よくある質問(FAQ)
中村ゼミで学ぶ、社会科学的思考法とは?
これは経験則がないと納得できないものなので、当方としても説明が非常に難しいものですが、概念装置とパラダイムを理解することが重要ですね(以下)。
①概念装置・・・これは、内田義彦『読書と社会科学』を読んで身につけます。
②パラダイム・・・ここが授業で習わないので難しい。①分析単位の設定、②人間行動についての仮定、③概念を整理し命題を導くこと)を使いこなす。これが非常に難しい。まず、パラダイムを使いこなしてきた人に出会う必要がある。次に、パラダイムを使いこなすことが自分の人生でどのように役立つかを内省できないといけない。中村ゼミではその内省にも時間を使う。これはアリソン『決定の本質』を読んで身につけます。
スポーツマネジメントの知識・経験は学べるの?
学べます。なおこれは、マネジメント=経営に関する知識と、スポーツに関することとの2層から成り立ってます。
①経営学の基礎知識(とくに経営戦略論、マーケティング)
②スポーツとビジネスとの間でバランスをとるためのバランス理論
※以上を深めるために、読書リストを用意しています。在学時はもちろんですが、卒業後もそれらに触れることで、中村ゼミで身につけた社会科学的思考方法を磨いていくことが可能となります。
ゼミ選考はどんな感じなの?:選考期間前の準備
事前に教員にアポを取って会いましょう。ゼミ選考は教員と学生の「出会い」の場です。教員が学生を選ぶだけの場ではありません。学生も先生を選ばなくてはいけません。よく知らない教員に「面接を落とされ」るのはおかしいと思いませんか。ゼミとはそういう出会いの場なんだと、よく面接に落ちる学生は、ようやく第三次面接くらいで気づきます。それでは遅すぎる。もっと早めに対策しましょう。
レポートをよく準備しましょう。例年、わたしの研究内容を見ないままに応募してくる方がいます。ゼミをすすめる上では少なくとも、教員から何かを学びたい、知識を得たいなどのモチベーションが必要です。ゼミでの学習は、研究者としての中村の特性や研究スタイル(分析手法や視点など)を理解いただき、それに共感※いただかないと、進みません。その共感があってここで学びたいという気持ちが沸いた方のみ、応募してください。通常、学びたい意欲のある学生さんは実際に面談を申し込んでくれます。
※共感とは何か、よく考えてきてください。私にしかできないものは何か、それを考えて共感頂くことが重要と思いませんか?よく、マーケティングを学びたいなど私以外の教員でもできることを書いてくれます。しかしそれだと、わたしのゼミに来て学ぶモチベーションはあがりません。私しかかけない論文があるから、私は論文を書いています。わたしから学べることは何なのでしょうか?何度も言いますが、ゼミとは教員と学生との出会いの場です。この先生から学びたいものがあるから、そのゼミに行くのが通常です。わたしも、みなさんの特性を見極め、その方にしかできない学びの体験を探しています。そういうことを考えると、共感には「深い」レベルの共感と「浅い」ものがあることに気づきます。 深い共感をしてくれたらゼミの面接に通りやすくなるのは必然でしょう。
選考期間中:スーツは着る必要ある?等
面接日程はゼミ選考説明欄の通りに実施します。場所はCELSのゼミ選考についての案内をご覧ください(ホームページで研究室の場所を公開するのは気が引けます)。
スーツを着てくる必要はありません。
成績表とレポートを持参してください(A4、1枚程度)。レポートには、(1)中村の研究※を読んでどのようなところに共感できたか、(2)スポーツについてゼミで勉強したいと考えるようになった背景、(3)ゼミで勉強したいこと・身につけたい力、例年、中村ゼミが面白そうと聞いたから、自分がスポーツに親しんできたから、という説明をしてくれる方が多いですが、これらはナンセンスな回答です。
※面接の際に必読の文献
・中村英仁「企業スポーツの脱制度化:休廃部に与える経済的および社会的要因の影響の分析」 スポーツマネジメント研究 11巻1号21-35頁 2019年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsm/11/1/11_2019-004/_article/-char/ja/
