新聞記事などに対する私の考察を掲載します。
2026年1月8日付 山形新聞 19面 「総務省 適正運用を要請 制度趣旨巡り都道府県に 西川町・集落支援員問題」
この記事は、昨日ご紹介したNo.202の記事の続報です。総務省が各都道府県に対して、集落支援員制度の適正運用を求める通知を昨年12月に出していたことを伝えています。通知の理由として記事では、「同省は同町での実態を把握した上で、運用に問題があると判断したとみられる」とし、さらに「解説」欄では「制度の問題点 検証必要」との見出しを掲げ、「今回の西川町の運用について総務省は当初、取材に対し「個別の自治体の運用や支援員活動について実態を把握していない」とし、問題視していなかったとみられる。通知はこうした受け止めを一転させた対応と言える」と報じています。
また、山形県の対応として「西川町を含め、既に市町村へ県が通知について周知している」ことも伝えています。
総務省が適正な運用を求める通知を出したということは、やはり運用に問題があったというべきではないでしょうか。
(2026.1.8 204)
2026年1月8日付 朝日新聞 4面 「ネタニヤフ氏と小野寺氏が面会 ガザ停戦合意も議論か」
この記事は、イスラエルを訪問した自民党の小野寺五典安全保障調査会長らが、6日にイスラエルの首相官邸でネタニヤフ首相と面会したことを伝えるものです。二人が握手を交わしている写真も掲載されています。
イスラエルのネタニヤフ首相に対しては、2024年11月21日に国際刑事裁判所から、パレスチナ・ガザ地区での戦闘をめぐる戦争犯罪や人道に対する犯罪の疑いで逮捕状が出ています。こうしたいわば国際的な犯罪人されている人物と握手を交わすということは、普通の感覚では考えられないことではないでしょうか。
皆さんはどう考えますか。
(2026.1.8 203)
2025年12月30日付 山形新聞 19面 「集落支援員 運用に疑義 一部 必須業務に従事せず 「制度趣旨逸脱」指摘も」
日付は少し遡りますが、現在、町長の言動に関して百条委員会が設置されて審議されている西川町に関して、制度運用の疑義を伝える記事が掲載されましたのでご紹介します。
記事では、西川町が委嘱した「集落支援員」の一部が、制度で決められた必須業務に従事していないことを伝えています。
記事では「集落支援員」の役割について、「人口減少や高齢化が深刻な集落で、地域活性化策などを助言するため、総務省が2008年に創設した」制度で、「過疎地の課題解決のため集落を巡回し、農地や山林の管理状況、世帯数などを調査し、住民に話し合い活性化策をアドバイスする役割を担う」と別枠で解説しています。
その上で、西川町の2024年度の専任支援員26人は、道の駅のレストランでの料理長などの他、「町営バスやタクシーの運転、牧場管理、学童保育所や町立保育園での補助業務などを主な仕事としていた」とし、さらに「従来、町職員が担ってきた既存業務に従事する支援員もいた」と報じています。
こうした点について、「県市町村課は「必須業務を行うことが制度の大前提であり、それを踏まえない活動は制度趣旨と異なる恐れがある」と指摘」しているとしています。
記事では最後に「不適切であれば運用を改める」との菅野町長の話を伝えています。都合のいいように制度を解釈していないか、恣意的な制度運用になっていないか、しっかりした検証が求められます。
(2026.1.7 202)
2025年12月31日付 沖縄タイムス 1面 「「新たな戦前」危惧の年 暮れる2025年 平和な沖縄願う」
まもなく2025年が終わります。この記事では、「新たな戦前が危惧される1年となった」と記しました。「新たな戦前」は3年前の暮れに、タレントのタモリさんがテレビ番組で「来年はどんな年になると思いますか」と問いかけられ、「新たな戦前になるのではないでしょうか」と答えたことから知られるようになりました。「新たな戦前」が現実のものとならないよう、皆で声を上げたいものです。
皆さん、どうぞよい年をお迎えください。
(2025.12.31 201)
毎日新聞オピニオン編集部の吉井理記記者が定期的に書いている記事に、注目の内容が記載されていましたのでご紹介します。
2025年12月18日付 毎日新聞 20面特集ワイド 今日も惑いて日が暮れる 「中国的教育勅語」
「11月3日の「文化の日」を「明治の日」に改める政治運動が大詰めを迎えつつある」「11月3日は明治天皇の誕生日で、大日本帝国憲法時代は「明治節」と呼ばれたが、敗戦後に改められた。右派の人たちはこれが許せない。祝日の呼び名を定めた祝日法を変え、現代版「明治節」の復活へ、というわけだ」。超党派議員連盟がつくった法改正案が先月28日に自民党の了承を得たので、来年の国会で審議される、「運動に特に熱心なのが高市早苗首相だ」とも述べています。
記事ではまた、高市首相が明治天皇が出した教育勅語にもご執心だとしています。この教育勅語について、「天皇と皇室をあつく敬う東京大の小島毅教授(中国思想史)に聞くと、意外にも「困ったものです」と苦い顔をした」として、その考えを紹介しています。
①教育勅語は中国・明の初代皇帝が親孝行など六つの儒教倫理を民衆に説いた「六諭(りくゆ)」の影響を強く受けた。
②これは皇帝が頂点に立つ当時の政治秩序を守るためだった。何も民衆を思ってのことではない。
③教育勅語も同じで、説かれた徳目は「天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼」する、つまり永遠に続く天皇家の繁栄を支えるためである。
今なぜ、文化の日を明治の日に改める必要があるとするのか。臣民である国民に、いざという時には国家のために尽くせと説く教育勅語の中身とともに、十分に考えなければならないと思います。
(2025.12.23 200)
今朝の新聞各紙は、自民党と日本維新の会が進めようとしていた国会議員の定数削減法案が、今国会での提出が見送られたことを取り上げています。毎日新聞では社説でも取り上げていますが、沖縄タイムスではすでに昨日、社説で取り上げていますのでご紹介します。
2025年12月16日付 沖縄タイムス 5面 「定数削減法案見送り 党利党略でつまずいた」
記事では改めて法案の中身について、以下のように紹介しています。
①現行の定数465から1割を目標に、45人以上を削減する。
②1年以内に結論が出ない場合、小選挙区25、比例代表20を削減する。
そしてこの内容については、「法案の中身があまりにもひどすぎる」「くらくら目まいがするような乱暴な内容である」と厳しく批判しています。
記事ではまた大島理森元衆議院議長が「議員数や選挙制度の議論はプロセスを大事にしなければならない」「議員数を減らすことは主権者の選択の幅を狭める可能性がある」と指摘していたことをあげ、今回の法案は「党利党略を優先した横暴な法案であり、野党が審議入りに反対するのは当然である」としています。
自維政権、とりわけ日本維新の会の党利党略とは何かと考えると、本来日本維新の会は政治とカネの問題を取り上げ企業・団体献金の規制に前向きだったものが、自民党と連立を組むに当たって自民党に忖度してその問題を封印し、代わりに持ち出したのがこの議員定数の削減だったのではないでしょうか。日本維新の会がかねて最優先で唱えてきた「身を切る改革」イコール「」議員定数削減」という図式を当てはめることで、自民党と共に政権を担うことの正当性をアピールしたかったのではないかと思います。
この定数削減法案は改めて来年の通常国会で議論されるようです。国会議員の定数が削減されることで、私たち国民にどのような影響が生じるのか。しっかり考える必要があるのではないでしょうか。
(2025.12.17 199)
2025年12月16日付 朝日新聞 1面トップ 「「5類型」撤廃 自維一致 武器輸出「歯止め」は隔たり」
この記事は、自民党と日本維新の会が与党の実務者協議の初会合を開いて、「武器輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の五つに限定する「5類型」を撤廃する方針で改めて一致した」こと、運用指針の改定は法律の改正を必要としないため、政府は「来年4月にも国家安全保障会議(NSC)の9大臣会合で」運用指針の改定を決定して、この「5類型」を撤廃する見通しであることを伝えています。
また、武器の輸出が際限なく拡大することへの「歯止め策」について、記事では「維新側は原則として殺傷能力のある武器の輸出をすべて可能としつつ、輸出の可否を案件ごとに政府が審査する仕組みを主張」と報じています。
武器の輸出について、国会での審議を経ないで与党だけで決定すること、さらには殺傷能力のある武器を際限なく輸出することに道筋をつけること、こうしたことは憲法が掲げる国民主権や平和主義に反することではないのでしょうか。
特に日本維新の会は安保政策の議論に積極的で、その理由として挙げられるのが「最近の国政選挙での伸び悩み」であり、「保守強硬派の参政党が台頭したことを踏まえ維新も保守色を鮮明にする「対参政党シフト」の一環」だとする維新幹部の一人の話を伝えています。(同朝日新聞 3面 「維新 保守色鮮明「参政シフト」」)
武器輸出を認める政府の姿勢は、本当に国民のためになるのでしょうか。
(2025.12.16 198)
2025年12月13日付 毎日新聞 1面トップ 「台湾有事 政府「答えない」 首相「存立危機」独断か 答弁書明記」
高市首相が衆議院予算委員会で台湾有事について発言したことの影響が広がっています。この記事は、その答弁について、内閣官房が作成していた首相の答弁資料の全容を伝えるものです。
記事では、立憲民主党の辻元清美参議院議員の質問主意書に関連して、辻元氏に政府が開示した資料に、「首相答弁に該当する部分は存在せず、台湾有事について「政府として答えない」とも明記されていたが、「答弁書通り」の発言にはならなかった」としています。
このことを受けて、首相の答弁に対して辻元氏が「首相の持論を展開したものであり、歴代政府の見解からは逸脱しているということが明らかになった。その結果、今対中関係が緊張し、軍事的緊張や経済史的な損失のエスカレートというところまで発展してしまっている。やはり首相の責任は重いのではないか」と述べたことも報じています。
政府は高市首相の発言は、これまでの見解に沿ったものだと主張しています。もしそうだとすると、政府はこれまでも高市首相が発言したとおり、台湾有事は存立危機事態になり得るとの考えを持っていたにもかかわらず、国会で表明することを控えていたことになるのではないでしょうか。
私にはそのことも非常に重大なことと思えます。
(2025.12.15 197)
2025年12月6日付 毎日新聞 1面 「「コメ減反」法明記へ 「需要に対応」 増産方針を転換 農水省」
この記事は、「農林水産省が事実上の減反政策(生産調整)との批判がある「需要に応じた生産」を、法律に盛り込む方針を固めた」と伝えています。その狙いとして、記事では「政府判断の急展開を縛り、政権が代わってもコメ政策の原則を安易に転換させない仕組みにする」ためとしています。
コメを巡る政策については、No.192で石破首相のインタビュー記事を紹介しましたが、農家が生産調整をしなければならないと法律で定めることが、農家にとっても、また消費者にとってもいいことなのかどうか、非常に疑問に思えてなりません。
記事では、近年のコメ騒動について、「需要量を見誤ったことによる生産量不足だったことを農水省も認めている。国が正確に需給を一致させる予測を出す難しさが露呈したため」と報じています。
そうであるにもかかわらず法律で規定することは、現実に合わない生産調整を強制することに繋がらないでしょうか。また、何より、生産者である農家の生産意欲をさらにそいでしまうことに繋がらないでしょうか。農家の皆さんはどう考えるのか、意見をお聞きしたいものだと思います。
(2025.12.7 196)
2025年11月29日付 沖縄タイムス 1面トップ 「大浦湾新区域に土砂投入 防衛局 埋め立て本格化」
2025年11月29日付 毎日新聞 1面 「辺野古東側にも土砂 防衛省 工事着手」
この記事は、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、大浦湾側への埋め立て土砂の投入が始まったことを伝えるものです。
この地域には海底にマヨネーズ状の軟弱地盤があるといわれており、地盤を改良するため7万本以上の「くい」を打ち込む必要があるとされています。記事によると、沖縄防衛局は今年1月に「くい」の打ち込み作業を始めましたが、「これまでに打ち込んだのは約2900本にとどまり、工事の遅れを指摘されている」としています。
また、「新基地建設を巡って防衛省は2019年、総事業費9300億円、工期9年3カ月との試算を公表。地盤改良を含む工事完了は33年4月ごろと見込まれ」ることを伝えています。
一方、「防衛省は地盤改良事業と並行して、軟弱地盤のない海域での埋め立てを進める」(毎日新聞)としていますが、「天候悪化を理由に改良工事が5カ月以上中断するなど」(沖縄タイムス)「工事は難航しているのが実態」で、「工期内に終わるかどうか不透明で、事業費の上振れも現実味を帯びている」とも伝えています。(同 沖縄タイムス 2面 「工期内完成は不透明 県 工事を止める妙手なし」)
沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地の危険性を取り除くためには、辺野古沖への移設、新たな基地を建設することしか選択肢がないのか。改めて疑問に思わざるを得ません。
(2025.11.29 195)
2025年11月23日付 毎日新聞 4面 「「若者の貧困化」に一石 実質可処分所得18~20年ピーク 物価安定 喫緊の課題」
この記事は、大和総研の研究員である是枝俊悟主任研究員が、10月にまとめた若年層の実質可処分所得の長期推計について報じたものです。過去45年間を分析したその結果は、「20~34歳の実質可処分所得は、18~20年にバブル期を上回り、過去最高水準だった」というもので、推計をまとめた是枝さんは「長期で比較すると、社会保険料の負担によって若者全体がかつてより貧しくなったとは言えない」と指摘しています。
記事の冒頭でも触れられているとおり、これは社会保険料の負担で、若者の可処分所得が下がり続けているとするSNS上での投稿に、疑問を投げかけるものとなっています。
ただ20年以降は、実質可処分所得は再び低下傾向になっていて、「社会保険料率はほぼ一定で維持されているが、コロナ禍の影響や物価高騰に名目賃金の伸びが追いついていないことから、実質賃金は伸び悩んでいる」としています。
この点について是枝さんは、「足元の実質可処分所得の低下は、急激な物価上昇が主な要因。今後の社会保険料の上昇に対する抑制策は検討すべきだが、現下の課題は物価の安定だ」とも指摘しています。
高市首相は「責任ある積極財政」を唱えて、巨額の経済対策を打ち出しています。しかし、そのことによってさらなる財政悪化が懸念されることから、株や国債、円などが売られるいわゆる「トリプル安」を報じる新聞記事が見られました(2025年11月20日付 毎日新聞 7面 「連日のトリプル安 経済対策、財政悪化を懸念」)。円安で輸入品が高騰すれば、それが価格を押し上げる一因になるのは想像がつきますが、経済対策としての財政出動がさらなる円安を招き、物価高を招くとすればなんとも皮肉なことに思えます。
(2025.11.23 194)
2025年11月20日付 山形新聞 2面 「統合保育施設に診療所整備検討 米沢市、小児科医誘致へ」
昨日、市議会で所属する民生常任委員会の協議会が開催されました。この協議会では12月定例会に提出予定の議案についての説明のほかに、当局からの報告事項がありました。その中には「(仮称)複合施設こども園及び公診療所の整備の検討について」とする内容が含まれていましたが、この記事はその内容を伝えるものです。
米沢市では、緑が丘保育園、吾妻保育園と市児童発達支援センターひまわり学園の3施設を統合する方針を示しています。昨日の協議会では、その統合施設の敷地内に、新たに小児科の公設診療所を整備する方針を示したものです。
説明では、統合場所としては市中心部(立地適正化計画に示されている都市機能誘導区域内)としていますが、公設診療所については「まったく白紙」との健康課長答弁がありました。
記事では「3施設の統合場所は中心部を想定しているが、具体的な地点や時期は未定。診療所と合わせて整備する場合に必要な広さや費用などを検討し、実現可能性を探る」としています。市としては、今後、子育て支援課、社会福祉課、健康課で検討をしていく予定との答弁がありました。
詳しくは、議会に示された下記の資料をご覧ください。
・(仮)複合施設こども園及び公設診療所の施設整備の検討について
(2025.11.20 193)
2025年11月19日付 朝日新聞 1面 「「農政復古」コメ増産撤回に皮肉 石破前首相 本紙インタビュー 経済対策の「おこめ券」配布 疑問視」
この記事は、石破茂前首相が朝日新聞のインタビューに応じ、米価への介入が退陣後に事実上撤回されたことについて、明治維新の王政復古の大号令に例えて、皮肉を述べたと伝えています。
なぜ皮肉を込めたのか。その理由について記事ではまず、「莫大な税金を使ってコメの価格を維持する生産調整は正しくない」ことを挙げられています。
また、鈴木憲和農林大臣が「洋服の価格が市場の需給で決まることを持ち出し、米価には介入しない姿勢を示している」ことに対して、石破氏は「主食と洋服とでは性格が違う」とも反論しています。
さらに、経済対策の一環としておこめ券を発行しようとしていることについて石破氏は、「「生産調整と消費の支援に税金を二重で使う」と指摘。「妥当性を理解できない。事務費用もかさむ」と異論を唱えた」としています。
コメの生産者である農家にとっては、米を生産し、生活していくだけの一定の値段以上の維持が必要です。一方で、コメの消費者である一般市民にとっては、生活していく上では一定の値段以下でなければ買えません。その調整をどう図っていくか。その方法としてこれまで政府が取ってきた政策が「生産調整」ですが、石破氏は疑問を呈しています(同7面 「コメ生産調整 「いいことあったか」 石破氏、日本食ブームあげ「需要余地あるのに」 米価下げた上で「農家補償を」」)。
コメは日本人の主食であり、食料自給率とも関わる重要な品目です。それを考えればやはり洋服とは全く性質が違います。食料自給率を上げようとすれば生産量を増やす必要があり、生産量が増えると価格が下がるという生産者の懸念には、何らかの価格調整が必要になるのではないでしょうか。生産者にとっても消費者にとっても、それぞれの立場での価格の維持が必要です。そのためには生産量を調整するのではなく、価格を調整する仕組み、それこそが必要なのではないでしょうか。
(2025.11.19 192)
2025年11月7日付 朝日新聞 4面 「小泉氏、原潜必要性に言及 「周りの国々 みんな持っている」」
この記事は、小泉進次郎防衛相が6日のテレビ番組で、「トランプ米大統領が10月末、韓国による原子力潜水艦の建造を容認したことに触れ、原潜の導入を検討する必要性に言及した」ことを伝えるものです。
記事では、「原潜は既存のディーゼル潜水艦に比べ、潜航可能時間が圧倒的に長く、機動性に優れるといった作戦上の利点がある」ことや、「ミサイル垂直発射装置(VLS)の搭載」に触れています。
また、「自民党と日本維新の会が結んだ連立政権合意でも「次世代の動力」活用の潜水艦保有を増進すると明記した」ことも報じています。
先に米国製巡航ミサイルトマホークの運用能力を整えるために、海上自衛隊のイージス艦が米国に派遣されたことを伝える記事をご紹介しましたが、今度は原子力潜水艦か、と思います。
記事では、今後検討すべき課題が多いとして、原潜の開発コストや運用コスト、そして何より原子力の利用を平和目的に限ることとしている原子力基本法の存在を挙げています。ただ、今の自維政権の基本姿勢を考えると、これから導入に向けた動きが加速するのではないかと心配されます。
(2025.11.7 191)
2025年11月4日付 毎日新聞 19面 「海自イージス艦派遣 米に1年 トマホーク運用へ」
この記事は、防衛省が「米国製巡航ミサイル「トマホーク」の運用能力を整えるため、海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」を米国に派遣した」ことを伝えています。
内容は、イージス艦の「ちょうかい」が「9月下旬に、横須賀基地(神奈川県)でトマホーク搭載の模擬訓練を実施して日本を離れ、10月中旬、米国西海岸のサンディエゴ米海軍基地に到着した。25年度中に発射可能な段階まで改修を終え、実射試験で乗組員の習熟度を高める」というものです。派遣は2022年に改定した安全保障関連3文書に書かれた敵基地等への反撃能力に基づくもので、今後防衛省は、「国産ミサイルの射程延伸のほか、25年度からトマホークを最大400発取得し、海自イージス艦全8隻に搭載する計画」であるとしています。
また、「米政府を通じて防衛装備品を調達する有償軍事援助(FMS)に基づき、23年度に「ちょうかい」をはじめイージス艦8隻の改修事業などを847億円で契約。その後、不測の事態に備えるとの理由で契約額を1104億円に増額した」ことも伝えています。
参議院選挙が終わって3カ月以上も国会が開かれない状態が続いていました。しかし、この間、米国と一体となった軍事力強化の動きは着々と進められてきた印象を受けます。高市政権は 今後防衛費増額の前倒しや防衛装備移転(武器輸出)三原則の見直し、日本版CIAともいえる国家情報局の創設を表明しています。新しい戦前となるのではないか、との心配を強くします。
(2025.11.7 190)
2025年10月29日付 山形新聞 1面 「県立中央病院 8年ぶり赤字 24年度 賃上げ、物価高騰影響」
この記事は、県立中央病院の24年度決算が、8年ぶりに赤字に転じたことを伝えています。
内容は、
①経常収支が3億5800万円のマイナス
②県立4病院の合計では2年連続で経常損失を計上し、資金不足比率は0.4ポイント悪化の8.9%
③中央病院は入院、外来共に患者数が減った
④医業収益は23年度比5億9600万円減の201億6千万円
⑤医業費用は人件費や委託料の増大で同9億円増の246億400万円
⑥経常収支が10億7100万円悪化して16年度以来の赤字
⑦病院事業全体では経常損失が前年度から3億1700万円増え、6億300万円
原因としては、
①診療報酬制度に関して、物価や人件費の上昇分が適時・適切に反映されない構造的な課題があること
②中央病院のように人員配置が手厚く、高度な医療機器を備える急性期病院では、影響が特に大きいこと
などが、28日の県議会決算特別委員会での当局答弁と報じています。
米沢市立病院の24年度て決算についても厳しい内容になっていますが、具体的な内容について随時ご紹介していきます。
(2025.10.29 189)
2025年10月28日付 毎日新聞 5面 「日本国旗の損壊 参政が処罰法案 単独初、参院に提出」
記事としては小さいですが、目に留まりましたのでご紹介します。
この記事は、参政党が27日に「日本を侮辱する目的で日本国旗を損壊する行為を処罰する「日本国国章損壊罪」を新たに盛り込んだ刑法改正案を参議院に提出した」というものです。
記事では、「自民党と日本維新の会の連合政権合意書にも同様の主張があり、参政は連携したい考え」であることと同時に、「3党がまとまれば衆参両院で過半数に達する」、つまり法案は可決成立することを伝えています。
記事では「日本を侮辱する目的で」とあるので、一見すると侮辱する目的でない場合は罪を問われない、とも解釈できそうですが、法案提出後、参政党の神谷代表が記者団に「参院選では、日本国旗にバツ印を付けて、われわれの街頭演説を妨害する人がいた。国家に対する冒涜になる」と主張したことも記事では書かれています。
日の丸にバツ印を付ければ国家を冒涜したことになる。自分たちの政党の街頭演説に対して反対の意思表示をする仕方の一つが、国家への冒涜になるのだという主張は何とも恐ろしく感じます。戦前、戦中の治安維持法、軍機保護法を思い出させるもので、今が、「新しい戦前」であることを実感します。
(2025.10.28 188)
2025年10月22日 NHK朝7時台のニュース
新聞記事ではありませんが、見過ごせない(聞き過ごせない)発言を目に(耳に)しましたのでご紹介します。
このニュースでは高市首相が選出された直後に、国会内で各党党首のインタビューを行った様子が映し出されました。その中での参政党党首の神谷代表の発言です。「国の政治、自民党の政治もだいぶ左傾化してきたように感じていたので、今まで変わってきた国の政治を中道のほうに戻していただきたい」。
自民党が「左傾化している」とは初めて聞きました。左傾化してきたので「中道」に戻してほしいというのは、それよりずっと右にいる人でなければ言えないことではないでしょうか。この発言を聞いて、まさに「極右」という言葉が思い浮かびました。
皆さんはどう感じますか。
(2025.10.23 187)
2025年10月17日付 朝日新聞 7面 「診療報酬改定 上げ幅が焦点 議論本格化 「病院の経営状況は重症」」
これまで新聞記事のNo.179やNo.182でも紹介してきましたが、今日の記事は病院の主な収入源となる診療報酬の改定に関係した記事です。
記事では、「「診療報酬の改定」に向け、議論が本格化している」としています。具体的な内容として、日本病院会など4団体の調査結果について、「回答した1236病院の63.6%が2024年度に赤字。前年度より12.5ポイント増えた」ことを紹介し、改定の焦点は「医師や看護師の人件費などに充てられる「本体」部分」であるとしています。また、「改定内容は中医協で議論されるが、報酬全体をどの程度引き上げるかは政治決定される」と紹介しています。
記事では、「診療報酬の引き上げは、医療費や保険料を支払う側の負担増につながる」ことになり、「自民が連携を模索する日本維新の会は、医療費の削減や社会保険料の引き下げを掲げており、改定の議論にも影響しそうだ」としています。
ただ一方で、維新は「真に公平な応能負担の実現」を求めるとして、「75歳以上の窓口負担を、現役世代と同じ3割にすることを求めて」いることもこの記事では紹介しています。維新が求めているのは、国民全体の負担を軽減しようとしているものではないことに注意しなければなりません。
米沢市立病院の令和6年度決算を見てみると、経営状況は非常に厳しい状態であることがわかります。収入を増やそうとすれば、診療報酬を引き上げればいいということになりますが、そうすれば患者負担、国民負担が増えることになります。それではどうすればいいのか。
患者負担、国民負担を新たに増やすことなく病院収入を上げる仕組み、例えば診療報酬の一部に国からの交付金を充てるなど、国税収入の一定額を医療費に充てる仕組みができないのでしょうか。
皆さんはどのように考えますか。
(2025.10.17 186)
2025年10月7日付 朝日新聞 1面 「高市氏、玉木氏と極秘会談 連立視野 協力要請か」
自民党は高市早苗氏を総裁に選びましたが、この記事は、その高市早苗総裁が、「国民民主党の玉木雄一郎代表と5日夜に東京都内で極秘に会談していたこと」を伝えるものです。記事によると目的は、「連立政権の枠組み拡大を視野に、連携・協力を要請したとみられる」としています。
一方、同紙4面には、現在連立を組んでいる公明党に関しての記事が掲載されています。(2025年10月7日付 朝日新聞 4面 「公明 高市総裁に懸念 政治とカネ 靖国参拝 外国人政策」)
記事では、「政治とカネの問題への向き合い方や歴史認識に対し、党内や支持者の間に懸念があるため」、「公明党に動揺が広がっている」ことを伝えています。
記事によると、4日の午後に公明党の斉藤鉞夫代表が高市新総裁と初めての会談に臨んで伝えた懸念は、
①派閥の裏金問題のけじめ、企業・団体献金の規制の明確化
②歴史認識と靖国神社への参拝
③外国人政策
④連立の枠組拡大
で、「懸念が解消されなければ自公関係に変化があるのかと問われると、「まさにそうだ。政策、理念の一致があって初めて連立政権が成立する」と語り、連立離脱の可能性をちらつかせた」とも報じています。
一方、野党第一党の立憲民主党野田佳彦代表は、「『解党的出直し』から全くかけ離れている。国民感情から理解できない」と話し、安住淳幹事長も「自民が生まれ変わるのではなく、裏金議員が復活して昔の政治の悪い部分が戻ってくる」と話したことが報じられています。(2025年10月7日付 朝日新聞 4面 「野党、裏金議員起用を批判 与野党協議継続 危ぶむ声」)
私には、公明党や立憲民主党の言い分はもっともなことと思えます。自民党は先の参議院議員選挙で、それまで支えてられてきた保守層が離れたことが選挙の大敗につながり、その保守層を取り戻すために高市氏が選ばれたとの見方が一般的です。
しかし、政治とカネのあり方は、これまで何度も繰り返されてきた政治の根本にかかわる問題ではなかったのでしょうか。また、自民党が向き合うのは保守層ばかりなのでしょうか。広く国民の声を聞く姿勢はどうなったのか。私には、自民党の体質というものが改めて国民の前に示されているのだと思えてなりません。
(2025.10.7 185)
2025年9月29日付 朝日新聞 16面 「企業の枠超えた労使交渉に正当性 独禁法違反訴えた事業者側が敗訴」
この記事は、港湾事業者のほぼすべてが加盟する一般社団法人日本港運協会(日港協)が、労組側の申立てに基づいて東京都労働委員会が出した救済命令に対して、中央労働委員会にその取り消しを求めたところ、東京労働委員会が棄却したために起こした行政訴訟についての報道です。
記事によると、日港協の主張は、春闘での賃金引き上げ交渉に関して「団体交渉に応じれば、使用者団体の企業間で連絡を取り合い、企業の賃金に影響を与え、さらには港湾事業の価格の目安を決めることになるとして独禁法に抵触する」というものです。
東京地裁はこの裁判で、独禁法を所管する公正取引委員会の考え方を照会し、「公取委事務総局は、経済取引局取引部長名で、「一般に、労働法制により規律されている分野については、独占禁止法上の問題とならないとされている」」との回答を得ています。
さらに、以下の点についても「労組と使用者団体の労働協約に関係するから、独禁法上の問題とはならない」としたとしています。
①日港協の会員企業が、労組側への回答内容を検討する目的で、賃金額などについて協議すること
②日港協が協議の結果をまとめて団体交渉すること
③日港協が、労組側と賃金制度の内容や具体的金額について労働協約を結ぶこと
④日港協の会員企業が労働協約を守ること
⑤日港協が協約を守るよう会員企業を指導すること
そして、「東京地裁の判決は、日港協が団体交渉を拒否したことが、労働組合法が禁止する不当労働行為にあたるとした中央労働委員会(中労委)の命令を維持。直ちに交渉に応じるよう、日港協に緊急命令を出すことも認めた」と報じています。
この記事は、独禁法違反の例として通常は訴えられることが多い企業(事業者)側が訴えたこと、訴えられたのは国の機関である中央労働委員会であること、というところが目を引きました。記事によると裁判はまだ確定していませんが、公正取引委員会の考え、それに基づく東京地裁の判決は至極当然のように思えます。
(2025.9.29 184)
2025年9月28日付 毎日新聞 2面 時代の風 「「気候不平等」 環境対策の柱に福祉を」
この記事は、毎週日曜日に毎日新聞に掲載される「時代の風」で、ノンフィクション作家の河合香織さんが寄稿したものです。
河合さんは、気候変動は人々に平等に影響を及ぼすのではなく、「気候不平等」といえるものになっていると指摘しています。
例えば、日本での熱中症の被害の6割が65歳以上の高齢者になっていて、それは加齢による生理的な要因だけでなく、「住宅の断熱性能や冷房の有無、電気代を気にしてエアコンの使用を控える生活が、命の危険に直結している」と述べています。
「国際的な構図はさらに鮮明」として、「世界不平等研究所の報告書は、世界の温室効果ガス排出のほぼ半分を富裕層上位10%が占める一方、下位50%はわずか12%しか排出していないと指摘している」ことや、「25年5月にNature Climate Change誌に掲載された研究は、世界の最富裕層1%の排出が平均的な人々の約20倍、0.1%が約76倍も気温上昇に関わっていたと報告した」ことを紹介しています。
さらに、気候変動対策が新たな不平等を生む例として、「国内では再生可能エネルギー普及のための賦課金が電気料金に上乗せされて徴収されるため、家計に余裕のない世帯こそ大きな負担となる」ことや、「最新の断熱住宅に暮らす人々がいる一方、老朽化した住宅に住む世帯では、電気代の高騰が直接的な健康リスクにつながる」と述べています。
こうしたことにどのように対処すべきか。河合さんは、必要なのは「公正な移行」という視点と指摘します。「これは国際的な政策用語で、脱炭素社会への移行プロセスにおいて、その影響を最も受けやすい人々や地域が置き去りにされることなく、誰もが公平に恩恵を受けられるようにするための考え方」で、「具体的には、低所得世帯への断熱リフォーム支援やエアコンの設置補助を、単なる福祉ではなく気候政策の柱として位置づける」ことなどを挙げています。
本日は、他にも世界規模で拡大する気候変動を取り上げている記事が目につきました。
毎日新聞 7面 「待ったなしCO2削減 後戻り利かぬ転換点目前」
朝日新聞 1面 トップ 「砂漠広がるルーマニア 農家 収穫の半分廃棄」
待ったなしの気候変動対策を進めるうえで、「気候危機は、自然の猛威であると同時に、社会の公正さを映し出す鏡である」「不平等を是正する公正な政策と連帯の仕組みを築けるかどうかは、社会の正義を確かめる試金石となる」という河合さんの言葉が印象に残りました。
(2025.9.28 183)
2025年9月25日付 山形新聞 2面 「県、市町村の健全判断比率 24年度速報値 各会計 黒字か収支均衡」
この記事は、山形県が、県と県内各市町村の2024年度決算について、財政状況の判断指標となる「健全化判断比率(4指標)」の速報値をまとめたことを伝え、具体的な数字をいくつか報じています。
全体的には見出しにあるとおりですが、その中で、米沢市立病院事業会計については「資金不足が生じた」としています。資金不足比率は1.1%で、その理由は、「県によると、人件費増加や物価高騰の影響で流動資産が減少するなどしたため」。
市議会9月定例会に示された決算書を見ると、随所に厳しい財政事情が見て取れます。先にNo.177やNo.179でもご紹介したように、全国的に病院事業が厳しい中で、米沢市立病院も例外ではないことを示しています。
米沢市立病院事業の運営の現状と課題について、注意してみていく必要があります。
(2025.9.26 182)
2025年9月24日付 沖縄タイムス 7面 「米政権が週内にICC本体制裁 存続危機に現実味」
本日付けの多くの朝刊では、1面でパレスチナの国家承認について報じられていますが、ご紹介するのは沖縄タイムスに掲載された記事です。
この記事は、ロイター通信が「トランプ米政権が今週中にも、戦争犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC、赤根智子所長)本体への制裁に踏み切ることを検討していると報じた」ことを伝えるものです。
記事では、ICCがイスラエルのネタニヤフ首相らへの逮捕状を出したことに反発して、米政権が制裁を発動しており、「これまでにICCの裁判官6人、検察局のトップ3人の個人に対し、米国内の資産凍結や国際金融システムを利用できなくするという、テロリストと同等の制裁を科してきた」ことを伝え、今回さらにICC本体が制裁対象とされれば、「ICCの情報通信システムを担う米企業もサービス提供を控えることになり、ICCの捜査や公判が活動停止に追い込まれる可能性が高い」としています。
「力による平和」を声高に唱えるトランプ米政権は、法の秩序などまったく無視し続けています。まさに米国だけが、自分だけが正義だと言わんばかりの振る舞いを、国際社会は止める術はないのでしょうか。
(2025.9.24 181)
第2次安倍政権がそれまでの憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行い、安全保障関連法案を国会で成立させてから10年が経ったことに関連して、自衛隊がどのように変わってきたかを取り上げた記事が掲載されました。
その中から、主な動きを年表で表したものを抜粋してご紹介します。
2025年9月19日付 朝日新聞 2面 「同盟深化 緩んだ歯止め 米「日本、より広い役割を」 静まった憲法論議」
2025年9月19日付 毎日新聞 2面 「有事見据える自衛隊 安保法制10年 専守防衛 逸脱懸念」
2012年12月 第2次安倍政権発足
14年1月 国家安全保障局設置
14年4月 「防衛装備移転三原則」を閣議決定
14年7月 集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定
15年9月 安全保障関連法成立
16年3月 安全保障関連法施行
16年7月 南スーダンの邦人退避で航空自衛隊の輸送機派遣
16年11月 自衛隊と米軍が安保法に基づく初の共同訓練。
16年12月 自衛隊が他国軍の艦船などを守る「武器等防護」の運用指針決定
16年12月 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊が、新任務「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の運用を開始
17年5月 海上自衛隊の護衛艦が米艦船に初めて「武器等防護」を実施
18年12月 「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を閣議決定。事実上の「空母」導入へ
19年4月 初の「国際連携平和安全活動」として、エジプト・シナイ半島の多国籍監視軍(MFO)への自衛官派遣を閣議決定
20年9月 安倍晋三首相(当時)が敵基地攻撃能力を念頭に、ミサイル阻止の新政策を提唱する談話発表
21年11月 海自護衛艦がオーストラリア海軍のフリゲート艦に初めて「武器等防護」を実施
22年6月 岸田首相、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に日本の首相として初めて出席
22年夏 米海軍主催の演習に参加した海自が存立危機事態を想定した訓練を実施
22年12月 岸田政権が国家安保戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安保関連3文書を策定。反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決定
23年12月 防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、規制を大幅緩和
25年3月 陸海空の自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」発足
25年8月 海自護衛艦が英海軍空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を中核とする空母打撃群に初めて武器等防護を実施
26年3月ごろ 長射程ミサイルの「12式地対艦誘導弾能力向上型」を陸自健軍駐屯地(熊本市)に配備
記事では日本の防衛費が「第2次安倍政権発足前に組まれた12年度の約4兆7000億円から、26年度の概算要求で約8兆8000億円へと膨張」とも紹介されています(毎日新聞前掲)。
国民に十分な説明もないままに、歯止めのない軍拡に進んでいるのが非常に心配です。
(2025.9.19 180)
2025年9月18日付 毎日新聞 11面 「病院経営危機的 支援を緊急要望 6団体、厚労省に」
この記事は、全日本病院協会など6団体が、厚生労働省に支援を求める緊急要望書を提出したことを伝えるものです。内容は、「医療の対価となる診療報酬は公定価格のため、経費の急増に対応できていない」とするとともに、「2025年度補正予算案の編成や、診療報酬の26年度改定で財源を確保すべきだ」と訴えるものです。
記事ではさらに、緊急要望書提出後の記者会見で、「全日本病院協会の神野正博会長は「経営状況は非常に悪く、もう限界だ」と述べた」ことや、他の団体から「「普通に受けられた医療が、受けられなく危機が迫っている」との意見も出た」ことが紹介されています。
この記事は、No177で紹介した記事と関連しています。開会中の米沢市議会9月定例会に上程された令和6年度米沢市立病院事業会計決算においても、非常に厳しい内容が見て取れます。市立病院には一般会計からも相当額が繰り入れられていることから、今後の病院経営については病院事業会計だけでなく、一般会計にも影響が及ぶことが心配されます。
(2025.9.18 179)
