日本多施設共同コーホート研究 (Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort Study, J-MICC Study)岡崎研究

J-MICC STUDYは,10万人以上の人々の健康状況を20年にわたって追跡し,どのような人がどのような環境の下でどのような病気になりやすいかを調べるものです.生活習慣,遺伝子型,血液成分の組み合わせと病気の関係を調べることで、がんやその他の生活習慣病の原因を検討します.そして,体質を考慮したがんを含む生活習慣病の予防対策に必要な基礎資料を提供することを目的としています.

J-MICC Studyは,全国の複数の研究チームからなります.当教室もそうした研究チームの1つであり,われわれの行う研究名を岡崎研究と呼びます.岡崎研究では,約7500名の方にご参加いただいており,現在,追跡調査を行っております.岡崎研究では現在,約1000人のゲノム情報が利用可能であり,今後もゲノム情報の読み取りサンプル数を増やしていく予定です.

心理社会的形質に関するゲノムコホート研究(Genome Cohort on Psychosocial traits Study, GCOP Study)

抑うつや不安,強迫性,アルコール依存性,パーソナリティなど幅広い心理学的形質と,ソーシャルサポートや社会経済学的地位(Socio-Economic Status, SES)など社会的形質に焦点を当てたゲノムコホート研究です.現在,ベースライン調査中で,これまでに約1.6万人をサンプリングしており,今後も増える見込みです.心理社会的形質 Psychosocial traitsの測定は,いわゆる「ソフト」なものですが,これがQOLはもちろんのこと,寿命にまで大きく影響することが明らかになりつつあり,重要な所見を今後たくさんもたらしてくれます.将来的には,ゲノム情報も測定することで,心理社会的形質を規定する要因を,遺伝要因も考慮にいれ解明することが期待されます.

名古屋研究 (Nagoya Study)

Nagoya Studyは,名古屋市からの依頼を受け,HPVワクチン接種後の有害反応とされる「多様な症状」が本当にHPVワクチン接種が原因であるかを調べた後ろ向き全数調査です.