・中村英仁&藤山敬史「親企業がJクラブの戦略性に与える影響と対応」スポーツマネジメント研究 2022年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsm/15/1/15_2022-004/_article/-char/ja
ゼミを通じて身につけること
①苦しい勉強を楽しめるようになったり、持続的に続けるために必要なモチベーション。ゼミでは最初、なぜ自分は勉強するのか、何を目指して勉強しているのかを話し合います。必要に応じて、私の履歴書に、自分の理想となる人物はどのような能力を持っている人なのか、を探しにいきます。こちらからも映像資料を提供し、どんな勉強をするのかのモチベーションを固めにいきます。
②社会科学的思考法。必読文献のところで、社会科学という項目を作っています。社会科学の総合大学にいるわけですから、社会科学的な思考法とは何か、について中村ゼミを通じて学んでほしいわけです。社会科学的思考法をスポーツに応用する、というところまでを卒業するまでに身につけてもらいます。
③社会科学的思考法を実務に応用するコツ。社会科学的思考法って、「ゴルフボールの打ち方」「泳ぎ方」みたいに、暗黙的で経験的な知識です。だから、やってみないと使えるようになりません。それは、授業レベルの生ぬるい感じではなく、実務の非常に緊迫した時間のなかで、成功と失敗を繰り返し、試行錯誤するなかで身に付きます。習慣化のために、社会科学的思考法のための「日記」を書くトレーニングもします。
入ゼミ後の過ごし方はどんなの?(主に3年の紹介。4年は卒論に集中)
4月~5月 スポーツビジネス論と中村ゼミ必読文献の輪読を通じて、中村ゼミで学ぶための共通基盤づくりをします。その共通基盤とは、①勉強をするモチベーションは何か、何を目指して勉強するのかを明確にすること、②社会科学的思考法のことです。社会科学的思考法とは何かということについては詳しくは授業中に説明しますが、必読文献リストの『読書と社会科学』をまず読みます。
6月~7月 社会科学的思考法と実務の繋がりについて学ぶため、中村ゼミでは毎年、スポーツ組織とのプロジェクトを実施しています。社会科学的思考法と実務の繋がり?それは、社会科学的思考法が「こういう意味で実務に役立つよ」といういくつかのパターンです。一つではありません。そのパターンを理解する必要があります。その必要性は理論的にも理解しなければなりませんし、経験的にも理解しなければなりません。それを座学でやるのか、プロジェクトでやるのか。このゼミではプロジェクトで学びます。このため、コラボしていただける先をこの期間に探します。また学内で完結するような小さなプロジェクトを実施し、プロジェクトのための試運転をします。①で明確にした目指す姿にたどりつくには、実践するしかありません。この期間、教員は、プロジェクトの作業についてガイドはしますが「指示」はしません。そのせいで、プロジェクトは失敗するかもしれません。それでも、教員としてはかまわないと思っています。学生自身の覚悟でプロジェクトを成功させるのか、失敗させるのか、体験してもらいたいのです。そうじゃないと社会科学的思考法は身に付きません。なぜなら社会科学的思考法は、体得するのが難しいことだからです。自分でその力をなんとかして身につけたい、という気持ちがないと身につかないものです。わたしが「指示」して身につくものではないのです。そのことを理解してプロジェクトに臨んでください。この時点で、社会科学的思考法を実証研究レベルに落とし込むためのプロセス全体像を学ぶために、『経営学研究法』と『社会科学のためのモデル入門』を読みます(必要であればアリソンの『決定の本質』も読む)。
8月 普通であれば授業期間ではありません。しかしプロジェクトの実施が10月や11月であることが多く、となると夏休みにどうしても稼働しなければならないことが多いです。夏休みにゼミをした分は、冬学期のどこかで休講するなど、出席義務との帳尻はあわせます。