2025年9月17日付 山形新聞 22面 「西川町長パワハラ疑惑 百条委証人尋問 20、24日に実施」
この記事は、菅野大志西川町長のパワハラ疑惑を調査するために設置された百条委員会が、9月20日、24日に証人尋問を行うことを伝えるものです。
記事によると、「2日間で行う証人尋問の対象者は元町職員、町民など12人」で、「百条委が実施したアンケートや町民からの情報提供を基に対象者を決定した」もので、「調査を踏まえ、後日、菅野町長を証人尋問する」としています。
百条委員会ではどのような結論が出されるのか。来年4月に任期満了を迎える町長選挙も見据えながら、注目していきます。
(2025.9.17 178)
2025年8月7日付 朝日新聞 25面 「自治体病院 9割が赤字 過去最悪の水準」
この記事は、全国自治体病院協議会の調査で、全国各地の自治体が運営する公立病院の約9割が、2024年度決算で赤字になる見込みであることを伝えるものです。
記事によると赤字の主な要因として、「医業費用の約半分を占める職員給与費や、約4分の1を占める薬代などの材料費が、新型コロナ流行前の19年度比でそれぞれ約20%増加した」ことを挙げています。
米沢市では、毎年市議会9月定例会に決算関係資料が提出され審議されます。日程はまだ確定していませんが、今のところ米沢市議会9月定例会は9月1日に招集され、決算審査は10日から4日間が予定されています。米沢市立病院事業会計についてはどのような決算となるのか。一般会計からの繰入金の額なども含めて注目していきたいと思います。
(2025.8.7 177)
2025年7月30日付 山形新聞 2面 「普通交付税の本県総額 3449億4100万円、2.6%増 25年度」
この記事は、山形県が29日に、2025年度の普通地方交付税額を発表したことを伝えるものです。山形県や県内各市町村の交付決定額が一覧表で示されています。このうち米沢市については、「市町村別では、米沢市が前年度より11.2%増の74億9200万円」と記事内でも紹介されています。
地方交付税は「税」という名前がついているものの国からの「交付金」で、全国どこの自治体でも一定の行政サービスを維持できるように、日本国憲法に基づいて各自治体に交付されるものです(東京都など、税収が多いため交付されなくても財政運営が可能な自治体を除く)。補助金と違って使途が自由な「一般財源」として交付されるため、地方自治体にとって主要で貴重な財源の一つになっています。
米沢市については、記事では前年度より増額となったことが特に取り上げられていますが、今年度当初予算では74億円と計上されていたので、当初の想定より若干増額となったというのが市財政当局の大方の見方だと思います。
地方自治体の財源としては他に地方税の収入がありますが、米沢市の今年度の地方税収見込みについて先の市議会総務常任委員会に示された資料を掲載しますのでご覧下さい。
地方交付税、地方税とも、現時点で今年度当初予算額を上回っています。
(2025.7.31 176)
2025年7月24日付 朝日新聞 25面 「参政、神奈川新聞の取材拒否 批判記事の記者に退出要求」
この記事は、参政党が22日に参議院議員会館で開いた定例記者会見で、神奈川新聞記者の取材を拒否していたことを伝えるものです。「同党が23日、朝日新聞の取材に「お断りしたのは事実」と答えた」と報じています。
記事によると取材を認められなかったのは神奈川新聞の石橋学記者で、「参院選の神奈川選挙区の参政党候補の言動を批判する記事を書いていた」としています。
記事では、この件についてジャーナリストの江川紹子さんが取材に、「気に入らない記者を入れなかったのだとすれば、民主主義国家においてあってはならないことだ」「批判することへの萎縮が広がれば、ジャーナリズム全体に悪影響をもたらす。各社ごとに考えが違っても、メディア全体で抗議しなければならない」と話したことも伝えています。
世界を見渡せば、自分たちに都合の悪いことに対して口を封じようとすることは、特に「独裁政権下にある」と思われるような国で起こっていることが、たびたび報道されています。日本でも、これまで選挙期間中のテレビ報道などについて、政府側から圧力ともとられかねない発言がありました。今回報道された件は、先にNo.173でご紹介したTBSの報道への圧力と相通じるものです。参政党の本質を見る思いがします。
(2025.7.24 175)
2025年7月16日付 朝日新聞 21面 「「稲作 終わりの始まり」警鐘 減反・大規模化…農業政策に危機感」
今年3月に東京都心でコメ農家がトラクターなどに便乗してデモを行ったことは、テレビのニュースなどでも「令和の百姓一揆」として紹介されていました。この記事は、その「令和の百姓一揆」を主導した長井市の菅野芳秀(かんのよしひで)さんのインタビュー記事です。
以下、主なやり取りをご紹介します。
(農家が減少していることに関連して)「農地を集約して大規模で効率的な米作りに転換すれば、少人数でも可能なのではないでしょうか。」
…「確かに平地の田んぼでは、大きな農業法人が大型機械を使って米作りができるかもしれないが、田んぼに水を送らなければ米は育たない。」
…「川上の小規模農家がつぶれてそれ(上流部の用水路の整備)ができなくなれば、その影響は川下の大規模農家に及ぶわけだ。」
…「利益を出さなければならない農業法人は(地形上、効率的な農業ができない中山間地に)手を出したがらない。こんな悪循環が全国の農村で起きている。」
「米価高騰の原因は」
…「米を作る人が減って田んぼも減れば、当然起こることだ。」
…「生産原価を下回る販売価格が続き、米を作れば作るほど赤字が増えていく状況が、長く続いてきた。」
…「米が足りないからといってすぐに増産に転じることができるほど、米作りは甘くはないよ。一度耕作されなくなった田んぼを再生するには、水をためる下地造りからしないと。」
「百姓一揆の狙いは」
…「何とかふんばって米作りを続けている百姓が残っているうちに、この危機的状況を変えなければいけない。食が農を支え、農が食を支えるという相互関係を、生産者と消費者がもう一度結び直そうという運動だ。」
「「米騒動」はしばらく続きそうです。私たち消費者はどう向き合うべきでしょうか。」
…「大事なのは、規模の大小に関係なく百姓が農業を続けられて、安定して米や農作物を供給でき、人々が安心して生きられるということだ。それには消費者の理解が欠かせない。「この国の農を支えているのは自分たちなんだ」という自覚を持ってほしいね。」
…「崩壊の危機に直面する日本の農業を直視し、もう一度立て直すには何が必要なのか。こんな時だからこそ、みんなで本気で考え、行動に移してほしい。今を逃したら、もう次はないと思うな。」
私には特に「大事なのは、規模の大小に関係なく百姓が農業を続けられて、安定して米や農作物を供給でき、人々が安心して生きられるということだ。それには消費者の理解が欠かせない」という言葉が印象に残りました。
他の議員2人と年明けから毎月続けているドキュメンタリー映画の上映会で、6月に上映した「おだやかな革命」には、秋田県にかほ市や山形県遊佐町での農業生産者と消費者が直接関わる取組みが描かれていました。
生産者と消費者のつながり…、それが大事なキーワードである気がします。
(2025.7.17 174)
2025年7月15日付 毎日新聞 25面 「参政党、TBSに抗議 参院選番組「公平性欠く」 専門家「報道への圧力」」
先にご紹介した朝日新聞の記事に続いて、この記事が目に留まったのでご紹介します。
記事の内容は、「TBSが参院選(20日投開票)を巡って放送した「報道特集」の内容について、参政党は13日、「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く」と抗議し、訂正を求める申し入れ書を公開した」というものです。
記事ではこのことに対する専門家の批判を載せています。「専修大の山田健太教授(言論法)は「報道に対する政党からの圧力であって、許されない」と批判した」。
さらに「放送法が定める「政治的公平」は「数量の平等ではなく質的な公正さ、すなわち公正な社会実現のために社会的弱者の声を取りあげたり、不正義をただしたりすることを指す」と指摘し「番組は批判されるような内容ではまったくない。公平かどうかの判断を政党や政治家が行うべきではない」と語った」。
皆さんはこの記事を読んで、何を感じますか。
(2025.7.15 173)
2025年7月15日付 朝日新聞 2面 「好きな政党「推し活」化 ネットで見たい情報触れ、さらに好感 本紙・阪大調査」
参議院議員選挙の情勢分析などが新聞各紙で報じられていますが、この記事では、各党の支持の傾向について興味深い調査結果を紹介しています。
「参政党や日本保守党、れいわ新撰組など、近年に設立された政党を「一番好き」と答えた人たちは、政党の好みが自分と同じ人への好感が強く、自分が嫌いな政党を応援している人ら、好みが異なる人への反感は強かった。こうした新しい政党を好きな人たちは、ユーチューブなどの動画共有サイトやX(旧ツイッター)などSNSから頻繁に情報を得ていた。動画共有サイトやSNSといった新しいメディアは、利用者が検索したり、視聴したりした履歴に応じ、利用者の好みと判断した動画や投稿を次々表示する「おすすめ」機能がある。利用者が応援している政党や候補者が発信する情報や、それらに好意的な情報が繰り返し表示されがちで、逆に、批判や嫌いなものの情報が表示されることはほとんどなくなる」。
さらに記事では、「こうした有権者の動向は、アイドルやアーティスト、スポーツなどのファンがコンサートに行ったり、グッズを買ったりする「推し活」に重なる」と述べ、「意見が先鋭化したり、価値観が異なる人を極端に否定するようになったりする課題も指摘されている」と述べています。
この記事を読んで思い浮かべる言葉は「思い込まされている」ということ、そして「分断」という言葉です。同日付の朝日新聞では、選挙情勢として特に参政党に勢いがあることが報じられています。しかし同党は「ファクトチェック」の対象として、他紙も含めてたびたび取り上げられてもいます。声高に訴えるその中身が根拠のないものであっても、支持を集めてしまっているのが恐ろしくもあります。
自分の意見と異なる人の意見に耳を傾けることがいかに大事か、ということを改めて思います。選挙後の日本の政治がどうなっていくのか、非常に気になるところです。
(2025.7.15 172)
参議院議員選挙が7月3日に公示され、全国で熱い選挙戦が続いています。私も山形県選挙区で立候補した芳賀道也さんの応援のため、市役所角で市議会議員や連合の仲間の皆さんと一緒に辻立ちを行っています。
そんな中で、扱いは小さいものの見過ごせない記事を見つけたのでご紹介します。
2025年7月6日付 山形新聞 3面 「N党・立花氏「これからも人種差別します」と発言」
「参院選兵庫選挙区に立候補した政治団体「NHK党」党首立花孝志氏(57)は5日、兵庫県川西市の阪急電鉄川西能勢口駅前での街頭演説で「これからも人種差別します。怖いから」と発言した。立花氏は4日に同県加古川市で行った街頭演説で「黒人とか、イスラム系の人たちが集団で駅前にいると怖い」と述べていた」。
同 「保守・百田氏「外国人労働者は文化守らない」」
日本保守党の百田尚樹代表は5日、福岡市での街頭演説で、日本に居住する外国人労働者に関し「日本の文化は守らない。ルールは無視する。日本人を暴行する。日本人の物を盗む」と語った。ヘイトスピーチに該当する可能性がある」。
それぞれ政党の党首、代表です。その人たちが公の場でこういうことを平気で語るのか、とあきれてしまいますが、そうした発言が聞いている人に受け入れられていることを思うと、同時に恐ろしさも感じます。
皆さんはどう思われますか。
(2025.7.8 171)
2025年6月24日付 朝日新聞 1面 「天声人語」
今朝の朝日新聞の天声人語では、先日実施された東京都議会議員選挙で初めて投票を経験した大学生の行動を紹介しています。その大学生は投票後、「その夜の小さな開票速報イベント」で記者と出会いました。会場は東京大田区の民主主義博物館。そのイベントの様子を伝えるとともに、次の言葉を記しています。
「私たちは選挙の制度については詳しく学校で習うが、政治へのかかわり方を学ぶ機会は多くない」、「職場や学校で、当たり前のように選挙を語る。匿名の誹謗中傷ではなく、面と向かって誰かと政治を話す。それはきっと民主主義の土台を強くするに違いない」。
米沢市議会では議員が広報広聴委員会を組織して、様々な取組を行っています。中でも中学校への出前市議会では、具体的な地域の課題などを議会で取り上げて審議され、解決されるまでの経過を朗読劇にしたり、市議会の仕組みをわかりやすく説明したりするほか、意見交換や実際の投票箱を使っての模擬投票などを行っています。
しかし、記事で述べられているように、「政治へのかかわり方」を学ぶものにはなっていません。いわゆる「主権者教育」というものについてどうあるべきか。考えていく必要があると思います。
(2025.6.24 170)
今朝の新聞各紙はいずれも1面トップで、イスラエルがイランの核施設を空爆したことを報じています。
2025年6月14日付 山形新聞 1面 トップ 「イラン核施設を空爆 イスラエル「先制攻撃」」
2025年6月14日付 毎日新聞 1面 トップ 「イスラエルがイラン攻撃 核施設空爆 司令官死亡 報復ドローン100機超」
2025年6月14日付 朝日新聞 1面 トップ 「イスラエル、イラン核施設空爆 標的100カ所超 高官ら殺害 イラン「報復」無人機発射」
2025年6月14日付 沖縄タイムス 1面トップ 「イラン核施設を空爆 イスラエル、先制攻撃」
このうち朝日新聞の天声人語では、国際法学者の言葉が掲載されていますのでご紹介します。
国際法学者は、国連の戦犯法廷で長く判事を務め、14年前に亡くなったアントニオ・カッセーゼ氏で、「予防的な先制攻撃」について考えを聞くと、以下の答えが返ってきたといいます。
「あなたが『イランは核兵器を1年後に使うだろう』と考えたとする。自衛のためだと攻撃を正当化しようとしたら、私は三つの条件を与えたい」。その条件とは、
① 確固たる証拠を国連に示すこと
② 攻撃対象は政府や体制でなく、『危険なもの』に限ること
③ 後に誤りがわかったら国際法廷で裁きをを受けること
そして、「条件を満たさなかった場合を問うと「侵略行為になる」と即答し、こう付け加えた。力で紛争は解決できない。それができるのは国際法だと信じているが、多国間の働きかけが非常に大切だと」。
議会活動報告第40号の編集後記でイスラエルによるガザへの侵攻を取り上げ、「国際法や国際人道法に違反しているとまでいわれる侵攻を、国際社会は何故止められないのか。心が痛みます」と書きました。アントニオ・カッセーゼ氏が言う多国間の働きかけはできるでしょうか。平和憲法を持つ日本政府には、ぜひその先頭に立ってもらいたいものだと思います。
(2025.6.14 169)
2025年6月5日付 朝日新聞 7面 「従業員守れ カスハラ対策義務化 改正法が成立」
この記事は、カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラ対策を企業に義務づける法律が成立したことを伝えるものです。現在の労働施策総合推進法の改正法として、6月4日に参議院本会議で可決、成立しました。公布から1年半以内に施行されるとしています。
記事では、他に、「就職活動中の学生らに対するセクハラ防止策を企業に義務づける改正男女雇用機会均等法や、従業員101人以上の企業に男女間の賃金差や女性管理職比率の公表などを義務づける改正女性活躍推進法も可決、成立した」と報じています。
こうした労働者の雇用や労働環境、待遇等を維持し向上、増進させる法律は他にもありますが、今回の改正内容も含めて、労働者やこれから社会人になろうとする学生などはどれだけ知っているでしょうか。大学や高校では、いわば労働者の働く知恵ともいえるこうした法律等の内容を教える機会はあるでしょうか。ないとすれば、自治体がその機会を作り出すことはできないか。まもなく招集される市議会6月定例会の一般質問では、こうした点を取り上げ提案します。
(2025.6.5 168)
2025年6月2日付 朝日新聞 21面 「小泉農相に批判続々 コメ農家への適正価格 注文 自民県連大会」
この記事は、6月1日に山形市で開かれた自民党県連の定期大会での発言を報じたものです。大会では、「県選出衆院議員から、政府備蓄米を随意契約で放出した小泉進次郎農林水産相が進める政策への批判が相次いだ」としています。
記事では各衆議院議員の発言内容も紹介されていますが、ここでは鈴木憲和氏の発言を紹介します。「農水省官僚出身で、昨年11月まで農水副大臣を務めた鈴木憲和氏(山形2区)は「本来国がやるべきことは備蓄米を放出するのではなく、国民に平等に行き渡る物価高騰対策をやること。お米券の配布や現金給付などの対策をせずに備蓄米放出に踏み切っている今の農政に、私は疑問を覚えざるを得ない」と批判した」、「コメ価格についても「政治家が高いとか安いとか言うべきではない。政治家が言わなければいけないメッセージは、適正な報酬が得られる農林水産業と、それを支える消費者がいて、初めてこの国の食料安全保障と第1次産業は守られる、ということだ」と述べた」。
こうした発言は、毎日新聞でも「閣内から政策に苦言を呈した形だ」として取り上げられています。(「首相 積年のコメ増産 備蓄米 値下げ効果未知数 副復興相「放出は疑問」」 2025年6月3日付 毎日新聞 3面)。
この記事で疑問に思うのは、まず「適正な報酬が得られる農林水産業と、それを支える消費者」のための政策がこれまで取られて来たのだろうか、ということです。そして、放出された備蓄米を購入した市民は、安く手に入ったことをみんな喜んでいるのではないか、という点です。お米券を配布したり現金を給付したりするには、事務処理を担うであろう地方自治体の負担が大きく、時間もかかるのではないでしょうか。
こうした点を考えれば、今回の発言は参議院選挙を前にした農家向けのものである印象を受けます。
米価の高騰は昨年からすでに始まっていたにもかかわらず、十分な対応をしてこなかったのは政府の責任ではないでしょうか。どうしてこういう状況になったのか。まずその理由を質す必要があるのではないでしょうか。
(2025.6.4 167)
2025年6月2日付 山形新聞 1面 「「軍事研究」27億円助成 防衛省の制度 9年で22大学 地方中心に利用拡大」
この記事は、共同通信の集計により「軍事技術にも将来的に応用可能な基礎研究を支援する防衛省の「安全保障代技術研究推進制度」で、制度が始まった2015年度から9年間で22大学が計27億3千万円の助成を受けたこと」が分かったと伝えています。この制度は「軍事にも応用可能な先進的な民生技術を積極活用するのが狙い」とされています。
記事では、戦争目的の研究をしないとする声明を、日本学術会議が2度にわたって出していることや、防衛省のこの制度を問題視する声明を17年にまとめたことにも触れています。
その日本学術会議については、現在国会で、国の特別な機関から特殊法人とする法案が審議されていて、今国会での成立が予想されています。成立すれば政府が日本学術会議を監視、統制する危険性が指摘されています。ご紹介した制度のさらなる拡充はもとより、戦前・戦中回帰ともいえる学問の軍事利用への利用が心配されます。
(2025.6.2 166)
2025年5月25日付 山形新聞 22面 「プロ棋士が協力隊員に 菊地さん(北海道出身)長井で県内初 交流拠点設置へ 囲碁の魅力伝える」
この記事は、現役のプロの囲碁棋士が長井市に移住し、「地域おこし協力隊」の新メンバーに就任したことを伝えるものです。新たに長井市の地域おこし協力隊員になるのは、「日本棋院東京本院所属の菊地正敏三段(33)=北海道旭川市出身」で、着任式で「囲碁を入り口に、まずは地域の人と親しくなりたい。市内外の方に長井の文化に目を向けてもらうきっかけをつくれれば」と期待を寄せた」と報じられています。
私の趣味も囲碁で、これまで米沢市児童会館や学童保育所や保育園などで子どもたちに囲碁を教えた経験もあります。現在山形市に住んでいる私の長男も囲碁の大会に参加したり、子どもたちに教えたりしています。その影響か娘たち(私の孫)も囲碁を楽しんでいて、なかでも小学4年生の長女は全国大会等にも出場しているようです。
記事では囲碁教室ともなる交流拠点が整備される、とも報じられています。米沢市に近いところで、囲碁を通じた交流の輪がどんどん広がることは大変うれしいことです。これから楽しみです。
(2025.5.25 165)
2025年5月25日付 しんぶん赤旗日曜版 1面トップ 「米軍犯罪 東京でも隠ぺい 日本政府から都への通報なし 12年間で160件中156件」
自ら「スクープ」の文字も踊るこの記事は、「都内で起きた米軍関係者(軍人・軍属・家族)による刑法犯事件の検挙件数は2024年までの12年間で160件にのぼり、そのうち4件を除く156件は日本政府から都への通報がなかった疑い」のあることがが編集部の取材でわかったと伝えるとともに、沖縄での米兵による女性暴行事件で日本政府が自治体に通報せずに大問題になったことと同様に「東京でも同様の事態が起きていたことになる」と指摘しいてます。
記事では、「東京で起きた米軍関係者の刑法犯事件」として2013年から24年までの事件の内訳も紹介しています。警察庁が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した「米軍構成員等(軍人、軍属及び家族)による刑法犯都道府県別検挙状況」をもとに作成したとする内訳は、以下のとおりです。
性犯罪15(不同意性交等10、不同意わいせつ4、公然わいせつ1)・殺人1・強盗4・粗暴犯64・窃盗犯37・知能犯8・その他31
同紙は6面で、沖縄弁護士会元会長で弁護士の加藤裕さんのコメントを紹介しています。加藤さんは「東京とその近辺には米空軍基地(東京)、米海軍横須賀基地(神奈川)など巨大な基地があり、それによって米軍関係者による事件とその隠ぺいが起きている」、「今後調べていけば、同じように米軍基地を抱える青森や神奈川、山口、長崎など他県でも同じ傾向があると私は思っています」と述べています。
そして政府がなぜ米軍事件を隠ぺいするのか、という点については次の2点を指摘しています。
① 米軍駐留に対し国民の批判が生じるのを抑える
② 在日米軍に特権を与える日米地位協定の改定を求める国民的機運を盛り上がらせない
そして最後に「日本に駐留する米軍が実際にはどのくらい日本国民の生命と財産に弊害を与えているのかを明らかにすることは、米軍駐留の是非を日本国民が判断する民主主義の観点からも大事」と述べています。
山形県には米軍基地はありませんが、こうした観点は非常に重要なこととして共感できるのではないでしょうか。
(2025.5.25 164)
2025年5月18日付 朝日新聞 23面 「沖縄県議会が抗議決議 「戦没者を冒涜 謝罪・撤回を」」
この記事は、自民党の西田昌司参議院議員が「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)の展示内容について「歴史の書き換え」などと発言したことに対して、沖縄県議会が16日に謝罪と撤回を求める抗議決議案を賛成多数で可決したことを伝えるものです。県政野党である自民党が賛成に回った一方、維新が賛同しなかったため全会一致とはならなかったものの、「県議会が一国会議員の発言に抗議を決議するのは異例」とされています。
問題となっている西田議員の発言は、憲法記念日の5月3日に那覇市内で開催されたシンポジウムでのものです。この集会は、神道政治連盟沖縄県本部と沖縄県神社庁、日本会議沖縄県本部がつくる実行委員会が主催したもので、自民党沖縄県連が共催していました。
発言の中身も新聞各紙等で報道されていますが、「自分たちが納得できる歴史をつくらないといけない」とも発言し(2025年5月4日付 沖縄タイムス 19面)、この部分は撤回されていません。
西田氏の発言は、十分な検証もなく自分たちの思い描く歴史認識を押し付けようとするもので、許すことはできません。西田氏は現職の参議院議員選挙で、今夏の通常選挙に京都から立候補が予定されています。山形新聞には参院選を巡る全国各地の情勢が掲載されていますが、京都の部分では「ひめゆり発言 波乱含み」のタイトルが踊っています。(2025年5月18日付 山形新聞7面)
選挙の行方にも注目です。
(2025.5.18 163)
2025年5月6日付 沖縄タイムスデジタル版 3面 「米債売却 交渉手段とせず 加藤財務相 発言を修正」
米トランプ政権が打ち出した相互関税について、米国との交渉をどのように進めていくかが焦点になっています。その点に関してこの記事は、日本が保有する多額の米債務をいわゆる交渉カードにするかどうかについて、加藤財務相が発言を修正したことを伝えています。
記事によると、修正の内容は以下のとおりです。
5月2日のテレビ東京の番組では、日本が米国債を持っているのは事実だとした上で、「「交渉のカードになるものは全て盤上に置きながら議論していくことは当然だ」と語った」としています。
それが5月4日の訪問先のイタリア・ミラノタでの記者会見では、「(2日の発言は)保有する米国債の売却に言及したものではない」と釈明し、「「米国債の売却を日米交渉の手段とすることは考えていない」と述べた」としています。
「米国債の売却は米政権にとって、触れてほしくない「急所」になっている」と記事では述べていますが、にもかかわらず交渉のカードとして考えないとすることに至ったのはなぜか。そのことも気になるところですが、記事では日本が保有する米国債の額についても記されていますのでご紹介します。
「日本の財務省によると、政府が外国為替市場に介入する原資などとして保有する外貨準備は3月末時点で1兆2725億ドル(約180兆円)。このうち74%を証券が占め、多くは米国債。米国の財務省によると、国別の保有額で日本は1位だ」。ちなみに、インターネットで調べると、米国債の保有額第2位は中国となっているようです。
(2025.5.6 162)
2025年5月3日付 朝日新聞 11面 「ガザ 飢える子ども 1日1食 母乳出ない 生後半年の娘が嘔吐・腹痛 支援物資停止2か月」
この記事は、パレスチナ自治区ガザの現状を伝えるものです。タイトルにある「飢える子ども」であるセワルちゃんの「大きく浮き出たあばら骨。今にも折れそうなほど細い手足」の写真とともに掲載されています。
記事では「イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの支援物資の搬入を停止してから、2日で2カ月たった」ことを伝え、ガザ当局が「4月28日、6万5千人以上の子どもが重度の栄養失調で病院に搬送されたとし「イスラエルは飢えを民間人への戦争兵器として利用している」と非難した」ことも伝えています。
こうした状況を世界は何故変えられないのか。私たちに何かできることはないのだろうか。そんな思いもあり、ドキュメンタリー映画の上映を行います。この上映会は1月から議員仲間3人で毎月1回実施しているもので、今年1月以降4月まで4回開催し、今年12月まで毎月1回の開催を目指しています。
今月の上映会は、以下のとおりです。ぜひご参加ください。
「シネマシェア米沢 第5回上映会」
タイトル:「私は憎まない」
日時:5月17日(土)17時30分~上映、18日(日)14時30分~上映
場所:米沢市中部コミュニティセンターホール
参加費:大人1,000円、大学生・高校生500円、中学生以下無料(当日受付でお支払いください)
なお、内容の詳細については下記のホームページをご覧下さい。
(2025.5.3 161)
2025年4月26付 朝日新聞 7面 「氷河期世代 待ち受ける高齢期 低い貯蓄 対策急ぐ政府」
この記事は、バブル崩壊後の就職難に直面したいわゆる氷河期世代について、政府が支援策を強化するために関係閣僚会議を開いたことを伝えるものです。
記事では、氷河期世代は「主に1993~04年に大学や高校などを卒業し、就職活動をした世代」を指し、その時期はバブル崩壊で企業が新卒採用を大きく減らした時期で、該当する人たちは約1700万~2千万人いるとされる、としています。
また、この世代は「上の世代と比べ、賃金上昇幅が小さく、金融資産も少ないうえに、持ち家率も低いという特徴」があることに言及しています。
そして、40年前後に高齢期(65歳以上)に入ると、「もらえる年金は少なくなり、生活保護受給に頼る人が増えれば、国の財政を圧迫しかねない」としています。そのため政府が「「高齢期を見据えた支援」を打ち出し、家計改善や資産形成の支援、住宅確保に向けた支援の具体化を急ぐ考えだ」と報じています。
この記事を読むと、ようやく対策が取られようとしているのかと思います。と同時に「何を今さら」との感じを拭えません。就職氷河期と言われるその時期にこそ、政府は対策を取らなければならなかったのではないでしょうか。現在深刻な状況になっている少子化や人口減少の大きな要因がここにある気がします。
(4月1日現在の米沢市の人口は73,908人、昨年4月から今年3月までに生まれた子どもの数は337人です。)
(2025.4.26 160)
2025年4月22付 山形新聞 5面 「トランプ騒動とコロナ禍 過剰な反応 繰り返したくない」
この記事は「オピニオン」として、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏が寄稿したもので、トランプ米大統領の関税政策に関連して、貿易に関する具体的な数字を紹介したものです。
以下にその内容をご紹介します。
①日本の輸出は、直近1年間(23年10月~24年9月)で105兆円と、史上最高を更新している。
②そのうち自動車は4分の1程度で、残りは海外の工場向けのハイテクの製造機械、部品、素材であるため、少々値上がりしても売れ続ける構造になっている。
③対米貿易黒字(輸出から輸入を引いた額)も、同時期に12兆円と、増加を続けている。
④これらのことから、トランプ関税とそれらがもたらす不況の影響で、たとえばこれが4割減ったとしても、コロナ禍の20年よりは多い。
⑤日本が貿易黒字なのは米国だけではない。同じく直近の1年間に、香港・韓国・台湾・シンガポール・インドから合計で13兆円、英国・オランダ・ドイツからも合計で5兆円稼いでいる。
⑥日本は米国から、所得黒字(米国に持つ工場からの利益や、株や債券の金利配当)を貿易黒字と同等の12兆円、特許料や著作権料を2兆円も稼いでいる。
⑦これらはIT関連のいわゆる「デジタル赤字」4兆円を軽く打ち消す額である。
こうした点を基に、「本当に残念なのは、こうした数字をきちんと示したうえで、トランプ関税の影響の程度を冷静に論じた文章や報道を見ないことだ」とし、「コロナ禍のときと同じように、過剰に騒ぎ立て不安を煽りまくった末に、数年後には全員でその一切を忘れている、ということになるのではないか」と指摘しています。
(2025.4.22 159)
2025年4月18付 沖縄タイムス 5面社説 「日米関税交渉 対米従属からの脱却を」
今朝は各紙ともトランプ米大統領との関税交渉を取り上げている中で、この社説をご紹介します。
記事では、まず「日本にとっては、基幹産業の自動車に対する高関税の見直しを引き出せるかが最大の課題」としつつ、日米の防衛費増額についてトランプ氏が不満を示したことに触れ、「米国は日本を守るが、日本は米国を守る義務がない」と主張してきたことに反論しています。
①日米安全保障条約はトランプ氏が主張しているような片務的なものではなく、日本の米国に対する基地の提供義務も規定している。
②日本政府は「思いやり予算」として、年に2千億円を超える金額を駐留費として計上している。
③かつて米高官は「米軍は本国に置くより、日本に置いた方が安上がりだ」と発言したことがあった。
さらに記事では、「防衛費増額を強く求めてきたとしても国内での議論が先」であり、「そもそも安全保障の問題を、関税交渉の取引材料の一つとして使うべきではない」とし、「むしろわれわれが求めたいのは、沖縄に過重な負担を強いる安保体制の変更と、地位協定の改定である」「戦後80年がたった今も膨大な基地を抱え、安保の負担を背負う沖縄の声をしっかりと聞くべきだ」と述べています。
日常的に米軍の基地負担が重くのしかかっている沖縄の声として、私たちも耳を傾けなければならないと思います。
(2025.4.18 158)
2025年4月16日付 毎日新聞 8面 「ハーバード大 政権と対立 反ユダヤ主義管理 強化要求を拒否」
この記事は、米ハーバード大学のガーバー学長が14日、「トランプ政権との補助金をめぐる交渉で、学生や教員の「反ユダヤ主義的な活動」の取り締まり強化などを求めた政権側の要求を拒否すると明らかにした」ことを伝えるものです。
記事では「トランプ大統領は、政権が推進する方針に従わない教育機関への補助金を打ち切る姿勢を示して」いて、「ハーバード大は政権と真正面からぶつかる初めてのケースとなった」。また、このことで「トランプ政権は14日、ハーバード大に対する22億ドル(約3156億円)以上の助成や契約の締結を決めた」と伝えています。
また、「学問の自由」の観点からもハーバード大の方針は支持されるべきものと思います。ガーバー学長が声明で「反ユダヤ主義と闘う道義的な義務を軽んずるものではない」としつつも、「政権の要求は「政府の法的権限を越える」と指摘し、「大学の独立性や憲法上の権利を放棄しない」と強調した」のは当然のことと思います。
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの侵攻を非難することは、もはや「反ユダヤ主義」とは関係なく、人道的な立場からも当然のことだと声を大にしなければならないのではないでしょうか。
(2025.4.16 157)
2025年4月15日付 山形新聞 20面 「西川町長パワハラ疑惑 町議会 百条委設置へ」
菅野大志西川町長をめぐる一連の疑惑についてはこれまでたびたび新聞等でも報道されていますが、今朝の記事は西川町議会が14日に全員協議会を開いて、地方自治法に基づく百条委員会を設置する方針を確認した、と報じています。正式には「25日にも開く臨時会で、議員発議の設置案を審議する」としています。
「百条委員会」といっても、人選はどうするのか、何をどのように調査していくのかなど、具体的な運営は町議会にとって「未知の領域」ともいえるのではないかと思います。この点について記事では、「町議会は調査内容の詳細などを設置案の文案に盛り込むため、県関係機関の助言を受ける」と伝えています。
百条委員会といえば、県知事の疑惑を解明するために兵庫県議会が設置し、調査結果も公表したことが記憶に新しいところです。町議会にはしっかりとした調査を求めたいと思います。と同時に、菅野町長の去就にも注目です。
(2025.4.15 156)
2025年4月10日付 沖縄タイムス 5面 「身に付けたい労働法知識 働く自分を守るため」
今朝は、記事ではなく、新聞読者からの投稿をご紹介します。
この投稿は、沖縄タイムスの「論壇」に掲載されたものです。投稿者は那覇市在住の渡久地政弘さん、86歳です。
渡久地さんはまず、4月になって若者が会社に入って仕事を始める季節を迎え、「長時間労働や低賃金、過労死、パワハラ、セクハラなどが起きること」があり、「それへの対処法として必要なのが労働法の知識といえる」と説いています。
また、「働く人にとって職業能力形成と、自分を守るために労働法の知識を身に付けることは車の両輪のようなものである。だが、従来のキャリア教育では前者が重視され、後者は学校や家庭での教育が不足しがちであった」と指摘しています。
そして、労働基準法、労働組合法、最低賃金法、労働安全衛生法、パートタイム・有期雇用労働法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パワハラ防止法、労働者災害補償保険法などに言及し、最後に、「若者が自分を守る武器として労働法の知識を身に付け、そのことによって、普通の人が普通に働けば、幸せに暮らしていける社会をつくることを望みたい」と結んでいます。
まったく同感と思いご紹介させていただきました。
(2025.4.10 155)
2025年4月6日付 山形新聞 24面 「西川町長と議長に申し入れ書提出 パワハラ疑惑受け有志」
この記事は、「西川町の菅野大志町長によるパワーハラスメント疑惑を受け、町民有志の「西川町を考える会」は5日、同町の西川交流センターあいべで町民集会」を開き、「菅野町長にハラスメントの根絶を、菅野邦比克議長に厳正な調査を、それぞれ求める申し入れ書を提出することを決めた」との内容です。「参加者は町民ら約100人に上った」とし、集会の写真も掲載されています。
記事ではさらに、一連の経過を説明した佐藤光康町議が、会場からの議会としての対応を問う質疑に「百条委員会を立ち上げる方向で進める必要がある」と答えたことも伝えています。
(2025.4.6 154)
2025年4月5日付 朝日新聞 4面 「サイバー法案 衆院通過へ 国会関与強化規定 盛らず」
新聞やテレビでは、トランプ大統領が発した新たな関税に関するニュースが飛び交っていますが、日本の国会では重要な法律が議論されています。憲法21条の通信の秘密に関わる法律で、この記事はその法案が衆議院を通過したことを伝えています。
法案の内容は、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御(ACD)」を導入するもので、このACDは「平時から政府がネット空間を監視してサイバー攻撃の兆候を探り、事前に対応する仕組み」とされています。
審議では、「「通信の秘密に対する制約は必要やむを得ない限度にとどまり、憲法違反にならない」(平将明・サイバー安全保障担当相)と答弁してきた」ものの、野党の一部が「「通信の秘密」を不当に侵害しないといった趣旨の文言が条文にないことを問題視」し、「通信の秘密など、憲法が保障する国民の権利と自由を「不当」に制限することがあってはならない」とする条文を加えた修正案が成立したと報じています。
その一方で、国会の関与を強化する直接的な規定は見送られ、「代わって、政府の運用を監視する独立機関が国会に活動を報告する際に、示さなければならない具体的な項目」が法案に列挙されたとしています。
記事では「海外サーバーへの侵入・無害化が相手国から武力行使とみなされる可能性がある」との指摘があったことも伝えています。
法案は衆議院内閣委員会で4日可決され、8日に衆議院を通過する見通しです。
(2025.4.6 153)
2025年4月2日付 山形新聞 19面 「早期退職の西川町元職員 「後任決定まで事業遂行」誓約書拒否し 町長に襟元つかまれる 人権侵害主張 救済申し立て」
この記事では、「西川町の菅野大志町長に、襟元をつかまれ、町長室に連れ込まれたことなどが人権侵害に当たるとして、先月末で早期退職した元町職員の男性が1日、山形県地方法務局に人権救済を申し立てたことが、関係者への取材で分かった」ことが報じられています。
また、隣の記事では、「町が複数退職者に誓約書 「守秘義務違反は損害賠償」署名求める」とのタイトルで、3月末で退職する複数の町職員に対し、「守秘義務を守らず、町に損害を与えた場合、損害賠償に応じるとの誓約書を用意し、署名を求めていたことが1日までに関係者への取材で分かった」と報じています。
これらの記事は、先日No146でご紹介した記事の続報ともいえるものです。今回の記事では「自治体が退職者に誓約書への署名を求めることは異例だ」とする自治労山形県本部の見解を伝えるとともに、西川町の職員労働組合がパワーハラスメントの現状などについての職員アンケートを実施するとも伝えています。
こうした動きに、今後とも注意していきたいと思います。
(2025.4.2 152)
2025年3月31日付 朝日新聞 4面 「米当局 外国籍学生を路上で突然拘束 イスラエル巡る批判が理由か 映像に高まる批判」
この記事は、「米マサチューセッツ州で、タフツ大の博士課程に在籍するトルコ国籍の女性(30)が移民当局に突然拘束された」ことを報じたものです。拘束される様子を捉えた防犯カメラの映像も掲載され、この映像がが報じられるなどして批判がわき起こっていると伝えています。
記事では拘束の理由として、「CNNによると、女性は昨年、大学新聞の意見記事で、イスラエルと関連のある企業などに対する大学の対応を批判していた」ことに触れ、ルビオ国務長官が女性のビザを取り消し、「勉強して学位を取るためにビザを出している。キャンパスを破壊する社会活動家になるためではない」と述べたことも紹介しています。
「地元では州の司法長官や市長が「政治思想を理由に拘束したのは憂慮すべき事態だ」などと批判」していることや「数百人規模の抗議デモも起きた」と伝えています。記事の扱いは小さいものですが、中国やロシアでの出来事ではなく米国内で起きたこととして、今朝の紙面で一番に目につきました。米国の自由と民主主義はいったいどこに行ってしまったのか、と感じざるを得ません。
