研究内容

1.暑熱環境下における運動時の身体冷却法に関する研究

暑熱環境下では、高体温により運動能力や認知機能が低下します。高体温の予防や抑制には、身体冷却が有効と考えられています。本研究室では、アイススラリーやアイスベストなどの身体冷却法を用いて競技現場へ応用可能な実践的方略の検討を行っています。実験室での研究結果を競技現場へ直接応用することは、タイムスケジュール・機材設備・人手などの問題で難しい面もあります。本研究室では、特にテニス競技に焦点を当て研究をしています。

2.暑熱順化トレーニングに関する研究

日本では夏季に向かうにつれて、気温が高くなり、身体はその気温に適応するべく、発汗機能などを向上させます。この適応は暑熱順化と呼ばれ、適応の度合いは暑熱環境下での運動能力に影響を及ぼします。本研究室では、暑熱順化トレーニングのプロトコルに関して検討を行っています。

3.テニス競技における分野横断

(運動生理学×バイオメカニクス)研究

テニス競技の今までの研究は体力や動き、ショットのスタッツなど一分野での検討が多い現状があります。本研究は東洋大学村田宗紀先生と共同で実施し、運動生理学×バイオメカニクスの両面からテニスの競技力を探索しています。

4.暑熱下運動時における内部・外部負荷要因に関する研究

多くの競技種目は、屋外での実施や戦術・状況判断など思考を張り巡らせながら競技を行っています。これらの要因は暑熱環境下では相乗・相加効果で、更に運動能力や認知機能を低下させます。これらの複合要因に関する検討も行なっています。

5.脊髄損傷者の暑さ対策に関する研究

脊髄損傷者は、受傷部以下の体温調節機能がしています。暑熱環境下で運動を行うと、損傷レベルにもよりますが、過度な体温上昇を引き起こします。福山市立大学林聡太郎先生と共同で脊髄損傷者の体温調節応答や身体冷却法の探索に関して検討を行っています。