<多様性を積極的に受けとめる>
現代社会では、世界は多様であり、教会も多様で多彩です。多様性の中で一致することを聖公会は大切にしてきました。宣教協働・新教区設立はそのための働きです。東北教区と北海道教区はそれぞれの強みを活かすだけではなく、両教区が「弱さ」を持っているからこそ一致する意味があります。両教区の「違い」を積極的に受けとめることによって、多様性の幅が広がり、私たちの宣教の幅が広がる可能性を秘めています。
<右肩下がりの地域で福音を宣べる>
東北教区と北海道教区はその広大な地域の中に、過疎化、経済的困窮、若者流出などで右肩下がりにある地域を含んでいます。このような一見、貧しく、あるいは弱くされているように見える地域の中で、ともに喜びや希望を育んでいきます。そのような地域にある教会の存在、教会の使命を確認し、ともに進んでいきます。日本のガリラヤとも言える北国、そこで待っておられる主イエスを私たちはともに見出すことができます。
<宣教的視点の転換>
私たちが目指しているのは、弱さを持った教区同士が一つになって、単に強くなることではなく、それによって宣教的視点の見直しがなされ、喜びや希望を育むことです。使徒パウロは、コリントの信徒への手紙Ⅱの中で「今こそ、恵みの時、今こそ、救いの日」と宣言し、「私たちは人を欺いているようでいて、真実であり、人に知られていないようでいて、よく知られ、死にかけているようでいて、こうして生きており、懲らしめを受けているようでいて、殺されず、悲しんでいるようでいて、常に喜び、貧しいようでいて、多くの人を富ませ、何も持たないようでいて、すべてのものを所有しています。」(6:8b-10)と福音の本質について語っています。私たち二つの教区はこのような福音理解と実践へと招かれています。
2022年両教区会での決議を経て、2023年からチーム北国が設置され、広範な議論を行ってきました。本教区会での報告にもある通り現在まで4つのセクションの議論を踏まえて、新しい宣教協働の実践がなされてきました。
宣教協働と新教区設立のために、私たちはともに祈り、知恵を出しています。二つの教区が一つになることは簡単なことではありません。規則も文化も組織も財政も違います。宣教協働・新教区設立のために組織セクション、財政セクションを設け、どのようにこの課題を乗り越えてゆくか検討しています。
二つの教区が一つになるためには、協働で宣教の業を実践することで、様々な場面で人と人とが出会い、交わり、語り合うことが必要です。宣教協働セクションを設けることで、両教区のあらゆる宣教活動を協働して実施しています。
また、広報セクションを設け、どのように宣教協働・新教区設立がなされているか、両教区内外へ周知できるようにしています。
東北教区と北海道教区は3年後の両教区会での議決を経て、日本聖公会総会の承認を受け、新教区設立を目指します。そのために、あらゆる分野で宣教協働を実践し、両教区の教区会での決議を重ね、ヴィジョンを一致させる努力を続けます。
新教区名の決定、主教座聖堂の選定、教区事務所機能の検討などについて具体的に2025年に協議を開始し、2026年には新教区のイメージを両教区教役者・信徒と共有します。