(2025.3.31 151)
知事によるパワハラなどの疑惑を調査してきた兵庫県の第三者委員会は、先ごろ、斎藤知事の行為のうち10件をパワハラと認めるとともに、側近に指示して行った通報者探しや事情聴取、懲戒処分の一部については公益通報者保護法に照らして「違法」とする報告書を提出しました。
今朝の朝日新聞と毎日新聞ではどちらも社説で、この報告書に対する斎藤兵庫県知事の対応を厳しく批判しています。
2025年3月29日付 毎日新聞 5面 社説 「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか」
2025年3月29日付 朝日新聞 14面 社説 「斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ」
毎日新聞では、第三者委員会の報告書を受けて知事は初めてパワハラを認めて謝罪したものの、「告発者を探し出して懲戒処分とした県の対応は「適切だった」と強弁し、公益通報者保護法違反との認定を「考え方が異なる」と突っぱねた。告発文についても「誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書」と、従来の見解を変えなかった」とし、「行政の長としてのあるべき姿を説いた第三者委の指摘に真摯(しんし)に応えたとは到底言えない」と指摘しています。
さらに、「パワハラをした一般の公務員は何らかの処分をされるのが通例だが、知事は自身へのペナルティーには言及していない。とても公正とはいえない」ともしています。この点について朝日新聞も「職員のパワハラ行為については、懲戒処分指針に基づき減給などの処分がされてきた。自身への処分に触れない斎藤氏に対し、県庁内で不公平だとする声が出ているのも当然だろう」と述べています。
そしてこうした斎藤知事の言動について、「報告書を「真摯(しんし)に受け止める」と繰り返しながら実質的に拒否する姿勢は、もはや独善と言っても過言ではない。斎藤氏こそが「知事として失格」と言うほかないだろう」(朝日新聞)、「違法性を認め、元県民局長の処分は撤回すべきだ。さもなければ知事の任に値するとは言えない」(毎日新聞)と厳しく指摘しています。
(2025.3.29 150)
2025年3月27日付 沖縄タイムス 1面 トップ 「島の悲劇忘れぬ 「集団自決」史実継ぐ 米軍上陸80年 座間味で慰霊祭」
この記事は、米軍が上陸し沖縄戦が始まってから80年を迎えた座間味村で、26日に行われた村主催の慰霊式典が行われたことを伝えるものです。式典は5年に1回開催され、前回はコロナで中止となったため10年ぶりで、遺族ら200人が手を合わせたとあります。
記事では集団自決について、「米軍は激しい空襲と艦砲射撃の後、1945年3月26日に阿嘉、慶留間、座間味、屋嘉比島、27日に渡嘉敷島へ上陸し、地上戦が始まった。「集団自決」によって渡嘉敷島で330人、座間味島で177人、慶留間島で53人、屋嘉比島で2家族約10人が亡くなったとされる」と報じています。
(2025.3.27 149)
2025年3月20日付 毎日新聞 1面 「日米一体化 新段階に 自衛隊と米軍 組織改編呼応」
この記事では、アイアンフィスト(鉄の拳)と呼ばれる日米合同訓練の様子と、「変わりゆく自衛隊と、安全保障面における日米の「一体化」」を伝えています。
具体的な例として、陸海空軍を一元的に指揮する「統合作戦司令部」が、3月24日に防衛省に設置されること、「米側は在日米軍を再編して「統合司令部」に格上げし、ハワイの米インド太平洋軍司令部の権限を一部委譲することなどにも触れています。
また、12、13面には「自衛隊の活動 異次元領域へ」と題して、自衛隊の現状を詳しく伝えています。その中で「防衛省・自衛隊をめぐる主な出来事」が年表として掲載されています。
特に重要と思われる事項を下記にご紹介します。
1945年8月 第二次世界大戦終戦
47年5月 日本国憲法施行
50年6月 朝鮮戦争勃発
50年8月 警察予備隊発足
52年4月 サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約が発効
54年7月 防衛庁と陸海空3自衛隊が発足
60年6月 新日米安保条約が発効
77年8月 防衛庁が有事法制研究に着手
78年11月 日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を閣議了承
80年2月 海自が米海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)に初参加
91年4月 ペルシャ湾での掃海に向け海自艦艇が出航
92年6月 国連平和維持活動協力法成立
94年11月 自衛隊法改正で在外邦人輸送が任務に
95年6月 自衛隊法改正で災害派遣時の自衛官権限を追加
96年4月 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還に日米が同意
99年5月 周辺事態法成立
2001年11月 テロ対策特別措置法成立
03年6月 武力攻撃事態法など有事関連3法成立
03年7月 イラク復興特別措置法成立
03年12月 弾道ミサイル防衛システムの導入を閣議決定
04年6月 国民保護法など有事関連7法成立
04年8月 普天間飛行場に近い沖縄国際大に米軍ヘリが墜落
06年3月 統合幕僚監部創設
07年1月 防衛省に昇格、国際平和協力活動が本来任務に
09年6月 海賊対処法成立
11年6月 アフリカ北東部ジブチで自衛隊の活動拠点を運用開始
13年12月 国家安全保障会議設置、特定秘密保護法成立、初の国家安全保障戦略を閣議決定
14年4月 防衛装備移転三原則を閣議決定
14年7月 集団的自衛権の行使を限定容認する憲法解釈の変更を閣議決定
15年4月 新たな日米防衛協力の指針(日米ガイドライン)了承
15年9月 安全保障関連法成立
16年8月 安倍晋三首相(当時)が「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱
17年5月 米軍に初めて「武器等防護」を実施
20年5月 宇宙ゴミなどを監視する宇宙作戦隊が発足
22年12月 敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有し、防衛費をGDP比で2%に倍増する方針を閣議決定
23年3月 沖縄・石垣島に陸自駐屯地開設。
23年12月 防衛装備移転三原則などを一部改正、武器輸出を緩和
25年3月 統合作戦司令部発足へ
(2025.3.22 148)
今朝の新聞各紙はいずれも1面で、イスラエルがガザへの空爆を再開したことを報じています。
2025年3月19日付 山形新聞 1面 トップ 「イスラエル、ガザ攻撃再開 400人超死亡 停戦合意 崩壊危機」
2025年3月19日付 毎日新聞 1面 トップ 「ガザ空爆 400人超死亡 イスラエル 停戦合意、危機的」
2025年3月19日付 朝日新聞 1面 トップ 「ガザに攻撃 404人死亡 イスラエル 停戦合意 崩壊危機」
2025年3月19日付 沖縄タイムス 1面 「ガザ攻撃再開 400人死亡 停戦崩壊の危機に直面」
このうち山形新聞では、イスラエルが攻撃を再開した経緯に関連して、ネタニヤフ政権の実情に触れているのでご紹介します。
2025年3月19日付 山形新聞 4面 「極右偏重、恒久停戦遠のく」
記事では、「対パレスチナ強硬派で1月のガザ停戦合意に反対し、政権を離脱していた」イスラエルの極右政党「ユダヤの力」のベングルビー党首が、ガザ攻撃再開を歓迎し、今回の大規模空爆後に政権復帰を表明したことを伝えています。
また、「今月末までに2025年の予算案の承認を国会で得なければ、ネタニヤフ政権は解散・総選挙に追い込まれる」とし、「ネタニヤフ氏が必要としていたのが、まさにこのベングルビー氏の支持だった」としています。
自分の政権を維持するために戦争をしかける、空爆を再開する。そんなことが許されていいのでしょうか。
(2025.3.19 147)
2025年3月17日付 山形新聞 21面 「西川町議会一般質問動画 非公開 町長指示か 早期退職、パワハラ質疑」
この記事は、西川町議会で、ユーチューブでライブ配信、公開されていた一般質問の動画が、その後非公開になった件について報じたものです。動画が非公開になったことはすでに報道されていて(2025年3月14日付 山形新聞 22面 「一般質問動画 非公開に 早期退職関連 不適切発言か」)注目していました。
記事では「菅野大志町長が非公開を決め、指示した可能性があることが16日、関係者への取材で分かった」とし、動画を削除した際の様子について、「菅野町長が6日午後6時半ごろ、町職員に直接指示しており、パソコンでの操作も見守っていたという。こうした状況は複数の職員が目撃している」と報じています。
一般質問での質疑については、菅野町長が就任後に早期退職者が増えているとの指摘に対して、「「辞める職員に無理やり働いてくださいとは言わない。1人辞めるだけで、(同じ)人件費で若い人が2人雇えるからです。損失だとは思っていない」と答弁した」と内容が掲載されています。
菅野町長が就任して以来、西川町では町おこしとしての新しい取組がニュースなどでもたびたび取り上げられています。その裏では職員への負担が増していたのでしょうか。記事で紹介されている町長の議会答弁を読むと、辞めた人への思いが感じられません。たとえ住民のためのどのような良い施策でも、首長一人では実行できないと思うのですが。
(2025.3.17 146)
今朝は新聞各紙が休刊なので、これまでの記事の中から印象に残っているものをご紹介します。
2025年2月26日付 朝日新聞 13面 「敗北する米国」
これは、仏人類学者で歴史学者でもあるエマニュエル・トッド氏のインタビューです。氏の紹介には、「英国のEU離脱や米トランプ政権発足も予測した」とあります。また、本文中には、「乳幼児の死亡率などのデータを基に、1976年に15年後のソ連崩壊を予測したことで知られている」とあります。
その氏が米国の現状とこれからについて述べた事柄の中から、いくつかご紹介します。
①ロシアによるウクライナ侵攻は、事実上ロシアと米国の戦争だった。
②米国が主導した経済政策が失敗し、ロシアは持ちこたえ、同盟国であるドイツなどの欧州の方が(ロシアの天然ガス供給カットなどで)より深く傷ついた。
③日本やドイツと異なり、米国は、エンジニアになる若者の割合が非常に低い。
④乳幼児死亡率は、ロシアでは00年から急速に改善し、20年にはロシアより米国の方が死亡率が高くなった。
⑤現在の米国のキリスト教福音派は、19世紀のプロテスタンティズム全く異なる。トランプ氏はプロテスタンティズムの信仰に基づく生き方をしていない。退廃的なデカダンスだ。
⑥トランプ氏の保護主義政策は成功しない。関税をかけて外国から製品が入らないようにするだけでなく、国内でその製品をつくれる産業を育てられなければ、国民は幸福になれない。
⑦しかし、米国は国内産業を再建できない状態だ。なぜなら、技術者や熟練した労働者がいないから。
⑧米国の繁栄はものをつくっているからではなく、ドルという世界的な通貨を発行しているから。ドルの力が強いから、他国の産業に依存してしまうし、優秀な若者は(製造業以外の)より多くの収入を得られる分野に流れる。米国の繁栄は、国外の産業や労働力に頼っている。
⑨日本は、地政学的な対立に積極的に関わるのではなく、米国が衰退する世界のこれからを慎重に見守ることが大切。
テレビや新聞で、トランプの名を耳にしない日はありません。これから米国は、世界はどうなっていくのか。そして日本は。エマニュエル・トッド氏の言葉を思い出しながら注目していきたいと思います。
(2025.3.10 145)
2025年3月9日付 朝日新聞 4面 「自民、杉田水脈氏を公認 差別的投稿で人権侵犯認定 参院比例」
2023年に札幌法務局と法務省がそれぞれ人権侵犯と認定した杉田水脈氏を、自民党が今夏の参議院議員選挙比例区で公認することを発表した、と伝える記事です。
記事では、「人権侵犯認定に伴う処分はしなかった」こと、裏金問題で「昨年4月に役職停止6カ月の処分」を受けたものの、「国会の政治倫理審査会で説明はしていない」ことも取り上げています。
自民党が公認する理由として「比例票を掘り起こす狙いがある」としていますが、「党の人権意識が問われる」という文言は全くその通り、と思います。
(2025.3.9 144)
2025年3月7日付 毎日新聞 4面 「米の対外支援 最高裁 政権の「凍結」退ける」
この記事は、米連邦最高裁が「トランプ政権が凍結した対外援助のうち、既に支出手続きが完了していた20億ドル(約3000億円)相当の支援を予定通り実施するよう命じた連邦地裁の判断を支持した」ことを伝えるものです。
同じことを伝える記事が朝日新聞にも掲載されています。
2025年3月7日付 朝日新聞 9面 「対外援助凍結認めず 米最高裁」
記事によると、「連邦最高裁判事は保守派が多数を占めるため、トランプ政権に有利な判断を下すとの見方も」(朝日新聞)ありましたが、「5日の判断では、ロバーツ最高裁長官とトランプ氏が1期目に指名したバレット氏の保守派2人が、リベラル派3人と共に多数意見として政権の訴えを退けた」(毎日新聞)と報じています。
トランプ大統領が就任後に実施した国際開発局(USAID)に対する支援援助の凍結などについて、WHOの事務局長が世界の健康に深刻な影響があると懸念していると表明していますが、こうした行動にストップがかかるのか、今後の動向に注目したいと思います。
(2025.3.7 143)
2025年3月6日付 朝日新聞 26面 「斎藤知事「対応は適切」主張 百条委員会報告書 県議会が了承」
兵庫県の内部告発問題では、兵庫県議会に地方自治法に基づいた百条委員会が設置されました。この記事は、その百条委員会が調査した結果を取りまとめた報告書が県議会で了承されたこと、そしてそれに対する斎藤知事がどのような対応をしたかを報じたものです。
報告書の内容は、
①斎藤元彦知事らのパワハラなどの疑惑は「一定の事実」であること
②告発者への対応は公益通報者保護法違反の可能性が高く、大きな問題があったこと
というものです。
これに対して斎藤知事は、県議会後の午後の定例記者会見で
①「県議会が了承した百条委の報告書を「一つの見解。対応は適切」と受け入れない考えを示した。
②「公益通報者保護法違反の可能性が高い」との指摘には、「逆に適法の可能性もある」とまで言った。
と伝えています。
知事のこうした態度は、知事として果たしてふさわしいのだろうか、と私には疑問に思えます。
記事では記者会見の様子として、「百条委が報告書で求めた元県民局長の懲戒処分の「適切な救済・回復」を斎藤知事は拒み、「不服であれば申し立てや裁判をできたはずだ」と述べた」こと、さらに「公用パソコン(PC)から見つかった私的文書の内容に初めて踏み込み、「倫理上、極めて不適切なわいせつな文書」とした」と、「元県民局長をおとしめるような発言も繰り返した」とも報じています。
まさに「開き直り」としか言いようがないのではないでしょうか。
(2025.3.6 142)
2025年3月5日付 毎日新聞 3面 なるほドリ 「マイナカードの有効期限って? 券面には10年後の日付 電子証明書は5年」
皆さんはマイナンバーカードに有効期限があるのを知っていましたか?
記事では、「カード自体の有効期限は券面に書かれている通り、取得から10回目の誕生日(未成年は5回目)までですが、さまざまな手続きに必要な電子証明書は5回目の誕生日まで」で、この期限が切れると、
① 身分証明書としては使えるが、
② 住民票などのコンビニ取得やマイナポータル経由の確定申告の手続きが使えなくなる、
③ 保険証としては期限切れから3カ月は使えるが、その後は使えなくなる
と紹介しています。
また、2025年度に更新時期を迎える人は、総務省によると2769万人となる見込みとしています。
継続してマイナンバーカードを利用するためには自治体の窓口で更新手続きをしなければならないということで、5年に1度は市役所に出向く必要があるようです。取得する際に、そのような説明はありましたか?
(2025.3.5 141)
今朝の新聞各紙は、28日に行われたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂に終わったことを伝えています。
各紙の報道から、印象に残る記事をご紹介します。
毎日新聞は、廣瀬陽子慶応大学教授(国際政治)のコメントを掲載しています。
2025年3月2日付 毎日新聞 2面 「「力の支配」に陥らず」
「トランプ氏のやっていることは、ロシアとは形が違えど「力による現状変更の試み」であることに変わりはない」「世界は「力の支配」に陥りかけていたが、首脳会談が物別れに終わったことで、首の皮一枚つながったとも言える」「米国は民主主義国の連帯から完全に離れつつある」と述べ、「ウクライナ和平と国際秩序のあり方をセットで考える必要がある」と結んでいます。
朝日新聞は、遠藤乾東大大学院教授(国際政治)のコメントを掲載しています。
2025年3月2日付 朝日新聞 5面 「世界帝国・米国の時代 終わり」
「世界各地に出張っていく「世界帝国」としての米国の時代は終わったと感じる会談だった。衝撃的な決裂だ」「被害者であるウクライナ側を非難して加害者側に近寄る。そこに正しさはなく、打算しかない。トランプ氏は、過去の政権で何とか手放さないようにしてきた米国の「正しさの装い」をかなぐり捨てている」とし、「日米安保のもとで掲げられていた戦後の日本の平和主義も再考を迫られるかもしれない」としています。
トランプ米大統領の進め方は、力による支配であり、打算しかないとの両者の意見はまったくそのとおりという気がします。米国第一主義を掲げるトランプ大統領ですが、その一方で、世界から寄せられる敬意は次第に薄れて行っている気がします。 ウクライナの平和、そして世界の平和はどうなっていくのか。「戦争は、お互いがよく知っている者同士が始めるが、戦わされるのはお互い全く知らない者同士だ」という言葉があります。国民、庶民の犠牲を忘れてはならないと思います。
(2025.3.2 140)
2025年3月1日付 毎日新聞 20面 「高校無償化に反対47%」
この記事は、「はじまりのうた」と題して定期的に掲載されているものです。担当しているのは毎日新聞専門編集委員の佐藤千矢子氏です。
高校授業料の無償化は、自民党、公明党、日本維新の会が合意したもので、このことにより維新が新年度予算の賛成に回り、予算案の成立が確実になったと報道されています。
佐藤氏も「一瞬、数字を間違えたのかと思った」という世論調査の中身は、毎日新聞が実施した2月中旬の世論調査の結果です。「毎日新聞の世論調査室に聞くと、賛否を尋ねた際に「理由があれば、お書きください」と自由記載を求めたため、回答者がメリットとデメリットを勘案して答えたことが影響しているのではないか」としています。
記事では、反対の理由を「興味深い」として掲げているので紹介します。
・希望して私立に行くのにも一律の費用負担をすると、公平性が損なわれる。
・公立よりも私立のほうが、いろんな施設とかが、充実していると思うので、公立校の定員割れが心配。
・私立学校は国にお金で縛られず、独立の道を進むべきだ。
・増税として国民が負担することになる。
・国の財源が厳しく、他に優先することがある。
記事では最後に、無償化だけをとらえればよいことだが、教育全体として見ればどうか、と疑問を投げかけ、「数字だけでなく、賛否の中身をぶつけ合う議論が足りない」と結んでいます。
この高校授業料の無償化は、米沢市に当てはめればどうなのでしょうか。市民の皆さんはどうとらえるのか気になるところです。皆さんはどうお考えですか。
(2025.3.1 139)
2025年2月27日付 毎日新聞 19面 「残忍な犠牲 もう二度と 2.26事件 90回忌の追悼式」
この記事は、「日本近現代史最大のクーデター未遂と言われる「2.26事件」から89年の26日」に、慰霊像が設置された東京・渋谷で、遺族の方たちが90回忌の節目に追悼式を行ったことを伝えるものです。
記事では、事件に参加した将校の遺族である今泉章利さんの言葉を紹介しています。父である今泉義道さんは「事件当日の午前3時に上官から突然、政府要人を殺害する計画を知らされて参加。事件後禁固4年の刑に処せられた。出所後、「部下たちの身代わりになろうと思った」と話していたという」。「犠牲になられた方々の気持ちを正確に知ってほしい」「日本、世界の平和を祈りました」。
事件は、「「昭和維新」を目指す青年将校らに率いられた兵士約1500人が首相官邸などを襲撃」したとされています。記事では、慰霊像が建てられている「周辺は元陸軍刑務所で青年将校らが銃殺された場所」であり、「毎年2月26日には、遺族らが殺害された政府重臣や警護で殉職した警察官、青年将校らを悼んでいる」ことも伝えています。
2.26事件に関する記事が掲載されるだろうなと思いながら紙面を見ていましたが、毎日新聞で取り上げていたのでご紹介しました。
(2025.2.27 138)
2025年2月26日付 山形新聞 2面 記者席ノート 「米沢織の魅力発信へ、市議ら和装で本会議」
市議会3月定例会の初日は、議員、職員が着物を着て本会議に出席します。記事では、「米沢市議会3月定例会恒例の「きもの議会」が25日、市議場で開かれ」たことを伝え、「産業発展を支えてきた米沢織の振興を目的に、1979(昭和54)年から続けている取り組み」と紹介する文書とともに、本会議場で議員と市長をはじめとする市幹部職員が並んで撮影された写真が掲載されました。
左の写真は、会派控室で所属する議員仲間と撮影した写真(左端が私)です。
着物を着るのは初日だけですが、いかにも議会がスタートするという気がします。
(2025.2.26 137)
2025年2月25日付 毎日新聞 7面 「脱炭素のスタート地点 京都議定書発効20年」
この記事は、97年に京都市で開催された国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)で採択された京都議定書が発効から20年を迎えたことから、以降の世界の取組について伝えているものです。
京都議定書は、「先進国全体で温室効果ガス排出量を1990年比で5%減らす」というもので、「事実上、世界の脱炭素化のスタート地点」としています。
記事では、地球温暖化対策の歩みが年を追って記載されていますのでご紹介します。
1992年 気候変動枠組み条約採択
97年 条約第3回締約国会議(COP3)で京都議定書採択
98年 日本で地球温暖化対策推進法成立
2001年 ブッシュ米政権が議定書不支持を表明
05年 議定書発効、日本でクールビズ開始
08年 議定書の第1約束期間開始
13年 議定書の第2約束期間開始。日本参加せず
15年 COP21でパリ協定採択
16年 協定発効、日本は発効後に批准
19年 第1次トランプ米政権が協定脱退を通告
21年 バイデン米政権が協定復帰表明
23年 COP28で化石燃料からの脱却に合意
25年 第2次トランプ政権が協定再脱退を通告
昨年の夏は地球上で過去最も暑い夏だったとされ、国連事務総長は「世界沸騰時代」と表現しました。異常気象は暑さだけではなく、日本で起こっている夏の大雨やこの冬の大雪にも関わっているのではないかと心配です。気候変動はいまや人類共通の大問題で、戦争などしている場合ではない、と思えてなりません。
再選されたトランプ大統領はバリ協定からの再脱退を通告しています。これに対して記事でたびたび紹介されている環境NGO「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表が最後に、「我々が目指すべきは、自分たちが生きてきた環境を将来世代に残すことだが、今排出を減らさない限りはそれが不可能になる。対策を強化するのは現世代の責任だ」と訴えています。
(2025.2.25 136)
2025年2月3日付 山形新聞 12面 「スズメがいなくなる? 里山の全国調査 急速に減る鳥やチョウ」
この記事は、全国で身近に見られる鳥やチョウの数が急激に減っていることを伝えるものです。
2022年度までの20年近く、全国の里山325カ所で様々な生物の数を決まったやり方で数えたもので、5千人以上が協力しました。
その結果、鳥は106種類を調べて「オナガ」は14.1%のマイナス、「スズメ」は3.6%減っていた、チョウは103種類調べたうち34種類が急速に減っていて、「オオムラサキ」は10.4%、「イチモンジセセリ」は6.9%少なくなっていたことを伝えています。環境省が「絶滅するおそれがある生き物」として指定する基準は「1年に3.5%以上」減っていることであり、その基準を満たすほどの減り方と指摘しています。
また、専門家の話として、「理由ははっきりしていませんが、開発が進んだことや温暖化など、いくつかの原因が考えられる」と伝えています。
昨年12月にドキュメンタリー映画を上映するグループをつくり、1月から毎月上映会を始めました。2月の映画のタイトルは「アニマル ぼくたちと動物たち」という映画で、ご紹介したこの記事のように、世界中の動物の多くが絶滅に瀕していることを取り上げたものです。
日時、場所は以下のとおりです。前売り券がなくとも当日入場可能です。ぜひご覧ください。
日時:2月15日(土)17時上映開始、16日(日)14時上映開始
場所:米沢市中部コミュニティセンター ホール
入場料:大人1,000円、高校・大学生:500円、中学生以下:無料
(2025.2.3 135)
2025年1月29日付 山形新聞 21面 「道路陥没、トラック転落 下水管破損か 男性の救助難航」
テレビのニュースでも報道されていましたが、この記事は埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故を伝えています。記事によると道路にできた穴の大きさは、「幅約10メートル、深さ約6メートル」という非常に大きなものになっています。この穴にトラック1台が転落し、「運転手とみられる男性1人の救助活動は、半日過ぎた夜になっても続いた」と報じています。転落された方の一刻も早い救助が望まれます。
この記事で注目したいのは、穴のできた理由です。記事では、「県道の地下約10メートルにある下水道管が腐食して破損した部分に土砂が流入。地下に空洞ができ、その上を車両などが通ったことで重みに耐えきれず、陥没した可能性があるとみて調べている」とする県担当課の説明を紹介しています。
水道管や下水道管の老朽化にどう対処していくか。水道管であれば古い管を交換する工事が実際に行われています。工事の間は給水車をだして水道水を供給すれば済みますが、下水道はそうはいきません。下水道の使用をストップすることはできないからです。そのため下水道管は管を掘り出して新たに埋めなおすことができないのではないか。この点について、予算委員会などで質問したことがありました。工事の方法としては下水道を使用しながら下水道管の内側にシールドを貼っていく工法などがあるようですが、時間と経費が相当掛かることは容易に想像できます。また、実際に老朽化した場合にどうなるのか。下水が管から漏れ出す程度のことしか想像できませんでした。
しかし、今回の報道を目にしてこんなことも起こりうるのか、と驚きました。下水道管が埋設されている道路ではこうしたことが起こり得る、そうしたことが起きないうちに、計画的な対応を求めたいと思います。
(2025.1.29 134)
2025年1月7日付 毎日新聞 2面 「企業・団体献金巡る「平成の政治改革」 「見直し」=「禁止」 当時首相・細川氏、石破氏主張を否定」
自民党の裏金問題に端を発したこの度の政治改革の問題は、企業・団体献金が禁止されるかどうかに焦点が移っています。この点に関して、「検証」という形で細川護煕元首相、河野洋平元自民党総裁の見解を紹介したのがこの記事の内容です。
問題となったのは、石破首相の国会における発言です。記事ではまず、2024年12月5日の予算委員会で、石破首相が以下のとおり発言したと報じています。
「政党助成金(交付金)を導入する代わりに、企業・団体献金は廃止の方向となった事実はない」、「(政党に)公的助成が入ったので企業・団体献金はなくなるという意識を持ったものは、少なくとも自民党にはいなかった」。
これに対して、当時首相だった細川護熙氏が2024年12月中旬の毎日新聞のインタビューに答えた内容を取り上げています。
「当時の連立与党内には即座に禁止すべきだという意見と、全面禁止は少し時間を置くべきだという意見の両方があった」、「「両者の意見を調整して政治家個人に対する企業・団体献金を禁止し(政党などへの献金は)付則で『5年後に見直し』と書いた」とし、「見直しの」意味は「禁止だった」との認識を強調した」。
また、1993年7月の衆院議員選挙で初めて自民党が野党となり、細川連立政権が発足した際に自民党総裁だった河野洋平氏は、「2024年12月下旬の講演で「企業・団体献金をやらないために政党助成金を導入した」と改めて訴えた。さらに、石破首相が企業・団体献金はなくなると考えた議員は「自民党にはいなかった」と発言したことについては「(石破首相は)自民党にいなかったはずだ。いなかったから、わからないんだろう」と反論。首相が当時、自民党を離党していた点を指摘した」と紹介しています。
そもそも過去に企業・団体献金が問題視されたのは、自民党に関わるリクルート事件が発端です。にもかかわらず、今さらのように禁止より透明性を主張するのは、自民党がいかに企業・団体献金にこだわるか、自らの金権体質を自らが証明しているように思えます。
(2025.1.9 133)
2025年1月5日付 毎日新聞 4面 「「弔われない人」なくせ」
ご紹介する記事は、毎日新聞の滝野隆浩専門編集委員が担当して定期的に掲載されているもので、タイトルは「掃苔記」(そうたいき)です。
今日取り上げた記事のテーマは「引き取り手のない遺体・遺骨に各自治体がどう対応しているのか」で、昨年12月に公表された全国調査を基にしたものです。
「頼る人がいない1人暮らしの人が急死したら、市区町村の職員はまず身寄り探しに苦労する。ようやく探し当てても遺体引き取りを断られることも多い。最後は自治体が火葬や埋葬をするのだが、統一ルールはない」。
私は近所で一人暮らしをしている人が家の中で亡くなっているのを発見するという経験をして、市議会一般質問で取り上げたことがありました。それは孤独死を防ぐための手立てという観点からのものでした。記事では、「孤立した単身者を支えるためには、元気なうちから自治体が関わり情報を得ておくしかない」として、「緊急連絡先やかかりつけ医、契約した葬儀社など」の「終活情報の登録制度」を、自治体としての対応の一例として挙げています。神奈川県横須賀市など14の自治体にこうした制度があることも紹介しています。
私が経験した例では、町内会長が親類の方の連絡先を聞いていて控えていたことから記事の例のようにはなりませんでした。しかし、近年米沢市でも高齢者の一人住まい世帯や高齢者だけの世帯が増えてきています。記事にあるような状況に備えて米沢市での取組みはどうなっているのか、気になるところです。
(2025.1.6 132)
2025年1月3日付 山形新聞 20面 「自治組織運営に危機感 若い力、持続には不可欠」
山形新聞では新年から、「県人口100万人割れ その先の山形新章」と題して新しい連載を始めました。1月3日付紙面では、1面に「止まらぬ減少 郡部ほど」とするタイトルを掲げた記事を掲載しています。
記事では、5年に1度実施される国勢調査による県人口を紹介しています。それによると、「本県人口が100万人未満だったのは1920(大正9)年第1回調査の96万8925人」で、「ピークは戦後の1950(昭和25)年で135万7347人となった」。その後減少傾向が続き、「直近30年で見ると、1994年の125万6764人と比べ、2024年は2割減。出生数の減少と若い女性を中心とした首都圏への流出に歯止めがかからない」。
また、県内市町村別の人口の推移が、20面に一覧表で掲載されています。それによると米沢市の推移は以下のとおりです。(いずれも10月1日現在。2024年は推計値。また1994年との比較は私の試算です。)
・1994年 95,479人
・2004年 93,827人 (1994年人口を100とした場合98.3)
・2014年 86,949人 (1994年人口を100とした場合91.1)
・2024年 76,961人 (1994年人口を100とした場合80.6)
記事では、こうした実態を紹介した上で、国が2014年に「地方創生」を打ち出したものの「今も地方から首都圏への人の流れは変わらない」と指摘しています。
その一方で、県内自治体の動きとして、白鷹町深山地区や新庄市上野・蛇塚地区での20代や30代の若い住民との「世代間交流」を紹介しています。
人口減少や少子化は、雇用や賃金などを含めた地方と都会との地域間格差が大きな問題と思いますが、米沢市でも学生や若い人たちを含めた地域での交流が人口減少を少しでも遅らせることにつながる一つの要因になるのではないかと期待したいと思います。
(2025.1.5 131)
今年は戦後80年。沖縄タイムスでは1月1日付の紙面で、沖縄戦と自衛隊の現状を特集した記事を掲載しました。
2025年1月1日付 沖縄タイムス 15面 「沖縄戦 生活の場が戦場に 県民の犠牲12万2千人」
記事では、戦後50年を迎えた1995年に糸満市摩文仁に建設された「平和の礎」に、24万2225人の名前が刻まれていることを取り上げています。対象は「在住地や国籍を問わず、沖縄戦で亡くなったすべての人」で、沖縄県出身者は「沖縄戦だけでなく、アジア太平洋戦争で亡くなった人も刻銘している」と紹介しています。
「平和の礎 出身地別刻銘者」として円グラフで示された内訳は、沖縄県149,658人、県外77,978人、米国14,010人、大韓民国381人、北朝鮮82人、英国82人、台湾34人です(2024年6月現在)。
次ページでは、現在計画されている先島諸島からの住民避難計画について、沖縄県内の市町と避難先となる九州各地や山口県を地図で表し、戦時中の疎開と酷似していることや自衛隊の現状を報じています。
「先島諸島からの住民避難計画」として地図で表されている人数は、先島諸島全体で112,525人で、与那国町1,697人は佐賀県に、竹富町4,300人は長崎県に、石垣市49,848人は山口県、大分県、福岡県に、多良間村1,103人は熊本県に、宮古島市55,577人は福岡県、熊本県、宮崎県、鹿児島県に、それぞれ矢印で示されています。
2025年1月1日付 沖縄タイムス 16面 「「戦争前夜」忍び寄る 島外へ避難 疎開と酷似」、「自衛隊 機能強化の一途」
記事では、最後に日本政治外交史が専門の中京大・佐道明広教授の言葉を紹介しています。「国民保護法に基づく現在の国民保護実施計画が、住民の生命を守るためにどの程度機能するかは疑問が多い」「有事を起こさない外交努力が一番の国民保護だろう」。
政府にどこまでそうした考えがあるのか、しっかり見定めていくことが肝要です。
(2025.1.4 130)
2024年12月16日付 沖縄タイムス 5面社説 「海兵隊グアム移転 18年かけたった100人か」
2024年12月17日付 毎日新聞 5面社説 「沖縄の海兵隊移転開始 負担の軽減につなげねば」
これらの記事は、中谷防衛相が15日に沖縄県庁で玉城沖縄県知事と会談し、海兵隊員のグアムへの移転が開始されたことを伝えたことを捉えたものです。
昨日の沖縄タイムスでは、「あまりに少なく、あまりに遅い。今後どのくらいの規模で、いつまでに移転完了するのかも一切明かされていない。これで本当に基地負担が軽減するのか」と指摘しています。
また、本日付の毎日新聞でも「18年を経て、ようやく緒についた形だが、完了時期など具体的なスケジュールは明示されなかった」と伝えています。
両紙に共通するのは、この間の米兵による事件や事故が後を絶たないことです。こうした点について、沖縄タイムスでは「「負担軽減」を単なる政治アピールとすることは認められない」と厳しく指摘しています。
政府が強行する普天間基地の辺野古移設は、大浦湾側が軟弱地盤のため完成時期や工事費が想定以上に増えることが指摘されています。基地負担はどうなるのか。基地があり続ける限り負担はなくならないのではないか、と思えてなりません。
(2024.12.17 129)
2024年12月12日付 朝日新聞 27面 「被爆者への償いを 繰り返し 政府の責任問う「予定外」の発言」
昨日の新聞各紙は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を授賞した様子を1面トップで伝えていました。この記事は、代表の田中熙巳さんが行ったスピーチに、当初予定していなかった表現が盛り込まれたことを伝えています。
「もう一度繰り返します。原爆で亡くなった死者に対する償いは、日本政府は全くしていないという事実をお知りいただきたい」。
記事では、
① 日本は戦後、対外的には米国などへの賠償請求権を放棄していること
② 国内では、戦争被害者に対する補償は軍人・軍属などに限ってきたこと
③ 被爆者や空襲被害者などの民間人は原則として補償の対象から外されてきたこと
を取り上げ、その背景にあるのは「国の非常事態下で起きた被害は、国民が等しく我慢しなければならない」とする「戦争被害受任論」であると指摘しています。
こうした一方で「日本被団協は1956年の結成以来、「核廃絶」と並ぶ活動の柱として「国家補償」を位置づけてきた」こと、そしてその結果、「年2回の健康診断などが行われる「原爆医療法」、健康管理手当などを支給する「原爆特別措置法」など」が実現したとしています。
しかし、「政府はあくまで「補償」ではなく「社会福祉」との立場を変えていない。ドイツが軍民の区別なく補償しているのとは対照的と言える」と指摘しています。
「日本被団協が国家補償にこだわるのは、原爆被害の責任を誰も取らないなら「核兵器を使っても償わなくても良いという前例になりかねない」と考えているからでもある」。
今回の授賞で、授賞スピーチをとおして、国家と国民の在り方を改めて考えさせられます。戦争は誰が起こすのか。戦争中はもちろん、戦後になっても、犠牲になるのは私たち国民であることを忘れてはならないと思います。
(2024.12.12 128)
2024年12月7日付 毎日新聞 5面社説 「兵庫知事選と立花氏 選挙の公正損なう言動だ」
この記事は、「公正な選挙は民主主義の土台である。脅かされるようなことがあってはならない」として、先の兵庫県知事選挙での「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏の言動を取り上げた社説です。
記事では、選挙期間中の同氏がSNSを通じて行った言動として、「斎藤知事のパワーハラスメントなどの疑惑を追及してきた県議会調査特別委員会(百条委)の委員長宅前で演説をする様子を配信した。「出てこい」と威圧し、「自死されたら困るのでこれくらいにしておく」などと嫌がらせをした」ことを挙げ、「常軌を逸した振る舞いだ」と厳しく指摘しています。
記事ではまた、4月の衆議院議員補欠選挙で「政治団体「つばさの党」の候補者らが、他候補の演説を妨害する様子をオンラインで生配信した」行為や、7月の東京都知事選挙で「掲示板が風俗店の広告などで「ジャック」された」ことなどを挙げ、「選挙をもてあそぶかのような行為が相次いでいる」「制度の信頼性を保つにはどうすべきか。日本社会全体が向き合わなければならない重い課題だ」としています。
選挙制度の在り方が、今まさに問われています。
(2024.12.7 127)
2024年12月6日付 朝日新聞 2面 「石破論法 残るは熟議「感」」
国会では昨日から衆議院予算委員会が始まりました。この記事はその予算委員会でのやり取りを伝えるものです。中でもご紹介したいのは、石破首相が先の自民党総裁選での発言との整合性を問われた際の内容です。
「総裁選のさなかにマイナ保険証と従来の健康保険証の併用について「選択肢として当然」と肯定的に語りながら、首相就任後は政府のこれまでの廃止方針を踏襲。「どうして(持論を)変えたのか」とただされると、首相は「総裁選で掲げた政策を、その通りにやるということにはならない」と強弁。さらに「(総裁選で)掲げたことを全てやることを自民党はやったことがない」と気色ばんだ」。
このやり取りは一部テレビでも報道されました。たまたま私も見ていましたが、石破首相の答弁に委員会室内には「えーっ」という声が溢れていました。
自民党総裁選で掲げた内容は何だったのか。自民党の党員の方々はこの首相の言葉をどのように受け止めるでしょうか。
(2024.12.6 126)
一人の写真家を紹介する記事が目に留まりましたのでご紹介します。
2024年11月20日付 毎日新聞 19面 とうほく人模様 「労働者の犠牲を懸念 写真集「新版 原発崩壊」を刊行 樋口健二さん(87)」
