報告内容(という名の備忘録)

2024. 5. 11  Uncle Tom's Cabin, Harriet Beecher Stowe  

・通して、初めて読んでみると、思っていた物語と少し違うという印象。一般的にイメージされるように、反奴隷制を強く訴えかける物語であるには違いないが、さまざまな人々の姿や議論が奴隷制度の問題の微妙さ、複雑さを見せている。

・Tomは死後救われるというイメージを抱く。教養が低い人ほど信心深くなるだろうか。全編にわたって、いかにキリスト教の世界に溶け込めるかということが重要になっている。

・ドラマチックな場面の多さや展開の読みやすさは(黒人英語の難しさは別として)、多くの人に読まれることになった強みと言えるだろう。

・黒人が同胞である黒人に対して、鞭を振るう場面はどのような心理として読めるのか? 白人化するという一種の自己防衛的な態度だろうか。

・アフリカに戻ることは、聖書から離れ、自分たちのアイデンティティある場所へ戻ることになりうるだろうか。リベリア移住は、一見ハッピーエンディングのようだが、アメリカの奴隷制度に対して、何ら解決策を講じることができていないのでは?