Work

花束 / Bouquets

2024/8mm→デジタル4min/Stereo
務めていた大学を退職するにあたり、2年生から花束と8ミリフィルムをもらった。その8ミリフィルムを使って、映像の花束をつくって返すことにした。花束をもらった2024年1月20日から、8ミリフィルム50フィートを撮り切った3月8日までの日記映画。
わたしたちの身体感覚とアニメーションー日芸野村ゼミ上映会、東京映像旅団上映会2024

工事現場のスクリーン / Screens at Sites Under Construction

2023/8mm→デジタル/12min/Silent
前作『☀︎★✈←→』の中から、工事にまつわるコマを抜き出して繋いだ作品。フィルムをスキャンした後、パソコンの中でパーフォレーションを付け直して作ったコマに、近づいたり離れたり速度を変えたりして、フィルムをビュワーで見る感覚を再現した。工事現場のスクリーンに通りすがりの人の影が投影されて映画上映が再現されてしまう状況と、デジタルでフィルムを再現する過程を重ね合わせた
東京映像旅団2023上映会

☀︎★✈︎←→

2023/8mm (デジタル版あり)/11min/Silent
朝と夜、玄関から見える空を1コマずつ撮影した。羽田新ルートを通る旅客機がその空を横切る。流しの上に飾った花に近寄ったり離れたり。ベランダから見えた集合住宅は取り壊され老人ホームになり、毎日玄関から見ていた立体駐車場は住宅展示場になった。2018年7月から23年7月までに8mmフィルムで撮影した日記。
記憶×モジュール ~日記映画とモジュラー・シンセサイザーの夕べ~、VIDEO PARTY 10、第回横浜日記映画祭、19th Athens Animfest 2024ÍCARO 27

ガタゴトフィルム / Clickety-Clack Film

2023/8mm (デジタル版あり)/11min/Stereo (PC出力)
8ミリフィルムのコマ撮りで制作した最初の作品。コマとコマの間に、撮影時に予想できるような運動が生まれないことを意識しながら撮影した。2010年〜2011年にかけて制作した『ガタゴトフィルム』と、2011年〜2012年にかけて制作した『ガタゴトフィルム2011』を繋げ、再編集した2023年版。
記憶×モジュール ~日記映画とモジュラー・シンセサイザーの夕べ~

☀︎★✈︎←→

2022/8mm→デジタル/10min/Stereo
2018年7月から22年8月までに8mmフィルムで撮影した日記。朝と夜、玄関から見える空を1コマずつ撮影していたら、羽田新ルートを通る旅客機がその空を横切るようになった。毎年訪れる卒業式で学生からもらった花を流しの上に飾り、近寄ったり離れたりしながら毎日撮影した。玄関と反対側のベランダから見える集合住宅は取り壊され、老人ホームになった。
東京映像応援団〜恋する上映会〜

指のまばたき / Blinkity Fingers

2021/デジタル/8min/Stereo
音楽を奏でるときに楽器に直接触れている指は、その音楽を聴く人の目には触れない。アニメーションにおいても、画面に映し出される絵を描いた手の存在は見る人からは隠されている。音楽と映像において見えない存在である指と手を可視化している。現代音楽の作曲家小林純生のピアノ曲『フーガ 〜モーリス・ラヴェルを頌して』を映像化した作品。
17th Athens Animfest、Festival El Ojo Iluso 2022、the 7th Annual Florida Animation Festival (Best in Show Honorable Mention、Sub-category Honorable Mention)、Viborg Animation Festival、東京映像応援団〜恋する上映会〜

カメラロール潜行 / Diving into Camera Roll

2019/デジタル/12min/Stereo
2018年8月から12月までにiPhoneのカメラロールに記録した映像を素材に制作した。雑然とした映像のなかに分け入るため、自分が撮った映像とそれ以外を分け、それ以外をマスクにして自分の映像に穴を空けた。一度パブリックな場所に置かれた他人の映像を使って、プライベートな5ヶ月のなかに潜っていく。
パーティーズ ―東京映像旅団 第12回上映会、Experimental Film Guanajuato2019、ULTRAcinema2019、東京映像旅団 第2回京都上映会

あなたの人生の到着 / Arrival of Your Life

2018/8mm→デジタル/7min/Silent
2017年6月29日12時25分にiPhoneで撮影した動画を、2016年1月から2017年8月までに撮影した8ミリフィルムで再構築することで、ある一瞬に様々な時間が同時に訪れることを表現した。デジタル化した8ミリフィルムを重ねてPhotoshopで削り取った、デジタル・シネカリグラフィ作品。
東京映像旅団第11回上映会、イメージフォーラム・フェスティバル2018京都、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展、15th Athens Animfest