「売れない写真家」を長年自称してきた樋口さんは、原発の下請け労働者の被ばくと健康被害の実態を暴く写真を撮っていましたが、東日本大震災が起きて一躍脚光を浴び、撮りためてきた写真をまとめて写真集「原発崩壊」を刊行しました。
そこには「骨髄のがんに侵された元作業員、強い放射能にさらされる炉心部で点検作業をする男性たち・・・。病に倒れた多くの被ばく労働者」の姿が収められています。
一度絶版となったこの写真集は、今また「原発再稼働の動きを受け、出版社を変更し、一部写真を入れ替えて復刊した」。
樋口さんの言葉が紹介されています。「原発労働者は、つぶされ、捨てられた。人間を犠牲にして電力を起こし、豊かになるというのは大間違い。水俣病などの公害病も同じだ」。
福島第1原発で先ごろ取り出された核燃料(デブリ)がわずか0.7グラムで、総量が880トンと推計されていることに触れ、「1日20キロ取り出しても120年かかる。このため、現在、原発に集められた4000人超の労働者がデブリ取り出しに駆り出され、また犠牲になるのでは、と心配している」。
職に追われ、原発事故の対応作業をするのだと言って米沢から福島に行った人を私も知っています。あの人は今どうしているだろうか、と思います。写真を通して原発で働く労働者を見つめてきた樋口さんの言葉は非常に重く感じます。
(2024.11.20 125)
2024年11月13日付 山形新聞 1面トップ 「2050年推計 本県単身世帯34.5% 都道府県別で最も低く」
この記事は、国立社会保障・人口問題研究所が発表した都道府県別世帯数の将来推計の内容を伝えています。
それによると、「2050年の全世帯に占める1人暮らしの割合は本県が34.5%と都道府県別で最も低」く、「65歳以上の高齢者が1人で暮らす割合は19.0%と全国3番目の低さ」となるようです。
記事では山形県全体についての数字が掲載されていますが、米沢市ではどうなのか。今年9月の一般質問で取り上げた項目の中で、参考として65歳以上の市民を対象とした数字について回答をもらっているので掲載します。
【65歳以上の独り暮らし世帯の推移】
・令和4年4月1日現在では、3,323世帯
・令和5年4月1日現在では、3,309世帯
・令和6年4月1日現在では、3,293世帯
・令和6年4月1日現在、全世帯に対し9.8%、おおよそ10世帯に1世帯が高齢者単身世帯となっている
【高齢者のみで構成される世帯の推移】
・令和4年4月1日現在では6,618世帯
・令和5年4月1日現在では6,562世帯
・令和6年4月1日現在では6,537世帯
・令和6年4月1日現在、全世帯に対し19.6%、おおよそ5世帯に1世帯が高齢者のみで構成される世帯となっている
数字はいずれも各年4月1日現在の住民基本台帳と国勢調査の資料を基に算出した推計値とされています。
こうしてみると、米沢市ではいずれも少ないと思われるようですが、新聞に掲載されているのは2050年の推計で、今から四半世紀も後のものであることに注意する必要があります。
実際はこれからどのように推移していくのか。私たちの生活や社会にどのような変化が起こってくるのか。そしてそれにどのように対処していかなければならなくなるのか。しっかりと見て、考えていくことが大事なのではないでしょうか。
(2024.11.16 124)
2024年11月12日付 毎日新聞 2面 「玉木代表 不倫認め謝罪 週刊誌報道 続投の見通し」
昨日、第2次石破内閣が発足しました。与党が過半数割れになったにもかかわらず野党が一本化できなかったため、決選投票で石破茂氏が総理大臣に選出されました。
そんな中で、この記事は国民民主党玉木代表に関しての一部週刊誌による不倫報道を取り上げています。
記事によると、「国民民主党の玉木雄一郎代表は11日、知人女性と不倫していたとする週刊誌報道に関し、国会内で記者会見し「おおむね事実だ」と認めて謝罪した」としています。
記事には、「週刊誌のウェブサイト「スマートフラッシュ」によると、玉木氏は7月、「高松市観光大使」を務めるタレントと密会。衆議院選投開票日から3日後の10月30日深夜にも、東京都内のワインバーでも会っていた」「家族とも報道について話し合ったといい、「『こんな大事な時期に政党代表として何をやっているんだ』と厳しく妻や息子から𠮟責を受けた」ことも掲載されています。
まさに、いったい何をやっているんだろうか、とその一言に尽きます。
(2024.11.12 123)
2024年11月6日付 山形新聞 2面 「下水道使用料 引き上げ答申 米沢・審議会」
市議会にはまだ説明がなく、新聞記事での紹介になります。
記事によると、米沢市水道事業及び下水道事業運営審議会(会長・遠藤昌敏山形大大学院理工学研究科教授)が5日、下水道使用料について「事業の収支状況などから2025年9月の検針分以降、使用料を15~22%程度引き上げることが適切と近藤洋介市長に答申した」としています。
また、「市によると、答申に基づけば、一般的な家庭(口径20ミリで20立方メートル使用)の場合、15%で月額約520円、22%で同約750円の負担増になる」とも報じています。
下水道使用料についてはかつて議会に対して引き上げの提案がなされ、賛成少数で否決された経緯があります。記事では、関連する条例改正案が来年3月定例会をめどに提出されると報じています。議会に対してどのような説明がなされるか、注目して見ていきたいと思います。
(2024.11.6 122)
2024年11月3日付 毎日新聞 12面 松尾貴史のちょっと違和感 「与党過半数割れ 改憲勢力に一応歯止め・・・・ホッと」
放送タレントの松尾貴史氏が毎日新聞に定期的に寄稿しているコラムがあります。言い得て妙だなと思わされる内容が多く、読むのを楽しみにしているものの一つです。今日は衆議院議員選挙投開票日の2日後に書いたというそのコラムの中からいくつかご紹介します。
連合の芳野知子会長が「これで共産党の協力がなくても勝てることがわかった」という趣旨の発言をしたことについて、「ことあるごとに余計なひと言を漏らしてしまう」とし、「誤りだとわかっていてあえて発言しているのかもしれないが、与党が過半数を割り込んだ要因は、裏金問題を顕在化させ追及した共産党やその機関紙「しんぶん赤旗」の報道によるところが大きい。これは衆目の一致するところだろう」と述べています。
東京都知事選挙に立候補して次点だった石丸伸二氏が国民民主党の選挙カーで応援演説をしたことについて、「代表の玉木雄一郎氏は当初、「(石丸氏がなぜ来たのか)全く知らない。たまたま通りかかってマイクを握ってくれた」と述べた。だが石丸氏が「一度は断ったが頼まれたので受けた」と説明すると、玉木氏は「お願いしたことは事実」と言い始めた」ことを取り上げ、「軽々しくこんな発言してしまう人物がキャスチングボードを握り、よもや連立入りして首相になるような事態はないだろうと思いたい」と述べるとともに、「来年に予定されている参院選が終わるまでは閣外協力で、その後は当然のように与党となる可能性も出てくるのではないか」と述べています。
立憲民主党については、「議席を50も増やして大躍進したかに見えるが、比例での得票数は前回から7万程度しか増やしておらず、強く信任されたという状態からは程遠い」と指摘しています。
自民党については、「石破茂首相の変節ぶりには随分と驚かされた。人は一度権力を手に入れると、しがみつくためにはどんな醜態をさらすことも辞さないという「好例」を見せてもらった気がする」と述べ、「かつて石破氏がその内容を批判していた安倍晋三首相の「こんな人たち」「悪夢の民主党政権」と同様のフレーズを、自身の演説でもやっていた」ことを紹介しています。
皆さんはどうお思いですか。
(2024.11.3 121)
2024年11月1日付 朝日新聞 2面 「控除引き上げ「やらねば予算通らない」 「ゆ党」戦略 国民強気」
自民党、公明党の衆議院議員の議席が過半数割れしたことを受け、国民民主党と政府与党側との協議が報道されています。その中では特に、国民民主党が選挙戦を通じて公約として掲げていた「103万円の壁」の引き上げが焦点となっていることがわかります。
同時に新聞では、仮にこの壁が引き上げられた場合には実は高所得者ほど恩恵があること、また財源をどうするかという課題があることも報道されるようになりました。(2024年10月31日付 沖縄タイムス 3面 「国民案なら減税7.6兆円 政府試算 高所得者ほど恩恵」)(2024年11月1日付 毎日新聞 2面 「「年収の壁」対策 効果は 高所得者ほど減税 財源に課題」)。
今日はあえて、朝日新聞2面の記事を紹介します。
記事では、国民民主党の与党寄りの姿勢が際立っているとして、「立憲民主党との関係では特別国会での首相指名選挙の協力要請をめぐる党首会談を断った」ことや「以前から「対決より解決」を掲げ、提案型の野党を標榜」し、「岸田政権時代には玉木氏が「自民党のアクセル役になりたい」と語ったことも」、「ガソリン価格の抑制策「トリガー条項」の発動をめぐっては、与党に接近し当初予算案の採決で賛成に回った。しかし、結局与党に受け入れられず今年2月に協議を離脱」したことなどを紹介しています。
国民民主党が主張している「103万円の壁」の引き上げが実現した場合、その先はどうなるのでしょうか。憲法改正や日米安保、原発を含むエネルギー政策、消費税の取扱いなど、政府与党とどのような違いがあるのでしょうか。
記事では国民民主党の姿勢について、新自由クラブやみんなの党などの例を挙げ、「与党か野党かはっきりしない「ゆ党」の立場を取った政党は、いずれもより大きな政党に収斂されていった」と指摘しています。
(2024.11.1 120)
2024年10月30日付 沖縄タイムス 1面トップ 「加害者処罰と補償求める 在沖米軍人の性暴力に国連委 日本政府へ初の勧告」
この記事は、女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会が、29日に日本政府に対して、勧告を含む最終見解を公表したことを伝えるものです。
勧告は、「在沖米軍基地に由来する女性や少女への性暴力に関し、加害者を処罰する適切な措置を取り、被害者に補償するよう」との内容です。
また、記事によると勧告は他の項目についても出されています。
① 夫婦同姓を義務付ける民法の規定を見直し、選択的夫婦別姓を導入するよう4回目となる勧告
② 人工妊娠中絶について、女性に配偶者の同意を求める規定を撤廃するよう法改正を勧告
③ 慰安婦問題に関し、被害者らの賠償請求などの権利を保証する努力を続けていくようにと勧告
④ 皇室典範が男系男子に皇位継承を限る規定は、同条約の理念と「相いれない」と指摘し、皇室典範を改正するよう勧告
さらに、①については「「差別的な条項があるとしたこれまでの勧告に対し、何の行動もとられていない」と指摘し、日本側の姿勢を批判」したこと、②については「人権侵害を受けた個人らが委員会に直接申し立てできるようにする「選択議定書」の早期批准も促した」とも報じています。
この国連の女性差別撤廃委員会については他の新聞やニュースなどでも取り上げられていますが、沖縄県でたびたび起きている米軍関係者による性暴力に関しても審査の対象となっていることについてはあまり報道されていないようです。
また、今回の勧告が多岐にわたっていることも意外でした。言い換えれば、勧告を受けるだけの女性差別が日本にはまだまだある、ということではないでしょうか。
今回の勧告を受けて日本政府がどのような対応を取るのか、各政党がどのような反応を見せるのか注目したいと思います。
(2024.10.30 119)
2024年10月29日付 毎日新聞 31面 「「反LGBT法」受け皿か 日本保守党3議席 政党要件満たす」
今回の衆議院議員選挙の結果は、自公過半数割れという現政権に厳しい判断が下されました。結果自体は望んでいたことでもあり良かったと思う一方で、気になっていたことをこの記事は伝えていますのでご紹介します。
記事の内容は、「自民党よりも保守的なイデオロギーを掲げる「日本保守党」が、衆議院で3議席を獲得し、政党要件を満たした」というものです。
この記事を書いた記者は、実際に日本保守党の街頭演説を8回取材しています。そして演説を聴いていた十数人に支持する理由を尋ねると、「「移民政策への不安」「LGBT法への反対」「消費減税」に大別できた」としています。また、これまでの選挙での投票先を尋ねると「多くは「消極的に」自民へ票を投じたり、棄権したりしてきたといった」としています。
注目すべきと思うのは、「自民不支持に転じた理由に「裏金事件」を挙げた人はゼロだった。そんな問題よりも皇統(天皇の血統)が重要」(67歳の会社役員)という具合」に答えが返ってきたことです。こうしたことからこの記者は、「「岩盤保守」と呼ばれる強固な保守層を日本保守党は取り込んでいるように見える」と書いています。
記事では「もし日本保守党が今後も一定以上の議席を獲得し続ければ、日本で初めて自民より右に位置する本格的な政治勢力となる」との千葉大学の水島治郎教授(欧州政治論)のコメントも紹介しています。
「自民より右に位置する本格的な政治勢力」というのは、最近ヨーロッパでの選挙結果を伝えるニュースなどでよく耳にする、いわゆる「極右」勢力ということなのか。今回の選挙結果にはこうした点も含まれていることを覚えておかなければならないと思います。
(2024.10.29 118)
2024年10月27日付 毎日新聞 2面 時代の風 「投票日の朝に 「取られ放題」でいいの?」
この記事は、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんが定期的に寄稿しているものです。昨年9月にもご紹介したことがあります。(No.24)
今回は、衆議院議員選挙の投票日を迎え、棄権しようとして考えている人に「あなたは税金を取られっぱなしでいいのですか?」と問いかけています。いわく、「消費税だけでも、普通の生活者なら年10万円単位で払っている。所得税は100万円単位でもおかしくない。そんな税の仕組みを決めるのも、使い道を決めるのも、最終的には国会議員だ。「選挙なんて興味ない」と言っている人は、とられ放題の度を越したお人よしではないか。いまどき朝から新聞を読んでいるような皆さんは、もちろん投票には行かれるだろうから、あなたの周囲の、どうも行きそうもない人にぜひ、そんな質問を投げかけてみてほしい」。
だいぶ前のことになりますが、市議会議員選挙の際にある候補者が「選挙で投票するのは自分たちの暮らしが少しでもより良くなるように願ってのことです。そうであるならば、選挙のたびに私たちの生活は良くなっているはずではないでしょうか。果たして、私たちの暮らしは良くなっているでしょうか」と演説されていたのを覚えています。
明日からの私たちの暮らしが少しでも良くなることを願います。
(2024.10.27 117)
2024年10月25日付 沖縄タイムス 5面社説 「日米共同軍事演習 緊張高めない外交こそ」
日本列島は今、衆議院議員選挙一色の感がありますが、そうした中で始まった日米共同軍事演習「キーン・ソード25」に関しての社説です。
この訓練は米軍基地や自衛隊基地だけでなく、民間の空港や港湾、道路も使用して実施され、記事では「陸自与那国駐屯地周辺では交通規制が敷かれ、島の巡回バスも路線を変更するなど生活への影響が広がっている」と報じています。
自衛隊と米軍4万5千人が参加する日米最大規模の今回の共同統合演習について、社説では「「台湾有事」が日本に波及した場合、巻き込まれるのは、南西諸島だけではない。日本全土が中国の射程圏内にあるからだ」とした上で、「敵基地攻撃能力保有を前提に「抑止力」を過信した防衛力増強に頼れば、相手も軍拡に走る安全保障のジレンマに陥り、地域の緊張を高める」と指摘しています。
タイトルにあるように、外交力こそ、いま求められているものなのではないでしょうか。
(2024.10.25 116)
2024年10月24日付 毎日新聞 1面 「「裏金非公認」に2000万円 自民、候補が代表の支部に」
2024年10月24日付 山形新聞 1面 「裏金非公認支部に2000万円 自民「党勢拡大の活動費」 野党批判「事実上の支援」」
2024年10月24日付 朝日新聞 1面 「裏金非公認側に2000万円 自民が支部へ 公認候補と同額」
2024年10月24日付 沖縄タイムス 1面トップ 「裏金非公認支部に資金 自民、公認同額2000万円 野党「国民欺いている」」
今朝の新聞各紙ではいずれも1面で、裏金事件を巡って非公認とした候補が代表を務める支部に対して、自民党本部が活動費を提供していたことを伝えています。共産党の機関紙「赤旗」が報道したのを受け、自民党の森山裕幹事長がコメントを出しました。
毎日新聞では以下のとおり報じています。
「自民党派閥裏金事件で非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が、税金を原資とする政党交付金から2000万円を支給していたことが23日、判明した。共産党機関紙「しんぶん赤旗」が報じた。自民党の森山裕幹事長は同日、「党勢拡大のための活動費として(党支部に)支給した。候補者に支給したものではない」とのコメントを出した」。
記事を読んで思うのは、非公認とされた候補者の選挙活動のために支給されたことと同じではないかということはもちろん、2000万円という額の多さ、そして何よりその資金の出どころが税金を原資とする政党交付金だということに驚いてしまいます。
皆さんはどう考えますか。
(2024.10.24 115)
2024年10月12日付 毎日新聞 3面 「「政治とカネ」追及再び」
昨日行われた日本記者クラブ主催の党首討論についての記事の中から、いくつかご紹介します。
「野党連携については、記者クラブ側からの質問が相次いだ。「裏金議員」のいる選挙区を中心に野党候補の一本化を呼びかけている立憲民主党の野田佳彦代表は「対話のチャンスがある限りはやり続けていきたい」と訴えた」。「一方、共産党の田村智子委員長は、これまで立憲側から自党の候補者を取り下げる提案がないことを念頭に「(共産が)候補者を降ろすことを前提として裏金議員との対決とはいかがなものか」と反発。野田氏が安全保障法制の継続を示唆していることについて「安保法制の廃止という共闘の基盤が損なわれているもとでは、これまでと同じ対応ができない」と主張した。」
前回の衆議院議員選挙では「立憲共産党」との批判が起きましたが、「立憲共産党」を叫ぶのであれば「自民公明党」はどうなのか、と指摘する記事を読んだ記憶があります。昨日の党首討論でも「派閥の裏金事件を受けて自民党が非公認とした西村康稔元経済産業相(兵庫9区)と三ツ林裕巳前衆院議員(埼玉13区)に対し、公明が推薦を出したことについて、「理由と狙いをお聞かせいただきたい」と、日本維新の会の馬場伸幸代表が公明党の石井啓一代表に「仕掛けた」ことが掲載されています。
記事によると、勝敗ラインについて首相は、自民、公明で過半数の議席獲得を掲げています。「与党の解散時勢力は自民256(党員資格停止中の下村博文元文部科学相、西村康稔元経済産業相を除く)、公明32の計288議席。過半数は233議席」です。
(2024.10.13 114)
2024年10月11日付 毎日新聞 17面 「問われる「公益通報」の在り方 福島国見町 「正当」主張、対応に矛盾も 疑惑告発へ情報収集 町職員減給」
埼玉県知事のパワハラ等を巡る問題で昨今注目されている「公益通報」ですが、近隣の町でも同じようなことが起きていることが分かりました。
記事の内容は、「今年3月、福島県国見町による特定企業への便宜供与疑惑を告発しようと情報収集していた町職員の男性が、減給の懲戒処分を受けた」こと、そして「町は職員の行動は公益に当たらないと処分の正当性を主張」していることを報じています。
埼玉県知事の事例は知事の行動に関してのものでしたが、この事例は「町が企業版ふるさと納税の寄付金で始めた高規格救急車の開発・リース事業」が発端とされています。「2023年、町の作った救急車の仕様書が特定企業の受託に有利な内容だとの疑惑が浮上」し、町議会に設置された調査特別委員会、いわゆる百条委員会が「今年7月「特定企業への便宜供与、利益誘導があった」と結論付けた」としています。
しかし、男性職員が懲戒処分を受けたのは百条委が結論を出す前で、会計管理者であった男性は減給10分の1(6カ月)と降任の処分となりました。こうした町の対応について、記事では上智大学教授の奥山俊宏(ジャーナリズム論)氏の見解を紹介しています。「自分の権限で閲覧できる範囲の情報や資料を公益通報のために集めるのは正当な行為で、町の対応は違法だ」。
米沢市では今までこのような事例は聞いたことがありませんが、職員が通報する場合の通報体制は整備されているのだろうかと気になるところです。
(2024.10.11 113)
2024年10月10日付 毎日新聞 1面トップ 「「自民裏金」審判 衆院解散総選挙 15日公示27日投開票」
2024年10月10日付 朝日新聞 1面トップ 「石破新政権を問う 衆院解散27日投開票 裏金問題への対応焦点」
2024年10月10日付 沖縄タイムス 1面トップ 「解散27日総選挙 裏金や物価対策問う」
2024年10月10日付 山形新聞 1面トップ 「政治改革、経済問う 衆院解散27日投開票」
今朝の新聞各紙は当然のことながら、昨日の衆議院解散と総選挙を取り上げています。
このうち山形新聞を除く3紙のタイトルにはいずれも自民党の「裏金」に触れています。今回の総選挙で問われるのはまさに自民党の裏金問題、そして石破首相の対応です。
しかしながら、今日は石破首相のもう一つの側面に触れた記事をご紹介したいと思います。
2024年10月10日付 毎日新聞 23面特集ワイド 「最強の「敵」」
これは、毎日新聞の吉井理記記者が「今日も惑いて日が暮れる」と題して連載しているものです。今日の内容は、石破首相が首相を目指した理由は憲法9条改正のためだとして、過去の彼の言葉を紹介しています。「「私は9条改正を訴えてきた。持論を曲げてまで総理総裁になろうとは、私は思わない」と繰り返してきた」。
また、石破氏自身、外相の岩屋毅氏、防衛相の中谷元氏、自民党政調会長の小野寺五典氏などはみな防衛相経験者であることから、「国防族がこれほど要職を占めた政権は、ちょっと思いつかない」とし、「石破政権は、つまり「国防政権」なのだ」。その結果、「野党はもちろん、9条護憲派にとっても、最強の「敵」の登場である」と指摘しています。
今回の総選挙、そして選挙後の憲法9条をめぐる改憲の動きにも注意が必要です。
(2024.10.10 112)
2024年10月5日付 毎日新聞 1面トップ 「自民 裏金議員原則公認へ 比例重複も容認方針」
2024年10月5日付 山形新聞 1面トップ 「信頼回復へ「納得と共感」 豊かな日本を再構築」
2024年10月5日付 朝日新聞 1面トップ 「「地方創生」重点施策に 日米地位協定は触れず」
2024年10月5日付 沖縄タイムス 1面トップ 「首相、地位協定触れず 改定意欲から後退」
今朝の各紙は、昨日行われた石破茂新首相の所信表明演説を取り上げています。このうち最も目を引いたのは、27日に執行される衆議院議員選挙で、いわゆる裏金議員が自民党の公認を受け、比例重複も容認されることを報じるものです。これで、国民の「納得と共感」が得られると思っているのでしょうか。
また、所信表明では政策として5つの「守る」を柱として掲げましたが、そのうちの「ルールを守る」ということと矛盾しないのか、非常に疑問に思います。
さらに、石破首相自らがこれまで国民に語ってきた内容と所信表明演説を比較したとき、中身が後退していることについても各紙が指摘しています。
「同日付毎日新聞 3面 「「石破カラー」封印」では、「石破茂首相の就任前の主な発言と所信表明演説」として、項目ごとに表で示しています。
また、「同日付朝日新聞 2面 「石破カラーどこへ」」では、「「内輪の論理優先」に変節か」として、石破首相は党内基盤が弱いことに理解を示しつつも、「それが国民の石破氏に期待した首相像なのか」と疑問を呈し、「世論調査で「次期首相」の上位の常連だったのは、裏金事件や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に代表されるような旧態依然たる自民政治と決別するリーダーになると期待されていたからだ」と指摘しています。
裏金事件や旧統一教会問題、さらには森・加計問題など、このまま放置していいとはまったく思えません。来る総選挙では、厳しい審判を下さなければならないのではないでしょうか。
(2024.10.5 111)
2024年9月28日付 山形新聞 1面 「栗子山風力発電 断念 JR東エネ社米沢市に伝達 計画遅延、コスト増」
この記事は、JR東日本エネルギー開発(東京)が栗子山で計画していた風力発電事業を断念したことを伝えるものです。
記事によると「整備予定地でのイヌワシの営巣状況に関する追加調査などを求めた経済産業相の勧告を検討し、事業計画が大幅に遅れ、コスト増が見込まれると判断」し、松本義弘社長らが27日に市役所を訪れて「事業中止の考えを伝えた」としています。
昨日は市議会9月定例会の最終日で本会議が開催され、この風力発電事業の撤回を求める請願が賛成多数で採択されました。採択に反対したのは山村明議員と堤郁雄議員で、山村議員は反対討論を行いました。
世界規模で進む気候変動を目の当たりにするとき、再生可能エネルギーの利用拡大は重要な課題です。しかし、生態系を含めた地域や住民生活の環境、健康などを犠牲にしかねないのでは本末転倒になってしまうのではないか、と思います。
こうした点について、同紙では、再生可能エネルギーの導入と自然保護を両立させる観点で、自治体の関与を強める動きとして宮城県や青森県の事例を紹介し、「自治体はより踏み込んで、主体的に関わる時期に来ているのではないか」とする記者の意見を掲載しています。(同日付山形新聞 24面 「地元との合意形成に甘さ JR東エネ社 栗子山風力発電 断念」)
(2024.9.28 110)
2024年9月27日付 山形新聞 4面 「使用済み核燃料 保管開始 青森・中間貯蔵施設 柏崎原発の69体」
この記事は、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の使用済み核燃料が青森県むつ市にある中間貯蔵施設に搬入され、「使用済み核燃料の一時保管」が始まったことを報じるものです。
記事によると、この中間貯蔵施設は国内唯一のもので、施設の運営は東京電力と日本原子力発電が共同出資した「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が行うこととされています。また、青森県やむつ市は、このリサイクル燃料貯蔵(RFS)や東京電力と「保管期間を最長50年に限る協定を締結」していると伝えています。
使用済み核燃料の取扱いについては、再処理工場が稼働していない現状や、稼働していたとしても最終的に残る高レベル放射性廃棄物を保管する場所がないことなどを考えると、これが果たして「一時保管場所」と呼べるのか非常に疑問です。
記事では宮下宗一郎青森県知事の言葉も伝えています。「「搬出は50年よりもずっと前に行われることになると思う」と保管の長期化をけん制。国に搬出先を明確化するよう求めると強調した」。
(2024.9.27 109)
2024年9月25日付 山形新聞 22面 「栗子山風力発電の環境影響評価 事業者に調査継続など勧告 経産省」
この記事は、栗子山で計画されている風力発電事業に関して、環境影響評価(アセスメント)準備書に対して経済産業省が「イヌワシへの影響について、計画地で調査を継続した上で評価をやり直し、営巣地があった場合、風車の設置中止も検討するよう求める大臣勧告」を行ったことを伝えるものです。勧告は19日付とされています。
記事によると、勧告の内容として、
① イヌワシの餌のデータについて、解析条件を再検討する必要があること
② 複数の専門家らで構成する協議会を設置して環境保全措置をあらためて検討し、地元の理解を得ること
があげられています。
これに対して勧告を受けた事業者であるJR東日本エネルギー開発では、「「環境保全に努め、真摯に対応してきた。理解してもらえるよう取り組む」としている」と報じられています。
米沢市議会では開会中の9月定例会に、この事業の白紙撤回を求める請願が市民団体から提出されています。付託された民生常任委員会では18日の委員会で、「採択すべき」との採決が賛成多数でなされました。27日開催の本会議でも、賛成多数で採択される見込みです。
(2024.9.25 108)
2024年9月22日付 沖縄タイムス 1面トップ 「オスプレイ 米で出火 空軍基地 訓練中エンジンから」
この記事は、米ワシントン州のフェアチャイルド空軍基地で、地上で訓練中の海兵隊MV22オスプレイのエンジンから出火する事故が起きたことを伝えています。「事故原因を調査しており、機体の故障によるものかどうかは不明という」とも伝えています。
また、過去の事故にも触れ、「2022年10月には、ミラマー海兵隊基地で、MV22が訓練中に出火。全焼し、被害額が最も大きいクラスAに分類された」こと、「オスプレイの事故では22年3月にノルウェーで4人、同年6月に米カルフォルニア州で5人、23年8月にオーストラリアで3人、同年11月に鹿児島県屋久島沖で8人の計20の人が死亡している」ことも伝えています。
「普通の」飛行機はこんなに事故が頻発するものでしょうか。21面では沖縄県民の不安の声を伝えています。(「オスプレイ不安拍車 米で出火 訓練増の県内」)那覇市と同様に米沢市上空をオスプレイが飛び回ることを想像すると、私たちもこれを何の不安もなく見ていることはできないのではないでしょうか。
(2024.9.22 107)
2024年9月11日付 山形新聞 12面 「高齢者の”足” 地域住民が担う 南陽で県内初組織 共同で車利用、会員18人が費用分担」
この記事は、南陽市赤湯の一部の住民の皆さんが共同で車を活用する取組みを始め、その組織の設立総会を開いたことを伝えるものです。県内では初の設立となると報じています。
記事によると、組織の目的は「交通弱者である高齢者の移動手段確保と地域コミュニティーづくり」であるとし、登録した会員が、車のリース代や燃料代、保険料などについて、各自が利用した割合に応じて分担金を支払う仕組みです。収入は他に寄附金、助成金もあり、当初会員は18人です。
超高齢社会と言われる中で高齢者の移動手段の確保は、米沢市でも大きな課題になっています。私が所属する市議会総務文教常任委員会では、昨年度から公共交通をテーマに市に対して政策提言を行うために、全国の先進地の視察や市内循環バスへの試乗、担当部局との意見交換などを重ねています。この南陽市の取組みも、参考になるのではないかと考え取り上げました。
(2024.9.11 106)
2024年9月4日付 毎日新聞 5面社説 「元兵士のトラウマ調査 戦争の非道さ知る一助に」
この記事は、「日中戦争や太平洋戦争などで旧日本兵が負った「戦争トラウマ」について、厚生労働省が調査に乗り出す」ことを伝えるものです。
記事によると「兵士は戦場で極限状態に置かれ、恐怖や絶望に直面」することから、「心的外傷性ストレス障害(PTSD)のような症状が出ることは、第一次大戦の頃から知られていた」とし、「日本でも1942~45年だけで、約66万人の兵士が精神疾患にかかったとのデータがある」と伝える一方、「診療記録などは終戦前後に組織的に廃棄・隠蔽された」とも指摘しています。そして「戦争の非道さは、世代を超え、家庭や社会をむしばむ。国民一人一人がそれを心に刻むことが、次の戦争を起こさせない力になる」と結んでいます。
戦争を始めることを決めるのは時の政府、為政者です。「次の戦争を起こさせない力」をみんなが持てるように、そして戦争を起こさせないように力を尽くしたいと思います。。
(2024.9.4 105)
2024年8月30日付 毎日新聞 4面 「最低賃金 全国平均1055円 27県、引き上げ目安上回る 徳島84円増」
この記事は、2024年度の各県ごとの最低賃金が決まったことを報じるものです。7月末に厚労省の審議会が決定した50円を目安として、各都道府県の地方審議会がどのような金額を決めるのか注目されていました。
掲載された各県ごとの一覧表を見ると山形県は955円で、東北では宮城県の873円に次いで福島県と同額で2番目になっています。目安額の50円に5円上積みされました。
一方、全国では東京都は1163円、神奈川県は1162円、大阪府は1114円と1100円を超えているのが3都府県、1000円以上が13道府県となっています。
この最低賃金に関して、毎日新聞では前日に金融アナリストのデービット・アトソンキン氏のコメントを掲載しています。(2024年8月29日付 毎日新聞 13面 「最低賃金 本来なら1400円 「内部留保」もっと議論を」)
アトキンソン氏が指摘しているポイントは、
1 日本の最低賃金は、海外に比べて安すぎる。物価を考慮した国際労働機関(ILO)のデータでは、以前は先進国だと思われていなかったポーランドよりも安い世界18位。1990年代に最低賃金が日本の2割弱だった韓国も日本を上回っている。
2 人口が減り、高齢者が減らない今の日本で、最低賃金を上げなければ現役世代が貧困に陥るのを黙認するようなもの。社会保障費も捻出できなくなる。
3 企業に最低賃金を支払う能力は十分ある。大企業、中小企業を問わず、過去最高水準の利益を上げている。「価格転嫁ができないから最低賃金を上げられない」ということは、価格転嫁をしていない分を労働者に負担してもらう、押しつけるということ。
4 最低賃金を決定する国の審議会の仕組みについて、英国や欧州連合(EU)では、経済学者や統計学者が企業の支払い能力を徹底的に分析し、最低賃金の引き上げ幅を提案する。このような決め方が日本でも実現していれば、最低でも1400円になっていたはず。
5 政府が示している「30年代半ばまでに最低賃金を1500円にする」という目標は遅すぎる。
6 都道府県ごとに最低賃金が違うのはおかしい。世界では全国一律が当たり前。
最後に、「日本の労働者を1時間雇うのに1000円の価値もない。その経営者の考えを適正と捉えていいのかが最大の焦点です」と指摘しています。
市内の地元企業や自営業者では、「企業に最低賃金を支払う能力は十分ある。大企業、中小企業を問わず、過去最高水準の利益を上げている」という点には異論があるものと思います。大企業と中小零細企業との格差、地域間格差があるというのは間違いないことと思います。しかし、こうした問題は地方自治体で解決できるものではないのではないでしょうか。国の施策が誤っているということはないでしょうか。
皆さんはどう思われますか。
(2024.9.3 104)
2024年8月31日付 山形新聞 25面 「栗子山風力発電 米沢市、白紙撤回申し入れ 事業者に「市民への説明不十分」」
この記事は、米沢市の栗子山で計画されている風力発電事業について、近藤市長が30日の記者会見で、「計画を白紙撤回するよう同社に申し入れたと明らかにした」ことを伝えています。
記事では、今月4日、5日に事業者が開催した住民説明会で反対意見が相次いだことを受け、「市は6日、同社に対して▽追加説明会の開催▽準備書の再公開▽地域貢献策の明示-を文書や口頭で求めたものの、26日に同社が回答した内容は要請を満たさなかった」ことから、「同事業の環境影響評価(アセスメント)手続きでは、事業者側への国の勧告が来月23日までに行われる予定で、それまでに市民の理解を得ることは困難だと市が判断した」としています。
記事では国の動きとして、「環境省は30日、土地改変を最小限に抑制することや、イヌワシに関する複数の専門家による環境保全措置の検討などを盛り込んだ環境相意見を、経済産業相に提出した」とも報じています。
今回の申し入れは法的な効力はないとされているものの、「現状 重く受け止める」としている事業者や、国が最終的にどのような判断を下すのか注目です。
(2024.8.31 103)
*「議会資料から」に、市長が事業者に対して白紙撤回を申し入れた文書を掲載しました。
(2024.9.2)
2024年8月28日付 毎日新聞 23面 「岩国市長、米オスプレイ配備容認」
この記事は、山口県岩国市の福田良彦市長が、米軍岩国基地に米海軍の輸送機CMV22オスプレイとステルス戦闘機F35Cが配備されることを容認することを報じたものです。実際に配備されれば国内初となります。昨日夜のNHKニュースでも報道されていました。
記事によると、「米軍オスプレイの国内配備は海兵隊の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)、空軍の横田基地(東京都福生市など)に続いて3か所目」となります。
福田市長は27日の岩国市議会本会議で、「「運用再開後、トラブルもなく、安全に飛行している。国として機体の安全性に問題はないとしており、安全に運用されると考えている」と述べた」とされています。
これは国に対して文書で照会して、国からの回答を踏まえてのこととされていますが、肝心の国は独自に安全性を検証したものではなく、あくまでも米政府の見解をなぞったものに過ぎないのではないでしょうか。岩国市や山口県は「(オスプレイは)米政府が開発段階で安全性を確認し、日本政府としても独自に安全性を確認している」「基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではない」との「検証結果」を公表したとしていますが、私には疑問に思えてなりません。
(2024.8.28 102)
2024年8月27日付 山形新聞 22面 「米沢栗子山風力発電 「中止含め見直しを」 知事意見 経産省に提出」
この記事は、JR東日本エネルギー開発が米沢市の栗子山で計画している風力発電事業について、吉村知事が経産省に提出した意見の内容を伝えています。
記事によると、「風車建設予定場所の近辺がイヌワシの営巣地となってる可能性が高いとして、生息環境保全の必要性から、事業中止を含めた計画の抜本的見直しを求めた」としています。
また、「今後、経産相が知事、米沢市長の意見を踏まえた勧告を同社に対して行い、アセス手続きの最終段階となる評価書の作成に進む」と伝えています。
この件については、まもなく招集される市議会9月定例会に対しても反対の立場からの請願が提出されています。私が所属する市民平和クラブでも請願の趣旨に賛同し、事業に反対する立場です。本日開催の議会運営委員会で取扱いが協議され、委員会審査を経て9月27日の最終日に本会議で採決される予定です。採択されるのかどうか注目です。
(2024.8.27 101)
2024年8月14日付 朝日新聞 3面 「海自「遊就館」を集団見学 靖国の施設 5月 実習幹部ら研修で」
この記事は、「海上自衛隊練習艦隊の実習幹部らが今年5月、靖国神社(東京・九段)の「遊就館」を研修の一環として集団で見学していたこと」を伝えるものです。
遊就館は私も訪れたことがありますが、靖国神社境内にあって、中に入ると戦車などが展示されていたり旭日旗の展示物があったり、戦争の悲惨さを後世に伝えるものというより、戦争で闘うことや亡くなった人たちの勇ましさを誇示するような雰囲気を感じたことを覚えています。
記事では海上幕僚監部の話として、この見学について「「5月10日(金)に遊就館を研修した」と回答。この研修は、実習幹部ら約200人が参加する近海練習航海の一環として行われた。遊就館での研修参加人数については「確認に時間がかかる」(海幕)として明らかにしていない」としています。
自衛隊と靖国神社との関係については、この「新聞記事から」の欄でも紹介してきました。この記事でも「陸上幕僚副長を含む幹部らが集団参拝したり、靖国神社トップの宮司に初めて将官経験のある元自衛隊幹部が就任したりするなど、両者の密接な関係が明らかになっている。」と改めて触れられています。
世界中で続く戦争と「台湾有事」という言葉で喧伝される中国の脅威の中で、私たちの平和憲法がじわじわと浸食されていく。自衛隊について報道される記事を読むと、そんな気がしてならない昨今の情勢です。
(2024.8.14 100)
2024年8月10日付 山形新聞 5面 「自衛隊、不祥事に見る劣化 旧軍の悪弊を忘れるな」
この記事は毎日新聞の「オピニオン 時を語る」のコーナーに、ノンフィクション作家の保坂正康氏が寄稿したものです。
これまで相次いで明らかになった防衛省・自衛隊の不祥事で、防衛省は延べ117人が懲戒処分となり、103人が訓戒や注意処分になっていること、さらに海上自衛隊トップの幕僚長が辞任したことに触れ、防衛省・自衛隊が変貌したとしてその理由について挙げています。
① 対米防衛協力に伴う予算の拡大
② 憲法改正論議をめぐる中での自衛隊存在の公認化
③ 靖国神社と自衛隊の近接感
④ 現実社会に即していない教育
これらの点にはそれぞれ歴史的な経緯があるとして、その理由について、
①については、岸田内閣は防衛予算の拡大、自衛隊と米軍の一体化を進めることで自衛隊の地位が上がっており、防衛省・自衛隊の強気やおごりにつながっている。
②については、憲法改正論議において、かつての左派系の自衛隊全面否定のような乱暴な発言が影をひそめ、自衛隊の存在を憲法に明記すべきという議論も強気につながっている。
