-15:30 Discussion
15:45-16:15 In-person flash talks
16:15-17:00 Online flash talks
17:00 Closing
18:00- Networking & Dinner (有料)
参加登録はこちら。登録期限は4月8日(火)です。
フラッシュトークの登録はこちら。
トラベルグラントの申請はこちら。
フラッシュトークもしくはトラベルグラントをご希望の方は, 3月31日を締め切りとします。
本ワークショップでは、フラッシュトークの発表者を募集しています。発表時間は1~5分程度で、医学の哲学に関連するテーマであれば、現在考えていることや、すでに完成した過去のプロジェクトについてなど、自由にお話しいただけます。
オンライン・対面の両方での発表が可能です。言語は英語でお願いします。時間の都合上、すべての希望者の発表をお受けできない場合がございます。その場合は、対面での参加者を優先いたします。あらかじめご了承ください。
フラッシュトークの応募はこちら。
本ワークショップでは、若手医療従事者・研究者を対象に、旅費の一部補助としてトラベルグラントを提供します。
予算の都合上、補助は国内旅費に限ります。 また、対面参加者のみが対象となり、フラッシュトークを発表される方を優先的に支援する方針です。
トラベルグラントの申請はこちら。
グラント関連の今後の予定:
3月31日,午後11:59 (日本時間): 申請締め切り
4月7日: グラント支給対象者決定
4月12日: ワークショップ
4月19日: 領収書提出締め切り
グラントの振り込みは5月から6月の予定です。
お問い合わせ先:佐藤達之(tatsuyukisato[at]gmail.com)
本ワークショップは中辻創智社と早稲田大学高等研究院からの支援を受けて実施します。