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(令和元年 第1回 岡山解析セミナー)

日時:2019年6月28日(金)、14:30〜16:40

場所:岡山大学津島キャンパス理学部2号館 解析講究室C-404 (4階)

講演者:永原 健大郎 氏 (東京工業大学)、西 慧 氏(京都産業大学)


プログラム

14:30 - 15:30 永原 健大郎 氏(東京工業大学)

「空間非一様性を持つFisher-KPP方程式における総個体数の最大化について」

〜アブストラクト〜

空間非一様性を持つFisher-KPP方程式は,拡散を伴う生物個体群の個体密度分布を表す数理モデルとして知られている.本講演では,このモデル方程式の正値定常解を用いて表される総個体数の最大化問題について得られた結果を紹介する.なお,本講演は東京工業大学の柳田英二氏との共同研究に基づく.


15:40 - 16:40 西 慧 氏(京都産業大学)

「双安定な反応拡散方程式におけるパルスダイナミクス」

〜アブストラクト〜

パルス解やスポット解のように、空間的に局在化したパターンは多くの散逸系でみられる普遍的な構造であり、パラメータの値を変えることで一定速度で進行したり、脈動したりといった自発的な運動をみせる。本講演では特に双安定な反応拡散方程式に現れるパルス解について考える。このようなパルス解は相互作用する2つのフロント解から構成され、単安定な系とは質的に異なる様々なダイナミクスが見られる。これらのダイナミクスを解析するため、元の偏微分方程式から、パルス界面の運動を記述する4次元常微分方程式への縮約を行った。本講演では主に縮約方程式の導出および解析結果について述べ、元の偏微分方程式でみられるパルス解の分岐構造を明らかにする。とりわけ系のパラメータが空間非一様性をもつ状況においてパルスがみせる様々な振る舞いについて、そのメカニズムを分岐理論の観点から考察したい。