背景
NCFOJは、共謀罪があらゆる分野の市民活動を脅かすという危機感を持った市民団体が、自由権規約委員会にその廃止を訴えることを目的に集まった分野横断的なネットワークです。
2022年11月3日に発表された、日本政府に対する自由権規約委員会の勧告は、人権抑圧的な多くの立法措置と表現の自由への政府の恣意的な干渉について多くの問題点を指摘し、国際人権基準に基づく改善を求めました。
その中には、国内人権機関の設置も含まれています。
日本社会における人権意識の希薄さは、反差別、難民保護、ジェンダー、貧困、平和、環境、表現・言論の自由などの分野を横断して、あらゆる市民活動に通底する根源的な課題です。
国内人権機関は、国際基準に沿った人権への理解を社会に浸透させていく要となり、日本の市民社会の基盤を支えるいわば「インフラ」にもなります。
こうした背景、課題意識から、現状のNCFOJの枠組みにとらわれず、幅広い市民団体に呼び掛けて、国内人権機関の設置を求めていく活動を展開していきたい、ということになりました。
最初はNCFOJが呼びかけ団体となりますが、いずれは、NCFOJを発展的に解消する、或いは新たなステージに移行する、ということになるかもしれません。
趣旨
今後、幅広く国内人権機関の設置を呼び掛けていくうえでも、まずは、呼びかけ団体となる私たち自身が、国内人権機関について理解する必要があります。
今後の活動に向けた準備、可能性を探る、という趣旨で、NCFOJ加盟団体・加盟団体の会員を対象に、内輪のオンライン学習会を開催します。
オンライン学習会での議論を踏まえて、今後、日弁連との連携も視野に、一般向けのセミナーまたはシンポジウムも、企画していきたいと思います。
参考資料
参加者からのチャット共有資料
三重県「人権が尊重される見えをつくる条例」 001122408.pdf
三重県条例の適用事例 三重県 差別をやめるよう促す「説示」 条例を初適用|NHK 東海のニュース
2025年藤田さん講演予定
誰でも使える国際人権法
~福島原発事故の被災者の取り組みから学ぶ~
国際的な人権基準に鑑みて、日本はいわば「人権後進国」です。
こうした現状を改善しようと市民が声を上げ続けても、抜本的な変革に至っていません。
腰の重い政府を動かす新たな打開策はないのでしょうか?
日本の表現の自由の実態に危機感を抱く市民団体23団体は、表現の自由と開かれた情報のためのNGO連合(NCFOJ)を結成し、2020年9月30日、国連自由権規約委員会による第7回日本審査に向けて共同報告書を提出しました。
NCFOJは、日本の表現の自由の抑圧、共謀罪、秘密保護法について国際世論を喚起し、国連勧告を梃に日本の現状を変えていきたい、と考えています。
共同報告書提出を記念した第2回連続セミナーは、具体的にどのように国連人権制度を活用して日本の現状を改善していけるか、福島原発事故を事例に取り上げて議論しました。
日本社会の抱える数々の課題解決にどのように国際人権法を使っていけるか、福島の事例から学ぶことは多々あります。
ソノダさん:
東電福島第一原発事故で子どもと共に避難を余儀なくされた当事者の立場から、2017年10月、国連人権理事会の普遍的定期審査の事前セッションにて、福島の女性と子どもの人権侵害の現状について訴えられました。その後も英国を拠点に国連人権機関に対する活動を続けていらっしゃいます。
藤田早苗さん:
英国エセックス大学人権センターフェロー。国連人権機関、特別報告者に、福島を含め日本の人権問題の現状を伝え、その調査に協力されています。また、国内でも、市民団体や人権問題の当事者と連携して、人権意識の浸透、課題提起を行ってこられました。2020年5月からは英国のエセックス州で計画されているブラッドウェル原発建設計画への反対運動にも国際人権法を用いて取り組み、国連特別報告者への通報などを行ってきました。
Youtubeリンクよりご視聴いただけます。
[1] ご本人のプライバシーに鑑み、苗字のみカタカナ表記。
表現の自由に対する政府の恣意的で不当な制限や介入。政権に不都合な事実や意見の排除。市民社会や報道機関に広がる忖度・萎縮効果。
日本の表現の自由の実態に危機感を抱く市民団体23団体は、表現の自由と開かれた情報のためのNGO連合(NCFOJ)を結成し、2020年9月30日、国連自由権規約委員会による第7回日本審査に向けて共同報告書を提出しました。
国連自由権規約19条は、「あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け、伝える自由」を保障しています。国による表現の自由の制限は、非常に厳格に限定されており、ごく例外的にしか許されません。国際的な人権基準に鑑みて、日本の表現の自由の現状はどのような課題をはらむものでしょうか?
日本の表現の自由の現状、そして秘密保護法や共謀罪に大きな危惧を抱く市民の皆さまに、私たちNCFOJ共同報告書についてご理解いただきたく、オンラインセミナーを実施しました。
藤田早苗さん:
英国エセックス大学人権センターフェロー。2013年臨時国会に出された特定秘密保護法案をいち早く英訳し、国連人権機関に危険性を訴えられました。国連自由権規約委員会にNCFOJとして共同報告書を出す意味(「勧告」を求める意味)をお話しいただきます。
望月衣塑子さん:
東京新聞記者。当時官房長官だった菅首相と対峙した体験から、日本の表現の自由、報道のあり方についてお話しいただきます。
Youtube配信リンクより録画をご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=k-Fi1KHA02M&feature=youtu.be