奥多摩秘境の会 2022年活動報告

                       2022年11月17日(木) 鳩ノ巣駅~城山~大楢峠~鍋割山~神苑の森~ケーブルカー駅 

                  2022年10月22日(土)奥多摩・青梅の秘境を歩く⑫大塚山境界尾根~筑瀬尾根  

                    2022年 9月15日 (木)日の出山北尾根から築瀬尾根を行く

        2022年 2月17日 (木)  奥多摩秘境の会 例会「青梅の森と史蹟巡り」

           2022年 4月30日(土)奥多摩・青梅の秘境を歩く ⑪鉄五郎新道~丹三郎尾根 



2022年11月17日(木) 鳩ノ巣駅~城山~大楢峠~鍋割山~神苑の森~ケーブルカー駅 

ツルアリドウシの実

ミヤマキシミの実

山頂の手書きの山名板

城山尾根

小楢峠

これは何?

ヤクシソウ

鳩ノ巣駅9:30集合。すっきりした秋晴れだ。

さっそく雲仙橋で紅葉の見事な多摩川を渡る。

すぐ、右の目立たない石段から山道に入る。ツルアリドウシの赤い実がお出迎え。急なスギ林を黙々と登る。

ミヤマシキミの赤い実が目を引く。


城山の山頂には手書きの山名板が括りつけられていた。



小さな祠のある小楢峠を経て、大楢峠へ。


峠の名前の由来となっていたコナラの大木は2015年に倒れて横たわっていた。

その先に「鍋割山→」と書かれたま新しい白い小さな指導標があった。


細い道を登って行くと、植林と落葉樹林が交互に現れる。栗の実・ミズナラのドングリがたくさん落ちている。


961mピークの手前で12:00になったので昼食。登っているときは暑かったのに座っていると冷えてくる。


鍋割尾根は、いくつもの小さなピークを越えてゆくアップダウンの楽しい尾根だ。カエデ類の紅葉がまぶしい。


ほかの木はもうほとんど葉を落としている。落ちたばかりの葉は色とりどりで同定も楽しい。


ふかふかサラサラの落ち葉に道は隠れがち。



鍋割山に着いた。1084m今日の最高地点だが印象の薄い山頂だ。


奥の院方面に進み、人気のない神苑の森を行く。メグスリノキが目立った。イヌブナの落ち葉もたっぷりある。

あっという間に御岳神社下のトイレ横に出て、ケーブル駅に向かう。


14:42発のケーブルで下山した。


晩秋の山をたっぷり味わった山旅だった。


参加者 小太刀 林 早川 小日向                            (小日向・報告)


