音訳ソフト(以下「ソフト」という。)のトラブル時の対処方法についてのヒントです。
ソフトが立ち上がらない時は、パソコンの再起動を試すといいです。パソコンを完全シャットダウンしてから再度起動することができます。
ソフトにトラブルが生じた時にも、最初に試したいのは、パソコンの再起動です。
通常のシャットダウンをして再度電源を入れるのではありません。これだと、完全なシャットダウンに至らず、問題が継続する場合があります。
【Shift】キーを押し続けながらシャットダウンをして、電源を入れなおすことでも完全シャットダウンできるようです。
パソコンのフリーズの度合いが強く、どうしても再起動の操作ができない場合は、電源スイッチを長押しして強制終了するか、それもできなければプラグを抜いてしまう(ノートパソコンの場合は、内蔵バッテリーも外す)しかないと思われますが、作業中のデータに影響を与えるリスクがあるとされているので、最後の手段と考える必要があります。
なお、定期的に(ひと月に一度程度)、完全シャットダウンをすることが、ソフトに生じるトラブルの予防策になるようです。
再起動の手順等の詳細は、「パソコンの再起動」をご参照ください。
パンチイン録音のつもりだったのに誤って上書きモードで録音を始めると、そのセクションのそれ以後のフレーズが消えてしまいます。この場合は、「元に戻す(アンドゥー)」ボタンが灰色になっていて、この操作では元に戻せません。
また、フレーズを消すつもりだったのに、その時実はセクションが選択されていたために、セクション全体を削除してしまうことがままあります。すぐに気がつけば、「元に戻す(アンドゥー)」ことにより復元できますが、作業を積み重ねた後に気がつき、多数回「元に戻す(アンドゥー)」操作を行った後だと、この操作では復元できません。この例だけでなく、「元に戻す(アンドゥー)」操作を多数回繰り返した後、もっと前の段階に戻したい場合もありますが、やはり、「元に戻す(アンドゥー)」操作の回数の限界から、元に戻せません。
しかし、こうしたときでも、ビルドブック前なら、図書フォルダ(以下に例示)内にはこれまでの音声ファイルがそのまま残っており、それを読み込むことで復元できる可能性が高いです。
ソフトの特性として、ビルドブックするとそれまでの音声ファイルは、その時点のものに再構成されます。しかし、その後再度ビルドブックするまでは、新たに録音した音声は新しい音声ファイルとしてそのまま記録されています。セクションやフレーズの削除、順番の変更などを行っても、その時点で音声ファイルに手が加えられているわけではないようです。そうした修正の情報は別途保存され、再生時に音声ファイルを制御し、削除された部分があればそこはスキップし、順番が変更されていればその順序で再生するといった仕組みのように思われます。
したがって、誤って削除したセクションやフレーズを復元したい場合には、必要な音声ファイル(a000001など)が図書フォルダ内にあるかどうかを確認し、あればデイジーインポート又は音声インポートすれば復元できる可能性が高いです。(図書フォルダ内のa000001などの音声ファイルの内容を確認したい時は、そのファイルをダブルクリックすると、多くの場合、メディアプレーヤーなどのパソコンの音声再生ソフトで聴くことができます。)
デイジーインポートと音声インポートの違いは、簡単にいえば、デイジーインポートは、ページ付け、階層分け、フレーズの結合などの編集済みのものを読み込むもの、音声インポートは、「音のみ」を読み込むものということです。
復元したい音声ファイルが前回ビルドブックした時以前のファイルならば、デイジーインポートで一括してインポートして、必要なファイルを選択するといいです。音声インポートでも読み込めますが、結合していたフレーズがバラバラになったり、フレーズの切り方が微妙に変わる可能性があります。
復元したい音声ファイルが前回ビルドブック以後に新たに録音した音声ファイルならば、デイジーインポートでは対応できないので、音声インポートしかありません。この場合、前述のように、インポートする音声ファイルは、録音時点のいわば生の状態のものであって、その後、フレーズを削除したり、順番を入れ替えたり、フレーズを結合するなどしたとしても、その情報は含まれておらず、やり直しとならざるをえないことにご注意ください。
