国民総背番号の導入が決定したことを紹介したのは2013年(平成25年)のブログであった.
「2013年5月9日,「共通番号(マイナンバー)制度」導入法案が9日午後の衆院本会議で採決され,賛成多数で可決され,24日に参院で成立した.」と書いている.
それから10年が経って,コロナ禍に後押しされる形で「普及の必要性」が叫ばれるようになった.手続きした者には「マイポイント」を進呈するという政府キャンペーンの下,腰が重い後期高齢者には,キャンペーン資料が郵送されてくる始末である.書類によると.「令和3年10月31日現在,マイナンバーカードをお持ちでない75歳以上の方にお送りしています」と書かれていて,郵送による交付申請をするための封筒まで同封されていた.
記載内容
マイナンバーはこんなに便利で安心です.
●右のステッカー・ポスターのある医療機関(病院、 薬局など)では、健康保険証として利用できます。(図省略)
●本人確認書類として利用ができます。
●コンビニなどで住民票の写し、印鑑登録証明書などを取得できます。 ※ お住まいの市区町村によって利用できるサービス内容が異なります。
●万が一落とした場合も安心です。
・ カードそのものには、税や年金などの情報は記録されていません。 ・
・ 他人の悪用を防ぐため、パソコンなどでの利用は暗証番号が必要です。
・ カードは顔写真入りです。他人が使うことはできません。
・ カード紛失・盗難の際は、「マイナンバー総合フリーダイヤル」までお電話ください。
●新たにマイナンバーカードを取得された方や、健康保険証の利用申 込等を行った方にマイナポイント(1人当たり最大2万円相当)が 付与されます。
コロナ禍で多忙な状況下,役人にそこまで気を使わせるのもわるいので,パソコンによる申請を行った.申請は,メールアドレス登録,顔写真登録,申請情報登録(背番号,生年月日等)である.顔写真はスマホの自撮りアプリを利用した.写真の大きさは相似形であればよい.郵送するわけではないのでファイルをアップロードする.写真には余計なものが写り込まないように注意が必要である.パソコンによる申請方法 – マイナンバーカード総合サイト
3週間後,市役所から交付通知書(ハガキ)が郵送されてきた.必要な書類(交付通知書,本人確認書類)をもって,交付所へ出向いた.市役所では,マイナンバー窓口(1)で書類をチェック&パスワード設定(確定申告用1件,他3件),次いでカード交付窓口(2)でマスクを外し本人照合,最後にマイナポイント交付申請窓口(3)へと渡り歩いた.順調に終了すると思っていたが,最後に難関が待っていた.「2万円消費すれば,5000ポイント進呈します」というので対応することにした.しかし,対象となる決済サービスとして,クレジットカード(セゾン)を希望すると,係員(臨時雇用?)にとって初めての経験だったようで,困惑していた.他の係員と一緒に決済サービス一覧を調べていたが,クレジットカードは他のケース(電子マネー,プリペイドカード等)と異なり事前登録が必要であり,決済サービスID,セキュリティコードを取得しておく必要があるという.結局,市役所では解決できそうもないので,自宅で実行することにして役所を後にした.
マイナンバーカードを読み取るためにはICカードリーダライタが必要である.家内が薬局を開局していた頃に使用していた接触型 ICカードリーダライタ SCR3310-NTTCom(USB接続)を使用した.実際に動くまでには,マイポイントアプリのダウンロード,Chromeブラウザに拡張機能追加,ICカードリーダライタのドライバ(最終版)の更新を行う必要があった.
マイナンバーカード(裏面を上)を挿入した状態
ICカードリーダライタの裏面
PCの環境,Mac mini (Late 2012) masOS Catalina (バージョン 10.15.7).CPU 2.5GHz ヂュアルコア Intel Core i5.
準備が整ったら「マイナポイント予約・申込サイト」経由で実行することができた.
マイナンバーカードをセットして,カードを読み取る.
「マイナンバーカードでログイン」をクリック.次いで市役所で設定した4桁のパスワードを入力する
以後は手続きに従い入力すれば,登録が完了する.
手続き,マイナポイント付与の状況はクレジット会社のHPから確認可能である.クレジットカードの場合,電気料金の支払いなども消費の対象になると書かれている.6月になると,「健康保険証」,「公金受取口座」の紐付け作業が始まるとアナウンスされているが,病院,薬局の窓口対応が問題とのことである.
すべてオンラインで済ませることは不可能である.一度は市役所に出向かないと,カードを手にすることはできない仕組みである.本人が出向いても運転免許証や健康保険証さらには年金手帳など本人を証明するものを最低二種類提示する必要がある.代理人が受け取りに出向く場合は,さらに本人自筆の依頼書が必要とのことであった.
以上,PCによるオンライン申請の備忘録である.スマホによる申請も可能であるが,文字入力に慣れていないと高齢者には無理との感が強い.
追記
注)国民総背番号制の発想は昭和45年(1970)のことである.2020年のブログ(歴史は繰り返す)で紹介した.