プロジェクト

Projects

筋緊張の調節機構


姿勢制御の神経メカニズム解明

姿勢制御における高次脳機能の役割の解明を、行動解析・神経回路操作の手法を用いて行っています。動作に伴って重心位置が大きく移動するような運動をするときも、転倒することなく安定してそれを行うことができます。これは、我々が動作開始から動作終了までの環境や身体の変化を予測して(=高次脳機能)、適切な姿勢制御を行っていることを意味します。この仕組みの解明は,学術的な知見としてのみならず,高齢者や神経疾患患者における転倒メカニズムの理解や転倒予防に関する提案につながると考えています。

立位姿勢の制御モデルによる解明

ヒトが立位姿勢を維持するための制御を生理学的知見に基づいてモデル化し、筋骨格モデルによって検証・シミュレートしています。これにより、高齢者やパーキンソン病などの患者における特異的姿勢の解明を行っています。

また、ライトタッチを含む感覚統合の実験およびモデル化も行っています。前庭感覚・視覚・深部体性感覚・表在体性感覚を様々に変化させて、姿勢の変化を観察しています。

嗅覚受容の細胞生理

神経変性疾患に関連する嗅覚障害を呼吸動作から診断する手法を開発するため、嗅覚-呼吸連関の機序解明を目指しています。嗅覚の神経システムを構成する末梢の受容細胞および中枢の嗅球ニューロンの働きを電気生理学的に解析し、活動電位やシナプス伝達によって匂いやフェロモンなどの嗅覚情報がどのように処理されているかについての知見を蓄積中です。現在は特に、嗅覚が呼吸調節に果たす役割について注目しています。