水利コンクリート構造物のひび割れに関する研究

 農業用水を取水,貯水,分水,送水するための水利コンクリート構造物には,供用中に様々な変状が生じ,その多くはひび割れという形態で表面的に確認することができます。ひび割れを正確に診断することができれば,的確な補修・補強対策を行うことができるだけでなく,同様な構造形式・環境条件で建造される他の構造物に変状が起こらないための参考資料にもすることができます。そのためには,ひび割れが発生するメカニズムを把握しておかなければなりません。

 本研究では,水利コンクリート構造物に特徴的なひび割れの発生メカニズムを実験的,解析的に明らかにするとともに,ひび割れの発生予測および診断方法についての研究を行っています。研究対象にしている水利コンクリート構造物は,RC開水路,水路トンネル,擁壁式ファームポンド,PCタンク,重力式コンクリートダム,RCボックスカルバートであります。

Key Words:水利コンクリート構造物,ひび割れ,有限要素法