世界からコマが消えたなら / If Frames Disappeared from the World

2017/8mm→デジタル/4min/Silent
映像制作環境がデジタル化して、映画における物理的なコマは消えた。デジタルデータ化した8ミリフィルムのコマをAfter Effects上で縦に並べ、ヴァーチャルなフィルムの帯を作ることで、反語的にコマのなくなった映像制作環境を意識化する試み。2015年12月6日から2016年8月9日までに撮影したフィルムから、任意のコマを選んで配列した。
東京映像旅団第10回上映会、MEC Award 2017、13th Athens ANIMFEST、Istanbul International Experimental Film Festival、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

アスファルトの赤いしみをたどるアニメーション / Animation Tracing Red Blots on Asphalt

2016/デジタルフォトフレーム/左から、3min 4sec(sound)、12sec(silent)、6min 35sec(sound)
工事現場か何処かへ向かうトラックの荷台で転がったペンキ缶からこぼれたであろう、赤いペンキのシミがアスファルトの地面に点々と続いていた。私はそのシミを辿りながら、シミが始まるポイントまで、地面を8ミリフィルムでコマ撮りして辿って行った。中央に映し出されるのは、そのコマ撮り映像を1秒間15コマで再生した映像。右の画面は、そのフィルムをリワインダーで手繰りながら1コマずつ接写したもの。左の画面は、8ミリフィルムで撮影したのと同じ地面を、後日ビデオカメラを持って辿りながら撮影したもの。デジタルとアナログの制作を行き来しながら、フィルムを手繰る、道を辿るという身体の運動を媒介に、アニメーションの原理そのものを見ることを試みている。
助手展2015、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

快速急行ガタゴトフィルム / Clickety-Clack Film ‘High-Speed Express’

2016/8mm→デジタル/21min/Stereo
様々なコマ数で撮影された日常風景と、乗り物から撮影された映像。それぞれの運動を持った二つの映像を1コマ単位で編集することで、新たな運動を生成した。コマとコマの間にある、時間と距離の隔たりが生む運動を、アニメーションと呼んでみる試み。2012年から2015年までに撮影した映像を、2015年にタイ旅行したときの列車の映像で挟んだ。
東京映像旅団第9回上映会、11th ATHENS ANIMFEST、Lisbon International Film Festival 2016 Summer edition、イメージフォーラム・フェスティバル2016、Venice Film Week 2016、Wathann Film Festival #6、Antimatter[Media Art] 2016、Broadway International Film Festival 2016、Martinique Film Festival 2016 Fall edition、The 2016 Great Lakes Shorts Film Festival、東京映像旅団 第1回京都上映会、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

2015年5月30日の52秒間

2015/デジタル/52sec/silent
原稿用紙は、日本人が言葉の量を測るためのものさしである。原稿用紙の枚数によって、小説を本にしたときの厚さ、シナリオを映画化したときの上映時間が割り出せる。学校では、原稿用紙をゆっくり読み上げればだいたい1分間だと教わる。縦20×横20のマス目は、物理的なものの形や長さに置き換えられるだけではなく、時間も表現しているのである。この点で、日本人の映像作家は、原稿用紙をフィルムのメタファーとして使用してきた。映画をフィルムで撮影しなくなった今、物質的にコマの単位を感じるために、原稿用紙のマス目は有効ではないだろうか。
平成27年度多摩美術大学共同研究「映像表現の源流を検証する」「52秒映画」公募作品発表

写真撮影の様子を写した

2015/8mm→デジタル/2min/Silent
写真スタジオで入れ替わり立ち替わり、プロフィール写真を撮るために集まる人をスケッチ風に撮影した作品。完成したプロフィール写真の隣に、デジタル・フォトフレームでループ再生して展示した。2014年11月12日・18日に撮影。
助手展2014、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

日記自転車

2014/デジタル/11min/Stereo
「見えない作者の手」によって、ひとりでに書かれていく日記。描かれるのは、鍵を失くして自転車に乗れなかった日々。アニメーションの原理を、作者の手の不在と捉え、日記をアニメーション化する。自転車の思い出が、原稿用紙の上に文字を走らせる。
東京映像旅団第8回上映会、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