③については、今年4月に元海将の大塚海夫が靖国神社の宮司に就いたことに触れるとともに、今年初めに海自隊員165人の集団参拝が行われたことを取り上げ、「国家的約束への公然たる違反行為と言えるであろう。大仰にいうなら、世論や政府をなめているとさえ言い得る」と指摘しています。
④については、23年度の自衛官の採用率は計画に対し、51%と過去最低であったこと指摘し、これは「元自衛官の女性によるセクハラの訴え、ヘリコプター衝突事故での隊員8人の犠牲、陸上自衛隊の射撃訓練時の隊員銃撃事件などは隊内教育が十全に行われていないとの結果かもしれない」と述べています。
これらの点に加えて、私は「シビリアンコントロール」が十分に機能していないのではないか、との危惧を感じています。日本国憲法の3つの柱の一つである「平和主義」が、今、蔑ろにされていないでしょうか。
(2024.8.11 99)
2024年8月8日付 沖縄タイムス 1面トップ 「オスプレイ変速故障60件 米5年間 破損兆候41件 屋久島沖墜落の一因に」
この記事はAP報道として、米軍輸送機オスプレイのエンジンと回転翼をつなぐ変速機(ギアボックス)について、AP通信が独自に入手したとする記事を伝えています。
内容は、
① 変速機の故障が過去5年間で60件報告されていたこと
② そのうち少なくとも41件で破損の兆候があったこと
③ 過去10年間で修理のために機体から取り外された変速機が609個に上ること
昨年11月に起きた鹿児島県屋久島沖でのCV22オスプレイ墜落事故後に、米軍や自衛隊はオスプレイの飛行を停止していました。その後今年3月になって飛行を再開させていますが、その際「防衛省の担当者は、オスプレイ自体の設計と構造に「問題はない」と強調。「まれな不具合で今回の事故と同じ現象で起きた事故は把握していない」とも述べていた」とされています。
果たしてこの説明は本当なのか。記事では「日米両政府にさらに説明を求める声が高まりそうだ」としていますが、まさにそのとおり。政府はきちんと説明すべきではないでしょうか。
(2024.8.8 98)
2024年8月7日付 毎日新聞 21面 「CO2削減求め発電10社提訴 若者16人「火力で温暖化進行」」
毎日暑い日が続いています。数年前まではなかったのではないかという「線状降水帯」という言葉も今は時々ニュースで流れ、毎年のように日本各地で大雨による被害が起きています。
この記事は、こうした近年の状況を踏まえ、「気候変動の悪影響は若い世代の人権を侵害しているとして、二酸化炭素(CO2)排出量の多い火力発電事業者10社を相手取り、CO2排出を削減するよう求めて名古屋地裁に提訴した」ことを報じるものです。
「原告は名古屋市の中学3年の男子生徒や、東京都や奈良県などの大学生ら14~29歳の若者16人。一方、被告は東京電力と中部電力が折半出資する発電会社JERA(ジェラ)や東北電力、関西電力、九州電力、神戸製鋼所など国内で火力発電事業を行う企業計10社」。
また記事では、「世界では政府や企業に気候変動対策の強化を迫る訴訟が相次いでいるが、弁護団によると国内で全国規模での集団訴訟は初めて」とも伝えています。
国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化」と表現したように、温暖化対策はまったなしです。しかし、現実はどうでしょうか。世界各地では戦争や紛争が拡大するばかりで、温暖化対策が進んでいるとのニュースはまったく耳にしません。アメリカ大統領候補のトランプ氏が選挙戦で掲げるスローガンは「掘って掘って掘りまくれ!」という、バイデン政権が掲げる温暖化対策の見直しです。
こうした中で、日本の、しかも若者が立ち上がったというニュースはまったく共感できるものです。この動きが大きなうねりになってほしいと思います。
(2024.8.7 97)
2024年7月31日付 山形新聞 6面 「骨抜き法案が横行 審議形骸化、国会軽視に拍車」
この記事は、日本ペンクラブ会長で作家の桐野夏生さんが、国会の活動全般に異例の警鐘を鳴らしたことを取り上げています。「国の未来のありように大きな影響を及ぼす重要な法案や政策が、十分な議論を経ないまま次々と決まっていくことに危機感を持っている」。
その背景として、「細部を詰めないまま国会に提出される「骨抜き法案」の横行」を挙げています。例として、
① 次期戦闘機の共同開発に関する条約について、全67条のうち条約の根幹に関わる17か所に「別途の取り決めにより定める」との記述が繰り返されている。
② 改正政治資金規正法で、政策活動費を監査する第三者機関の役割がはっきりしない。
③ 改正地方自治法は、非常時に国が自治体への指示権を行使する規定に歯止めがない。
④ 経済安全保障の新法は、保全対象となる機密の指定基準を具体的に示していない。
こうした「骨抜き法案」で審議を形骸化するのは、「野党が国会召集を求めても政権が応じない」「有識者会議や与党協議で政府方針を固め、国会に諮らず閣議決定してしまう」ことに次いで、「第三の手口」と批判しています。
記事では、「条例や法律がいったん制定されてしまえば、政府は政省令やガイドラインで細目を決められる。恣意的になりかねない」と疑問を投げかけています。
小選挙区制度を中心にした現在の選挙制度で、今の自公政権は少ない得票率にも関わらず国会で多数の議席を得ています。国会ではこの議席数にものをいわせて、自分たちにとって都合の良いように運用、解釈できる法律を次々に成立させている。本来法律は、様々な解釈が成り立つようなあいまいなものであってはならないはずであるのに、国会での議論を避け、あえてそのような法律を作っておく、という意図が感じられてなりません。
(2024.8.1 96)
2024年7月30日付 山形新聞 2面社説 「日米の核抑止協議 「拡大」の内実 説明尽くせ」
この記事は、日米の外務・防衛担当閣僚が「米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」に関する初会合」を東京で開いたことを取り上げたものです。
また、これと同時に開催された日米の防衛、外交の同じ4閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、「これまで基地の管理を担ってきた在日米軍司令部に作戦指揮権を与え、有事や訓練の作戦立案で自衛隊との連携を深める」こととされたことにも触れいます。この中では、「航空自衛隊が保有する地対空誘導弾パトリオットを米軍に売却する契約を締結した」のは「ウクライナで消費した米国の在庫を補う措置とみられ」、「事実上、紛争当事国への輸出に当たるとの疑念が拭えない」と指摘しています。
さらに、「日米にオーストラリア、インドを加えた協力枠組み「クアッド」の4か国外相会合や、日米韓3か国防衛省会談も開かれた」と報じています。
こうした政府の動きに対し、この社説では「日本は非核三原則を国是とし、岸田文雄首相は「核兵器のない世界」に向け軍縮や不拡散を訴えてきた。そうした姿勢が日本の国際的信用を支えてきた」と述べ、「拡大抑止は長年の核廃絶の取り組みと矛盾しないか。それとも軌道修正を図るのか。首相は内外からの問いかけに説明を尽くしてもらいたい」と指摘しています。
最近、米軍と自衛隊の一体化が急速に進んでいるのを感じます。この記事を読むとますますその感を強くします。問題なのは、こうした動きが国会で十分に議論されず、国民にも知らされないまま進められていることです。
加えて最近の防衛省、自衛隊をめぐり次々に明るみに出た不祥事について、組織として実態がしっかりと把握できているのかさえ懸念されるとして指摘する報道もあります。
同日付朝日新聞3面「問題続発の防衛省 追及へ」では、「不正受給問題では、防衛省は、昨年逮捕されていた海自隊員を一斉処分時に公表せず、木原氏に報告していなかった。26日には「文民統制の観点から適切ではなかった」とする調査結果を発表した」ことが明らかにされ、立憲民主党の小西洋之参院議員は「文民統制の体をなしていない」として、木原防衛大臣の監督責任を問う構えと報じています。
自衛隊が米軍と一体化していく過程で「文民統制」が崩れていく構図は、戦前、戦中の軍部の暴走を思い起こさせるものになっていないでしょうか。
(2024.7.30 95)
2024年7月27日付 朝日新聞 1面トップ 「敦賀2号機 新基準「適合せず」 再稼働不許可の見通し」
2024年7月27日付 毎日新聞 1面トップ 「敦賀2号機 新基準不適合 直下活断層否定できず 規制委」
2024年7月27日付 山形新聞 1面 「敦賀原発 新基準適合せず 再稼働審査 初の不合格へ」
2024年7月27日付 沖縄タイムス 1面 「敦賀原発2号機 不適合 活断層問題 再稼働不合格へ」
これらの記事は、福井県にある日本原子力発電敦賀原発2号機が、原子炉直下に活断層があることが否定できないため、原子力規制委員会が新規制基準に適合しないと結論付けたことを報じるものです。26日の規制委員会の審査会合でのやりとりは、NHKのニュースでも取り上げられていました。
このうち毎日新聞では、審査の焦点として
① (原子炉から200メートルほど離れていて、活断層と認められた)浦底断層から枝分かれするK断層に「活動性」があるか
② K断層が2号機の原子炉直下かまで延びる「連続性」があるか
の2点を挙げ、「原電は、①、②とも否定して「活断層ではない」と主張したが、規制委は「原電の主張は科学的根拠に乏しい」などとして①と②をいずれも「否定できない」とした」と報じています。
この審査に関してはこれまで、10年以上が費やされています。その間、原電の不適切な対応も数多くあったことが指摘されています。(朝日新聞 2面 「論争10年超 結論は3度目」)
今回、「2号機の審査について、31日の定例会で大筋で最終判断する見通し」(毎日新聞)となったことで、敦賀原発2号機は廃炉へと大きく舵を切ることになります。
私は、原子力発電は必要ないものと考えています。最も大きな理由は、稼働する際に必ず出る高レベル放射性廃棄物について、世界中どこにもそれを処分する場所がない、ということです。それを思うと、「必要ない」というより「作ってはならない」といった方がいいのかもしれません。
さらには、ひとたび事故が起きれば誰も責任を取れない、それほど深刻な被害をもたらすことを忘れてはならないと思います。東日本大震災で福島第一原発事故が起きた時に出された「原子力緊急事態宣言」はいまも継続中です。
岸田政権は原子力政策の方向を大きく変えました。原発大回帰ともいわれるその姿勢は、将来にわたっての国の責任をわきまえてのものでしょうか。私にはそうは思えません。今回の規制委員会の決定で、敦賀原発2号機は廃炉が濃厚となりました。一方、「これまで再稼働に向けた審査を申請した原発27基のうち、17基が新規制基準に適合すると認められ、許可されている」(朝日新聞)ということですが、「規制基準適合=(イコール)安全保証」とはならないのではないでしょうか。
(2024.7.27 94)
2024年7月24日付 毎日新聞 2面水説 「エンゲル係数の警告」
皆さんは「エンゲル係数」をご存じでしょうか。「家計の消費支出に占める食品の割合」を示す経済指標の一つで、「各国の生活水準を測るバロメーターと位置づけられてきた」とされるものです。
この記事は、そのエンゲル係数がここ数年「にわかに上昇に転じて」いて、「23年は40年ぶりの高水準となり、最近も高止まりが続いている」ことを捉えています。
政府の月例経済は堅調ぶりを示している、大手企業の業績も順調で、今年の春闘の平均賃上げ率も33年ぶりの高水準。それではなぜ「異変」が起きているのか。
記事は続きます。「データだけ見れば順風な日本経済だが、折からの物価高で市民生活が追い詰められている」。その証拠となるのが、日銀が定期的に実施している「生活意識に関するアンケート調査」に表れている。「回答者の7割近くが現在の景気は「悪い」と指摘している。政府見解とは正反対だ」「暮らし向きに関する質問にも、半数以上が「ゆとりがなくなってきた」と悲鳴をあげている」。
私たちの周りには様々な情報が溢れていますが、ひとつの情報やデータだけを捉えるのはものごとの一面だけしか見ていないのではないか、とこの記事は教えてくれている気がします。例えば、最近報じられている株価高騰の背景には何があるのか。
記事では最後に「日本が抱える構造的な問題が上昇の背景にある。目を背けたくなるような現実をも直視せよ。そんな警告でもある」と指摘していますが、その通りと思います。
(2024.7.24 93)
2024年7月21日付 毎日新聞 5面なるほドリワイド 「米軍兵士の犯罪」
沖縄県での米軍犯罪が次々に明るみになっていることに関連して、記事の中からいくつかの数字を抜粋して掲載したいと思います。
① 沖縄県警が現在の不同意性交等に当たる容疑で米軍関係者を検挙した事件は、72年(日本復帰)から22年までで134件。1年平均で2件以上。殺人は27件、強盗は398件。
② 23年に米軍関係者が刑法犯で検挙された事件は全国で118件。そのうち約6割の72件が沖縄県で発生。神奈川県が19件、東京が10件、山口県が8件、青森県が4件、長崎県が3件、その他2府県2件。
③ 米軍関係者が23年に道路交通法違反で検挙された事件は全国で67件。そのうち47件は沖縄県、うち9割超の43件は酒気帯び運転での検挙。
沖縄県での事件数の多さに改めて驚かされますが、こうした背景にあるのが米軍基地の集中にあると記事では指摘しています。具体的な数字は、
① 全国の米軍専用施設のうち、面積比で70.3%が沖縄県にある。他の都道府県で最も高いのが青森県で9%。沖縄本島では面積の15%を米軍基地が占める。
② 米国防総省の統計で、24年3月末時点で日本国内に駐留する米軍人は約5万5千人。そのうちほぼ半数が沖縄県内に駐留しているとみられる。都道府県別の人数は近年公表なし。
沖縄県民の負担の重さを改めて感じざるを得ません。山形県内には米軍基地はなく、米軍関係者による事件が起きたとの報道を耳にした記憶がありませんが(まさか隠されている?)、そのことを喜んでばかりいられるでしょうか。日米安全保障条約、日米地位協定の在り様を問うべきではないでしょうか。
(2024.7.21 92)
2024年7月9日付 毎日新聞 8面 「誰も知らない児童虐待件数」
少し前の記事になりますが、気になるタイトルなのでご紹介します。
記事ではまず、毎年明らかにされている児童虐待の件数について、2022年度は速報値として21万9170件で、「集計が始まってから32年連続で更新されているとされてきた」と述べています。しかし、この数字が訂正され、減る見通しになったことを伝え「前代未聞」としています。
理由は、国が報告を求める虐待件数の捉え方があいまいであることを挙げ、川崎市の事例を紹介しています。
川崎市の担当者は、(相談を受けると)「どんなケースも虐待の疑いで対応する。すべて報告するものと思っていた」ことから、「虐待がないとは言い切れないケースは含めるのか」と国に問い合わせたところ、「国の答えは「ケースによる」と明確ではなかった」。
こうした点から「「虐待ではないと判断したケースを除いた対応件数は、児相の実態を表していない。虐待かどうかに関わらず、相談の受付件数を重視すべきでは」と川崎市の担当者は疑問を投げかけ」ています。
記事では、「虐待件数を統計法の『特に重要な統計』に位置づけ、調査方法を見直すべきだ」とする独協大和田一郎教授の指摘も掲載しています。
この記事を読むと、公表される虐待の件数は相談があった件数より相当少ないものといえそうです。虐待の有無がはっきり判断できないものがある以上、一番確かな数字はやはり「相談件数」なのではないでしょうか。子どもの虐待件数については、米沢市議会でも一般質問で取り上げられたことがあります。市当局で捉えているのはどの数字なのか、確認したいと思います。
(2024.7.17 91)
2024年7月14日付 沖縄タイムス 1面トップ 「米軍性犯罪 県外も非公表 警察21年以降 主要基地所在地で」
この記事は、沖縄県内で米兵による性犯罪事件が長い間非公表となっていたことが相次いで明らかになった問題が、沖縄県だけの問題ではなかったことを伝えるものです。
沖縄タイムスでは7月上旬に、「三沢基地のある青森県、横須賀基地のある神奈川県、岩国基地のある山口県、佐世保基地のある長崎県の各警察と横田基地のある東京都を管轄する警視庁に最近の報道発表について聞」き、その結果として、「21年以降、米軍関係者による性犯罪の逮捕・摘発は神奈川2件、青森2件、山口1件で、計5件だった。いずれの事件も報道機関に広報されていなかった」「警視庁は公表の有無自体明らかにしなかった」と報じています。
沖縄県の問題が明るみになって以降、基地のある他の場所はどうなっているのだろう。問題として報道されないのは、きちんと公表されているからだろうか。沖縄県だけでこうした問題が起きているのは、基地の占める割合が大きいからだろうか、と思ってきましたが、そうではなかったことが分かりました。やっぱりそうなのか、という思いを持ちました。
公表してこなかった理由として挙げられるのは被害者のプライバシーに配慮したことが強調されていますが、この記事では、性犯罪に詳しい四天王寺大学講師の牧野雅子さんが、性犯罪であっても「発生時期や発生場所などを特定されないようにするなど対応した上で、事件があった事実は公表できるはずだ。米軍の犯罪を公表することは公益性の上でも重要だ」と指摘しています。まさか「米兵が関与している事件は公表しない」という指示が政府から出されているということはないでしょうが、この記事を読むとありえないことではないかもと思ってしまいます。
(2024.7.14 90)
2024年7月12日付 山形新聞 2面 「自治体非正規職員の待遇 15分時短で退職金回避か 不満噴出、国が見直し求める」
この記事は、自治体で働く非正規職員の勤務時間と退職金の問題を取り上げたものです。
「非正規職員の大半を占める「会計年度任用職員」は、週の勤務時間が38時間45分(1日当たり7時間45分)以上ならフルタイムに、それ未満はパートタイムになる。退職金が支給されるのはフルタイムのみだ」とし、「自治体が勤務時間を支給条件に満たないよう調整しているとの疑念もある」と報じています。
さらに短時間の勤務時間を設定していながら、恒常的な残業が発生しているのだとすれば、問題は大きいと感じます。米沢市では、市立病院も含めてどうなっているのか気になるところです。
(2024.7.12 89)
2024年7月11日付 山形新聞 2面 「米沢・栗子山風力 イヌワシなどの保全対策不十分 県環境影響評価審が指摘」
この記事は、JR東日本開発が米沢市の栗子山で開発を計画している風力発電について、10日に開かれた県の環境影響評価審査会の結果を伝えるものです。
記事によると、会長の横山潤山形大理学部教授が「「イヌワシなど希少生物の保全対策について不十分な点が多い」と強調。今後行う知事への答申の中で、次の段階となる評価書で改善するよう同社に求める考えを示した」とされています。
また、「委員からは風車の低周波音の人体への影響、市街地出没が増えているクマの行動圏に与える影響などの調査を求める声も上がった」とも伝えています。
この問題については「新聞記事から」で何回か取り上げ、市からの意見書も掲載していますが(2024.5.14 No.75)、 今回改めて、計画の不十分さが明らかになった形です。吉村知事はこの審査会の答申を踏まえて、来月下旬に経済産業省に意見書を提出すると報道されていますが、その内容が注目されます。
(2024.7.11 88)
2024年7月9日付 毎日新聞 3面 「「石丸ショック」与野党動揺」
7日に投開票された東京都知事選、都議会議員補欠選挙の投票結果は本日付の各紙でも報道されています。中でも得票数で第2位となった前広島県安芸高田市長については、意外ともいえる驚きを持って報道されていますが、その中から気になる指摘をご紹介します。
この記事では、石丸伸二氏が時点に入ったことについて「現状に不満を持つ層の受け皿になったことがうかがえる」とする一方で、都議会議員の声として、「正直言って政策に具体的なものは何もない。だけど短く簡潔に話し、期待をもたせるのがうまい。初めて出馬した際の小池百合子知事によく似ている」。また、「別の都議は「パフォーマンス政治だ」と警戒感をあらわにした」。
東京都で知事や議会議員補欠選挙が行われた同じ日に、石丸伸二前市長の辞職に伴って安芸高田市長選挙も行われました。その結果を伝える記事では、次のようなタイトルが踊っています。
2024年7月7日付 朝日新聞デジタル版(23時03分更新) 「安芸高田市長選、石丸前市長批判の新顔が当選 市政の刷新を訴え」
内容を一部ご紹介すると、(当選した)「藤本氏は選挙戦で、市議会と激しく対立した石丸市政について「市議会や市民との対話が少ない」と批判した。石丸氏の手法は対立と分断を招いたなどとして、市政の刷新を訴えた」「石丸氏の施策にも反対を表明した」。
朝日新聞の別の記事では、得票数で第5位だった安野貴博氏についても取り上げています。
2024年7月8日付 朝日新聞デジタル版(7時00分) 「東大卒AI技術者が挑んだ選挙の常識 契機は妻の「都知事選でたら」」
記事によるとこの候補は、AI技術者という経験を存分に生かして選挙戦を展開。それは、一方的に自分の考えを伝えるものではなかったようです。「YouTube上で24時間体制で質問に答えるAIアバター「AIあんの」も開発した」、「公約も選挙期間中に「アップデート」させた。ネットサービスを活用し、公表した公約への意見や変更提案を随時受け付けた。5日までの2週間で288件が届き、子育て支援の所得制限撤廃など、65件を実際の公約に反映させた」。
今回の選挙を通じて、SNSやYouTubeといったネットサービス、デジタル技術を駆使した選挙戦も、特に若者世代に訴えかける手段としては非常に有効だということが示されたと思います。
しかし一方で、「中身はどうなんだろう、政策はどうなんだろう」という点を候補者も有権者もおろそかにしてはいけないのではないか、と思います。市民、有権者に向き合い、意見を聴くことがいかに大事か改めて考えさせられました。
(2024.7.9 87)
日付は少し前のものになりますが、非常に興味深い記事がありましたのでご紹介します。
2024年7月6日付 山形新聞 5面「時を語る」 「改正入管法に伴う課題 思考と政策 修正が必要」
この記事は、改正入管難民法が6月14日に成立したことを受けて、東京大教授の遠藤乾氏が寄稿したものです。 今回の法律改正は「事実上の「移民解放宣言」と言える。外国人受け入れのあり方だけでなく、おそらく政治が変わるだろう」と捉えています。
まず、改正のポイントとして、次の点を挙げています。
① 「技能実習」制度が廃止され、代わりに「育成就労」制度が創設されること。
② 数年勤めて一定の技能を習得すれば、繰り返し更新して滞在できること。その場合家族も帯同できること。
③ 永住資格を持つものが納税などを怠ったとき、資格を取り上げることができること。
こうしたポイントに加えて「今後、日本に多くの外国人が流入し、恒常的に滞在することになる」と指摘し、「住宅、医療、教育の3点につき、自らの政策資源を投入する覚悟を、速やかに表明すべき」として国に要求しています。さらに企業に対してもとるべき姿勢として、「外国人の定着・包摂に向け、一定の社会的責任を負うべき」と指摘します。
しかし、注目すべきはここからです。「外国人労働者、日本人低所得者(アンダークラス)、日本人の「中の下」階層の労働者の三角関係をもろとも考えねば危うい。政治家や行政官は、外国人労働者への施策に加え、低所得にあえぐ世帯と個人を支援しなければならない」、そうでなければ「アンダークラスと外国人労働者への支援をしているうち、「中の下」階層が怒り出す」、「定職はあるものの豊かではない層が、なぜ自分たちの納める税が他人、他国籍の人間にばかり使われるのかと不満を抱える」、「その結果、外国人への支援や社会的に脆弱な層への給付などが攻撃の対象となり、それに乗ずる、いわゆるポピュリズム政治家が出てくる」と指摘します。
昨今の、特に欧州を中心に広まっている排外的な、移民排斥を求める国民の声は、まさにこうした状況を表しているように思います。日本でもこれからますます人口減少が進み、労働力不足がより深刻になっていくのは間違いありません。政府にはしっかりとした対策を講じていってほしいと思います。
(2024.7.8 86)
2024年7月5日付 朝日新聞 1面トップ 「川重、20年前から裏金か 海自接待疑惑 架空取引6ルート」
この記事は、海上自衛隊の潜水艦を建造している川崎重工業の神戸工場が、下請け企業に架空取引の協力を求め、それに応じていた下請け企業が6社に上っていることを伝えるものです。
記事によると「税務調査した国税局は2023年3月期までの6年間で十数億円の裏金作りを把握し、重加算税を含む追徴税額は少なくとも約6億円に上るとみている」とされています。
また、同紙2面では「防衛産業に「たかる構図」 ゲーム機・家電・おそろいTシャツ… 海自乗組員、要求リスト」との見出しを掲げ、「防衛費増「特需」の中 不祥事また」として、防衛産業を巡る過去の不祥事について掲載しています。
さらに、今回の問題の背景として、今後5年間でこれまでの1.5倍となる43兆円に増やすとされた防衛予算関連についても言及しています。「販路が乏しく、撤退が相次いで細りつつあった防衛産業については、23年に「防衛生産基盤強化法」を成立させ支援を手厚くした。22年末に定めた安保3文書には防衛産業を「いわば防衛力そのもの」と明記もした。この流れを背景に直近では防衛産業の「特需」が起き、川重の場合、23年度の関連受注高は前年比2.1倍の5530億円、24年度の見込みは5890億円で、さらに伸びる見通しだ」。
先の自衛隊創設70年の記事では、災害派遣などを通して自衛隊に対しての国民の理解、好感度が増しているとの報道も見られました。しかし、防衛省が沖縄で強行する辺野古沖への普天間基地移転工事なども含めて、こうしたいわば負の側面があることにもしっかりと目を向ける必要があると思います。
(2024.7.5 85)
2024年7月3日付 毎日新聞 5面 自衛隊創設70年 「人間中心の安保議論を 憲法9条解釈変更後も生きる」
この記事は、自衛隊創設70年を迎えて毎日新聞が組んでいる特集の一つです。青井未帆・学習院大学教授の寄稿文を掲載していますのでご紹介します。
まず、「政府が憲法論を「終わった話」と引き離そうとしているのは、「それだけ憲法9条に力があるからとも言えます」」とした上で、米軍との安全保障協力が強化されている現状について次のように指摘しています。
「近代憲法では主権者との近さが、持ちうる権限の強弱を決める」とし、「仮に(憲法改正で)自衛隊を憲法に明記する場合、自衛隊は国民投票で直接、認められることになります。国民が憲法に定めた自衛隊を、首相は仕切れるのか。米国と自衛隊を統合運用することになれば、自衛隊が実際に従うルールは国内ではなく、米国のものかもしれない。日本に主体的に判断する情報があるでしょうか」。
また、日本周辺の安全保障環境は厳しさを増しているとされていることについては、「「東西冷戦の時と比較できるのか」など定量化できない問題でもある」とし、「安保環境が悪化した」と繰り返すばかりの政府の説明に対して、「政府が安保分野では情報開示を控えるケースも多く、政策の妥当性を事後的にでも検証することができないことが一番の問題点だ」と指摘しています。
安倍元首相の国会答弁は、質問をする野党議員のみならず国民をバカにするような誠意のなさを感じました。今の岸田首相の答弁は「検討する」という言葉ばかりが目立ち、安倍首相とはまた違った意味で国民をはぐらかしている気がします。その一方で、青井教授も「安倍政権下から強まったのは、国会で議論しないまま、閣議決定で重要な決定をする流れです」と指摘しているように、国民不在で重要な政策を進めていることに危うさを覚えます。派閥の裏金問題で国民の支持を失いつつある政府自民党であるにもかかわらず、まさに「しれっとして」軍備増強を進め、国民を縛る、国の統制を強める法案を次々と成立させているような気がしてなりません。
(2024.7.3 84)
2024年7月2日付 沖縄タイムス 5面社説 「自衛隊発足70年 際限なき拡大に危機感」
2024年7月2日付 朝日新聞 14面社説 「自衛隊70年 積み上げた信頼こそ礎」
1954年7月1日に自衛隊が補足して70年を迎え、各紙とも7月1日には関連する記事を掲載しました。朝日新聞では前日の6月30日に複数面にわたって、これまでの自衛隊の歩みや現状などを掲載しています。
こうした記事の中から、本日付の2紙の社説を紹介します。
まず、沖縄タイムスでは、70年の歴史の中での転換点を挙げています。
① 91年、湾岸戦争後のペルシャ湾への海自掃海艇派遣。これを契機に国際平和協力法成立し、国際貢献の名目で海外派遣が常態化
② 2014年、自衛隊発足60年の節目に閣議決定された集団的自衛権の行使容認
③ 2015年の安全保障関連法(安保法)の成立
④ 22年末に安全保障関連3文書を閣議決定。「敵基地攻撃能力」の保有を明記
朝日新聞では、自衛隊員の意識に変化が生まれているのではないかと危惧し、昨今の「旧軍との継続性を疑われる振る舞いに頓着しない傾向は気がかり」として、
① 陸海自衛隊の幹部を含む自衛官らによる靖国神社への集団参拝
② 陸自部隊が、X(旧ツイッター)の公式アカウントでの投稿に、「大東亜戦争」の用語を使ったこと
③ 沖縄県に駐留する陸自第15旅団が、沖縄戦を指揮した牛島司令官の辞世の句をホームページに掲載していること
などを挙げています。
中国や北朝鮮の脅威、台湾有事の名のもとに進められる政府の防衛力強化の動きは、閣議決定であったり、与党内での話し合いだったり、国民の知らないところで次々と決定されていくことに最も恐ろしさを感じます。米国と一体となって戦争のできる国づくりが、私たちの知らないところで着々と進められている。まさに、「新しい戦前」が近づいている気がしてなりません。
(2024.7.2 83)
2024年6月28日付 朝日新聞 1面トップ 「定年延長「黒川氏のため」 安倍政権の検事長人事 大阪地裁判決」
2024年6月28日付 毎日新聞 1面トップ 「定年延長「黒川氏が目的」 法務省文書 国の不開示認めず 大阪地裁判決」
2024年6月28日付 山形新聞 1面トップ 「解釈変更「黒川氏のため」 検事長の定年延長 文書開示命令 大阪地裁判決」
これらの記事は、国家公務員法の定年延長制度は検察官にも適用されるとの解釈変更が突然閣議決定されたことに関して、法務省内での検討記録の開示請求を行ったところ国が不開示との決定をしたため、これを不服として提訴された訴訟の内容を伝えるものです。
判決そのものは、国が不開示とした決定の大半を違法として取り消し、文書の開示を命じるものですが、重要なのは内容です。
判決では、「定年延長が全国の検察官に周知されておらず、黒川氏以外に対象がいなかった点を考慮。約40年にわたり維持されてきた政府見解を直ちに変更すべき社会情勢の大きな変化があったとはいえず、解釈変更は「黒川氏の退官予定日に間に合うよう、ごく短期間で進められたと考えるほかない」」(山形新聞)とし、閣議決定による解釈変更は黒川氏のためのものであった、と指摘しています。
この点について朝日新聞では、「原告側代理人の徳井義幸弁護士は、安倍政権時に浮上した「森友・加計学園」や「桜を見る会」などの疑惑に触れ、「(捜査機関による)政権への忖度が蔓延しているという批判があり、今回の問題はその一環だった。黒川さんのために定年延長をしたことを裁判所もはっきりと認めたのは大きな意義がある」と説明した」と紹介しています。
当時、黒川氏は官邸に近い人物とされており、定年延長は検事総長への道筋を整えるためではないか、との憶測が流れていました。定年延長問題が報道されたときには、野党をはじめ著名人や法曹関係者らからも反対の声が上がりましたが、私も「安倍首相はここまでやるのか」と思っていました。今回の判決は、多くの国民が疑問に思っていた点について明確に答える画期的なもの、という気がします。安倍政権時の負の側面がまた一つ検証されたのではないでしょうか。
(2024.6.29 82)
2024年6月27日付 毎日新聞 5面社説 「じもとHDの「国有化」 金融不安招かぬ処方箋を」
米沢市内にも店舗があるきらやか銀行を含むじもとHDが、国からの公的資金を返済できず実質的に国有化されたというニュースは、テレビでも報道されていました。この社説はこのことについて毎日新聞としての考えを報じるものです。
記事ではまず「日銀のマイナス金利政策の解除が銀行経営に大きな影響を及ぼしている。金利の上昇で大手行が収益増の恩恵を受ける一方、苦境に陥る地銀も出ている」と述べています。
そしてこれまでの経過を紹介し、「地銀の使命は、経営の健全性を保ち、地元企業に円滑な資金供給を行うことだ。国の管理下では、経営の自由度が下がり、新規融資もままならない。地域経済を支える役割を果たせなくなる」と述べ、「金融庁の責任も問われる」「金融不安の芽を摘むはずの政策が逆の結果を招いており、監督が不十分だったのは明らかだ」と指摘しています。
改めて、アベノミクスとは何だったのか、と思わずにはいられません。日銀は安倍首相が交代させた黒田総裁の下で、政権の要請に呼応するように極端な金利政策を実施してきました。しかし「黒田バズーカ」とも称されたそのやり方は、大手行や大企業には恩恵があっても、社説が「税金を原資とする公的資金を注入されている地銀は他にもある」と指摘しているように各地の地銀や、中小・零細企業、私たちの暮らしにどのような恩恵をもたらしたのでしょうか。シャンペンタワーを滴り落ちるシャンペンにも例えられた「トリクルダウン」、末端までの富の配分は実現しなかったと言うのは言い過ぎでしょうか。
(2024.6.27 81)
2024年6月26日付 沖縄タイムス 1面トップ 「米兵、少女に性的暴行 不同意性交罪で起訴 那覇地検 本島公園で誘拐」
2024年6月26日付 山形新聞 20面 「わいせつ誘拐 沖縄米兵起訴 少女誘拐 外務省、県側に伝えず」
この記事は、那覇地検が嘉手納基地所属の米空軍兵長をわいせつ目的誘拐と不同意性交の罪で起訴していたことがわかった、という内容です。記事を読んでまず思うのが、「逮捕された」ことを伝えるものでなく、「起訴された」ことを伝えるものだということです。記事には、「3カ月間 県に連絡なし 知事、日米政府に抗議へ」との見出しもあり、「玉城デニー知事は25日、政府から県に連絡がなかったとして「信頼関係において、著しく不信を招くものでしかない」と語気を強めた。情報共有の在り方を問題視し、日米両政府に抗議する考えを示した」ことを報じています。山形新聞でも「玉城氏は事件について「県民に強い不安を与えるだけでなく、女性の尊厳を踏みにじるものだ。強い憤りを禁じ得ない」と述べ、米軍など関係機関に抗議する考えを示した」と報じています。
沖縄タイムス26面には、県内で発生したこれまでの同様な凶悪事件について、「米兵や軍属の摘発6163件 復帰後の50年間 凶悪犯は584件」との見出しとともに、県の資料などから作成された「米軍人・軍属・家族による復帰後の主な事件」(暴行、殺害、強盗)の一覧が掲載されています。1995年に起きた米兵3人による少女暴行事件では日米地位協定により犯人を逮捕できなかったため、沖縄県民の反基地感情が高まり、事件に抗議する抗議集会が本土復帰後最大規模で行われたことはまだ記憶に残っています。折しも今月16日は沖縄県議会議員選挙の投票日であり、選挙後に事件が明るみに出るというのは意図的ではなかったのか、とも思ってしまいます。
沖縄県に米軍基地が集中するあまり繰り返される悲劇に、私たちも無関心ではいけないと思います。
(2024.6.26 80)
2024年6月25日付 山形新聞 3面社説 「国立大授業料値上げ 政策の検証が必要だ」
東京大学の学費の値上げがテレビのニュースでも取り上げられていましたが、この記事は国立大の授業料に関しての社説です。
2004年に国立大学法人法が成立し、国の行政機関だった国立大学が国立大学法人という法人になって以降、「経営を支える国からの運営費交付金が減り続け、評価に基づく傾斜配分も導入され、不安定化したことが背景にある」ことが授業料の値上げに向けた動きにつながっているとしています。それはまた、「教育研究が確実に実施されるに必要な所与額を確保するよう努める」との国会での付帯決議に反し、これまで毎年1%の減額が実施されていることによるものと明らかにしています。
その上で、「教員は外部の研究費や国の補助金といった「競争的資金」の獲得に追われ、研究時間が減った。日本全体の研究力低下や博士号取得を目指す若者の減少は、政府の失敗が招いた結果と言えよう」と指摘しています。
この「競争的資金」については、防衛省が平成27年度から導入した「安全保障技術研究推進制度」にも着目する必要があります。これは、防衛装備品(武器)への運用面に着目したもので、大学や独立行政法人の研究機関、企業等を対象として、研究開発課題を募り、提案された課題の中から資金を配分する側が課題を採択し、「競争的資金制度」を研究者等に配分するというものです。大学への運営交付金を削減しながら、一方で武器開発へつながる研究を後押しするという国の思惑が透けて見えます。
社説では、「授業料の値上げは、窮状をしのぐための手段の一つではある」としているものの、高等教育への国の負担について経済協力開発機構(OECD)の統計に基づく各国との比較に言及しています。
① 高等教育に対する日本の公費負担は対国内総生産(GDP)比0.5%で、加盟38か国の平均の半分で下から3番目
② 高等教育費のうち家計負担の割合は約65%で、加盟国平均の2倍で上から3番目
③ 日本が批准した国際人権規約の「高等教育の斬新的無償化」という国際公約に反する
日本人のノーベル賞受賞者が、研究は基礎的学力こそが大事であって、今の日本では今後この点が低下してしまうことを心配する、という声が報道されていたのを思い出します。
社説では「18歳の大学進学率が6割に迫り、短大や高専、専門学校も含めた高等教育機関への進学率は8割を超える」とした上で、「「高等教育は自己投資」で済ませていいのか」と疑問を呈しています。私も同感です。国の政策の転換が必要なのではないでしょうか。
(2024.6.25 79)
2024年6月24日付 山形新聞 1面トップ 「慰霊の日、追悼式 沖縄戦79年 平和願う 知事「自衛隊拡張に不安」」
2024年6月24日付 毎日新聞 1面トップ 「慰霊の日 自衛隊増強 憂える沖縄 知事「外交で緊張緩和を」」
両紙とも1面トップで昨日の沖縄全戦没者追悼式について伝えています。
このうち毎日新聞には沖縄戦での死者数が円グラフで掲載されていますので紹介します。死者約20万人、そのうち米軍1万2520人、一般住民9万4000人(推計)、日本軍(軍人、軍属)9万4136人。グラフの脇には「沖縄戦」の説明書きも掲載されています。「米軍は日本本土を攻略する拠点とするため」1945年3月26日に慶良間諸島に上陸、4月1日に本島中部の西海岸に上陸。「日本軍は本土決戦の時間稼ぎのために持久戦を展開。司令官の自決で日本軍の組織的戦闘が終結したとされる6月23日まで約3カ月に及んだ地上戦」で、「沖縄出身の軍人・軍属2万8228人と合わせて、沖縄県民の4人に1人が亡くなったとされる」。
沖縄タイムスは社説でも取り上げています。「玉城デニー知事は平和宣言で、米軍基地の過重な負担が続く県内で急激に自衛隊の配備強化が進むことに、県民の強い不安を代弁した。「今の沖縄の現状は、無念の思いを残して犠牲になられたみ霊を慰めることになっているのでしょうか」」(2024年6月24日付 沖縄タイムス 5面社説 「全戦没者追悼式 今こそ平和の声つなぐ」)。
さらに同社説では、「沖縄戦の教訓は、戦争は民間人を巻き込み、軍隊は住民を守らないということだ」と指摘し、「不発弾の処理や、戦没者の遺骨収集も今なお続く。そうした戦後処理が終わらない沖縄で今「新たな戦前」が語られるようになってる」と述べています。
また、「県民の4人に1人が犠牲となった悲劇は、住民が多く非難していた本島南部への撤退という司令官の決定で引き起こされたといっても過言ではない。皇国史観を受け継ぐような問題は、旧軍と自衛隊との連続性をうかがわせ、さらに県民を不安にしている」とも述べています。
世界中で続く戦争。戦争を始めるのは各国の指導者、為政者ですが、戦争で闘わせられるのは国民であり、犠牲になるのも国民です。私たちみんなの声で戦争させない、戦争をやめさせることはできないものでしょうか。
(2024.6.24 78)
2024年6月23日付 毎日新聞 1面 「きょう沖縄慰霊の日」
2024年6月23日付 沖縄タイムス 1面 「きょう「慰霊の日」 戦後79年 犠牲者悼む」
沖縄はきょう、県民20万人以上が犠牲となった沖縄戦から79年の「慰霊の日」を迎え、玉城デニー知事や岸田首相が参列して沖縄全戦没者追悼式典が開かれます。これらの記事は、そのことを伝えています。
