A1:乳房を板で挟んでレントゲン撮影をします。 乳房を薄く引きのばした方が綺麗な写真になり診断しやすくなります。
月経の前など乳房の張りを感じている時期は痛みが強いかもしれません。この時期を外したほうが良いでしょう。
リラックスして、力を抜いてください。 また、後ろにのけぞると上手くいきません。
また、ラメのような化粧品を使っている場合は拭き取ってもらうことがあります。
マンモグラフィは乳房を圧迫する検査です。そのため、脂肪、ヒアルロン酸、アクアフィリングなどを注入された方はお受けできますが、インプラントがが入っている方(破損する可能性)や心臓ペースメーカーが入っている方(固定位置がずれる可能性)は避けた方がいいでしょう。
A2:市民検診は税金を使います。そのためには、住民の乳がん死亡率減少効果が科学的に証明されている方法を正しく行うことが重要です。それが「40歳以上」「隔年(一年おき)」「マンモグラフィ」検診です。
同じ理由で「触診だけ」の検診や、「超音波検診」は、市民検診においては認められていません。
A3:この考え方は間違っています。症状(シコリ、ひきつれ、いつもと違う分泌や痛みなど)がある方は医療機関を受診してください。診療の立場からその症状の原因を確かめる必要があり、超音波検査や細胞診、針生検などの検査を行うことになります。市民検診はあくまでも、これら症状の無い方や、病変に気づいていない方を対象に、病変が無いかどうかを拾い上げることが目的です。
A4:40歳未満の方は、市民検診の受診はできません。Q2の理由があるからです。自覚症状があれば医療機関を受診してください。自覚症状がない方は人間ドック、職域検診、などのご利用をお考え下さい。
マンモグラフィは低線量(誰もが毎年1年間に自然に受けている線量が2.3mSv、マンモグラフィでは0.05~0.15mSv)の被ばくですので、通常の検診において局所(皮膚)や全身的影響(白血病、がん)がでることは考えられません。仮に妊娠前後であっても胎児への影響はありません。ただし、放射線被ばくは『可能な限り少なくする』というのが鉄則です。
マンモグラフィ検診においていは、病気が見つかり寿命が延びる「獲得余命」と被ばくによるリスクで寿命が短くなる「損失余命」、そして「乳がん発生頻度」から推定し、35歳以上になると隔年マンモグラフィ検診はメリットが上回り、年齢が上がるほどメリットは大きくなるとされています。
一方、症状のある方は、診療(病気の有無や変化を明らかにする)の立場から、必要に応じて必要な頻度で検査を行います。
超音波検査は大変有用な検査で、診療の現場では必須ともいえる方法です。また、人間ドックや職域検診でお受けになった方も多いと思います。しかし、一般住民の方を対象とし公費を使う住民検診では、Q2の理由でお受けできません。がん発見率(感度)は上昇するでしょうが、がんではないのに要精密検査と判定される人達が増えることになります。見つけなくてもよかったはずの病変で、追加検査が必要になったりします。将来、住民検診でも導入される可能性はありますが、現時点では用いられません。
MRI検査も感度の高い良い検査ですが、同様の理由から、遺伝性乳がん卵巣癌症候群の遺伝子異常をもっている人達にのみ自費で行われています。一般の方を対象としたスクリーニング検査は否定されています。
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