多元入門シリーズ(Nagoya Intro Seminar Series)とは?
専門分野の細分化が進む現代数学において大学院生だけでなく教員も非専門分野を学ぶ機会を提供する場所です。
頻繁に行われている各分野でのセミナーとは異なり、予備知識をあまり必要としない教育的側面も含んだ講演を数週間にわたって開催します。
また集中講義とは異なり基本的には多元教員に講演していただくので、これから進路を決める学部4年生もぜひご参加ください。
#3
Title: 代数的トポロジー入門 —ホモトピー群の光と闇—
Speaker: 若月駿(多元数理)
Dates: October 19, October 26, November 2 (2026)
Time & Place: 14:45 - 16:15 @ 多元309
Abstract: ホモトピー群は代数的トポロジーにおける主要な研究対象のひとつである.本講演では,ホモトピー群が非常に複雑で計算が難しいという「闇」と,その中にある規則性や代数的計算方法などの「光」を紹介する.また,その過程で suspension, based loop space, fibration, homotopy fiber などの,代数的トポロジーにおける基本的かつ重要な概念についても(鎖複体の場合との違いにも少し触れつつ)説明する.さらに(時間が許せば)有理ホモトピー論についても解説し,有理数体係数であればホモトピー群の計算がかなり簡単になることを説明したい. 1回目の講演については特に専門知識を仮定せず,位相空間や(有限生成)アーベル群の基礎事項のみを前提知識とする.2回目以降は基本的なホモロジー代数(特に長完全列の扱い)にある程度慣れていることを仮定する.また,被覆空間やファイバー束についても定義程度を知っていることが望ましいが,必要に応じて補足説明を行う.
#2
Title: 作用素環入門
Speaker: 荒野悠輝(多元数理)
Dates: June 1, June 8, June 15 (2026)
Time & Place: 13:00 - 14:30 @ A317
Abstract: 作用素環論はヒルベルト空間上の作用素がなす環であり、その中でもC*-環はさまざまな数学的対象のユニタリ表現を考える際に自然に現れるものである。この講演では、可換なC*-環の構造を記述するGelfand--Naimarkの定理や、より一般のC*-環の表現に関するGNS構成定理などの基礎を概説し、その後のトピックは聴衆の興味に合わせて量子群、部分因子環論、KK理論などから選択する。
#1
Title: クラスター代数入門
Speaker: 行田康晃(多元数理)
Dates: July 14, July 21, July 28, (2025)
Time & Place: 15:00 - 16:30 @ A328
Abstract: 団代数とは、2000年初等にFominとZelevinskyによって導入された「団変数」と呼ばれる元によって生成される代数のことである。 生成元である団変数はいくつかが集まって「団」と呼ばれる集合を形成しており、「変異」と呼ばれる、団の中の団変数を1つだけ入れ替える操作を備えている。この団と変異がなす組み合わせ構造はさまざまな分野の数学的考察対象に現れることが知られており、これらを介した研究が近年盛んである。本講演ではこれらの近年の研究を踏まえた入門として、団代数の定義と団構造を持ついくつかの数学的対象について紹介する予定である。大きな流れとしては
団代数の定義と差分方程式への応用
ルート系に見られる団構造
点付き曲面(punctured surface)の三角形分割に見られる団構造
マルコフ方程式の正整数解に見られる団構造
について、この順番で何週かに分けて紹介する予定である。 なお、2.を紹介する際にルート系と鏡映の定義を仮定するが、それ以外の部分については専門的知識を仮定せずに進める予定である。
Notes: Lecture 1, Lecture 2, Lecture 3
* 追加講演: Date: Aug 5
Time & Place: 15:00 - 16:30 @A317
Notes: Lecture 4
世話人:
大須賀けん斗(Email: osuga あっと math.nagoya-u.ac.jp)
まだ発足したてなので不定期開催となりますが、この人に入門シリーズをしてほしい!という要望があれば連絡をお願いします。