労働衛生史研究会とは
労働衛生史の調査研究の促進を図り、労働衛生の理解を深めることにより労働者等の健康の確保に資することを目的とした研究会です。日本産業衛生学会の研究会です。
第78回労働衛生史研究会を開催いたします。
多数の方のご参加をお待ちしております。
日 時:2026年5月28日(木)13:40~14:30
場 所:第99回日本産業衛生学会 自由集会会場2(大阪国際会議場 8F 801+802)
主催者:公益社団法人日本産業衛生学会・労働衛生史研究会
開催概要
座 長:圓藤 吟史(中央労働災害防止協会)
特別講演「女工と結核-石原 修の偉業」 柴田 英治(四日市看護医療大学)
明治維新後のわが国は一貫して続いていた富国強兵、殖産興業の目標に向け、活発な生産活動が行われていた。当時の産業の中でも繊維産業が占める位置は高く、安価な労働力を使って昼夜を分かたず生産が行われた。主要な労働力となったのは農村部の若年女性で、寄宿舎に住まわせながらの二交代制勤務は過酷を極めた。石原修は大学助手として内務省が行う労働関連調査に加わり、紡績工場等で働く労働者の実態を知ることになった。調査ではこれら女性労働者を中心に工場及び寄宿舎で結核感染が拡大、感染した者を郷里に帰したことで、農村部で新たな感染が発生する構造が明らかになった。石原は調査結果を1913(大正2)年10月に国家医学会例会で発表、この講演録は国家医学会から小冊子として発刊され、貴衆両院議員に贈呈された。このことが提案以来30余年後の工場法施行を後押ししたとされる。今日の産業衛生に果たした石原修の業績を振り返ることは単に働く人々の健康にとどまらず、医学史、公衆衛生史、産業史、女性史等多方面からも語り継がれるべきものである。