9月~11月 プロジェクト実施に向け、毎週、準備に忙しいです。グループを作ってリーダーになってくれた人は、時にはプライベートをゼミのために費やすことがでてきます。この時期は、4月から目標としてきた社会科学的思考法を実践で使えるか挑戦する期間です。これまでに体験していない学習の機会となります。自分のちからだけで社会科学的思考法について習得するのは難しく、この時期に頑張れるか、がとても重要になります。あと、プロジェクトを始めるにあたって、そのプロジェクトを通じて自分がどのような成果を残したいか、ということを明確にしている必要があります。途中、先生にやれといわれた作業をやる、だけに終わってしまう傾向にあります。少なくとも、社会科学的思考法的が実務に有効である、ということを体験してもらえる、というのを目標にする必要があります。ただ、実務に有効にするために、概念装置を使うだけでなく、科学的にデータと理論をすり合わせていく、という、「粘り強さ」の要素も必要になってきます。そこを忘れてしまい、視点の切り替えだけでおわってしまい、データと理論のすり合わせするところまで追いつかない、ということになる傾向が多いです。
12月 プロジェクトの最終段階を迎えす。実務家に対して提案し、フィードバックを頂きます。うまくいくことも、いかないこともあります。経験して自分で試行錯誤することが大事なのです。しかしその試行錯誤から確実に①~③とはどういうことなのか、が身に付きます。ただし「完全に身につく」とか「うまくなる」は期待してはいけませんよ。後者は、生涯にわたって時間をかけて完成させていくものです。ただ少なくとも、①~③がどういうことなのかが説明でき、具体的にどのような行動なのか、がイメージできるようになります。
プロジェクトレポート執筆段階で、大切にしてほしいのは社会科学的思考を表現することです。過去に、提案をしたときに、プロジェクトの結果だけを報告したところ、先方より「クオリティが低い」というコメントを頂くのみに終わったことがありました。学生がすることなので、クオリティは仕方ないです。このレポートでは、その欠点を補うような大学生らしい、長所を出さなくてはいけません。その一つとして、社会科学的な思考を先方に明示するということは、とても重要な戦術です。大上段に構えすぎとも言われかねないですが、大学で科学を学ぶとは思い切っていえば「大上段の構え」にチャレンジすることでもあります。大上段だけど高圧的でなく説得力のあるものに仕上げるテクニックを身につけることは、それはそれで重要なことなのです。
なお、活動にすべて「ついてこれる」学生は毎年、3~4人です。ついてくることに関しては、頭脳のレベルは関係ありません。習慣化の問題だからです。細かいサポートは当然、教員から提供されますので、覚悟を決めることと習慣化さえできれば心配は不要です。その方々は1年を通じてものすごく成長します。そうでない方は、ほとんど成長しません。3年生で体得した社会科学的思考法を実践するのが卒論です。ついてこれなかった方々は卒論でとても苦労します。3年生の活動にすべてついてきた方は、とても有意義な4年生になります。そうでない方は、4年生でとても厳しい状況になっています。教えてないことについては丁寧に指導します。また学びたいけれどもなかなか進歩できない人にも何度でも丁寧に教えます。しかし、それまで何の努力もしないで、卒論執筆間際になって、「自分の勉強不足です、すみません、もう一度教えてください」と言われても、絶対にそういった要望には応えません。そこの姿勢ははっきりしています。
4年生になったら
4年生では卒論に集中します。卒論は、自分がワクワクすること、面白いと思えること、本当に解きたいと思う問題、について取組みます。知識的なこと、形式的なことは多少は大事にしますが、それは大事ではありません。知識や手続きは、あくまで手段です。目的は、面白い研究をすることです。そういう体験ができるように手助けするのが教員です。なお、別の言い方をすると、このような面白い研究をしたいと思わない人は、中村ゼミで卒論を書くことは難しいでしょう。教員は、あれを解いたら、これを解いたら、ということを指示は一切しません。学生のみなさんの、自分の心の中にある声を聴くことでしか、自分が面白いと思う問題は出てこないのです。その解きたい問題を解くために、社会科学的思考法が必要になり、その社会科学的思考法の使い方に関して、中村はサポートします。この点についてよく理解して卒論に取り組んでください。