    2022年10月22日(土)奥多摩・青梅の秘境を歩く

⑫大塚山境界尾根~筑瀬尾根  初秋の御岳山周辺を歩く

ミヤマキシミ

センブリ

セキヤノアキチョウジ

境界尾根を歩く

日の出山山頂にて

日の出山からの眺望


開催日:2022年10月22日(土)開催場所:青梅市

大塚山境界尾根は青梅と奥多摩の境界の尾根で、今回2回目の実施となる。

一般の参加者は11名であった。


御嶽駅から渓谷沿いの道を歩き、神路橋を渡って吉野街道を少し行くと、登山口になる。

最初は急登が続き、その後もアップダウンを繰り返しながら進み、大塚山手前の丹三郎尾根に出る。


麓のほうは人工林が多く下草は少ないが、コウヤボウキやミヤマシキミが見られ、コアジサイが群生していると

ころもあった。

頂が近づくにつれ、コナラやミズナラのドングリが落ちていて、サクラ、モミジ、ヤシャブシなども見られた。

広い道に出ると人も多くなり、御岳ビジターセンターの前で昼食にした。

御岳神社の参道さらに人が多くなり、日の出山も多くの人でにぎわっていた。


天候は曇りであったが、奥多摩や丹沢の山を望むことができた。ここから急な階段や木の根が出ている道を下り、

高嶺山に登って少し下ると筑瀬尾根への道に出る。

しばらく下るとススキが背丈以上に茂っているところに出た。ここにセンブリが咲いていた。またオトコヨウゾメ、

ガマズミ、サルトリイバラの赤い実が見られた。


ここをぬけると鉄塔があり、筑瀬尾根には入らずに下って林道に出た。長い林道歩きだが、途中カメバヒキオコシ、

セキヤノアキチョウジ、ヤマハッカなど、しそ科の紫の花が見られた。またキバナアキギリ、ゲンノショウコも

あった。


吉野街道に出て軍畑駅で解散。健脚者ばかりで、ほぼ予定通りに到着。

充実した山歩きを楽しむことができた。


スタッフ、報告者:小太刀 健


   2022年9月15日 (木)日の出山北尾根から築瀬尾根を行く

辺りはガスって神秘的

ハナホウキタケの菌輪

カシノナガキクイムシの被害

日の出山 山頂 902.0ⅿ

御嶽駅に今回集合した秘境の会メンバーは7名。御岳渓谷遊歩道から歩き出す。     

御岳渓谷ではカヌーの練習をしている人達も多く、遊歩道沿いの道にはユウガギクやカナムグラの花が咲いている。


時折小雨の降る天候の中、多摩川を渡り御岳山への車道をしばらく行くとこうせん橋という小さな橋に差し掛かる。

これを渡ったところが日の出山北尾根の登山口である。


鹿除けの柵の脇の急斜面を登っていくと、あっという間に高度が上がり、眼下に民家や滝本の駐車場が小さく見えてくる。 

キッコウハグマの閉鎖花やオトコエシ、ヒヨドリバナなどが咲き、センブリの生える尾根道をひたすら登っていき、

傾斜が緩くなった鞍部でやっと最初の休みだ。歩き始めて1時間20分。辺りはガスっていて幻想的な景色である。


一休みして登り出すが、相変わらず急な傾斜が続く。たぶん35度は超えているのではなどと話しながら進んでいく。

たまに傾斜が緩くなって周りの景色を見る余裕も出てきたが、ミズナラやヤマザクラの大木の生える中、ハナホウキタケの

仲間が菌輪を形作って生えている。いわゆるFairy circleとかFairy ringと呼ばれるもので、薄桃色をしたハナホウキタケがきれい

な半円を描いている。ここれだけあると食べ甲斐があるだろうと思ったが、ハナホウキタケは毒があるということだ。

残念である。


高度が上がるに従いコナラからミズナラに変わってきたが、どの木の下にもたくさんのどんぐりのついた小枝が落ちている。

ハイイロチョッキリの仕業だ。枝についたドングリを食べて幼虫が大きくなり冬を越し、来年も同じ光景が見られるのだろう。

ただ、この尾根のコナラやミズナラの木もカシノナガキクイムシの被害を受け、何本もの木にフラスが出ているのが見受けられた。


これが最後の急登と何回か言われたのち、斜面上に石垣が見えだし、やっと日の出山の北側に辿り着いた。

歩き始めて2時間半。時刻はちょうど12時で、山頂で待望の昼食である。少しは晴れるかと思っていたが相変わらずの

天気で、普段なら素晴らしい展望の日の出山頂も何も見えない。

ただ、人もほとんどいないため、その分静かでゆっくりと過ごすことができた。


ここで用事のあるSさんと別れ、6名で下山開始である。日向和田方面への道をたどり高峰へ。

高峰山頂から北へ築瀬尾根へと下っていく。檜林の中をひたすら下っていくが、途中のススキの原ではススキの穂が揺れ、

ヤマハギやマルバハギが咲きそろい、秋の訪れを感じさせる。28号の鉄塔を過ぎてヒノキ林の道をしばらく行くと林道に

合流する。

ツリフネソウやカメバヒキオコシなどが生える林道を40分ほど下ると吉野街道の柚木に出る。軍畑の駅はもうすぐである。

今回も秘境の会らしいルートを案内していただき、楽しい山行だった。

                                                (報告 臼井治子)