地元沖縄タイムスは1面トップだろうと見てみると、1面トップには別の記事が掲載されていました。
2024年6月23日付 沖縄タイムス 1面トップ 「牛島司令官の軍服展示 陸自那覇 旧軍と連続性示す」
この記事は、「沖縄の陸上自衛隊第15旅団が、沖縄戦を指揮した牛島満・旧日本軍司令官の軍服を那覇駐屯地の展示施設に陳列していたことが22日までに分かった」ことを伝えるものです。
沖縄の人たちにとって、戦時中の日本軍は自分たちを守るための軍隊ではありませんでした。当時の日本軍がいかに恐ろしい存在だったか、沖縄タイムスでは体験者の話も顔写真入りで掲載しています。「米軍機の機銃掃射から逃げたこともあるが、それ以上に恐ろしかったのは日本軍が住民を殺したことだ。ある男性がスパイ視され、男性の妻、まだ幼い子の3人が日本兵に刀で刺し殺され、焼かれた。別の女性もスパイ視され、殺される前に着物で正装して川で自死した。どちらも亡くなっている姿を目の当たりにした。」「「友軍にやられた。それしかない」。知念さんにとって日本軍は戦争被害の象徴ともいえる」(25面 「友軍が住民虐殺 目の当たり 戦争起こす軍いらない」)。
今「台湾有事」が声高に叫ばれ、米軍と自衛隊の一体化が進んでいます。防衛費が膨張し続けています。こうしたことは誰のためになるのだろうか。私たちの暮らしを守ることになるのだろうか。きょうの沖縄慰霊の日に改めて考えてみませんか。
(2024.6.23 77)
2024年6月20日付 毎日新聞 1面トップ 「改正規正法が成立 具体策「検討」多数 政活費や企業献金温存」
2024年6月20日付 山形新聞 1面トップ 「改正規正法が成立 全野党反対「抜け穴」に懸念
2024年6月20日付 朝日新聞 1面トップ 「改正規正法 成立 政治とカネ 抜け道残す」
2024年6月20日付 沖縄タイムス 1面 「改正規正法が成立 裏金防止 透明性に疑問」
今日の朝刊各紙は、いずれも1面で政治資金規正法の改正案が成立したことを伝えています。
新たに成立した法案の内容と問題点を記載しておきたいと思います。(主に毎日新聞の記事を基に記載)
① 政治資金パーティ券の購入者の公開基準を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げ
→ 年間の購入総額に上限がなく、パーティの開催件数を増やせば実質的に現行と変わらず
② 政策活動費の年間支出上限額を定め、10年後に領収書を公開することを検討
→ 収支報告書への不記載についての公訴時効は5年。10年後に不正が発覚しても罪を問われず
→ また、脱税の時効は7年
→ 領収書が黒塗りで公開される可能性
③ 政策活動費の使途を監査する第三者機関を設置
→ 権限や設置時期など、第三者機関の在り方については未定
④ 政治資金収支報告書に記載する際に、国会議員本人がチェックしたことを示す「確認書」の作成を義務付け
→ 「会計責任者の説明に問題があった」、「確認したが気づかなかった」などの言い逃れの余地あり
今回の政治とカネの問題は、自民党派閥の裏金問題が発端でした。しかし、肝心のその裏金の使途など、事件の実態については何も明らかにされてきませんでした。今回の法律改正は、まさに政治改革とはほど遠い中身になってしまいました。自民党、公明党の見識を疑わずにはいられません。
岸田首相は記者団に「「収支報告書における政治家の責任強化や政治資金の透明性を向上させるものだ。再発防止という観点から、実効性がある制度となった」と述べ、意義を強調した」(毎日新聞)とありますが、まさに強弁。あきれるほかありません。来る国政選挙で、きっちりと厳しい審判を下す必要があるのではないでしょうか。
(2024.6.20 76)
2024年5月14日付 山形新聞 2面 「米沢市 「計画認めない可能性」 栗子山風力巡り県に意見書」
この記事は、JR東日本エネルギー開発が米沢市の栗子山で計画している風力発電事業について、山形県からの要請を受けて米沢市が県知事に対して意見書を提出するに当たり、まとめた意見書の内容について近藤市長が会見を開いて説明したことを伝えるものです。
記事では、「同社による住民説明や環境保全措置が十分に行われなければ「計画を認めない可能性がある」とする市の意見をまとめ、県に提出したと明らかにした」としています。
各議員に対して昨日、提出した意見書がメールで配布されましたので掲載します。
・(仮称)栗子山風力発電事業 環境影響評価準備書に対する意見
(2024.5.14 75)
2024年5月8日付 沖縄タイムス 3面 「豪海軍新型艦 入札参加へ 政府 海自艦ベースに共同開発」
戦闘機に引き続き、護衛艦までも輸出できることになるのか、と思わせる記事です。政府がオーストラリア海軍が導入を計画する新型艦の入札に検討に入ったことを参加する検討に入ったことを伝えています。
「殺傷能力が高い護衛艦の輸出が決まれば異例だが、他国と競合する可能性があり、受注するかどうかは不透明」とされているものの、政府が輸出したがっているのは間違いありません。記事では「受注すれば英国、イタリアとの次期戦闘機の共同開発に続く大型案件となりそうだ」としています。
武器輸出がなし崩し的に拡大されようとしています。
(2024.5.8 74)
2024年5月6日付 毎日新聞 10面 「競争原理導入で現場疲弊 国立大学法人化から20年 交付金減額「腰据えた研究できない」」
この記事は、国立大学が法人化されて20年となった現状を伝えるものです。
現在、全国に86校ある国立大学は、2004年4月に国立大学法人となりました。これは「競争的環境の中で世界最高水準の大学を育成する」との政府方針により、国立大学法人法が成立したことによるものです。
以来20年、記事では学長経験者による評価する面の一方で、「財政面は不安定になり、運営が厳しくなったとの見方が多い」とも伝えています。それを裏付ける数字として、「大学の規模に応じて配分される「運営費交付金」の仕組みが導入されたが、少子化や国の財政難などを理由に縮小が続」き、「24年度は総額1兆784億円で、04年度に比べて13%も減っている」ことを挙げています。
その結果、大学の現場では研究室の予算が20年間で4割減った例もあり、「『稼げる研究』が最優先」になり、「基礎研究を軽視し独創的な発想が生まれづらい」とする研究者の言葉を紹介しています。
また、「世界最高水準の大学を育成する」とした政府方針とは裏腹に、国公私立大学全体の研究力低下を示す指標として、国際的注目度が高い論文数で、「約20年前は4位だった国際順位が過去最低の13位になった」ことを指摘しています。
こうした一方で見過ごすことができないのは、「安全保障技術研究推進制度」です。これは、研究開発課題を募り、提案された課題の中から課題を採択し、研究者等交付金をに配分するもので、防衛省が2015年度から実施しています。対象は大学、独立行政法人の研究機関、企業等となっています。
この制度については、「「軍事組織が支給する研究費」への最大の懸念は「学問の自由」への影響だ。日本学術会議は昨春、軍事と学術に関する声明を公表。大学などに軍事研究への参加について慎重さを求め、防衛省の制度は「問題が多い」とした」(2018年10月6日付 朝日新聞デジタル版)との報道があります。
こうした一連の流れを見ると、大学運営費交付金を削る一方で武器開発を奨励しているようにも見えます。国は軍、産、学の連携強化を一層進めようとしているのではないか、と思うのは考えすぎでしょうか。
(2024.5.6 73)
昨年度の米沢市の出生数(米沢市に新たに住民登録された新生児)は、これまでで最低の358人になりました。これまでの出生数の表とグラフは、「市政報告・活動紹介」に掲載しましたが、ここでは少子化に関しての記事を紹介します。
2023年12月27日付 毎日新聞 15面 「日本の世論2023 少子化 「経済」要因重く」
この記事は、毎日新聞と埼玉大学社会調査研究センターが2023年10月から12月にかけて実施したアンケート調査の結果を報じたものです。4月27日に米沢市で開催された連合山形置賜地域協議会主催の2024米沢地区メーデーの際に、あいさつの中で触れました。
調査は多岐にわたっていますが、このうち少子化に関しての項目では、「日本で少子化が深刻になっている原因として五つの選択肢を例示し、考えに近いものを複数選んでもら」い、その結果が掲載されています。
それによると、「68%が「経済の停滞と非正規雇用の増加によって若い世代が将来の見通しを立てづらくなっている」、65%が「子育てと教育にお金がかかり過ぎる」と回答」し、「「失われた30年」とも言われる日本経済の停滞と、それに伴う雇用や収入の不安定化が、若い世代の生活設計を委縮させているとの認識が広がっている」とコメントしています。
このアンケート調査は、若い人たちの不安定な雇用、正規と非正規の賃金格差などが、少子化の大きな要因になっていることを表しているのではないでしょうか。
さらには、十分な賃金を得られずに働かされてきた人たちが老後を迎えようという時に、十分な額の年金を得られないために生活が困難になっていくこと、結果として生活保護に頼らざるを得ないことになってしまう社会になりはしないか、そのことを心配します。
(2024.5.2 72)
2024年4月28日付 沖縄タイムス 1面トップ 「オランダ軍 県内で訓練」
この記事は、「オランダ軍の海兵隊が3月、米軍北部訓練場で行われた米海兵隊の訓練プラグラムに参加していたこと」を伝えるものです。「沖縄防衛局はオランダ軍の来沖を把握していなかったが、第3海兵隊の交流サイト(SNS)が訓練の動画を流していた」ことも伝えています。
外国の軍隊、しかも米軍以外が日本国内で訓練を行っていたことに、非常に驚きました。これは許されることなのでしょうか。
記事では、「在日米軍の施設・区域の使用は日米安保条約第6条で米軍には認められているが、それ以外の国の軍隊や兵士が訓練目的で使用することは認められていない」としています。これは大きな問題ではないかと思っていましたが、本日付で続報が掲載されました。
2024年5月2日付 沖縄タイムス 1面トップ 「他国軍と訓練 常態化 米軍北部訓練場 22年も参加」
この記事は、「少なくとも2022年にもオランダ軍と英国軍が米海兵隊の同訓練場での訓練に参加していた」ことを伝えています。
外務省は3月のオランダ海兵隊の訓練参加について、「訓練には参加せず、視察を目的として訓練場に立ち入った」と沖縄タイムス側に説明しているとのことですが、「訓練ではなく視察」とするこの内容は本当でしょうか。記事では、米軍監視団体「リムピース」の篠崎正人編集委員の話として、「軍隊ではいきなり共同訓練を行うのではなく、視察で軍隊用語や使う無線を合わせて準備を行うもの。視察は布石で訓練の一部だ」とする指摘を掲載していますが、そのとおりだと思います。皆さんはどう思いますか。
(2024.5.2 71)
2024年4月13日付 毎日新聞 25面 「首都圏が米軍機「訓練場」 6都県 300キロ超ルートも」
この記事は、毎日新聞が航空機位置情報公開ウェブサイト(ADSBexchange.com)を活用して、在日米軍機の首都圏での活動実態を調査した結果を伝えたものです。
それによると、「大型輸送機が東京や神奈川などの上空で全長300キロ超にわたる周回飛行を日常的に行うことや、ヘリが東京湾や相模湾といった洋上で低空旋回を繰り返していることを確認した」としています。そして、「日本政府は首都圏上空や沿岸部に米軍に提供している訓練空域はないと説明しているが、首都圏の広範囲にわたって訓練とみられる飛行が行われた実態が浮き彫りになった」としています。
こうした実態について、在日米軍の動向に詳しいジャーナリストの布施祐仁さんは「主権国家として極めて異常」と指摘した上で、在日米軍がやりたい放題になっている理由として以下の3点を挙げています。
① 日米地位協定で日本国内を自由に動ける特権を与えていること
② 飛行訓練は提供区域内で行うべきだという立場だった日本政府が1980年代に区域外でも実弾射撃などを伴わない訓練なら容認するようになったこと
③ 米軍が管制権を握る首都圏上空の横田空域の存在
このうち③については、以前「横田ラプコン」としてご紹介しました(No.44)。
折しも訪米している岸田首相が日米首脳共同声明を出しましたが、このことについて同紙の伊藤智永専門編集委員が論じています。
その記事では、共同声明で述べられた「「高み」と「勇気」の中核は、防衛・安全保障協力の日米融合である」と断じ、「自衛隊と在日米軍の「指揮統制枠組み向上」とは「一体化ではない」というが、海上自衛隊幹部から「現場ではすでに一体化が進んでいる」と自慢げに聞かされることは珍しくない」ことを紹介し、「米国には「高み」でも、日本は「深み」にはまっていることもある」(2024年4月13日付 毎日新聞 2面 「土記」)と指摘しています。
私たちの知らないところで、私たちが知っている以上の軍事化が着々と進められているのではないか、との疑いを持たざるを得ません。
(2024.4.14 70)
2024年4月10日付 山形新聞 1面トップ 「経済安保新法案 衆院通過 国の身辺調査 民間人も対象」
この記事は、機密情報の保全対象を経済安全保障分野にも広げる「重要経済安保情報保護・活用法案」が衆院本会議で可決され、参議院での審議を経て今国会中に成立する見通しであることを伝えるものです。
記事によると、この法律は新たな法律で、「漏えいすると国の安保に支障を与える可能性があるものを「重要経済安保情報」に指定」し、「情報を漏らした場合は、5年以下の拘禁刑などの罰則」があり、「従業員の所属企業に罰金を科すケースも想定」されるとしています。
また、解説欄では、「プライバシー侵害 懸念」として、
① 国が民間の研究者や企業の従業員の身辺を調査することになること
② 調査対象は犯罪歴や薬物利用の有無に始まり、精神疾患や飲酒の節度、借金など幅広く個人の生活の機微に触れること
③ 家族の国籍も調査の対象となり、「本人の同意が前提」とされているものの、職場の上司などから協力を求められるなど、事実上の強制となることも否定できないこと
④ 調査に関して所属企業が従業員に対して不利益な扱いをした場合には「(政府は)契約を打ち切る」としているものの、罰則規定がないため実効性に疑問が残ること
などを挙げて「プライバシーの侵害の恐れが拭えない」としています。
さらには、法案は「情報の指定や調査の実施状況を国会が監視するよう修正された」ものの、「既に施行されている特定秘密保護法では、国会の審査会が秘密の開示を求めても政府側が情報提供を拒む例が相次いでいる」ことを挙げ、「監視が機能するかどうかは見通せない」としています。
NHKの朝ドラでは4月から、「女性は結婚すれば無能力者となる」とされていた昭和初期に、果敢に法律の世界に挑んで行く女性の姿が描かれています。ドラマの中では、「法律は本来、人の権利を守るためのもの」というようなセリフがあったように思います。
しかし、今の政府・国の動きは「国家の利益」を前面に打ち出して、国民の自由や権利を制限するような、まさに「統制」という言葉が当てはまるような、そんな流れになっていないか、と感じられてなりません。
(2024.4.10 69)
2024年4月7日付 朝日新聞デジタル版 「陸上自衛隊の第32普通科連隊、公式Xで「大東亜戦争」と表現」
2024年4月7日付 毎日新聞デジタル版 「陸自部隊、公式Xの投稿で「大東亜戦争」と表現 ネットで波紋」
どちらの記事も、陸上自衛隊第32普通科連隊(さいたま市)が公式X(ツイッター)に「大東亜戦争」と投稿したことを報じています。
記事によると、「同隊は5日、硫黄島(東京都)で日米合同で開催された戦没者の追悼式に参加したことをXの公式アカウントで紹介。「大東亜戦争最大の激戦地硫黄島」「祖国のために尊い命を捧げた日米双方の英霊のご冥福をお祈りします」などと投稿した」とされています。
毎日新聞では、大東亜戦争の名称は「ネット上では「中国、朝鮮、台湾、東南アジアなどでの植民地統治や侵略を正当化する名称」「公機関が使ってはいけない」などと波紋を呼んでいる」ことを紹介しています。
また、朝日新聞では、「日本は1940年、欧米からアジアを解放し「大東亜共栄圏の確立を図る」との外交方針を掲げ、41年12月の開戦直後に「大東亜戦争」と呼ぶことを閣議決定した」ことを紹介するとともに、「戦後、占領軍の命令で「大東亜戦争」の呼称は禁止された」ことを伝えています。
自衛隊の公式アカウントで「大東亜戦争」との文言が使われたことに驚きます。先の戦争を正当化するために使われた同じ「大東亜」の概念が、今の自衛隊の組織の中で広まっているのではないかと思います。文民統制はしっかりコントロールされているのか、タガが外れかかっているのではないか、と心配になってきます。皆さんはどのように感じますか。
(2024.4.8 68)
2024年3月31日付 毎日新聞 4面 「アベノミクス 負の遺産? 機能性表示食品 当初から懸念」
小林製薬の紅麹サプリによる健康被害は、山形県においても2人の入院が確認されたことが報道されています。(2024年4月1日付 山形新聞 1面 「31都府県で被害相談 県内は2人の入院例」)
毎日新聞の記事は、この製品が「機能性表示食品」と呼ばれるものであり、安倍元首相が規制緩和の必要性を提唱して制度化したものであることを報じています。
記事では保健機能食品の比較として、「特定保健用食品(トクホ)」との違いを説明しています。
① 特定保健用食品が消費者庁長官の許可を必要とする許可制なのに対し、機能性表示食品は届け出制であること
② 特定保健用食品は有効性と安全性が国により審査されるのに対し、機能性表示食品は安全性、機能性の審査がないこと
③ 特定保健用食品が消費者委員会への諮問が必要とされていることに対し、機能性表示食品は諮問がないこと
④ 科学的根拠に関して、特定保健用食品ではヒト試験が必須なのに対し、機能性表示食品はヒト試験または文献評価で足りること
こうした点について、制度導入に向けた消費者庁の検討委員会で委員を務めた消費コンサルタント森田満樹さんは「政治主導でつくられ、安全性に対する基準がゆるい制度になった」と述べ、健康食品のリスクに詳しい群馬大の高橋久仁子名誉教授(食生活学)は「健康増進ではなく経済施策だ」と述べていることを紹介しています。
今回の件は、健康被害の状況を把握した後の企業姿勢も含めて、小林製薬の責任は厳しく追及されるべきと思います。しかし同時に、安倍元首相が推し進めてきた企業優先のアベノミクス政策が、今になって思わぬところで表面化してきているのではないかと思います。
記事では、28日の参議院予算委員会で野党議員から「安倍政権時代に健康食品をビジネスチャンスにと、届け出だけにした。行き過ぎた規制緩和だと当時から批判があった」と指摘されたことを紹介するとともに、「消費者庁は全7000点の機能性表示食品について緊急点検を始めた」ことを報じています。
(2024.4.1 67)
2024年3月30日付 山形新聞 3面社説 「農業基本法改正案審議入り 有事対応以外も重要だ」
この記事は、現在開会中の通常国会で、農政の基本理念を示す食料・農業・農村基本法の改正案が審議入りしたことを受けてのものです。政府が新たに打ち出した基本理念が「食料安全保障」であることを伝え、その食糧安全保障を具体的に進める「食料供給困難事態対策法」と「農地法」の改正案にも触れています。
特に問題となるのは、「食料供給困難事態対策法」において「実効性を担保するために違反や拒否には罰則も設け」ていることです。具体例として、「花卉類を生産している農家にイモなどカロリーの高い農作物を栽培するように強制するケースも想定できる」としています。
記事では、こうした事例は「極端な例」であり「有事に対応した備えは重要だ」としつつも、「担い手の減少や高齢化の進展、農地の減少などによって日本農業は活力を失っている。ここを修復しない限り、どんな理念を掲げても内容を伴うことは難しいのではないか」と述べています。
農家の皆さんは政府が示したこうした改正法を、どのように捉えているでしょうか。私たちの「食」を守るためには、記事で示しているように地方の農業の現場で起きていることをしっかり見据えて、「内容を伴う」施策が必要であると思います。
(2024.3.31 66)
2024年3月21日付 山形新聞 1面 「人の血液からプラ微粒子 国内初検出 有害添加物も臓器に」
この記事は、東京農工大教授らのグループが行った分析で、「国内で複数の人から採取された血液に「ナノプラスチック」と呼ばれる直径1ミリ以下の極めて小さなプラスチック粒子が含まれている」ことが、国内で初めて分かったことを報じています。
さらに、血液を採取したうちの1人からは、「血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)という有害化学物質も見つかった」ことも報じています。
記事中に設けられた「ナノプラスチック」の説明では、「近年、分析技術が向上し、河川水や海水、生物の体内などから」検出されるようになったことと同時に、「直径が大きい粒子に比べ、呼吸器や消化器を通じて血液中にまで入りやすく、粒子としての影響やプラスチック中に含まれる有害化学物質の影響がより大きくなることが懸念されている」とも述べています。
近年、プラスチックごみによる海洋汚染が深刻であることが、魚や鳥の死骸の写真とともに目にする機会が増えています。この記事ではナノプラスチックがどのようにして人の体内に取り込まれたかについては触れていませんが、私には海洋汚染がここまで深刻になってきていることを示しているような気がします。
気候変動とともに、世界規模の大きな環境問題ではないでしょうか。
(2024.3.23 65)
2024年3月16日付 毎日新聞 1面 「戦闘機輸出 自公が合意 殺傷兵器 第三国に解禁」
この記事は、No.63でご紹介した記事の続報です。自民、公明両党が15日に、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機について、第三国への輸出を認める合意をしたというものです。
記事の中では、「平和の党」を掲げる公明党の高木陽介政調会長の言葉を紹介しています。いわく「戦闘機は攻撃兵器と捉えがちだが、我が国は専守防衛だ。第三国移転をするとしたら国の防衛に必要という認識だ。憲法の問題はクリアしている」。
私にはこの言葉は詭弁にしか聞こえません。「我が国は専守防衛を掲げているから、第三国に輸出する戦闘機は防衛に必要ということであり、したがって攻撃兵器にはならない」と言っているように聞こえます。
しかし、戦闘機は殺傷能力の最も高い「攻撃兵器」の一つであることに変わりはありません。
毎日新聞では同日付の社説でも論評しています。
2024年3月16日付 毎日新聞 5面社説 「戦闘機輸出の自公合意 なし崩しで突き進むのか」
ここではまず、「安全保障政策の根幹に関わるルールが、与党の合意だけで変更される」ことを疑問視し、「今回の合意により、殺傷武器の輸出が拡大する」と危惧しています。「平和国家としての日本のあり方が問われている」とする論調に全く同感です。
(2024.3.16 64)
2024年3月7日付 毎日新聞 1面 「戦闘機輸出 自公合意へ 共同開発品 事前審査が条件 月内に」
この記事は、日本、英国、イタリア3か国が共同で開発する次期戦闘機について、第三国への輸出を認めることで自民党と公明党が調整に入ったことを伝えています。同紙5面では、「「歯止め」公明受入れ 戦闘機輸出 首相答弁を評価」として、公明党が輸出を認めることになった理由を報じています。
どのような理由があるにしても、またどのような条件が付されるとしても、殺傷能力の非常に高い戦闘機でさえ輸出の対象となってしまうこと、そしてそれが自民党と公明党によって決められてしまうことを知り、日本国憲法の平和主義に則って武器輸出を認めてこなかったこれまでの姿勢がここまで変えられてしまうのかと思います。
(2024.3.7 63)
2024年2月28日付 山形新聞 1面トップ 「23年出生数 過去最少 75.8万人 少子化一段と進む 厚労省速報値」
2024年2月28日付 毎日新聞 1面トップ 「出生数 過去最少 75万人 婚姻数 戦後最低48万組 23年速報値」
2024年2月28日付 沖縄タイムス 1面 「出生数 最小75万人 23年 婚姻90年ぶり50万組割る」
2024年2月28日付 朝日新聞 1面 「出生75.8万人 過去最少 23年 婚姻数、戦後初50万人割る」
本日付の各紙は、各紙とも1面で出生数が過去最少になったことを報じています。このうち毎日新聞では社説でも取り上げていますのでご紹介します。
社説では「少子化の最も大きな要因は結婚しない人が増えていることだ。結婚するかしないかは個人の自由だが、経済的な要因などにより、望んでもかなわない状況は改善しなければならない」と述べています。
その上で、正規労働者と非正規労働者を比較した連合の調査を紹介しています。 内容は、「最初の仕事が非正規だった女性は、正規だった場合より配偶者や子どもを持つ割合が低い」「35歳未満の男性の婚姻率は、非正規が正規の3分の1にとどまる」 というものです。
バブル崩壊で低経済成長に入った時に、政府が「規制緩和」と称して労働者の派遣対象となる業務を拡大し、それにより非正規労働者が増えていったことは間違いないことと思います。いわば企業を守るために労働者にツケを回したといえますが、そのツケが今、「少子化」という深刻な現象をもたらす大きな原因の一つになっているのだと思います。
米沢市での出生数は、過去最少だったのは2021(令和3)年度の412人ですが、2023(令和5)年度は昨年12月末現在の出生数が281人で、最低だった2年前の同期と比較して42人も少なくなっています。今年度の出生数は、おそらく400人を割り込むのではないかと見ています。
先にご紹介した毎日新聞の社説では、「持続可能な社会を実現するためには、少子化対策にとどまらず、人口減少にどう向き合うかの視点も必要になる」と述べています。残念ながら、もうこの少子化は止められない、人口減少に対応していくことでこの社会を持続させていくしかないのでしょうか。
(2024.2.28 62)
2024年2月26日付 山形新聞 2面 「自治体の非正規職員74万人 総務省23年調査 20年比、6.9%増」
この記事は、総務省がまとめた自治体で働く職員の人数を報じています。具体的な数字をご紹介します。
自治体で働く非正規職員の数は、2023年4月1日時点で74万2725人。20年の前回調査では69万4473人で、6.9%、4万8252人の増。
一方正規職員は1994年の約328万人をピークに減少し、2022年は280万3664人と、「280万人程度で推移しており、非正規は単純計算で職員の5人に1人を占める」。
「集計対象は一部事務組合も含め、任期6カ月以上で1週間に19時間25分以上働く職員。短時間勤務などを理由に計上されない職員が他に47万6615人いる」。「福祉やデジタル関連業務が増えており、非正規で補っている形だ」。
本日開会する米沢市議会3月定例会には、非正規職員である会計年度任用職員への勤勉手当支給に関する条例改正案も上程されます。ご紹介した記事では非正規職員の給与に関しては触れられていませんが、条例案の説明資料には一般事務の会計年度任用職員の年収についても記載されています。その額は、勤勉手当支給後としてに2,288,500円です。「議会資料から」に資料を掲載しましたのでご覧ください。
この年収額はそれだけでは生計を維持できない「ワーキングプア」と呼ばれる低水準ではないでしょうか。正規職員がこうした低収入の非正規職員に換わってきて、今や職員の5人に1人が非正規職員というのが現実ということです。公務職場でさえもこうした状況にあることを、私たちはしっかり受け止める必要があると思います。
(2024.2.26 61)
2024年2月24日付 毎日新聞 2面 「「世界の投資家が回帰」 米メディア 強い関心 経済成長には懸念 NY株も最高値」
2月23日付の各紙は1面トップで、株価が最高値を更新したことを伝えました。この記事は、米メディアの反応を伝えたものです。
記事の中で注目すべきと思ったのは、ウォール・ストリート・ジャーナルの解説を紹介した部分です。「故・安倍晋三元首相が推し進めた株主と大企業重視の経済政策(アベノミクス)が日本株の上昇をもたらした」。「「日本の成人の8人に1人しか株式を保有していない。インフレが実質賃金を押し下げ、経済成長は依然として低迷している」と問題点にも触れ、多くの日本人に株高の恩恵が及んでいないとの見方を示した」と紹介しています。
私にはこれが、日本の現状を最も端的に表しているような気がします。株価が最高値を更新して喜ぶ企業や人は確かにいるでしょう。しかし、政府が見ているのはどっちの方向なのか。国民みんなのための政策を実行してもらいたいと改めて思います。
(2024.2.24 60)
2024年2月21日付 沖縄タイムス(1面トップ) 「オスプレイ「運用適さず」 海軍仕様に不具合多数 改善勧告後も県内駐留 米国防総省報告」
現在世界中で運用が停止されているオスプレイに関連して、米国防総省の運用試験・評価局が米海軍仕様の輸送機CMV22オスプレイについて、「運用に適していない」として海軍に勧告していたことを報じています。
2022年6月の報告書の内容は、
「① 任務中止などに至った不具合全体の44%が防氷装置関連
② 整備時間が長すぎて基準に満たない
などの理由で「運用に適さない」と評価。修正を図るよう促した」というものです。
また、「しかし改善が見られなかったため、今年1月に米連邦議会に提出した23会計年度の年次報告書で改めて「運用に適さない」と強調し、海軍に改善するよう勧告した」と報じています。
記事ではさらに、「国防分析研究所(IDA)でオスプレイの技術評価を担当した元主任分析官レックス・リボロ氏は19日、本紙の取材に対し、「運用試験・評価局が『運用に適さない』との見解を表明するのは非常にまれだ。問題の大きさを示しており、早急に修正すべきだ」と解釈した」と伝えています。
オスプレイは墜落事故などが多く、そのため「未亡人製造機」とも言われていますが、その原因が改めて分かった気がします。「運用に適さない」機体が長年空を飛びまわっていたと思うと、ぞっとします。仮に「修正」されても不安は消えないのではないでしょうか。
(2024.2.22 59)
2024年2月21日付 山形新聞(18) 「海自隊員ら靖国集団参拝 研修中 幕僚長「私的、問題視せず」」
先に陸自幹部らの靖国神社参拝の記事を紹介してきましたが、この記事は陸自だけでなく海自隊員も同様に参拝していたことを伝えています。
「海上自衛隊練習艦隊司令部(広島県呉市)の司令官らが遠洋練習航海を前にした研修期間中の昨年5月、制服を着用し東京都千代田区の靖国神社を集団で参拝していたことが20日、防衛省への取材で分かった」としています。また、このことについて「海自トップの酒井良海上幕僚長は20日の記者会見で「研修の合間の時間に、個人の自由意思で私的に参拝した。問題視しておらず、調査する方針はない」と述べた」ことも伝えています。
幹部を含む現役自衛官が、制服を着て、しかも集団で参拝している光景は、私にはとても個人の自由意思による私的なものとは思えません。陸自に続いて海自でもということは、自衛隊全体に靖国神社を崇拝する雰囲気が広がっていることを伺わせます。
(2024.2.21 58)
2024年2月18日付 毎日新聞(18面) 「沖縄に陸自訓練場計画 知事、防衛相に撤回要求
2024年2月18日付 沖縄タイムス(1面トップ) 「陸自訓練場の撤回要求 うるま 知事、防衛相と会談」
この記事は、国、防衛省が沖縄県うるま市のゴルフ場跡地を取得し、陸上自衛隊の訓練場を建設しようとしていることについて、沖縄県庁を訪れた木原防衛大臣に対して玉城知事が撤回を要求したことを伝えています。
毎日新聞の記事によると、陸自訓練場の建設予定地はゴルフ場跡地(約20ヘクタール)で、防衛省は2024年度予算案に用地取得費を計上し用地を取得、25年度に調査・設計、26年度に着工することが計画されています。
また、その目的について「中国の軍備増強などを念頭に南西諸島での防衛力強化を進めており、訓練場建設もその一環」と報じています。
これに対して「周辺全15自治会でつくる連絡協議会は1日、全会一致で計画への反対を決議した」ことを報じています。理由として住宅地に近く、「予定地から約1.5キロ南西にある市立宮森小学校では1959年に米軍機が墜落し、児童ら17人が死亡する戦後沖縄で最大の米軍事故が起きたこと」や、「今後なし崩しにヘリが飛来したり、訓練が強化されたりするのではないかという不安」が強いことを挙げています。
実際沖縄タイムスでは、防衛相自身が「上空から視察した感想として「実感としては(教育施設と)近い」とも言及した」ことを伝えています。
地元住民の意向を無視してまでも自衛隊の訓練場をつくろうとする国、防衛省の姿勢に、「軍隊は国民を守るのではなく、国を守るのだ」という言葉を思い出しました。
(2024年2月18日 57)
2024年2月9日付 沖縄タイムス(5面)社説 「渇水とPFAS対策 遅れのしわ寄せ県民に」
沖縄県では水不足が深刻化しているようです。そのため沖縄県企業局が11日にも河川からの取水を再開することをこの記事は伝えていますが、なぜそのことが大きな話題になるのか。
それは、発がん性が指摘される有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が、これまで高濃度で検出されていた河川からの取水となるためです。「2016年、北谷浄水場の重要な水源である比謝川などから高濃度のPFASが検出され、企業局は段階的に取水を停止していた」が、雨が少なくダム貯水率が低下しているため再開することを、「県企業局が沖縄渇水対策協議会で説明した」と報じています。渇水のためやむを得ず取水せざるを得ない、と私は捉えました。
なぜ発がん性が指摘される有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が河川を汚染しているのか。沖縄タイムスでは「PFAS問題は基地が関係する環境問題の一つであり、対策の遅れによるしわ寄せを県民が受けている」と指摘しています。
図らずも、同日付の朝日新聞でもこのPFASを取り上げています。
2024年2月9日付 朝日新聞デジタル 社説 「米軍PFAS 調査と対策 住民本位で」
この記事では、泡消火剤などに含まれるこのPFASが、日本各地の米軍基地周辺で検出されていることを伝え、「日米地位協定の壁に守られた米軍基地の場合、日本側の調べがほとんど及ばないのが実情だ」としています。
さらに、沖縄県が水質の分析や原因物質の除去などに要した予算額が32億円に上り、10億円は沖縄防衛局が補助したものの、今後10年間で80億円以上が必要となるとの沖縄県の見通しを伝えています。先の沖縄タイムスでも「PFASを巡る課題は、健康問題に限らない」として、市町村の水道料金の増額、汚染対策に係る費用にも触れています。
沖縄タイムスでは「なぜ基地由来とみられる水質汚染の対策費を県民が支払うのか」と指摘し、朝日新聞でも「」汚染が米軍基地由来なら、米軍に施設・区域を提供している国が対策費を負担すべきだという沖縄県の主張はもっともだ」と指摘しています。
基地問題が、私たちの生活に欠かせない水にまで影響を及ぼしていることを、深く考えさせられます。
(2024年2月11日 56)
2024年2月4日付 沖縄タイムス(5面)社説 「進む土地利用規制 疑問尽きぬ指定 見直せ」
この記事には土地利用規制法の内容が詳しく書かれていますので、ご紹介します。
土地利用規制法は2021年6月に成立した法律で、安全保障上の観点から「自衛隊・米軍・原発などの重要施設の周囲1キロと、国境の離島を対象区域に指定」するものです。
指定には2段階があって、それぞれ以下の内容となります。
「注視区域」に指定されると
① 国が利用状況を調査し、必要があれば関係者の氏名、住所などの個人情報の提供を求めることができる
②施設の機能を損ねる行為(機能阻害行為)に対しては中止勧告や罰則付きの命令を出すことも可能となる
また、「特別注視区域」に指定されると、
①一定面積以上の土地の売買に規制がかかり、事前届け出が義務付けられる
沖縄県では、新たにこうした指定が政府によって、米軍基地周辺を中心に広範囲になされようとしていることが報じられています。
2024年2月2日付 沖縄タイムス(1面) 「嘉手納と北谷全域指定 政府案 土地規制 県は反発」
2024年2月3日付 沖縄タイムス(1面トップ) 「土地規制「説明を」4割 候補市町村 国に要望 阻害行為巡り住民に不安」
社説では、「機能阻害行為」が何を指すのかあいまいで対象が拡大する懸念が残ること、指定されれば他地域では許される「自由な経済行動」が大きな制約を受けることを挙げ、こうした土地利用規制は「基地の過重負担にあえぐ県民に、さらなる負担を強いる。安全保障の旗を掲げれば何でも許されるような風潮は極めて危険だ」と指摘しています。
山形県では神町駐屯地、神町飛行場、山形空港が指定候補地として土地等利用状況審議会の資料に掲載されています(内閣府ホームページ)。
政府が統制を強めているのではないか、と思われる記事をこれまでもいくつか紹介してきました。この土地利用規制法の新たな区域指定についても、こうした大きな流れの一環に思えます。
(2024年2月4日 55)
これまでご紹介してきた陸上自衛隊幹部らの靖国神社参拝に関しての続報です。
2024年1月30日付 朝日新聞デジタル 「自衛隊の「部隊参拝」禁じる次官通達 木原防衛相が改正に言及」
内容は、木原防衛大臣が記者会見で、「宗教施設への「部隊参拝」を禁じた1974年の防衛事務次官通達を見直す可能性に言及した」というものです。具体的な発言の中身も伝えています。「通達は50年前のもので、それ以降、信教の自由や政教分離原則に関する最高裁の判例もいくつか出ている。内容は不断に検討し、必要に応じて改正を行うべきだ」。
開き直りとも受け取れる発言?というのは言い過ぎでしょうか。
この記事には、最高裁の判決について「1997年愛媛玉串料訴訟、2010年北海道空知太神社訴訟、2021年那覇孔子廟訴訟と、政教分離に関わる3つの最高裁違憲判決が積み上がり」「問題視する感覚が磨かれてきた」と指摘する塚田穂高上越教育大学大学院准教授のコメントがプラスされています。
毎日新聞では、産経新聞の社説についての批判が掲載されました。
2024年2月1日付 毎日新聞(12面) 「産経社説に欠けたもの」
産経新聞の16日付の社説について、「参拝を正当化する理由に引っかかった」として吉井理記東京学芸部記者が以下のとおり指摘しています。
① 靖国神社は一宗教法人であり、参拝するもしないも個人の自由だが、「防衛相や自衛隊幹部が定期的に参拝しないほうがおかしい」とするのは乱暴ではないか。この考えはたやすく一般隊員にも広げられうる。
② A級戦犯で放免された者はいない。1953年の国会決議でなされた「放免」は「刑の執行からの解放(91年10月29日政府答弁書)」に過ぎない。
③ 天皇自身がA級戦犯の合祀に不快感を抱き、参拝しなくなった、という靖国神社のあり方に関わる歴史的事実が伏せられている。
日本国憲法の規定に基づき本来守られるべき「政教分離」という大事なことが、なし崩しにされようとしているのを感じます。
(2024年2月1日 54)
2024年1月30日付 山形新聞(3面)社説 「陸自の靖国集団参拝 影響意識し規律を徹底」
この記事は、No.45でご紹介した陸上自衛隊幹部らによる靖国神社集団参拝に対して、防衛省が調査結果と処分を公表したことについて社説として掲載したものです。
この件は、数日前にも報道されていました。
2024年1月27日付 山形新聞(22面) 「防衛省 公用車で靖国 9人処分 陸自幹部ら 「私的参拝と結論」」
2024年1月27日付 毎日新聞(24面) 「通達違反認定せず 陸自靖国参拝 「私的」と判断」
内容は、「宗教の礼拝所への部隊参拝を禁じた1974年の事務次官通達には違反しないと判断。しかし公用車の使用は不適切とし、参拝を主導したとされる陸上幕僚副長を訓戒とするなど計9人を処分した」というものです。
防衛省内部の調査であり、身内に甘いのではないかと思われて仕方ありません。記事でも、「20人以上が参加した参拝の組織性を重く捉えず、処分理由を公用車使用に絞った点には疑問が残る」「戦争への反省を忘れて正当化しようとしているのでは-と疑念を抱かれても仕方ないだろう」と指摘しています。
また、No.49でご紹介したように、沖縄県宮古島でも神社への参拝が行われていることはどう捉えているのでしょうか。
記事では最後に「実力組織である自衛隊は組織的参拝がもたらす影響をこれまで以上に意識し、行動を律していく必要がある」としています。この問題は自衛隊組織全体に関わる大きな問題であり、国会でも取り上げて質してもらいたいと思います。
(2024年1月30日 53)
2024年1月28日付 山形新聞(3面) 「米沢観光推進機構への市負担金支出 透明性確保へ対策必要」