また、復元する前にビルドブックを行うと、音声ファイルが再構築され、以前のものに復元できなくなるのでお気を付けください。
手順の例は、「デイジーインポートと音声インポート 」をご参照ください。
図書フォルダの例
「元に戻す(アンドゥー)」ボタン
(1)再生デバイスの確認
再生しようとすると、フレーズの表示は通常どおりに次々と変化していくけれども音声が出ないときは、有効な音声の再生デバイスがない可能性があります。
パソコンのデスクトップ画面で右クリック(又はスタートボタン(又は【ウィンドウズ】キー)⇒設定)⇒個人用設定⇒テーマ⇒サウンド⇒再生タブから、デバイスが設定されているか確認してみてください。
確認した際に、再生タブ中のどこにもチェックマークがついていない時は、どれかを選んで右クリックで有効にしてください。
サウンドの画面
(2)図書フォルダからデイジーインポート又は音声インポート
録音済みのデータが消えたり再生できない場合、上記2.の場合の対処方法と同様に、図書フォルダ内に音声ファイルが残っていれば、それを復元することができる可能性が高いです。図書フォルダ内に音声ファイルがあるかどうかを確かめて、もしあるようなら、デイジーインポート又は音声インポートを試してみてください。
手順の詳細は、「デイジーインポートと音声インポート 」をご参照ください。
(3)過去に保存済みの図書フォルダからデイジーインポート
音声データが保存されている図書フォルダはかけがえがないので、できるだけ高い頻度でコピーして、別の場所に保存しておくことが求められます。こうして保存したフォルダがあれば、そこからデイジーインポートで読み込むことで、その保存時点でのデータを復元することができます。
(4)他の音声編集ソフトで再生してから音声インポート
ソフトと音声ファイルとの関連付け部分が破損していることなどが原因で音声ファイルが再生できないことがあるようです。この場合、 他の音声編集ソフトで再生できれば、それをWAVファイル形式で保存し、もう一度それを音声インポートすれば、関連付けの問題が解消し、(ある程度)復元できる可能性があるようです。このときに役立つ音声編集ソフトは、有料、無料の多くのソフトウェアがあります。
(5)バックアップファイルの利用
ソフトの機能により自動保存されたデータを用いる方法です。音声ファイル自体ではありませんが、目次、見出し、音声ファイルの再生順序等の情報が自動保存されているようです。シャットダウンして図書フォルダを開くタイミングで保存された過去5回分の情報です。保存されているのは、拡張子が、Ncc.imdn、 ImdPhrInfo.imph、 ImdTxtTabl.imttという3つのファイルです。
これらを使うことで、正常に開けなくなってしまった図書フォルダを、前の状態に戻すことができる可能性があるとのことです。なお、これは、ソフトの取扱説明書(注)にある方法です。
自動保存された情報があるのは、図書フォルダの中にある「BackUp」というフォルダの中です。この保存された情報を読み出すためには、不具合が生じている現在の「Ncc.imdn、ImdPhrInfo.imph、 ImdTxtTabl.imtt」という3つのファイルを、過去の同じ種類のファイルで書き替える必要があります。手順はちょっと複雑ですが、ソフトの取扱説明書をご参照ください。
(手順の概要)
(1)復旧作業の前に、対象の図書フォルダをコピーして別の場所に貼り付けておく。(万一に備えてのバックアップのため)
(2)修復を行う図書フォルダの中にある、「BackUp」というフォルダを開く。
(3)「BackUp」フォルダの中に、bp00_ImdPhrInfo.imph、bp00_ImTxtTabl.imtt、bp00_Ncc.imdn という 3つのファイ ルがあるので、それぞれについて次のようにファイル名を変更する。(いずれも先頭から 5 文 字を削除する)。
変更前 → 変更後
bp00_ImdPhrInfo.imph → ImdPhrInfo.imph
bp00_ImTxtTabl.imtt → ImTxtTabl.imtt
bp00_Ncc.imdn → Ncc.imdn
(4)ファイル名を変更した3つのファイル ImdPhrInfo.imph、ImTxtTabl.imtt、Ncc.imdn を、図書フォルダ内 に、上書きコピーする。
(5)ソフトを起動して、修復した図書を開く。
