萌えよ!新潟 『源流、そして実りへ~美術・工芸教育の深化と広がり~』
新潟県には日本一の大河・信濃川が県を縦断しており、その大河は四季折々に流域を潤し、様々な実りを生み出してきました。現在ある美術・工芸教育も、我々の先人の一滴一滴が源流をなし、流れを創り出した大河のようなものではないでしょうか。そしてそれは大河の流れとともに、様々な実りを生み出してきたのです。
さて、信濃川はその流域に、国宝の火焔型土器をはじめとした力強い縄文文化を育んできました。この大河の流域には縄文時代起源をもつ文化が息づいています。この原始芸術の萌え出ずる新潟の地で、豊作の実りを迎えるような熱気ある研究大会が開催できたらとの思いを大会テーマに込めました。
第一分科会は「源流」。時代に左右されない普遍的な価値を探ります。
第二分科会は「実りへ」。地域連携などの新しい取組みや、私たちが抱える問題点など、多岐にわたるテーマで美術教育のあり方について検証します。
この新潟大会が、参加される皆様方にとってよき収穫となりますことを祈念いたします。
「源流」~時代に左右されない価値~
《研究テーマ》
絵画、彫刻、デザイン、映像メディア表現、鑑賞等の教材、新しい素材を用いた授業など
諸活動の起点となる「見る力と作り上げる力」。時代の変化に左右されない大切な価値を、現代の美術教育においてどのように工夫し展開しているか、その教育実践を募集しました。
油絵、彫刻、デザイン、映像メディア表現、鑑賞といった基本的な教材や、新しい素材を用いた授業など、それぞれの授業実践の発表をとおして、普遍的な美の力を探る分科会を目指します。
助言者 松尾大介 先生(上越教育大学)
発表者
宮城県宮城野高等学校 佐藤 智弘 先生
[科目「美術史」における鑑賞授業の実践~現代美術史の変遷を題材として~]
静岡県立沼津商業高等学校 石川 真之輔 先生
[世界はそれを彫刻って呼ぶんだぜ~目の前でダイナミックに展開される量塊(マッス)と構造(フレーム)を楽しむ~]
新潟県立見附高等学校 田中 幸男 先生
[高校生が企画する展覧会~地域と私と探究と~]
「実りへ」~激変する社会の中での美術教育~
《研究テーマ》
地域との連携、他教科との横断的な学び、地域の伝統文化の継承と発展、ICTの活用、コロナ禍における教育実践、新学習指導要領を生かした取組み、専任問題への対応など
激変している社会環境の中で、美術教育もその役割に大きな広がりが求められています。「地域との連携」「他教科との横断的な学び」「地域の伝統文化継承と発展」「ICTの活用」「コロナ禍における教育実践」「新学習指導要領を生かした取組み」「専任問題」等、多岐にわたるテーマで教育実践を募集しました。
ここ数年の教育実践を「成果物」として共有するとともに、美術・工芸教育に携わる私たちが感じている困難さや不安を言語化、共有し、次代へつなげ、その可能性を広げる分科会を目指します。
助言者 宮崎俊英 先生(前小林古径美術館長)
発表者
高知県立清水高等学校 﨑山沙耶香 先生
[高等学校 芸術Ⅱにおけるクロスカリキュラム 協働制作の一実践 ~映像メディア表現を通じた教科横断的な学び~]
埼玉県立浦和北高等学校 野口聡子 先生
[[高校生の盆栽体験授業]~地元が世界に誇る日本文化の良さや美しさを体感し、伝えよう~]
栃木県立足利高等学校 野口 徳雄 先生
[育てる紙 ~和紙の価値観~]
新潟県立小千谷西高等学校 森山みさ 先生
[「見方・考え方」を働かせた深い学びの実現に向けて ~アプリを使用したポスター・チラシ制作~]