今月31日に市議会臨時議会が予定されており、26日には市議会市政協議会が開催され、提出予定議案の説明がありました。この記事は、その議案の一部に関連したものです。
No.46でもご紹介しましたが、米沢市監査委員が住民監査請求を受けて是正勧告を行い、その是正の選択肢の一つとして示されたのが議会による「追認」です。この度の臨時議会は、その「追認」を行うための議案の上程が予定されています。参考として、市政協議会に提出された資料を「議会資料から」に掲載しましたのでご覧ください。
記事では住民監査請求から議案提出までの経緯が紹介され、「米沢市と米沢観光推進機構などの関係」についても分かりやすくイラストを使って示されています。
注目したいのは、他市での監査の取扱として山形市の事例を挙げていることです。「観光庁の登録DMOとなったおもてなし山形の場合、村山14市町で組織するDMOさくらんぼ山形(事務局・山形市観光戦略課)の業務委託を受け、その支出については市の内部監査の対象となっている」ことを紹介しています。さらに、「さくらんぼ山形は成果報告とともに領収書のコピーの添付を求めている」ことも併せて紹介しています。
米沢市の対応は、山形市の対応と比較すると不十分と言わざるを得ません。今回の監査委員の是正勧告は契約の当事者同士が同じであることを違法と判断してのものでしたが、これは形式的なものでしかありません。記事の最後では「公的な財源を活用した事業である以上、お金の流れや使途、成果を市民に分かりやすく示すことは行政として当然の責務といえよう」としていますが、まさにそのとおりと思います。
(2024年1月28日 52)
2024年1月25日付 沖縄タイムス(3面) 「地方分権「大きく後退」 国の指示権拡充 日弁連が反対表明」
先にNo.39で、政府が地方に対する指示権を拡充しようとしていることについて警鐘を鳴らしていることを伝える記事をご紹介しました。その心配が法律の改正という形で現実になろうとしています。
この記事は、明日26日に召集される通常国会に政府が地方自治法の改正案を提出する方針であり、そのことに対して日本弁護士連合会が反対する意見書を公表したことを紹介しています。
意見書は「国と自治体の「対等・協力」関係を変え、地方分権を大きく後退させると批判」するとともに、「自治体の事務に対し「国の不当な介入を誘発する恐れが高い」としています。
また、「コロナ禍で問題があったというのは根拠が希薄」であり、2016年に発生した熊本地震の際の対応として「駐車場などでの青空避難の解消を求めた政府に対し、自治体が余震多発を理由に反発し、後に本震が起きた」ことを例として掲げ、「自治体の方が多くの情報を把握しており、国の判断に従うよう義務付けるのは誤りだ」とも指摘しています。
記事では、「地方自治法改正を巡っては、全国知事会が指示は特例、最小限とするよう申し入れている」ことも紹介しています。
国会ではどのような議論になるのか。また、野党各党はどのような議論を展開するのか。注視していきたいと思います。
(2024年1月25日 51)
2024年1月23日付 山形新聞(2面) 「給食センター巡り 検証委で課題確認 米沢市教委」
昨日、米沢市議会総務文教常任委員会に引き続き同協議会が開催され、学校給食共同調理場整備運営事業に係る仮事業契約についての経過と検証委員会の設置についての説明がありました。
この記事は、その内容を伝えるものです。
「検証委は、小中学校の保護者や校長会の代表、県立米沢栄養大の有識者らで構成。会議は公開し、2月上旬までに第1回会合を開く。」とし、検討の中身として、「センター方式で▽県内最高水準のアレルギー対応▽地元産食材をこれまで以上に使用▽県立米沢栄養大との食育連携-の3点が実現されるかを確認」すると報じています。
なお、昨日配布された資料を「議会資料から」に掲載しましたのでご覧ください。
(2024年1月23日 50)
2024年1月21日付 毎日新聞(19面) 「陸自、昨年も靖国計画書 集団参拝 今年と内容酷似」
この記事は、No.45でご紹介した記事の続報です。陸上自衛隊で航空事故を調査する「航空事故調査委員会」の幹部が、今月9日に靖国神社を集団で参拝していたことについて、「昨年も今年と同様に参拝の流れや注意事項をまとめた実施計画が作成されていたことが、防衛省関係者への取材で判明し」、「過去のやり方を引だき継いで参拝が実施された可能性がある」としています。さらに「委員会の年頭航空安全祈願については「平成の頃から続いていた」との証言がある」とも報じています。
こうした内容は、東京の防衛省と靖国神社だけにとどまるものではありませんでした。
2024年1月21日付 沖縄タイムス(21面) 「宮古陸自、神社に集団参拝 幹部20人 制服で公用車」
記事には「陸上自衛隊宮古島駐屯地トップの比嘉隼人宮古警備隊長(1等陸佐)ら幹部隊員約20人が10日、制服を着て公用車を使い、宮古島市平良西里の宮古神社に参拝していたことが20日までに分かった」とあります。記事では、防衛省が1974年に出した事務次官通達にも触れ、「神祠、仏堂その他宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること及び隊員に参加を強制することは厳に慎むべきである」と内容を紹介しています。さらに、「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の共同代表が市内で会見を開いて、「隊員が内部通達を破り、禁止事項をあえて犯すことは文民統制を壊すことであり、戦争時代の『軍部の独走・暴走』を想起させる」との抗議声明を発表したことを報じています。
制服を着た自衛官が集団で神社を参拝する光景を想像すると、戦前・戦中を想起させるような異様さを感じます。陸上自衛隊という組織で事務次官通達を無視してまで神社の参拝を行っていることに、ある種の戦慄を感じざるを得ません。タレントのタモリさんが一昨年暮れにテレビ番組で語った「新しい戦前」という言葉を思い出します。
(2024年1月22日 49)
2024年1月19日付 山形新聞(2面) 「給食調理場 仮契約延期 米沢市教委方針 地元食材拡大を検証」
この記事は、米沢市、米沢市教育委員会が整備を進めている学校給食調理場について、教育委員会が今月予定していた事業者との仮契約を延期することを伝えるものです。
記事では「地元食材の使用割合を拡大できるかを検証するのが目的」とされ、今月中に検討委員会を設置し、地元食材の取扱量などを協議するとされています。
これまで視察してきた給食センターでは、調理する食数が数千食以上と多いため食材は一括して大量に調達することが必要となることから、地元食材の調達は難しくなり、地産地消の割合が下がってきているとの説明を聞いてきました。
このことから、現在、各小学校に食材を納品している地元業者や農家の皆さんの取扱いや納品する量が減り、地産地消の取組みが後退してしまうことが心配されるとを、これまでも議会の一般質問等で取り上げてきました。
この際しっかりと検証、検討してもらいたいと思います。
(2024年1月19日 48)
2024年1月18日付 山形新聞(2面) 「災害などの非常時 国が自治体に指示 地方自治法改正案」
この記事は、まもなく始まる通常国会に政府が提出を予定している地方自治法の改正案について報じたものです。扱いは小さいですが、非常に気になる内容を含んでいるように思えます。
内容は、「大規模災害や感染症危機などの非常時であれば、個別法に規定がなくても、国が自治体に必要な指示ができるようにする」もので、首相の諮問機関である地方制度調査会がまとめた答申案に沿ったものとしています。
これに対して自治体側では「指示が乱発されれば地方の自主性を損なう」と懸念していることも伝えています。
現行法でも対応できるものを、法律で新たに規定して自治体に法的義務を負わせることを明文化するという今回の改正案については、報じられている自治体側の懸念を私も同様に感じます。実際に記事では「国の統制力を強め、行政の混乱を防ぐことが狙い」との記述もあります。
昨年12月には国・文部科学省の関与を強め、大学の自治権を侵害するような「国立大学法人法」の改正がなされたことと合わせて考えると、国は様々な分野でまさに「統制」を進めようとしているのではないか、との心配を持たざるを得ません。
(2024年1月18日 47)
2024年1月13日付 山形新聞(18面) 「市の負担金支出「違法」 米沢 市監査委員が是正勧告」
この記事は、「米沢市長が会長を務める米沢観光推進機構に対して市が首長名で負担金を支出するのは利益相反に当たるとして、市民2人が市に損害の補填を求めた」住民監査請求に対して、市監査委員が市に是正勧告を行ったことを報じたものです。
勧告の内容は、市が2023年度に支出した7600万円について同機構に返還を求めるか、契約当事者が同一の状態を解消することを求めるとするものです。
この件について、「米沢市職員措置請求に係る監査結果報告書」が各議員にメールで送付されましたので、その資料を「議会資料から」に掲載しました。
指摘した措置については、令和6年3月31日までに講ずることとされています。
(2024年1月15日 46)
2024年1月12日付 毎日新聞(23面) 「陸自幹部ら 靖国集団参拝 実施計画作成 通達違反か」
2024年1月12日付 山形新聞(2面) 「陸幕副長ら靖国参拝 数十人 通達違反か」
皆さんは、靖国神社に行ったことがありますか。
毎日新聞では、「陸上自衛隊で航空事故の調査に携わる「航空事故調査委員会」の幹部らが今月9日に東京・九段北の靖国神社に参拝したことを、毎日新聞記者が確認した」として、参拝に向かう小林弘樹陸上幕僚副長の写真とともに掲載しています。また、防衛省は11日に事実関係を認めて公表したことが記されており、山形新聞ではそれを受けて記事を掲載しています。
山形新聞では、防衛省が「1974年の事務次官通達で、宗教の礼拝所を部隊で参拝したり、隊員に強制したりするのを禁じて」いて、「今回の参拝は、この通達に違反する可能性」があることを報じています。
毎日新聞では、「防衛省などによると、参拝は「年頭航空安全祈願」と称して計画、実行されていた」とし、「実施計画が作成されていることなどから、部隊での参拝に該当する可能性がある」と報じています。さらに、「同省関係者によると、参拝関連で作成された文書には、保存期間や文書管理者の名前が入ったものがあり、行政文書に該当する可能性が高いという」とも報じています。
私も一度、靖国神社に行ったことがあります。境内にある「遊就館」という建物内には武器なども多数展示されていて、そうした展示の仕方、内容からは戦争の犠牲者を悼むというよりはことさら愛国心を煽るような雰囲気を感じました。普通の神社とはまったく趣を異にしています。
各省庁の事務方トップである事務次官が発出した文書に、その組織内の職員が従わないということは、普通の企業や組織では考えられないことではないでしょうか。防衛省、自衛隊は数年前に組織が改変され、いわゆる背広組と制服組(武官)が対等の関係とされました。このことによって「文民統制(シビリアンコントロール)」が取れなくなってしまうのではないか、との心配がありましたが、今回の件は、まさにそうした心配が表面化したものと思えてなりません。
(2024年1月12日 45)
2024年1月9日付 毎日新聞(2面) 「人的ミス 複数か 羽田衝突1週間」
この記事は、羽田空港で2日に起きた日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突した事故について報じたものです。テレビのニュースで航空機が燃えている映像を見ましたが、あの大きな事故で、日航機側の乗員、乗客が全員無事に脱出できたというのは不幸中の幸いだったと思います。
記事は、事故原因について「複数の人的ミスが影響した可能性が高まっている」とし、「人間の勘違いや思い込みなどの「ヒューマンエラー」があっても事故を回避する仕組みはなかったのか」と指摘しています。
一方、羽田空港の状況について、「管制官に過大な負担 世界3位の混雑空港」として、「発着回数は最も多い時間帯は1時間に90回に上る。1分間に1.5回の離着陸が行われている計算」「一方、国内の管制官の定員は横ばい」「今回、(中略)年末年始の繁忙期で航空機の離着陸が多い夕方の時間帯。そこに、災害支援の臨時の離着陸機が割り込むことになった」とも記載されています。
この過密さの一因として、7日に放送された民放番組「サンデーモーニング」の中で、コメンテイターの青木理氏が、米軍横田基地が管理している巨大な管制空域について言及していました。
「横田ラプコン」と呼ばれるこの管制空域は、「一都八県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)の上空が、そのままスッポリと米軍の巨大な支配空域になっている」といわれています。また、「なにより見逃せないのは、こうした非常に狭い空域を不自然に急旋回・急上昇して飛ばなければならないため、航空機同士のニアミスが発生するなど、危険性が非常に高くなっている」と指摘されています(「本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 前泊博盛編著 創元社」)。
この横田ラプコンの存在は、今回の事故と直接関係はないのかもしれません。しかし、羽田空港の過密さに注目するとき、「20年には東京都心の低空を飛ぶルートを解禁し、過密化は一層進んだ」と指摘されているこの記事を読むと、私にはまったく無関係とは思えないのです。
(2024年1月9日 44)
2024年1月7日付 山形新聞(5面) 「防衛事業、相次ぎ強化 国内メーカー、予算増追い風」
この記事は、政府が防衛費を2023年度から5年で43兆円に増やす方針を決めたことから、国内の防衛関連企業が事業を強化する動きが相次いでいることを報じています。国内メーカー5社の売上高と目標値を示し、各社が「受注拡大に向け数百人規模で人材確保を進めている」としています。同様の内容は、先日NHKの朝のニュースでも報じられていました。
「防衛装備品」はかつては「武器」として、日本国憲法のもとで「武器輸出三原則」が定められ、輸出は認められませんでした。
それが、安倍元首相が名称を「防衛装備品」に改めるとともに事実上禁じられてきた輸出を可能にし、岸田首相が運用指針を見直して安全保障面の協力関係がある国に輸出を可能としました。
その点をこの記事では、「防衛装備品は従来、顧客が自衛隊に限られた。しかし、14年に閣議決定された三原則は条件付きで輸出を認め、納入先は海外にも広がった」と伝えています。
私の感覚では、「武器」=「人殺しの道具」であり、それは「防衛装備品」と言い換えられても変わりません。「人殺しの道具」を扱う企業は、「死の商人」と思っています。
日本国憲法の三本の柱は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義ですが、それが政府自らの手ですこしずつ崩されてきているのではないでしょうか。
(2024年1月7日 43)
2024年1月4日付 山形新聞(2面) 「全市町村が中学校に設置 一部は独自で小学校にも」
この記事は、高校・中学校の体育館や柔剣道場を対象に、山形県が可搬式冷房機器(いわゆるスポットクーラー)を導入する費用を補助する事業について、県内各市の導入状況を調査した結果をまとめたものです。
それによると、「既にエアコンなどが整備されている長井市と大石田町を除く33市町村が県の補助を受けるなどして新年度に整備すること」が分かったとし、その内容を一覧表にして掲載しています。
この件についての米沢市の対応は、昨年11月13日の総務文教常任委員会、11月17日の市政協議会で当局から説明がなされ、県への手続きや工期の関係から、11月1日に専決(議会の承認は事後に行うやり方)してすでに進めている、との報告を受けていました。その内容は、市内各中学校の体育館に、各1台導入するというものです。
改めて新聞記事の一覧表を見てみると、米沢市では各校1台の導入としたのに対して県内各市ではいずれも複数台の導入が決まっています。記事の内容にも「山形市は全15校に6台ずつ配置」、「鶴岡市も全11校に計35台を設置予定」と書かれています。
また、「機器は1台100万円を想定、中学校は「1校2台を基本」との説明書きも記載されています。
当局説明の際には、広い体育館に1台では効果が十分でないことから、もっと台数を増やすべきと指摘しました。さらに、新たに建設する二中と三中の統合中学校の体育館にはエアコンは設置されないことが、質疑を通して分かったことから、12月定例会の予算特別委員会では「今から設計を変更してでもエアコンを設置すべきではないか」と質しました。
米沢市、米沢市教育委員会は子どもたちのことを本当に考えて対応しているのか、疑問に思えてなりません。
(2024年1月4日 42)
2023年12月12日付 山形新聞(2面) 「栗子山のイヌワシ 県が独自調査開始 米沢の風力発電巡り
この記事は、先にNo.33、No.37でご紹介した記事の続報です。JR東日本エネルギー開発(東京)が米沢市の栗子山で計画を進めている風力発電事業に関して、県が独自で調査を開始したことを報じています。
それによると、県みどり自然課が「同社から提出された環境影響評価準備書の審査で、判断に必要な情報を集めるため」「5日から専門業者に委託して実施している」としています。
米沢市内は暖冬の影響か、除雪車が発動するほどの積雪はまだ見られませんが、例年ではこれから本格的に雪が降りだすことを思えば、現地調査などには時間がかかると推測されます。記事では事業者側の動きとして、「準備書の次の段階となる評価書作成に向けた追加調査を、7月から行っている」ことも伝えていますが、いずれも時間をかけてしっかりと調査してもらいたいと思います。
(2023年12月12日 41)
2023年12月10日付 沖縄タイムス(1面) 「オスプレイ製造 違法疑い 80機超 強度検査改ざんか」
米軍の輸送機オスプレイが鹿児島県屋久島沖に墜落したのは11月29日でした。その後、米軍は世界中に配備しているすべてのオスプレイを飛行停止としています。
この記事は、そのオスプレイの製造過程で、米ボーイング社が「資材の強度に関する検査を実施せず、記録を改ざんしたとして、米司法省から虚偽請求取締法違反の疑いを指摘されていることがわかった」との内容を伝えています。
記事では、米司法省が「海兵隊MV22オスプレイ80機以上に関係する可能性がある」ことを伝えていますが、一方では、「オスプレイの品質や飛行性能に関する影響などは詳しく分かっていない」ことや、「相次ぐ事故との関連も不明」としています。
しかし、米連邦下院が「議会調査機関の政府監査院(GAO)にオスプレイの事故の傾向や米軍の対策を検証するよう求めた」との報道(2023年12月9日付毎日新聞Web版)もあり、「未亡人製造機」とも揶揄されるオスプレイは、機体そのものに欠陥を抱えているのではないか、との疑いをぬぐえません。
(2023年12月11日 40)
2023年12月10日付 毎日新聞 社説(5面) 「国の「指示権」拡充 地方との対等をゆがめる」
この記事は、まもなくまとめられる政府の地方制度調査会の答申について、「看過できない問題をはらむ」として問題視している内容です。最も大きな問題点は「「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」というあいまいな要件で地方に指示し、従うよう義務づけられる政府の権限を拡充していることだ」としています。
国と地方は、以前は上下関係にありました。それは、省庁等の国の機関から県など地方自治体に出されていた文書が「通達」と呼ばれていたように、国から地方への一方的な指示文書であったことが端的に示しています。それが、2000年に地方分権一括法が施行されると、こうした文書は「通達」から「通知」に変わり、文書の性格は「技術的助言」であると表現されるようになりました。
この社説では、政府が地方制度調査会の答申という形で地方に対する指示権を拡充しようとしていると、警鐘を鳴らしています。「政権の恣意的な運用に歯止めをかけられなければ、国と地方は上下関係に戻ってしまう」との指摘は、まったくそのとおりと思います。
(2023年12月10日 39)
2023年12月1日付 毎日新聞(6面) 「防衛増税「25か26年度」 自民税調会長、開始時期」
今年度の補正予算案が29日に参議院本会議で可決成立しましたが、米沢市議会でもこのことに関連して、住民税非課税世帯を対象とした給付金を支給するための事業について当局から説明がありました。
事業名称は「住民税非課税世帯物価高騰緊急支援給付金給付事業(追加給付)」で、12月1日を基準予定日として、住民税均等割非課税世帯に1世帯当たり7万円を支給しようとするものです。米沢市で対象となる世帯は、8,500世帯と見込まれています。財源は国交付金で、開会中の12月定例会に追加議案が上程される予定です。
岸田首相がこの給付とともに所得税減税を唱える一方で、防衛費増額のための増税が予定されていることが批判されていますが、ご紹介する記事は、その防衛増税について自民党の宮沢洋一税制調査会長が語った内容を報じるものです。
それによると、「防衛力強化に向けた増税の開始時期は2025年度か26年度のいずれかになると説明し「今年末に決めるべきだ」と強調した」としています。
また、防衛増税そのものの内容については、「政府は防衛財源確保のため法人、所得、たばこの3税を段階的に増税し、27年度時点で1兆円強を確保する方針」であることを紹介しています。昨年末に決められたこの方針は、国会での十分な議論もないままに一方的に決められたものです。
十分な議論も経ないまま防衛増税方針が決定されたことを思えば、半年後の減税や一時的な給付金による経済回復を唱える岸田首相の声は、説得力がないのも当然ではないでしょうか。
(2023年12月1日 38)
2023年11月29日付 山形新聞(20面) 「風力発電事業、懸念の声 米沢・栗子山 住民に追加調査状況説明
この記事は、先にNo.33でご紹介した記事の続報です。米沢市の栗子山で開発が進められている風力発電事業に関して、事業者のJR東日本エネルギー開発(東京)が、28日に住民説明会を開いたことを報じています。
記事では「説明会は住民の要望に応える形で開催された」としたうえで、出席した14人の住民の中から、「風車の超低周波による健康被害を懸念する声が相次ぎ、再度の住民説明会を求める意見があった」ことや、「イヌワシの生息状況に関し、同研究会が計画中断を求める意見書を提出したほか、データ改ざんの疑いがあるとの情報が県に寄せられている」ことが改めて報じられています。
(2023年11月29日 37)
2023年11月14日付 毎日新聞(1面) 「神田副財務相を更迭 税金滞納 政権にダメージ」
2023年11月14日付 山形新聞(1面) 「神田財務副大臣を更迭 税金滞納 首相、国会の影響考慮」
2023年11月14日付 朝日新聞(1面) 「神田副大臣を更迭 税滞納 内閣改造後 辞任3人」
2023年11月14日付 沖縄タイムス(1面) 「神田財務副大臣を更迭 税金滞納 国会に影響」
昨日の新聞各紙はいずれも1面トップで、岸田内閣の一員である神田憲次財務副大臣の辞任を伝えています。このうち沖縄タイムス3面には、「岸田内閣の主な辞任例と理由」として、辞任した閣僚等の氏名や肩書(当時)が掲載されていますので紹介します。
2022年
10月24日 山際大志郎経済再生担当相 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が相次ぎ発覚
11月11日 葉梨康弘法相 死刑執行を巡る失言
11月21日 寺田稔総務相 政治資金問題
12月27日 秋葉賢也復興相 政治資金問題や公選法違反疑惑
杉田水脈総務政務官 性的少数者を巡る不適切な表現
2023年
6月1日 岸田翔太郎首相秘書官 首相公邸での忘年会写真を巡る報道
8月4日 秋本真利外務政務官 洋上風力発電事業を巡る汚職事件
10月26日 山田太郎文部科学政務官 女性問題
10月31日 柿沢未途法務副大臣 公選法違反事件に関与した疑惑浮上
11月13日 神田憲次財務副大臣 過去に税金滞納
改めてこうして列挙してみると、まさに異常事態です。いったい何をやっているのか。
岸田内閣の一日も早い退陣、自公政権の交代を求めます。
(2023年11月15日 36)
2023年11月11日付 山形新聞(24面) 「鶴岡・八森山のクマタカ死骸 風車に衝突と推察 東北地方環境事務所」
この記事は、先にNo.30でご紹介した記事の続報です。
鶴岡市八森山の風力発電施設の真下で6月24日に見つかったクマタカの死骸について、東北地方環境事務所(仙台市)が、「風車と衝突して死亡した可能性が高いとの見解を明らかにした。施設を整備した民間事業者に調査結果を伝え、対応を求めた」と伝えています。
民間事業者であるジャパン・リニューアブル・エナジー(東京)は、「取材に「調査結果を真摯に受け止める。専門家の意見を参考にしながら、衝突防止に向けた風車への彩色や目玉模様の表示など、年内に何らかの対応策を実行できるよう検討を進める」とした」としています。
(2023年11月11日 35)
2023年11月5日付 しんぶん赤旗日曜版(16~17面) 「パレスチナ問題 歴史さかのぼり考える」
イスラエルによるガザ地区への軍事侵攻が続いています。テレビでは女性や子ども、一般市民が犠牲になる姿が報道されています。今朝の民放の番組では、空爆されて瓦礫と化した建物の前で、「僕たちはなぜこんな目にあわされるのか。なにも悪いことはしていないのに」とカメラに向かって子どもが叫んでいました。本当に胸が痛む思いです。
ご紹介する記事は、パレスチナ問題を歴史を振り返りながら考えようとする記事です。
まず、「パレスチナ問題関連年表」として、以下の項目が掲載されています。
「19世紀末 欧州からユダヤ人がパレスチナへの移民を開始
1915年 フセイン・マクマホン書簡(英がアラブ王国をつくると約束)
1916年 サイクス・ピコ協定(英仏で東アラブの分割を合意)
1917年 バルフォア宣言(英がユダヤ人国家創建支持を約束)
1947年 国連総会決議181(パレスチナ分割決議)
1948年 イスラエル建国、第1次中東戦争
1956年 第2次中東戦争
1967年 第3次中東戦争(イスラエルが西岸、ガザ、東エルサレム、シナイ半島、ゴラン高原を占領)
1973年 第4次中東戦争、第1次オイルショック
1987年 第1次インティファーダ、ハマス誕生
1993年 オスロ合意
2000年 第2次インティファーダ
2005年 イスラエルがガザから撤退
2006年 イスラエルがガザに地上侵攻
2007年 ハマスがガザ制圧
2009年 イスラエルがガザに地上侵攻
2014年 イスラエルがガザに地上侵攻」
記事ではさらに、第1次世界大戦後にパレスチナを含む東アラブを、フランスとともに支配した英国が矛盾した三つの約束をし、これが「問題の種」をまいたと指摘しています。その約束とは、
「① アラブ人には「アラブの国をつくる」
② ユダヤ人には「パレスチナでユダヤ人国家をつくる」
③ フランスとは「仏がシリアとレバノン、英はパレスチナやイラクなどを統治する」」
というものです。この記事を読むと、今起きている戦争には長い歴史上の背景があること、そして英国という大国が大きな火種を作ってしまったことがわかります。さらに、「イスラエルは07年以降ガザを封鎖し、水などのインフラを統制。ガザは「天井のない監獄」となってい」るとも述べています。
今回の軍事侵攻で忘れてならないのは、どんな理由があろうとも暴力、武力や軍事力で問題は解決できないこと、暴力、武力や軍事力で問題を解決しようとすることは新たな暴力を生むこと、そしていつの場合でも一般市民が犠牲になること、だと思います。日本政府は、積極的に両国に働きかけて、一日も早くこの戦争を終わらせるよう努力してもらいたいと思います。
(2023年11月5日 34)
2023年10月31日付 山形新聞(22面) 「「追加調査 慎重、丁寧に」 米沢市長 栗子山風力発電計画巡り」
これまで、米沢市の栗子山で進められている風力発電事業に関する記事を取り上げてきましたが、この記事はそのことに関して、10月30日の定例記者会見での中川米沢市長の発言を報じたものです。
それによると市長は、「「疑義が持たれるような調査では困る。追加調査を慎重に丁寧に進めてほしい」と述べた」としています。
また、調査を請け負った会社の担当者が市役所を訪れた際に、担当課が「地元住民から計画全般への不安の声があるとし、丁寧な説明を求めた」ことにも触れています。
(2023年11月4日 33)
2023年10月11日付 山形新聞 「米沢の観光会社へ「補助金支出不当」 住民2人が監査請求」
この記事は、米沢市の住民2人が監査請求を行ったことを報じたものです。日付が前後しますがご紹介します。
内容は、「米沢市が事務局を務める米沢観光推進機構が、観光まちづくり会社プラットヨネザワ(同市)に補助金や委託料を不当に支出したなど」とし、「市などに損害の補填を求める住民監査請求を行った」とするものです。これを受けて市監査委員は提出された書類を審査して、受理するか判断するとしています。
この件に関して、「議会資料から」のページに参考となる資料を掲載しましたのでご覧ください。
(2023年10月31日 32)
2023年10月30日付 沖縄タイムス 想い風(うむいかじ) 「世界の国々 占領許さず 国連、ガザ休戦決議採択 日本は棄権 米支える」
連日、イスラエルによるガザ侵攻の様子が報道されています。そんな中で、この記事は国連本部で27日に採択された決議について紹介しています。
この「人道的休戦」を求める決議に賛成したのは、フランス、中国、ロシアなど121カ国、反対したのはイスラエルや米国など14カ国、日本や英国など45カ国は棄権、14カ国は投票しなかったと報じています。また、この議題を巡る決議案は安全保障理事会で4回も採決にかけられたものの米国やロシアなど常任理事国が拒否権を行使したため採択されず、総会の場に議論が移ったこと、そしてこの決議には「すべての当事者が国際人道法を順守し、ガザへの物資供給を維持するよう求める文言が盛り込まれた」ことを伝えています。
記事ではオバマ元大統領の声明を紹介しています。「パレスチナ人は何世代にもわたり紛争地域で生活している。彼らの多くはイスラエル建国時に移住させられただけでなく、イスラエル政府から暗黙あるいは明確な支援を受けてきた入植者によって強制的に移住させられ続けている」。
そして、「土地を取り上げて境界を敷き、その地に住む者たちの主権が及ばない区域を作り上げる。沖縄でも、私たちの主権が及ばない新たな境界が日米による「軍事基地」の名目で合法的に造られていく」と指摘しています。
これまでのイスラエルとパレスチナの関係は、米国と沖縄の関係と似通っているところがあるのではないか。これは私たちの気づかない視点といえるのではないでしょうか。「人道的休戦」を求めるこの決議の採択に当たってなぜ日本は棄権したのか。私には疑問に思えてなりません。この記事は最後にこう結んでいます。「日本は今回の決議で棄権し、米国とイスラエルを支えた。しかし、自国の利益のために他国の占領に目をつぶることを許容しない国は世界にはまだたくさんある。」
(2023年10月30日 31)
2023年10月26日付 毎日新聞 「風力発電風車に衝突か 絶滅危惧種クマタカ死骸発見」
風力発電に関する記事は山形新聞にはしばらく出ないだろうと思っていましたが、毎日新聞に別件の記事が掲載されましたのでご紹介します。
これは、毎日新聞が鶴岡市に情報公開請求して明らかになったものです。それによると「鶴岡市で再生可能エネルギー発電大手、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京)などが運営する風力発電所で6月に絶滅危惧種クマタカ1羽の死骸が回収され、事業者が調査した結果、風車に衝突する「バードストライク」が起きた可能性が高いと推定していることが判明した」としています。
この風力発電所を巡っては、これまでクマタカなどの希少な猛禽類の営巣が確認された経緯があり、経済産業省がバードストライクが起きた際には「稼働制限等の追加的な環境保護措置を講ずること」との勧告を行っていることにも触れています。
私にはこうした内容が、市への情報公開請求によって初めて明らかになったということが気になります。「議会資料から」のページに再生可能エネルギー導入促進に関する資料を掲載しましたが、市が進めようとしている再生可能エネルギーには山上地区の風力発電も含まれています。これまで紹介してきた新聞記事とともに、米沢市で進められようとしている新たな事業計画はどうなのだろうか、と心配です。
(2023年10月26日 30)
2023年10月21日付 山形新聞 「米沢・栗子山 「改ざんは確認されず」 イヌワシデータ 風力発電事業者見解」
米沢市の栗子山で風力発電事業計画を進めるJR東日本開発(東京)が、「改ざんの事実は確認されなかった」との見解を公表したことを伝えるものです。先にNo.27でご紹介した記事の続報です。
記事ではさらに同社が「7月から追加調査をしており、結果を準備書の次の段階に当たる評価書に反映する」としていることや、「計画の見直しや追加調査の必要性が指摘されれば適切に対応する」としていることを伝えています。
風力発電を巡っては、以下の記事もありました。
2023年10月16日付 山形新聞 社説 「本県沖洋上風力、事業化へ 再エネ基地へ集積図れ」
これは、洋上風力発電の事業化に関して、遊佐沖や酒田沖が「促進区域」や「有望な区域」として国からそれぞれ指定を受けたことに関しての社説です。
私は再生可能エネルギーの促進にはもとより賛成の立場ですが、心配するのは人体や環境への影響です。この社説の中でも、「施設整備、運用を巡って、超低周波音や景観への影響などに不安や懸念、反対の声を寄せる住民の存在も忘れてはならない」と指摘しています。
(2023年10月22日 29)
2023年10月15日付 山形新聞 「日銀、国債購入1000兆円に 大規模緩和導入10年の累計」
この記事は、黒田東彦前日銀総裁が大規模導入緩和を導入してからのこの10年間で購入した国債の累計額が1000兆円を超え、「日銀が市場に出回る国債の半分を持つ異常な状態となっている」ことを伝えるものです。
ただし、購入した国債の満期による償還額を考慮すると、今年6月末時点での実際の保有額は約580兆円(市場に出回る国債の53%に相当)とされています。
こうした状況に対して、以下のような指摘がなされています。
① 大量の国債を購入して金利を無理に下げたため、本来は市場で決められる金利をゆがめる副作用が生じていること
② 「日銀が政府の財布となっている」との批判があること
③ 投資家から、市場で国債の取引量が減ったため、金利形成の機能が低下したとの声が出ていること
最近は、MMT理論(現代貨幣理論)という新しい経済学の考え方を耳にします。私はこれを、赤字であっても国が国債を発行すること(つまりは借金)を容認するような考え方ではないかと思っていますが、いつまでも国債を買い続けることで問題が大きくなりはしないか、取り返しのつかないことになりはしないか、と心配になります。
特に昨今の物価高は、購入した国債の利率を低く抑えようとすることで生じている海外との金利差による円安が大きな要因になっていますし、そもそも政府と日銀が一体となって際限なく財源の確保をしようとすることは、まさに禁じ手ではないかと思います。
(2023年10月15日 28)
2023年10月11日付 山形新聞 「米沢・栗子山風力でイヌワシ研究会 事業中止の意見書提出」
この記事は、JR東日本エネルギー開発(東京)が米沢市の栗子山で進めている風力発電計画について、日本イヌワシ研究会(千葉県)が、同社に対して事業の中止・見直しを求める意見書を提出する方針であることが分かった、とする報道です。
「同社の計画では栗子山南側で最大10基の風車を建設し、2028年度の稼働を目指している」とされていますが、これに反対する主な理由として、
① 事業実施区域からごく近い地点で、イヌワシの繁殖行動を確認したこと
② JR東日本エネルギーが、イヌワシの営巣地からは10キロ以上離れている、として公表した準備書の内容と異なること
などあげられており、「今後、県などに対し、事業者への指導を求める要望書も提出する」とのことです。
この記事が出た翌々日、さらには本日続報が掲載されましたのでご紹介します。
2023年10月13日付 山形新聞 「米沢・栗子山風力、イヌワシ調査 改ざん疑い、県に情報」
2023年10月14日付 山形新聞 「イヌワシ調査「改ざんない」 米沢で計画の風力発電巡り 事業者が県に説明」
このうち10月14日付の記事では、「改ざんはないと認識している」とするJR東日本エネルギー開発の担当者に対して、「応対した岩月広太郎みどり自然課長は「現段階で改ざんの有無は判断できない。聞き取りを続け、内容を精査する」と話した」としています。
(2023年10月14日 27)
本日2023年10月5日付の各紙では、米軍普天間基地の辺野古移設を巡って、軟弱地盤改良工事の設計変更を承認するよう政府が指示を出したことについて、沖縄県の玉城知事が承認しないこととしたことを伝える記事を、各紙とも1面トップで伝えています。
朝日新聞 「辺野古 知事は判断保留 国、きょうにみ代執行訴訟 「期限までに承認 困難」」
山形新聞 「辺野古、知事「承認は困難」 沖縄 政府、代執行提訴へ」
毎日新聞 「沖縄知事 変更承認せず 辺野古移設「期限内判断困難」」
沖縄タイムス 「知事「承認は困難」 期限内判断できず 国交相、京にも提訴」
本日は直接この記事には触れず、10月3日付の沖縄タイムス社説をご紹介します。
2023年10月3日付 沖縄タイムス 社説 「岸田政権と沖縄 言ったことを実行せよ」
この記事では、掲載された翌日10月4日は岸田政権が発足から2年を迎えるに当たるため、まず、2021年10月8日に岸田首相が初めて行った所信表明演説を取り上げます。それは、「日米同盟の抑止力を維持しつつ、丁寧な説明、対話による信頼を地元の皆さんと築きながら、沖縄の基地負担軽減に取り組みます」というものです。そして、「「丁寧な説明」と「対話による信頼構築」。確かに首相は、そう語った。」と指摘します。
「だが」と主張は続きます。
復帰50年に当たる2022年には、3回にわたる公式の場で「過重な基地負担の軽減」を強調したとしています。
① 復帰50年決議を採択した4月28日の衆議院本会議で
② 5月15日の復帰50年記念式典で
③ 6月23日の沖縄全戦没者追悼式で
しかし、「米軍普天間飛行場の「一日も早い危険性除去」と言いながら、その間どうするのか具体策は示されて」おらず、「「辺野古が唯一」と言いながら、普天間返還の時期も明らかにされず不透明なまま」であることを捉え、こうした言動を「支離滅裂ではないか」と厳しく評しています。
さらに、
① 沖縄県宜野湾市議会が全会一致で可決した普天間飛行場の夜間の飛行禁止などの抗議決議に答えていないこと、
② 首相がバスケットボール男子ワールドカップを観戦した時も知事と会わなかったこと、
③ 木原防衛相も就任後初めて沖縄を訪問した時に、自衛隊駐屯地を視察し市長と面談はしても知事とは会わなかったこと、
④ 沖縄振興予算が「見せしめのような減額が続いていること、
⑤ 総額の減少だけでなく、使途について自由度の高い「沖縄振興一括交付金」が減額されたこと、
⑥ その一方で、県の頭越しに市町村に直接交付できる「沖縄振興特定事業推進費」は増額されていること、
などに触れ、「米軍基地が集中する沖縄では他府県並みに「自治」「自己決定」が保障されているとは言い難い」と指摘します。そして、タイトルにあるとおり、「言ったことを実行せよ」との強い主張につながっていきます。
本日付の各紙記事では、玉城知事が「承認しない」と決めたことが取り上げられていますが、ご紹介した社説を読むと、私にはそれもやむを得ないことではないかと思えてきます。
皆さんはどうお考えですか。
(2023年10月5日 26)
2023年10月2日付 沖縄タイムス 「杉田氏の「人権侵犯」不問 アイヌ民族巡る投稿 政権、レイシズムに甘い体質」
2023年10月2日付 毎日新聞 社説 「杉田氏の人権侵犯認定 国会議員の適格性を欠く」
この記事はどちらも、自民党の杉田水脈(みお)衆議院議員がブログに投稿した内容について、札幌法務局が「人権侵犯」と認定し、発言に注意するよう「啓発」したことを報じるとともに、自民党や政権の甘い対応を指摘したものです。
札幌法務局が認定した人権侵犯は、2016年に国際女性差別撤廃委員会に日本から参加した人たちに対して、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」(毎日新聞)、「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」(沖縄タイムス)と投稿したことに対するものです。当時は落選中でしたが、「衆院選で再び当選した後も取り消さず、昨年12月になって、ようやく国会で撤回し、謝罪した。総務政務官として国会で追及されたため、総務相の指示に従ったものだが、その後も「差別ではない」と主張していた」(毎日新聞)とあります。