(注)PLEXTALK Recording Software Pro 取扱説明書
http://www.plextalk.com/jp/dw_data/PRSPro/PLEX_RS_PRO_UM.html#ch12_8
図書フォルダ
図書フォルダの中身
バックアップフォルダの中身
マイクによる音声入力の大きさを調整したい場合があります。なかでも、入力レベルを大きくしたいケースが多いと思われます。
音声入力の大きさに関係するのは、音声が通過する順に、(1)マイク(オーディオインターフェースを含む。)、(2)パソコン(ウィンドウズの機能)、(3)ソフトの3つがあります。各段階の音量調整機能が活用できます。その中には、ブースト機能のように、雑音が増える恐れがあるものもありますが、全体としてうまく調整することが望まれます。
(1)マイク(オーディオインターフェースを含む。)
マイクに、入力の音量を調整する機能があれば、まずはそれで調整します。入力レベルが小さすぎる場合には、最大にしてみるといいのではないかと思われます。
(2)パソコン(ウィンドウズの機能)
マイクからパソコンに入力される時の音量は、ウィンドウズの機能を用いて調整できます。ウィンドウズの録音デバイスのプロパティで、音量調整をしてください。
音量最大のボリューム100にしてもなお音声入力レベルが小さすぎる場合は、さらにマイクブーストにより大きくすることができます。ただし、マイクブーストを利用すると雑音も増えることがあるので、他の音量アップ手段と比較しながら利用をご検討ください。
なお、マイクブーストで+10dBを選択すると音量は3.16倍に、+20dBの場合は10倍に、+30dBの場合は31.6倍になります。
詳細は、ウィンドウズによる録音音量調整をご覧ください。
(3)ソフト
最後に、音訳ソフトによる録音音量調整です。入力音量の調整とそれでもたりない場合のサウンドブースト機能があります。
① 入力音量の調整
ソフトの画面右の「その他入力」の目盛をマウスでドラッグしながら左右に動かします。入力音量を上げたい場合は、右方向に動かします。最大の入力音量は右端です。
なお、F4キーで入力音量上げ(【Shift】キー+F4で入力音量下げ)もできますが、最大の入力は、上記で目盛を右端にする場合と同じです。
② サウンドブースト
入力音量を最大にしても、なお音声レベルが小さすぎる場合には、サウンドブースト機能でさらに音量を大きくすることができます。ただし、サウンドブースト機能を使用した場合、雑音も増幅してしまう場合があるので、他の音量アップ手段と比較しながら利用をご検討ください。
サウンドブースト機能は、「オプション」の「録音設定」から行います。+3dB(音量では1.41倍)、+6dB(同2倍)、+9dB(同2.82倍)、+12dB(同4倍)の4段階で調整できます。
ウィンドウズの録音デバイスのプロパティ
ソフトの画面
録音設定画面
他の人の音訳を合体させたいが、録音音声の大きさのレベルが違いすぎて困る場合があります。
この場合、音訳用のソフトでは、録音済みの音声の大きさを変えることはできませんが、他の音声編集ソフトを使えば容易に変えることができます。有料、無料多くの音声編集ソフトがありますが、よさそうなものを使用して、音声の大きさを適宜修正したうえで保存し、これを音声インポートすれば、大きさのレベルを揃えることができます。
デイジーインポートで他の音声を取り込んだりした場合など、フレーズリストの「ポーズ」欄に数字が表示されないことがあります。
ポーズ時間を表示するには、ツールメニューの「ポーズ時間検出」を実行してください。
詳細は、ソフトの取扱説明書(注)をご参照ください。
ただし、録音時間が長い場合には、「ポーズ時間検出」にかなりの時間がかかります。もし、特定のフレーズのポーズ時間だけを確認したいという場合は、そのフレーズの一番最後の部分を少しだけフレーズ分割してみると、ポーズ時間を確認することができます。
(注)PLEXTALK Recording Software Pro 取扱説明書
http://www.plextalk.com/jp/dw_data/PRSPro/PLEX_RS_PRO_UM.html#ch12_6
内容についてお気づきの点がある場合は、以下のアドレス宛てにご連絡いただけると幸いです。
メールアドレス: onyaku.hint@gmail.com