学会国際化特別企画
What's new with Brief Therapy from Palo Alto
講演者:GISELA PI CASAUS (PhD)
講演者プロフィール:
パロアルト・ブリーフセラピー・センター LLCスペイン代表
19年間様々なクリニックで心理士として勤務し,2016年ブリーフセラピーの専門家チームとともに、バルセロナにセラピーセンター「Lo Bueno Si Breve」を設立。カタルーニャ語、スペイン語、英語でクライアントをサポートし、世界中の人々に対応している。
専門はパフォーマンス心理学。ハイパフォーマンス心理学と、その有効性に基づいた治療法への情熱を持ち、心理士、音楽家、スポーツ選手のトレーニングセッションを指導している。
認知神経科学の博士課程在学中には、脳と認知センター、欧州委員会、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのプロジェクトに協力。
2012年からブリーフセラピーとNLPのトレーニングを企業や大きな組織で行っており、現在はシカゴ大学のIES Abroadプログラムで心理学の教授を担当。
講演内容
問題解決ブリーフセラピー(Problem Solving Brief Therapy: PSBT)は、治療プロセスを短縮し、シンプルにしたアプローチであり、プラグマティックで、効果的で、文脈を重視している。PSBTモデルに特徴的な戦略や技法は、問題そのものではなく、問題を維持する偽解決を止めることに焦点を当てることである。
PSBTの原則と技法は、2つの基本的な前提から成り立っている。
第一に、問題の具体的な原因を特定することは不可能であり、そうしようとすると、セラピーが過去や歴史的な枠組みに偏ってしてしまう。したがって、セラピーに参加するのは、問題を維持し強化している、クライエントとその環境を含めた現在の行動がある場合に限られる。
第二に、解決しようとする悪循環が適切に切断されれば、問題の性質や原因、期間にかかわらず、問題は解決する。
本講演では、a)より最近の科学的根拠に基づいた知見が、PSBTの介入の原則をどのように裏付けているのかを探り、b)私たちの介入を構成する重要なステップ、戦略、技法とは何かを報告し、c)パロアルト・ブリーフセラピー・センターLLCのカリン・シュランガー所長と彼女のチームが主導する現在の実践とトレーニングについて説明する。