はじめに
私が司法書士を目指すことにしたきっかけとしては、コロナ禍で時間が多く余っていたため、法律関係の資格をとりたいと考えたからです。
様々な資格がある中、人の権利を守り、街を作っていく。そのかっこよさから司法書士試験に挑戦する決意をしました。また、受験期間は1年半程でしたが、司法書士試験に挑戦することを決意して後悔したことは1度もありませんでした。
バイトのない日は1日10時間から15時間ほど勉強していました。勉強の休憩時間は犬と遊んだり散歩したりしました。
私の勉強方法
(択一編)
① 択一対策 目標:午前32/35問 午後32/35問
初めに、択一対策における使用テキストは、会社法・商業登記法以外はリアリスティックシリーズです。会社法・商業登記法はオートマシステムです。
択一対策において私はアウトプットをとても大事にしてました。アウトプットは過去問を解くことでしかできないと思いがちですが、テキストでアウトプットする方法があり、それが非常に大切です。もちろん、過去問でアウトプットすることも非常に重要ですが、私が伝えたいのはテキストでもアウトプットができるということです。私は見出し以下を隠し、その下に何が書いてあるか、効力発生要件は何か、効果は何か、と問題形式にして読んでいました。そのおかげで、単にテキストを上から読むよりもずっと記憶に定着しやすくなりました。他に、思い出し方を何個も作りました。具体的にら替え歌や語呂をよく利用してました。
過去問は3月末まで(いわゆる直前期)回し続けました。その数20周はしています。過去問のまま問題が出ることは少ないですが、明らかに過去問をオマージュしたものに気づくことができます。また、過去問を演習することでどの点が出題されているかが分かります(条文問題であれば1項、3項について出題があれば2項が狙われてもおかしくない。といったことも)。過去問で間違えた問題は必ずテキストに返り、テキストに載っていなければ、直接テキストに書き込んでいました。
過去問の解説はほとんど読んでいません。過去問の解説を読まなければ理解できないこともありますが、テキストに返れば根拠にたどり着きます。過去問は単に知識を引き出せるかといった確認作業のような扱いをしていました。そして、過去問を覚えてしまうくらいに取り組みました。
テキスト→過去問→テキストに返る、が一連の流れとなります。司法書士試験で最も勉強時間を費やしたのがこの択一対策でした。記述の対策ももちろん必要なことですが、択一の基準点を突破しなければそもそも記述は採点されないため、やはり力を入れるべきは択一です。
択一において、条文に返るということもしていました。なぜなら、本試験は判例または条文を問われ、答えられますか?というものなので、根拠に立ち返りたかったからです。テキストに無い条文は、六法の該当箇所をコピーしテキストに貼り付けていました。情報が載っている部分が一元化されていることが大切です。他のテキストを見る必要は一切ありません。リアリスティックシリーズには合格に必要な知識が十分に記載されています。実際、リアリスティックシリーズを使用し合格者が出ていることがその証明です。
(記述編)
記述対策としては、まずは、雛形を暗記しました。不動産登記法の知識が全くない状態で雛形の暗記を行ったため、1日に10時間以上は雛形と向き合っていた時間もありました。しかし、その時間をかけた分、雛形で迷ったりすることはありませんでした。
記述には、①解法、②論点、③雛形の3つの要素からなっており、それぞれ対策が必要です。③の雛形は単純暗記なので、先述しましたが、暗記から逃げないことが重要です。①の解法は毎週土曜日に行われている宇井ゼミに参加し教わっていました。世の中にはたくさんの解法があると思いますが、この解法から私も含め合格者が多数出てるので解法どうしようかなと悩んでいる時間があったら、解法を知っているものに聞いたりゼミに出席するのが良いと思います。②の論点についてですが、これはテキストを読む時に意識してました。記述で出題可能な部分は決まっているので、読む時にどういう風に記述にででいたか等をメモしていました。
他に辰巳法律研究所の答練やオープンを使って練習を繰り返していました。本試験サイズの問題を解くことで、問題に慣れることができます。宇井ゼミにおいては、答練やオープンを解き、宇井講師が事実関係や別紙のどこを読んでいるのか真似していました。
在学中の合格のために
在学中の合格を目指す上で、私が1番重要だと思ったことは、司法書士科内でライバルがいたということでした。私は、その子に負けたくない気持ちや一緒に在学中に合格出来たらどれだけ嬉しいかを想像して、毎日勉強をしてました。私が2023年度に合格出来たのもこの気持ちを誰よりも強く持ち、合格を想像できていたからだと思います。
しかし、現実的にそれだけで在学中に受かるような試験ではありません。私は、勉強できる時間は全て勉強に当てていました。もちろん、大学生として遊びたいという気持ちはあり、サークルにも入ってみたい思いはありましたが、その点含め勉強以外のことは捨てました。司法書士科に同じ試験を目指す仲間がいますし、合格してからでも時間はあるのでその時間に今までの分を取り返せます。在学中に合格したければ、何かを捨てる覚悟が必要だと思います。もちろん、睡眠時間や食事の時間を減らすことはオススメしません。体調不良になっては元も子もありませんから。
また、計画を立てることが大切です。私は令和4年度の本試験に落ちてたから翌年の本試験までの1年の計画を立て、各月、各週に分け、それを実行し続けました。毎日の計画があるか否かで、モチベーションの維持ができるかどうかにも繋がってきます。予定通りその日が終われば達成感も得られ、次の日も何から勉強するかといったことに迷うこともありません。
先に待っているぞ
試験当日
試験当日は、朝はゆっくり家族と過ごしていました。本試験の問題を楽勝に解いて、優雅に帰宅する想像すらしていました。
しかし、私の本試験はとても悲惨でした。午前の部を解いている最中に40分ほど停電し、問題を解くことを禁止され、暗闇の中、ただ座っていました。私はこれにペースを崩されてしまい、いつもはしないことをしてみたり、確かな知識で解いた問題を疑う事までしてしまいました。内心、何故今日なんだと言う気持ちで泣きそうになっていたのを覚えています。この日のために1年半本気で勉強してきたわけなのでその悔しさからでした。
午前を終えて、休憩を挟み午後があるわけですが、私は休憩中は会場の外を散歩していました。そこで、考えていたことは午後のことだけでした。私は、模試で午前の結果を午後に引きずらない練習をしていたため、これは可能であり、模試で練習していて良かった思いました(模試でも休憩時間は散歩してました。)。この練習がなければ不合格であったかもしれません。みなさんも模試でそのような練習をしておくことを薦めます。
その甲斐あって、午後はいつも通り解くことができ、記述も出題方式が変わりましたが、特に動揺することなく終えました。
え…!? 停電???
最後に
司法書士試験を目指す方へ、決して諦めないでください。勉強をした次の日にできるようなものでは無いですし、一発逆転ということも残念ながら起きません。本試験当日に信じることが出来るのは試験に向き合い、勉強し続けた自分自身です。だからこそ、毎日の積み重ねが非常に大切です。
勉強時間と比較して、点数が伸びなかったり、友人らが遊んでいることを羨ましく思うかもしれません。私も自分の点数に思い悩んだり悔やんだりしました。大丈夫です。この辛さはみんな平等に訪れますし、それを乗り越えて本試験までたどり着きます。過酷な試験ではあると思いますが、それでも、司法書士試験を目指すと決めた方はとてもかっこいいですし誇りを持って欲しいです。私はそんな方々を応援します。この合格体験記が少しでも皆様のモチベーションや参考になって頂けたら嬉しいです。頑張ってください!
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