2022年2月17日(木)奥多摩秘境の会 例会「青梅の森と史蹟巡り」

青梅の杜から大岳山を望む

おにぎり岩

ツルアリドオシ

ヤマアカガエルの卵

メンバー5名が参加。青梅線「石神前」駅を9時に出発。駅前の石神社の大イチョウは幹回りが640cm、

迫力がありました。青梅市天然記念物で母乳の神として信仰を集めたそうです。そこから山の社を通って

「青梅(おうめ)の杜(もり)」に入りました。某宗教団体の所有地ですが、手入れがされていて歩きやすい道です。

一昨日の雪はほとんど溶けていました。

 狸のフンが数カ所、道上で見られました。イヌツゲ、ミヤマシキミ、ウラジロなど鹿に食べられた跡がありましたが、

 ヒサカキはきれいに残っています。アオキが無いのは食べ尽くされたからでしょうか。

 途中の崖一面のウラジロの群落は見事でした。ちょうど伐採作業している所もありましたが、切られた枝の冬芽を身近に

 観察することができました。


聞修院で昼食。梅が数輪咲き始め、枝にはジョウビタキ。池にはヤマアカガエルの卵が数カ所ありました。

小曾木街道を渡って、今度は「青梅(おうめ)の森(もり)」へ。ここでは、市と市民の7団体が保全活動を行っています。

水田跡地のヨシがきれいに刈られていて、ここではホトケドジョウも生息しているとか。

犬谷津峠からおにぎり岩を見てムササビ広場へ、カシノナガキクイムシによる被害のコナラが多く切られていました。

テープが張られた木もこれから切られるのかと思うと痛ましいです。


天寧寺の総門は素晴らしい造りですが、以前は茅葺だった屋根は銅版葺に変わっています。

梵鐘の表面に三田氏から寄贈された記録が書かれていました。最後に勝沼城跡に行きました。

三百年もの間支配してきた三田氏の居城でしたが、今はなんの痕跡も残っていません。

貴重なツルアリドオシが見られ、「大切にしましょう」との看板があり、踏みつけそうになるのに注意しながら歩きました。


2時半に東青梅で解散。青梅線からは近いのに、誰も通らないような細い道を通り、秘境の会の名前にふさわしいコース

だったと思います。晴天にも恵まれ、自然と歴史を満喫しました。

                                             (報告:市川陽子) 

  2022年4月30日(土)奥多摩・青梅の秘境を歩く ⑪鉄五郎新道~丹三郎尾根 

ウラシマソウ

寸庭峡

城山を望む

ちょっと一服

大塚山にて

古里駅はから鉄五郎新道を歩いて大塚山へ、下山は大塚山北尾根コース(通称丹三郎尾根)を歩いて古里駅に戻る行程です。

2017年11月に実施した大塚山への山行では、御岳駅から青梅と奥多摩の境界尾根を歩き、丹三郎尾根に出て大塚山の山頂を

目指し、鉄五郎新道で下山(奥多摩秘境の会HP参照のこと)でしたので逆コース近いルート。


前日の悪天候から一転して春の穏やかな日差しの中、集合場所の古里駅で参加者5名とスタッフの自己紹介とコース概要の


説明のあと、8:50分スタート。




寸庭日枝神社を過ぎてまもなく鉄五郎新道(山と高原奥多摩編には記載なし)に入る。森林作業道として作られたこの山道には


「森林再生事業」のカンバンがあり、10年前に整備された人工林が続いている。



10:05 金毘羅神社 汗ばんだ体に心地よい風を感じる。この裏手から越沢バットレスを覗き込める。


近くの幹に岩場の登攀に使う固定ロープなどが残されているのを見て異次元の登山に驚嘆する。


ここから広沢山(848m)mでは、稜線の右手が越沢まで切り落ちた崖となっていて、気を抜けない急登が続く。


岩肌近くに見つけたイワウチワの群生地やミソサザイの鳴き声に背中を押されながら一歩一歩慎重に登る。


晴らしの効いた広場では、地図を広げ周辺の山の同定をしながら山行談義が続き長居をしてしまう。




11:35 広沢山頂、 ここから大塚山(920m)までは、緩やかな登りとなり、あたりに目を向ける余裕が出てくる。


1週間前の下見に来た時に満開のミツバツツジの花が散り、やや華やかさが欠けていた。


鹿に食べられたリョウブの樹皮が目につく一方で、シカの嫌いなアセビの幼樹が元気に映る。



  

12:05 大塚山山頂 暖かな日差し中で汗ばんだ体を温めながらの昼食、休憩中に地図の読み方に話しが移り、


コンパスを使った方法を参加者の方からレクチャーを受けた。下山は、御岳山への裏登山道となる丹三郎コースをくだり、


ほどなく前回山行の境界尾根の分岐地点を通過する。


チゴユリ・ウラシマソウ・フタリシズカ・ミミガタテンナンショ・ホウノキの幼樹などを見つけながら下山。



14:35 予定通り長福寺に到着、ほっとした気持ちからか近くに大きなキリノキの青紫の花が印象的に映った。参加者全員が


青梅市在住の方で周辺の歴史や地形にも詳しく、健脚ぞろいで話も弾み楽しい山行になりました。

 


                                       スタッフ:小太刀健、早川一二(報告)