スピン偏極キャリア再結合による円偏光発光デバイスの開発
電子などのキャリアがキラルな物質中を通過することによって,キャリアのスピンが偏極する効果(Chiral-induced spin selectivity; CISS)を利用し,発光層でスピン偏極キャリアを生成し,その再結合によって円偏光電界発光(CPEL)を発現する円偏光有機発光ダイオードの開発を行っています。
凝集状態で円偏光を発光する材料の開発
円偏光を発光するデバイスである円偏光有機発光ダイオード(CP-OLED)を開発するためには,固体などの凝集状態で円偏光を発光する材料が必要になります。凝集状態でより強く発光する凝集誘起発光材料にキラリティを導入した白金錯体や亜鉛錯体などを新規物質の開発を行っています。
Chem. Commun., 2023, 59, 4004; Dalton Trans. 2024, 53, 8926
磁性と伝導性が相互作用する物質の開発
分子性導体の主要構成分子であるテトラチアフルバレン(TTF)に常磁性金属イオンを直接配位させることにより,磁性と伝導性が相互作用する物質の開発を行っています。開発に成功した物質を用いて,電界効果トランジスタ(FET)などデバイス化も行っています。
Asian. J. Org. Chem., 2024, 14, e00590
超伝導を示す分子性物質(有機超伝導体)の開発
超伝導転移を示す分子性物質を開発するため,多くの分子性導体を与えるテトラチアフルバレン(TTF)骨格のπ電子系を縮小することにより,分子相関を増大させた分子系の開発を行っています。π電子系の縮小に加え,立体障害となる置換基を導入した系で,圧力下で超伝導を示す分子の開発に成功しています。
J. Am. Chem. Soc, 2002, 124, 730; PRB, 2005, 72, 052510