さらに毎日新聞は、「他人の尊厳を傷つけるような杉田氏の言動は枚挙にいとまがない」として、以下の事例を挙げています。
① 性的少数者について「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない」 (2018年の月刊誌への寄稿)
② 性暴力被害を巡って「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言(2020年に党の部会で)
③ ジャーナリストの伊藤詩織さんを中傷する投稿に「いいね」を押したことに関し、賠償を命じる判決も受けている
記事では、こうした言動そのものもさることながら、それに対する岸田政権や自民党の対応を厳しく批判しています。沖縄タイムスでは、自民党は杉田氏を党環境部会長代理に起用するなど、「不問に付す姿勢を鮮明にした」とし、「透けるのは、愛国保守をアピールする杉田氏に好意的な保守層を刺激すれば、選挙でマイナスになるとの計算だ」と迫っています。
ある人が法務局から人権侵犯と認定され人権尊重を働きかける啓発の措置まで取られた場合に、その人が所属する組織や団体はどのように対応すべきかを考えると、岸田政権や自民党の対応は異常ともいえるものではないでしょうか。「インターネット上には、杉田氏に便乗したヘイトスピーチも目に付く。(中略)憎悪をあおり、杉田氏ら保守系議員に声援を送る書き込みが絶えない」(沖縄タイムス)との指摘も併せて考えると、「危険なレイシズムが国政に影を落とす」(沖縄タイムス)ばかりでなく恐ろしささえ感じます。
皆さんはどのような考えを持たれますか。
(2023年10月2日 25)
2023年9月24日付 毎日新聞 「時代の風 行き過ぎた円安 政治家主導のツケ」
日付は前後しますが今回はこの記事を紹介します。日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんが、定期的に寄稿しているものです。
今回の内容は、最近連日のようにテレビなどで報道されている円安についてです。藻谷さんは統計による具体的な数字を根拠に、様々な意見を述べられることで知られていますが、今回取り上げる数字は、
① 東京第一原発事故が起きる前年2010年と22年の財務省貿易統計の比較で、日本の化石燃料輸入量が、4億4500万トンから3億9800万トンと約1割減ったこと。しかし一方で、 化石燃料輸入額は、21年に15兆円だったものが22年には31兆円になったこと。そして「この16兆円もの国富流出のごく一部の額でも補助金とし、省エネ促進・再エネ利用を加速していればと悔やまれる」と述べています。
② 円安については、21年は1ドルが平均110円だったものが、22年は平均131円となり、輸出は82兆円から99兆円と17兆円増加して、史上最高を更新したこと。しかし一方で、輸入も81兆円が115兆円へと34兆円も増えて、貿易収支が大幅な赤字になっていること。そして「過度の円安はかえって国際収支を悪化させる」とし、「本来は欧米に倣い金融緩和を手じまいすることで、円高に誘導すべきタイミングだ」と指摘しています。
しかし、それができない理由として、これまで進めてきたアベノミクス、大規模な金融緩和策についてこう述べています。「緩和を見直すと金利が上昇し、国債や株式の市場価格が下がる。これは国の財政難や株式不況を引き起こしかねないのみならず、日銀の財務内容も大幅に悪化させる。日銀は、国債や株式を大量に買い込むという先進国はどこもやっていない禁じ手を、第2次安倍政権に強いられてしまったからだ」と。
これまでの他の記事には、「日銀は政府の子会社」という当時の安倍首相の発言や、「アベノミクスは壮大な社会実験だった」とする表現もあったようです。現在の物価高を招いている要因は、ロシアによるウクライナ侵攻が一因になっていることは間違いありませんが、政府・日銀が一体となって進めてきたアベノミクス、大規模金融緩和策を改められない日銀、政府の姿勢も見逃せないのではないでしょうか。
(2023年9月26日 24)
2023年9月25日付 毎日新聞 風知草 「労働者の味方はどこに?」
この「新聞記事から」の欄では以前、国民民主党と自公政権、連合の関係についての記事を紹介してきました。
今回の記事は、毎日新聞特別編集委員の山田孝男という方が定期的に書いているもので、そごう・西武デパートのストライキに関連して、労働組合について語っています。
内容は、まず近年の労働組合の組織率に触れたうえで、それでもなお「国民民主党に「組織丸抱え候補」を送り出している四つの産業別労働組合(中略)は、近年でも全体で100万票前後を支配しており、自民党を支援する業界団体のパワーと比べても遜色ない」としています。
そして、自民党や公明党にとって国民民主党との連立自体は死活的課題ではないものの、「自民党が四つの産業別労働組合を取り込めば、政権交代は二度と起こらない」とする中北浩爾(こうじ)中央大学法学部教授の言葉を紹介するとともに、「特定政党と大企業労組が政権を独占すれば、大多数の労働者は政治参加の機会を奪われてしまう」と指摘しています。
私はこれまで、与謝野馨という政治家が「自民党は良くも悪くも経営者の党だ」と言っていたことを紹介しました。それには実は、続く言葉がありました。「出でよ、リベラルな政党」というのがそれです。「リベラル」という言葉の意味が発言当時とどれほど違ってきているかは定かではありませんが、「労組に入っていない大半の労働者は、物価、賃金、増税の不安を除き、より良い未来へ導くビジョンを求めている。それを示すのはどの党か。働く有権者はそこを見ている」とする考え方に共感を覚えます。
日本の人口の大半を占める労働者が、自分や家族の生活をより良くするために、自分たちの手に政治を取り戻す。労働者の皆さんはどれほど自覚されているでしょうか。
(2023年9月25日 23)
2023年9月23日付 山形新聞 「事実でない」 裏金疑惑を否定 加藤こども相
先ごろ実施された内閣改造でこども政策担当大臣に就任した加藤鮎子氏が、関連する政治団体である鮎友(ねんゆう)会が行った自己の資金管理団体への支出が裏金によるものではないかとの疑惑について、事実ではないと否定したことを伝えるものです。
また同時に、「神戸学院大の上脇博之教授が22日、政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で、加藤氏や団体の会計責任者ら4人に対する告発状を山形地検に送付した」ことも伝えています(「加藤氏ら虚偽訂正」 大学教授が告発状 山形地検に)。
2023年9月24日号 しんぶん赤旗日曜版では、「加藤鮎子こども相 さっそく”裏金”疑惑浮上」、「残高35万円の団体が250万円分支出の怪」と題する記事の中で、上脇教授の「パーティ券代であれ寄付であれ、200万円超不足します。収支報告書に記載されていない”裏金”を保有していなければ支払えません。」との指摘とともに、鮎友会と資金管理団体「加藤鮎子地域政策研究会」(加藤氏が代表)のお金の出入りを詳しく報じています。
政党助成金制度が創設された後も、特に政権与党議員のお金にまつわる疑惑は絶えることがありません。真相解明は進むのでしょうか。
(2023年9月23日 22)
2023年9月22日付 山形新聞 記事対価 格安設定「違法」 公取委報告書 対巨大IT、6類型例示
この記事は、公正取引委員会がニュースのインターネット配信契約に関しての報告書を公表したことを、報告書の内容とともに伝えるものです。独占禁止法上問題となり得る行為として6類型を例示し、「問題行為が見つかった場合は厳正に対処する姿勢を明確にした」としています。
独占禁止法上問題となる行為6類型はここでは一つひとつ紹介しませんが、記事では別表にまとめられており、「ヤフーなどニュースを集めたポータル(入り口)サイトの運営会社に該当するものとして4類型」、「米グーグルなど検索サイトの運営会社に当てはまる問題行為も2類型」それぞれ例示されています。
私はネット上でもニュースを読んでいます。これまでは名前の上がった巨大IT企業のサイトで、様々表示される記事から選んで読むこともありました。しかし、特定の新聞社の記事が多く表示されることに気づき、最近はほとんど利用していません。本来自分で選ぶ新聞記事やニュースを「見せられている」と感じたからです。
皆さんはそのようなことはありませんか。
(2023年9月22日 21)
2023年9月21日付 毎日新聞 記者の目「没後50年 我妻栄 知ってほしい 民法の泰斗」
民法学者の我妻栄のことを紹介した記事です。辞書で調べてみると「泰斗(たいと)」とは「泰山北斗」のことで、「泰山北斗」とは「泰山と北斗星。転じて、その道の大家として最も高く尊ばれる人。泰斗。」とありました(大辞泉)。
私は小学6年生の時、興譲小で我妻先生にお会いした記憶があります。「まがき文庫」として図書を確か100冊寄贈されて、そのことで興譲小を訪れられたのではなかったでしょうか。体育館の壇の上から私たち児童に静かに語られた記憶があります。お会いした、というよりお見かけしたという方が正確なのかもしれません。お話の中身は覚えていませんが、先生方から「これから偉い方がいらっしゃる。杖をついていらっしゃるが、けっして笑ったりしてはいけない」と言われたことを覚えています。
本文の中に記されたサブタイトルには「原発事故賠償に高い先見性発揮」とあり、1958年に政府の専門家チームとして原子力災害の補償について助言を求められたときに、国家が賠償すべきと答申したこと。それは反映されなかったものの、「それから半世紀。福島原発事故に直面し、政府関係者や専門家らがむさぼるように読んだのが、この「我妻答申」だという」と紹介されています。
また、「日本学術会議に文化・平和を託す」として、1948年に日本学術会議法要綱をまとめて日本学術会議発足時の初代会長を支えたこと、そして「科学こそ文化・平和の礎であるという我妻の思いは、日本学術会議法の前文にも刻まれた」とも紹介されています。
我妻先生の生家を補修して整備された我妻栄記念館は、私の家からすぐ近くにあります。この記事を読んで改めて訪れてみたくなりました。
(2023年9月21日 20)
2023年9月20日付 山形新聞 「デジ庁に行政指導へ マイナ誤登録で情報保護委」
マイナンバーカードに関して、個人情報の誤った登録が次々に見つかるという報道が続きました。この記事は、そうした事態を受けて、「政府の個人情報保護委員会が、デジタル庁に対して行政指導を行う方向で最終調整に入った」ことを伝えるものです。実施されれば、「2021年9月に発足したデジタル庁が行政指導を受けるのは初めて」であり、「マイナンバーの誤登録問題は、政府による全国民の個人情報管理体制が問われる事態に発展した」と指摘しています。
(2023年9月20日 19)
2023年9月19日付 毎日新聞 「質問なるほドリ 国民民主党の支援労組って? 自動車・電機など4団体 連合全体の半数342万人」
国民民主党が先ごろ行った代表選挙に関連して、国民民主党を支援する労働組合について解説されています。
それによると、労働組合の全国組織である連合の産別労働組合のうち、流通や外食、繊維などの労働組合でつくるUAゼンセン、自動車総連、電機連合、電力総連の4つの産業別労働組合が国民民主党を支援しているとしています。文章の中では、「国民民主系労組には総じて労使協調の伝統があり、経営者側が推す自民党へのアレルギーが少なかった」とも記述されています。
先日掲載した新聞記事の内容(2023年9月15日掲載、16)も、これを読むと「さもありなん」と思えます。
(2023年9月19日 18)
2023年9月16日付 山形新聞 「時を語る 国産水産物は高級品 「食べて応援」に違和感」
聖学院大客員准教授で生活困窮者に関わっているという藤田孝典さんという方が、この度の東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関連して文章を寄せていますのでご紹介します。
岸田首相や閣僚は福島県産の魚介類を使った昼食会を開き、風評を払拭するために安全性をアピールしていますが、藤田さんはこれを「既視感たっぷりの「食べて応援しよう」パフォーマンス」で、「違和感を覚えた」と述べています。
藤田さんはまず、スーパーマーケットに並ぶ水産物の多くが「輸入」水産物で、「庶民の多くは、高価な国産水産物を買えない経済状態」と指摘します。「日本は、30年ほど実質賃金は上がらず、国産競争力も著しく低下してしまった。新型コロナウィルス渦も受け、生活の疲弊度合は高い」。
藤田さんはさらに続けます。「庶民の購買力が乏しいので、生産しても市場で流通しにくい。生産現場では、作っても売れないため、後継者がいなくなり、次々と廃業していく。庶民生活の疲弊と第1次産業の衰退はセットであり、目に余るものがある」と。
私は初め、「国産水産物は高級品」というタイトルがよく呑み込めませんでした。しかし、文章を読み進めていくうちになるほどと思いました。
日頃買っている水産物がどこで獲れたものかは、普段はあまり気にしていないのではないでしょうか。しかし、よく考えてみると、生産者が生産したものを買うのは消費者であり、その多くは労働者で、物を買うもととなるのは賃金に他なりません。その賃金が少なければ買いたくても買うことができない。つまり、応援したくても応援できない。生活困窮者に関わっている藤田さんならではの鋭い指摘と思います。
「私たちの食卓に輸入品ばかりが並ぶのは、水産物だけに限らない」と藤田さんは言います。農産物においても生産のための飼料や肥料を考えるとほぼ輸入品頼みであり、「国内で流通する食料品の多くは、海外の人々が生産しているのが現状だ」。
私たちはこの機会に、改めてこのことを考えてみなければならないのではないでしょうか。
(2023年9月18日 17)
2023年9月15日付 山形新聞 「元国民副代表・矢田氏 首相補佐官に起用へ 電機連合出身」
2023年9月15日付 毎日新聞 「首相補佐官に元国民・矢田氏起用へ 民間労組取り込み狙い」
岸田首相が行った内閣再改造に関連して、両紙とも首相補佐官に元国民民主党副代表で矢田稚子(わかこ)元参議院議員を起用する方針が固まったことを伝えています(毎日新聞では1面)。矢田氏は電気労連の元パナソニック労組幹部です。
今回の内閣改造に関しては、国民民主党が連立を組む可能性について取り沙汰されていました。結果として実現しなかったものの、国民民主党の代表選で玉木氏が再選されたことに伴い、「国民民主を連立政権内に加える構想が自民党内で再燃」と毎日新聞はこの記事の中で伝えています。山形新聞では「矢田氏の起用は、国民や労組を政権側に引き付ける布石との見方がある」と報道しています(記事内の「国民」は「国民民主党」のこと)。
こうしたことには、実は伏線があったようです。
2023年8月24日付毎日新聞は、「自民と4産別 接近憶測」として、自民党の遠藤利明総務会長(当時)の東京都内での講演内容を伝えています。「2022年7月の前回参院選でのエピソードを持ち出した。「自民党が勝った一番大きな理由は、国民民主との選挙協力だ」。」「国民民主を支援する産業別労働組合(産別)の一部が、複数の選挙区で「自民支援ないしは中立という形で動いてくれた」と語った。」ことを伝え、「遠藤氏の念頭にあった産別とは、電力総連、自動車総連、UAゼンセン、電機連合の4産別だ」と報じています。
かつて小泉内閣などで金融、経済財政政策担当大臣も務めた与謝野馨という政治家は、「自民党は良くも悪くも経営者の党だ」と語ったことを新聞で読んだ記憶があります。これまで自公政権が実施してきた政策で、労働者の生活や福祉は守られてきたでしょうか。本来、経営者と対峙するはずの労働組合が「自民党=経営者の党」に与するというのは、どう考えても違和感があります。
(2023年9月15日 16)
2023年9月13日付 山形新聞 「給食業者不振 6割超 22年度、コスト転嫁進まず」
この記事は、「学校給食などを手がける事業者の2022年度の業績が6割超で不振だったことが、帝国データバンクの調査で12日までに分かった」ことを伝えています。具体的には、22年度の業績が判明した374社の最終損益を集計し、そのうち34.0%が赤字で、減益だった29.1%と合わせ63.1%で不振だったというものです。理由は、「食材費や人件費が上昇する一方、契約金額の引き上げが進んでいないため」です。
また記事では、「広島市の食堂経営会社が学校給食などの提供を突然停止した」ことにも触れており、「同様の問題の拡大が懸念される」としています。
米沢市では、PFI方式で学校給食共同調理場(給食センター)を整備しようとしていますが、これは現在の市役所職員による給食調理をやめて民間事業者に任せるものに他なりません。学校給食を児童生徒に提供することについては、これまでは市や教育委員会が全責任を負ってきましたが、給食センターからの提供では民間請負業者の責任も少なからず生まれることになります。
教育委員会では「安心・安全」を盛んに謳っていますが、将来的に大丈夫なのだろうかとの不安はぬぐい切れません。
また、15年間で約43億円とされている総事業費も、今後どれだけ増大していくのかという懸念もあります。
学校給食のセンター化は見直すべきなのではないでしょうか。
(2023年9月13日 15)
2023年9月12日付 毎日新聞 「中村文則の書斎のつぶやき 処理水の扱いで、お願いする」
福島大学で4年間を過ごし、福島を応援しているという中村文則さんという作家が、福島第一原発の処理水放出を巡ってコラムを書いておられますのでご紹介します。
・IAEA(国際原子力機関)はそもそも原発を推進する機関であり、今回の調査は東京電力と日本政府が提出した資料が基になっている。
・他国の原発が放出している処理水と、事故でデブリ(溶解核燃料)に直接触れた処理水は根本的に違う。
・安倍政権は国の経済の根幹データであるGDPまで操作したが、その意志を継ぐ現政府を心から信頼できる人は果たしているだろうか。
・東電も例えば事故後2013年に、汚染された水が海に流れているのではと指摘されても認めず、原発再稼働の是非が問われた参院選の翌日に「漏れていた」と認めたことがあった。
そして最後にはこう続けます。
「処理水の検査を東電主導でやるのではなく、東電からも、IAEAからも完全に独立した第三者機関に、もっと見える形で委ねてくれないだろうか」、「事故機の約900トンとも言われるデブリを取り出せない限り、処理水の放出は永久に続く(10年以上経つが、取り出す技術のメドはたっていない)。今すぐの影響でなくても、数年・数十年後、もし広範囲の海に異常が出たら、そこからの回復はもう難しい。」
処理水(汚染水)の放出については、トリチウムの濃度だけに関心が集まっている気がします。逆に政府やマスコミは、関心をトリチウムだけに向けさせようとしていないでしょうか。そんな中で、中村さんの指摘はわかりやすく、納得がいくものに思えます。
皆さんはどうお考えですか。
(2023年9月12日 14)
2023年9月10日付 毎日新聞 「労働者の守り人 一筋 弁護士棗一郎さん」
毎日新聞で定期的に連載されている記事のようです。今回は「迫る」の分野として、労働問題一筋を扱う弁護士の棗(なつめ)一郎さんを紹介しています。
棗さんのこれまでの活動として記事の中では、リーマンショック後の2008年の年末から2009年の年始にかけて、当時話題となった「年越派遣村」の開設に尽力して派遣切りに合った労働者を救う活動を行ったことや、2006年頃から政府が導入を目指していた「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度をやめさせようと、長時間労働の被害者となった過労死遺族と共闘して取組み、当時の連合会長と面会し「徹底抗戦」を約束してもらった結果、政府の法案提出を断念させたことなどが述べられています。
また、先ごろマスコミなどでも取り上げられたそごう・西武労組のストライキについても、労働組合からの要請で準備段階からアドバイスしたり、デモで労働組合の役員と先頭を歩いたことなども紹介されています。
特に印象的なのは、裁判で解雇無効を勝ち取った労働組合員に給与は支払うものの仕事をさせないという会社に対して、所属する「全日本港湾労働組合(全港湾)」の委員長と話し合い、社長との一対一の交渉に臨んでストの実施を背景に会社の謝罪、組合員の職場復帰につなげたことです。「スト権をちゃんと使う労働組合の底力を見た思いがした」、「働かないで賃金をもらうことがどんなにつらいか。働いてこその労働者だよ」との棗さん本人の言葉も紹介しています。
棗さんは、 「日本の雇用社会は今、崩壊する瀬戸際まで来ているのではないかと感じている」「「フリーランス」との言葉で、これまで労働者として扱われた人が自営業者(個人事業主)として扱われる日雇用化が配送の仕事などで増え、一般事務にも浸透してきた。」と指摘した上で、「安心できる雇用社会を次の世代に手渡す」との決意を語っています。
棗さんはまさに「労働者の守り人」であり、素晴らしい人だなと思いつつ、普通に働いて普通に生活できる社会は実現できているだろうか、と改めて思いを致しています。
(2023年9月10日 13)
2023年9月6日付 山形新聞 「本県最賃 900円決定 山形地方審議会、異議認めず」
山形県の最低賃金を決める山形地方最低賃金審議会が5日に開かれ、県最低賃金の答申に対する異議について審議した結果、異議を認めず答申通りにすることが決定されたことを伝えています。
これにより、10月14日から、1時間854円の現行賃金が46円引き上げられて、900円になることが正式に決まりました。
この決定に関して、 「地域間格差が縮小するのは良いことだ」(村山永会審議会会長)、「厳しい状況だが努力する」(使用者委員の丹哲人県経営者協会専務理事)、「労働力流出の抑止力になる」(労働者委員の石川正樹連合山形副事務局長)との各委員のコメントが紹介されています。
折しも今朝の山形県版NHKの朝のニュースでは、帝国データバンクの調査結果として、今月から値上げとなる商品の多さを伝えていました。今回の最低賃金は、中央最低賃金審議会が示した引き上げ額より7円上乗せされたものとなっています。中小零細企業にとっては厳しい内容かもしれません。一方で、物価の上昇に賃上げが追い付いていけるだろうか、と改めて思います。
(2023年9月7日 12)
2023年9月5日付 毎日新聞 「辺野古 沖縄県敗訴確定 設計変更不承認は「違法」 最高裁上告棄却」
2023年9月5日付 山形新聞 「沖縄県の敗訴確定 辺野古地盤改良 国の是正指示「適法」 」
2023年9月5日付 沖縄タイムス 「辺野古 県の敗訴確定 知事に承認義務」
2023年9月5日付 朝日新聞 「辺野古 沖縄県の敗訴確定 最高裁 知事に工事承認義務」
昨日の主要各紙は、沖縄普天間基地の辺野古沖移設に関わる訴訟について最高裁が上告棄却の判決を出し、これにより沖縄県の敗訴が確定したことを一斉に報じています。
このうち毎日新聞は、1面トップで報じる中で、具体的な最高裁の判断内容にも触れています。今回の訴訟は、「米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画で、埋め立て工事の設計変更を承認しなかった県に国土交通相が是正指示をしたのは違法として、県が国に取り消しを求め」ていたものです。
それに対して最高裁小法廷は、設計変更の承認は県が国に代わって執行する「法定受託事務」であるとし、「法定受託事務を不承認とした知事の処分を国が取り消す裁決をした場合、知事は採決に従う義務を負う」との判断を下し、さらに「知事が採決に従わないことが許されれば、紛争の迅速な解決が困難となる」としています。
この記事に書かれた最高裁の判断根拠を読む限りでは、地方自治体は国の政策を受け入れるしかないのか、との疑問がわきます。毎日新聞は社説で、県が「指摘した問題点への判断が示されないまま最高裁は法的な解釈論だけで是正支持を違法だと判断した」とし、国交相が出した「是正措置」は、本来「一般国民の権利救済が主眼であるはずの行政不服審査法を使って防衛省が国交相に審査請求し、国交相が処分取り消しの採決を出した」ものであり、国と地方の関係が「上下・主従」から「対等・協力」に変わった地方分権一括法に照らして問題ではないかと指摘しています。
改めて地方自治の重みは何なんだろうと思わざるを得ません。
本日の沖縄タイムスは、沖縄防衛局が埋め立て工事の発注に向けて動き出したことを1面トップで伝えています。(2023年9月6日付 沖縄タイムス 「大浦湾工事 8件発注へ 防衛局、埋め立て加速 未承認の県、対応問題視」)
(2023年9月6日 11)
2023年9月2日付 毎日新聞社説 「大震災と朝鮮人虐殺 史実の黙殺は許されない」
9月1日は関東大震災からちょうど100年となる年で、新聞各紙もそのことを報じていました。と同時に、朝鮮人の大虐殺について触れているものも数多く見られます。この社説もその一つです。ポイントして掲げているのは、松野官房長官と小池東京都知事が二人とも虐殺の事実はなかったかのような発言をしていることです。
しかし、「虐殺を示す文書は数多くある」と、いくつか例をあげています。一つは、政府の中央防災会議の専門調査会が2009年に公表した報告書であり、もう一つは防衛省防衛研究所に残っている内務省警保局長(当時)が各地方長官に宛てた電文です。
「記録がないから事実ではない」とは、慰安婦問題や南京大虐殺に関しても「なかった」とする主張の根拠として語られる言葉ですが、記録がないことをもって事実がないことにはなりません。様々な証言が残っており、現に記録は往々にしてあるものです。
「日本のいちばん長い日」という映画を何度か見たことがあります。その中には陸軍の若手将校が玉音放送を阻止すべく右往左往するその背景で、様々なものを燃やすシーンが描かれています。それは、都合の悪い証拠を残さないための行動だと気が付きます。こうして膨大な証拠資料が燃やされたのかと思う場面です。
記事では最後に、「事実の黙殺は歴史への冒とくである」と厳しく指摘しています。
(2023年9月3日 10)
2023年8月30日付 毎日新聞 「オスプレイ差し止め請求 佐賀駐屯地工事 漁師ら、地裁に」
昨日、オスプレイに関する沖縄タイムスの記事を紹介しましたが、今朝、そのオスプレイに関する別の記事が目にとまりました。
内容は、陸上自衛隊の輸送機オスプレイを佐賀空港に配備する計画を巡って、地元漁師が国を相手取り、建設中の佐賀駐屯地の工事を差し止める申立てを佐賀地裁に起こした、というものです。また、漁師らは今後、差し止めの民事訴訟も提起する方針ということです。
防衛省側は当初から24時間態勢で工事を実施する意向を示し、市議会でその旨を説明した際、市議から懸念の声が出されたものの工事に踏み切ったことを伝えています。「地元軽視」とも言える対応は「着工の日時を非公表として、県への通告は着工当日、佐賀市への連絡は着工後」を捉えたもので、「地元の信頼醸成 道半ば」との副題で指摘しています。
陸上自衛隊木更津駐屯地での暫定配備期限が2025年7月とされる中で、防衛省側は期限までに工事を間に合わせたいとの意向のようですが、地元住民等の理解が得られないまま工事を強行する防衛省、国のやり方に問題はないのでしょうか。
(2023年8月30日 9)
2023年8月28日付 沖縄タイムス電子版 「オスプレイ墜落3人死亡」 豪で訓練中 米軍 1人が重体
この記事は、オーストラリアで現地時間の27日午前9時半ごろに、米海兵隊の輸送機MV22Bオスプレイが訓練中に墜落したことを伝えています。
また、同記事によると、「2022年には2機の米軍オスプレイが墜落し、過去10年間で最多となる9人が死亡」しており、さらに、「オスプレイの「クラスA」と呼ばれる重大事故率は悪化していて、22米会計年度(21年10月~22年9月)では、10万飛行時間当たり6.3件に上昇。普天間飛行場への配備直前だった12年9月時点の1.65件に比べ3.8倍になっている」ことにも言及しています。
私の記憶が正しければ、あまりの事故の多さにかつて(現在も?)「未亡人製造機」とも言われたことがあったこのオスプレイ。日本国内でも、沖縄県の米軍基地はもちろん千葉県の自衛隊木更津駐屯地にも多数配備されており、その安全性が指摘されています。
(2023年8月29日 8)
2023年8月22日付 毎日新聞 「山林汚染 今も高レベル」 「福島第1原発事故 避難指示解除地域」
ここ数年、帰還困難区域内でも一部の区域で避難指示が解除された、という報道を耳にします。除染が進んだからというのが理由ですが、山林については原則的に除染の対象となっていないということをこの記事は伝えています。
「17年3月に大半の避難指示が解除された福島県飯館村。小宮地区に住む伊藤延由さん(79)が、放射線測定器を手に避難指示が解除された山に入ると、空間線量が毎時1マイクロシーベルトを超える場所が広く存在する」。
私もこれまで、2年続けて原発被災地を訪れたことがあります。その様子は、議会活動報告第7号(平成28年10月1日)と第11号(平成29年10月1日)に掲載しています。
その際に思ったことは、目に見えない境界線の内側と外側で、極端に放射線量が違うということはないだろうということです。例えば気温は、連続したある範囲で極端に違うということはないでしょう。徐々に高くなったり低くなったりするのではないでしょうか。それと同じで、放射線量もなだらかに変化するのではないか、ということです。
記事の最後には伊藤さんの言葉が紹介されています。「放射線の環境がどうなっているのか看板を出すなどして、特に若い人たちに、可能な限り被ばくさせない対策を講じてほしい」。
私が記録している毎日の活動記録から、被災地を2回目に訪れた時のものをコピーして掲載します。
2017年7月31日 2017年度原発被災地慰霊視察研修。福島県富岡町。
・放射線の空間線量は、労金前出発時(6時15分)0.053μSv/時、0.48mSv/年、刈安(6時50分)は、0.093μSv/時、0.60mSv/年、霊山(8時20分)は、0.250μSv/時、2.05mSv/年。
・相馬インターから常磐自動車道を南下、車中では、1.13~1.14μSv/時を計測。
・NPO法人仲山さんから現地を案内してもらいながら話を聞く。
・さくらモールとみおか(10時)では、0.224μSv/時、1.96mSv/年、福島第二原発が見える場所(10時40分)では、0.273μSv/時、2.39mSv/年、夜(よ)の森(11時)では、0.714μSv/時、5.86mSv/年。
・「桜並木は全長2.2キロ。このうち1.9キロは放射線量が高いため原則立ち入り禁止の帰還困難区域に含まれ、訪れる人はほとんどいない」
・街中のいたるところで解体作業が進んでいた。
・説明を聞き終え、国道6号線を北上して相馬市へ向かうバスの中では、3.8μSv/時を計測。
(2023年8月26日 7)
2023年4月11日付 朝日新聞デジタル版 「東電の見通しの甘さ、ここにも 福島第一原発で放射性汚泥の満杯迫る」
今日にでも始まる処理水の放水が話題になっていますが、この記事は、汚染水から取り除いた放射性物質の汚泥(「スラリー」と呼ばれいてる)の保管場所が満杯に近づいていることを報じています。
満杯に近づいている理由として、スラリーを脱水処理する施設が稼働できないでいることがあげられ、その背景として「見通しの甘さ」があったとしています。「東電は、脱水によって体積を3割程度にできると期待し、21年に施設をつくる申請をした。だが、原子力規制委員会から作業員の被曝防止対策が不十分だと指摘され、設計を見直すことに」。結果として「申請当初の予定よりも4年遅れることになった」ということです。
また、「高い放射線量によって容器の寿命が想定よりも短いという見通しの甘さもあった」との指摘も掲載しています。
昨日ご紹介した社説には「18年まで、トリチウム以外の放射性物質を除去しきれていない水がタンクの8割を占めているという事実を公表していなかった」(2023年8月23日付毎日新聞)との文章も掲げられていますが、このことと合わせて「「科学」以前に「人」の信頼(会社の信用)」という意見ももっともだと改めて考えさせられます。
(2023年8月24日 6)
2023年8月23日付 毎日新聞社説 「処理水あす海洋放出へ 誠意欠いた政治の無責任」
2023年8月23日付 山形新聞社説 「厳罰処理水の海洋放出 信頼構築へ努力尽くせ」
福島第一原発にたまり続けている処理水(汚染水)について、政府は明日24日に海洋放出を決めた、と報じています。毎日新聞では1面で福島支局長が「福島に「忍従」強いるのか」と厳しく指弾しています。
「関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない」とした2015年の政府、東電の文書での約束が反故にされた。各紙ともまずその点を取り上げています。私はこのことを考えた時、「政府は必ず噓をつく」という本があったのを思い出しました。2015年の約束以来、8年もの時間があったにもかかわらず、「政治が福島のたちの思いに寄り添う場面はほとんど見られなかった」「むしろ、放出の決定を巡り、漁業関係者に「踏み絵」を迫るような構図が続いてきた」と毎日新聞では指摘しています。こうした構図は、沖縄県の辺野古基地移設問題とも似ているのではないか、と思います。
処理水の放出はこの先、廃炉作業が終われるまで何十年と続くことになりますが、山形新聞では「国内の漁業者にすれば、自分たちとの約束を一度反故にした日本政府が、この先も責任を持って対応してくれるのかという疑念もあるはずだ」と述べています。
別の記事では、「「科学」以前に、原子力に携わる「人」が信用されていないのではないだろうか」という意見を紹介しています(2023年8月22日付毎日新聞電子版)。この意見は、「あなたの言うことには反対だが、あなたが悪い人ではないことはわかった」と言ってもらえるような関係になっていることが重要」と続きます。私も含めて議員、政治家は誰もがこうあるべきという気がします。
(2023年8月23日 5)
2023年8月20日付 山形新聞 「医療機関の対策強化へ」
この記事は、県医師会がセキュリティー対策の強化を目的に県警との連携組織を立ち上げたことを報じたものです。背景には県医師会が実施した独自調査で、回答した医療機関の6割以上で不正アクセスや情報漏洩などへの対策が未整備と判明したことがあげられています。
全国的に身代金要求型ランサムウエアによるサイバー攻撃が増加傾向にあり、被害にあった事例として、大阪急性期・総合医療センター(大阪市)の例が挙げられています。
米沢市では、11月に新しい市立病院が稼働しますが、様々なシステムが稼働する中で、こうしたセキュリティ対策も万全を期してもらいたいと思います。
(2023年8月20日 4)
2023年8月19日付 毎日新聞 「最低賃金引上げ24県で目安超え」
2023年度の全都道府県の最低賃金が出揃い、その結果全国平均で時給43円増の1004円になることを、厚生労働省が18日に発表しました。山形県は、引上げ目安額に7円上乗せされて46円引き上げられ、900円になります。10月から順次実施されます。
しかし、毎日新聞はこのことだけを伝えるものではありません。「物価高追いつかず」「非正規公務員も悲鳴」とのサブタイトルの中で、地方自治体で働く臨時職員である非正規公務員にも言及しています。
一部引用すると、「総務省によると、20年の地方自治体の非正規公務員数は69万4000人で、05年の45万6000人から1.5倍に増加。公務員全体の2割程度を占める。正規の公務員は276万2000人で、05年の304万2000人から約28万人減った。」とあります。
米沢市における非正規公務員の実態について、2023年3月定例会では、会計年度任用職員と正規職員の人数、賃金について当局から答弁がありました。「4月1日現在の任用者数は、令和2年度318人、令和3年度331人、令和4年度350人」「令和5年4月からの報酬については、時間額換算で960円から1,155円となる見込み 」という内容でした。
しかし、これはあくまでも時間単価で、問題はここからです。「会計年度任用職員の年収については、最も人数の一般事務に従事する週31時間勤務の会計年度任用職員の場合、令和4年度は198万3,000円、令和5年度は201万5,000円となる見込み 」との答弁が続きました。
新聞記事では、「非正規公務員である会計年度任用職員は、正規の公務員と同じく雇用も賃金も安定しているという前提のもとで労働者の権利が制限されており、民間労働者を保護する目的でつくられた最低賃金法は適用されない。」とした上で、自治体の賃金問題に詳しい専修大の山県宏寿准教授(経営学)のコメントを紹介しています。
「地方では、公務員の得る賃金は市元経済を下支えしているのが現状だ。最低賃金に近いような額では働く人を安定して集められず、住民サービスの低下につながる」
(2023年8月19日 3)
2023年8月17日付 毎日新聞 「なぜ防衛費を上げるのですか」
東京都世田谷区私立和光小学校の6年生36人は、「なぜ防衛費を上げるのか。日本はアメリカのことをどう思っているのか。小学6年生には、分からなかった」。そこで、岸田首相に手紙を書いたそうです。
「私たちは、社会科や総合学習で、沖縄のことや戦争のことを学んできました。戦争は遠い昔の話だと思ったに、今も苦しんでいる人がいることや、今にも続く問題であることがわかりました」
「戦争は怖いし、絶対にやってはいけないと思っていたのに、ニュースで防衛費を上げようとしていることを知りました。そこで岸田首相に『ぜひ聞いてみた い、伝えたい』という声があがって、クラスのみんなで手紙を書きました」
「今、北朝鮮が日本にミサイルをうってきていますが、うってきているから軍事費を増やすのはダメだと思います」
「逆に中国などが怒って、攻撃してくるかもしれないと思いました」
「防衛費1兆円を他の税からとるのは、さすがにひどいと思います。他の案はないのですか?」
手紙は2月1日に出され、岸田首相は2月24日の記者会見後、報道各社が追加で示した質問の回答で、手紙について言及したとあります。「一つ一つにお返事を出すことは困難でありますが、安全保障政策については、国民の皆さんのご理解を得られるよう努めていきます」
「3月6日、担任教諭から児童にこの「回答」が伝えられた。児童らは再び岸田首相に手紙を出したが、音沙汰はなかった。」
記事は、中学1年生になった女子生徒の言葉を伝えています。
「岸田さん個人の思いを直接聞きたかったです。反対の声もたくさん出たはずなのに防衛費を上げることは本当に国民のためになるのかな」
最後に、防衛費関連予算を2027年度に国内総生産(GDP)比でそれまでの1%程度から2%に引き上げ、23~27年度で総額43兆円を確保する特措法が、この6月に国会で成立したことを紹介しています。
(2023年8月17日 2)
2023年8月12日付 山形新聞 「時を語る」
ノンフィクション作家の保阪正康さんが文章を寄せています。タイトルは、「「壮行会」から80年 耳に残る出陣学徒の慨嘆」です。
今からちょうど80年前の1943(昭和18)年10月21日に、明治神宮外苑競技場で、出陣学徒の壮行会が行われました。雨が降る中で学生が行進をする様子は、私もテレビの映像などで何度か見た記憶がありますが、保阪さんは文章の中でこの出陣学徒について以下の点を指摘しています。
・壮行会は東京だけでなく、大阪、京都、神戸、名古屋、仙台、札幌などのほか、台北、京城(現ソウル)、上海、新京(現長春)など日本の統治下にあった地域でも行われていること。
・この学徒出陣の根拠は、首相の東条英機が音頭を取り、陸軍大臣である東条英機が首相である東条英機に対して(当時、東条は陸相と首相を兼任していた)いわば持ちかけ、閣議で承認するという形での勅令によっていたこと。
・壮行会では学徒の数が10万人ともいわれているが、その数字はあいまいであり、戦時下の混乱ぶりが表れていること。
・太平洋戦争で240万の軍人、軍属が戦死したとされているが、中でも出陣学徒の世代(大正10年前後生まれ)が最も多いと試算されること。
80年経って「新しい戦前」とまで言われる昨今、自衛隊の集団的自衛権の行使容認、敵基地攻撃能力、防衛費の増大、防衛装備品と名前を変えた武器の輸出解禁へ向けた検討、大学や企業の防衛研究の奨励、日本学術会議会員の任命拒否、海上保安庁の統制などを見聞きするにつけ、国民はどれだけのことを知らされているだろうかと不安な思いにかられるのは私だけでしょうか。
二度と戦争は起こしてはならないとの思いを改めて強く感じます。
(2023.8.15 終戦の日に 1)
皆さんは日頃、新聞をどの程度読まれますか。
私が目にした新聞記事の中から、特に気になった内容を取り上げてご紹介していきたいと思います。
(2023年8月15日)