極私的アニメーション入門

2014/デジタル/14min/Stereo
コマ撮りした8ミリフィルムの1コマを、液晶モニターに表示する。液晶モニターは机の上に寝かせて置き、透明なアクリル板を画面の上に置いて特製のトレース台にしてある。アクリル板の上に動画用紙を置き、液晶画面に映し出されたフィルムの1コマ1コマを鉛筆でトレースしていく。その様子を真上からコマ撮り撮影しておき、トレース台状の液晶モニターに動画を表示する。その映像が映し出される画面の上で、数日間の日記を書き写して行く。最後に、トレースによって得た動画を、描画によるアニメーションとして映し出す。「日記映画」における時間の圧縮と、アニメーションとの共通性を探る試み。 
日本映像学会第40回大会

鉄塔のことを思い出した 2011/5/30-2014/3/19

2014/デジタル/42min/Stereo
ゴルフ練習場のネットを固定するために建てられた鉄塔にまつわる記憶を辿るために用意された、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラ、スマートフォン、ステレオ写真機、8ミリフィルム。それらの映像を見ながら、約3年間に渡る日記が捏造されていく。日記を書くために使った机を展示空間に置き、その上に平置きした液晶モニターでループ再生する展示作品。
助手展2013、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

16日間

2013/デジタル/33min/Stereo
2013年10月1日から16日間、日記を書く様子を撮影するというルールを設定して制作した「日記(を書く)映画」。その日あったことを思い出すためにコンパクトデジタルカメラやスマートフォンで撮影した映像を見ながら日記を書くも、毎日書く習慣は身につかず、途中で原稿用紙が足りなくなって自作しはじめる。机の上で、日記を書く時間だけの映画。
東京映像旅団第7回上映会

Night of "Tick tick tick!"

2013/デジタル/2min/Stereo
前作に引き続き、コンパクトデジタルカメラのタイムラプス機能を使用して制作。キッチンタイマーにカメラを固定して、壮大な星空ではなく日常的な身の回りを撮影した。2013年9月20日から25日までの夜の記録。
YouTube CASIO JAPAN OFFICIAL CHANNEL、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

"Tick tick tick!" Summer time Diary

2013/デジタル/2min/Stereo
CASIOのコンパクトデジタルカメラEXILIMのタイムラプス機能を使用して制作した。タイムラプス機能に期待される美麗な固定ショットを止め、カメラを持ち歩くことでコマ撮り日記映画の質感を再現した。2013年8月7日から15日までの夏の記録。
YouTube CASIO JAPAN OFFICIAL CHANNEL、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

ガタゴトフィルム交換日記 / Clickety-Clack Film ‘Exchange Diary’

2012/8mm→デジタル/5min/Stereo
2012年1月から5月に撮影したフィルムと、作者の祖父が1959年4月から11月に撮影したフィルムとをコマ単位で往復した作品。8ミリフィルムを1コマずつ、パーフォレーションまで見える形でテレシネした。高速で入れ替わることで、レギュラー8とスーパー8という二種類のフィルムのフォーマットの違いが顕在化する。
東京映像旅団第6回上映会、日本映像学会第39回大会、第45回ハイロ・シネマフェスト、八宝祭ハイロフリースペースin広島、東京映像旅団結成10年レトロスペクティヴ、東京映像旅団 第1回京都上映会、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

ガタゴトフィルム2011 / Clickety-Clack Film 2011

2012/8mm→デジタル/15min/Stereo
『ガタゴトフィルム』に引き続き、8ミリフィルムのコマ撮りで1年間撮影した作品。前作では撮影時に意識的に運動を排除したが、1年間続けるうちに態度は変化していく。毎日歩く道や、繰り返し訪れる場所が時間の経過を伝える。2011年1月21日から、12月10日までの記録。
イメージフォーラム ヤング・パースペクティヴ2012、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展

ガタゴトフィルム / Clickety-Clack Film

2011/8mm→デジタル/6min/Stereo
8ミリフィルムのコマ撮りで制作した最初の作品。コマとコマの間に、撮影時に予想できるような運動が生まれないことを意識しながら撮影した。フィルムをデジタル化する際に1コマを2フレームに伸ばし、音声は映写機の駆動音をスロー再生して列車の走行音を真似た。2010年10月30日から、2011年1月5日までの記録。
イメージフォーラム ヤング・パースペクティヴ2011、ガタゴトフィルムの到着 野村建太映像個展