大村護国神社には明治維新より続く長い歴史があります。
1868年(明治元年)冬 幕末から明治維新の国難に殉ぜられた英霊を弔うため、12代藩主大村純熙により旧円融寺跡に招魂場 (しょうこんじょう)が設けられました。これが大村護国神社のはじまりです。
※詳細は、右の▽印をタップして下さい。
第12代藩主大村純熙により大村藩士松林飯山と明治維新の戊辰戦争の殉難者を弔うため旧円融寺跡に招魂場が設けられました。
招魂場には約4坪の社殿と遺髪を埋めた墓標と追悼碑が建立され、これを旌忠塋 (せいちゅうえい)と称しました。
以来、現在に至るまで毎年4月3日に例大祭を行っています。
※招魂場 明治維新のために殉難した死者を慰霊する場所
※旌忠塋 国家に対する忠義を顕彰するための聖所
1875年(明治8年)10月「官祭大村招魂社」に改称
以後、祭祀や社殿の維持整備は明治政府の官費により賄われる。
明治4年の廃藩置県により、藩からの財政支援が受けられなくなった各地の招魂場は荒廃していきます。
それに憂慮した明治政府は、明治7年の内務省令により招魂場を官費をもって管理することとし「官祭招魂社制度」が策定されました。
これにより大村招魂場は明治8年10月に「官祭大村招魂社」と改称されました。
※内務省乙第22号達「従軍殉国ノ者戦没ノ地及各所私設ノ招魂場ハ地税ヲ免シ祭祀修繕等官費支給ス」(1874年(明治7年)3月17日)
※内務省乙第132号達「各管内ニ設置ノ招魂社種々ノ社号ヲ廃シ一般招魂社ト唱ヘシム」 (1875年(明治8年)10月13日 )
※今でも、大鳥居には「大村招魂社」の社名が掲げられ、その脇には「官祭大村招魂社」の石碑が残っています。
「大村招魂社」の文字が見えます
入り口の石碑には「官祭大村招魂社」
1897年(明治30年)10月30日 碑石及び石鳥居を建立
30周年大祭を行い 、 弔文を刻した碑石を台上東北隅に、また石鳥居を下段入口に建立した。(現在の鳥居は 明治四十三年大村家再建)
1903年(明治36年) 勤王三十七士の碑を建立
明治35年11月 旧藩主大村純熙は、勤王三十七士の碑を境内に建立することを請願し、翌年5月許可を得て、台上東側に順次死没した 者から建立することになり、10月19日祭祀を行いました。
1928年(昭和3年)4月 大村、 西大村出身の英霊24名を大村招魂社に合祀し名碑を建立
昭和3年1月、大村町 及び 西大村出身で 、 日清 、 日露 、 日独三戦役の戦歿者として靖国神社に合祀された者の英霊を大村招魂社に 合祀することを大村町長一瀬勝二郎・西大村村長飯笹元治・大村町遺族総代田崎タマ・西大村遺族総代北川太郎各氏の連 署をもって申請し許可されました。
同年4月3日故田崎中佐以下大村町、西大村出身者各12名計24名の神霊を合祀し、 且つその氏名を刻した碑を境内西寄りに建立しました。(写真手前の石碑)
手前が当時建立された慰霊碑です
昭和9年に2名、昭和14年に1名を合祀
1939年(昭和14年)4月10日 神社名を「大村護国神社」に改称
「招魂社ヲ護國神社ト改称スルノ件」(昭和14年内務省令第12號)により、大村招魂社は大村護国神社と改称されました。
※因みに、東京に作られた官祭東京招魂社は明治の中期に社名が変わり靖国神社となりました。
1941年(昭和16年)4月14日 15名を合祀
1945年(昭和20)年12月 GHQの神道指令により大村護国神社は宗教法人として発足
以後、国からの資金援助は絶たれる。
昭和20年12月連合軍最高司令官から神道指令が通達、次いで12月28日宗教法人令が発布され、当神社も また宗教法人として発足しました。
これ以降、建立以来続けられてきた護国神社に対する国の財政支援は絶たれ、地域の方からの寄進金によって運営することになりました。
1969年(昭和44年)2月 英霊729柱を合祀し合祀者名碑を建立
昭和43年7月に復興奉賛会を設立し、当神社を速やかに整備しこれを永く後世に伝えるため の復興整備事業に着手。
百数十万円也の浄財御寄贈を得て 、 昭和12年以降の支那事変及びこれに引続く大東亜戦争において戦歿、または国事に殉ぜられた大村・西 大村地区出身者の英霊729柱を合祀し、且つその芳名(昭和16年合祀の分も含む)を刻した碑を建立しました。
昭和45年4名 、 昭和46年2名 、昭和47年に1名、計7名の霊を追加合祀の上芳名を追刻
1993年(平成5年)2月10日 新社殿の遷座祭、5柱の合祀
旧社殿の老朽化に伴い約1,600万円をかけ新社殿の建設が始まり1月23日に完成。2月10日に旧社殿より遷座の祭りが執行されました。
遷座祭において新たに5柱が合祀され、 合祀祭神総数807柱。また、大村藩勤正三十七士も同日併祀されました。
新社殿が完成した頃の写真
1996年(平成8年)2月19日 社名碑の設置
故石坂軍次氏(大黒屋会長)により戦後50周年を記念して寄贈して頂いた社名碑。
四国香川の御影石で作られており、幅1,2m 高さ4mの大変立派な社名碑です。
(故)石坂軍次氏寄贈の社名碑
2024年(令和6年)5月16日【奉告祭】 先代の宮司(故池田剛康氏)により鈴の緒が奉納
総代が寄進した鈴の緒と合わせ2本の鈴の緒が神殿に付けられた。合祀者の推移
大村藩勤王37柱明治以降大東亜戦争までの戦死者 803柱平成6年 自衛官10柱(陸自7、海自3)平成7年 自衛官1柱(海自) 平成10年 第21海軍工廠学徒動員 9柱