ゲーム解説

【身近で遠い難民・移民問題】

  • 朝ごはんを食べながらYouTubeを見ている時、ふと夕食後にテレビを見ている時、もしくは電車の中のモニターで。難民・移民問題に関する情報を目にする機会は少なくありません。

  • 何となく知っているけど、でも日本人である自分に関わる事でもないので特段気にもしない。たか子も、この様な感覚でこの問題を捉えていました。


【白黒つけられない現状】

  • それがある日、面接に訪れた外国人女性の生い立ちを知る事で、この社会問題がグッと身近になります。

  • 家庭内暴力(DV)から逃れるために、異国である日本を目指したその彼女は、自分を難民として申請します。でも日本政府からは難民と認められず、就労も認められません。

  • 確かに紛争から逃れてきた訳でもなく、難民には思えない。でもたか子の目の前には困窮する彼女が確かに存在するのです。


【法を犯したら悪なのか】

  • 帰れない。帰ったら今度こそ殺される。彼女はそう訴えます。

  • でも、誰も助けてはくれません。たか子も不法に彼女を採用する訳には行きません。

  • 犯罪を犯したい訳ではないけれど、生きるためには働くしかない。そうして不法労働をした彼女は、再度収容施設に収容されるのです。


【日常に戻る私たち】

  • 彼女との出会いは、たか子にとって確かに大きな衝撃でした。でも日常は続きます。

  • あなたがたか子なら、この社会問題をもっと詳しく調べますか?それともいつもの様に、とりあえずランチを食べに行きますか?

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私たちICT4D Labは、国際開発や国際協力と言われる分野で活動するメンバーが多く所属しています。そんな私たちの関心はもっぱら「外国」のこと。ヨーロッパがシリア難民をどれだけ受け入れたか、周辺国からの難民を多く受け入れたウガンダでどのような社会問題が起きているか。このようなテーマに日々向き合っています。

では、私たち日本はどうなのか。外国の難民政策には明るいけれど、私たちは自国の事は知ってるのか?そんな疑問から生まれたのが、プロジェクトおあいこでした。

約半年に及ぶリサーチで分かってきたこと。それは白黒つけられない現状と、対応するセーフティネットのない未開拓の荒野のような状況でした。政治家、支援団体、社会起業家など、各々が自分の持ち場で出来る事を精一杯体現しているけれど、大きなうねりとなって状況を打開する様な、そういう機運の醸成はまだまだ道半ば。

であれば、その白黒つけられない現状をそのまま可視化して、より多くの人にこの問題をもっとに身近に感じてもらえないか。その様な思いからインタラクティブシネマという形で、今回映像化してみました。

私たちも何をすべきか、正直何も答えは持っていません。

ただこの活動を通して知った私たちの国のことを、少しでも皆さんとシェアできたら、そしていつか大きなうねりとなり社会がさらに良い方向に動き出したら、そんな事を願っています。