「混相流」勉強会

自然界には、懸濁液、液膜流や土石流、石油貯留層など、異なる物質が混ざり合った流れを伴う現象が多く見られます。流体の運動は、環境や状態によって変化し、様々な自然現象を発現させます。特に「固体と液体」「気体と液体」や「固体と気体」のような異なる相の物質が混ざり合った流れを混相流と呼びます。混相流は、異なる相との相互作用が加わることで、単相流に比べてより複雑な挙動を生み出します。 本勉強会では、数学・物理・工学・流体力学などの分野から「混相流」というキーワードに関連する様々な話題を聴講共有発展させることを目指します。 


スケジュール(不定期開催)

「混相流」勉強会 第2

2022年4月2日 () 15:30 - 17:30 (予定:延長の可能性あり)

on Zoom

参加登録はこちらから: https://zoom.us/meeting/register/tJYrcO6pqzkiHN3hhSwED0YGolxRFHSQYeEL

登録後、ZoomミーティングURLが届きます。


講演題目:ブラックホール時空の幾何学と流体的記述

講演者: 棚橋 典大中央大学 理工学部 物理学科 助教

概要: ブラックホールとは、重力の理論である一般相対性理論の最も基本的な解であると同時に、物理学・天文学への応用においても重要な役割を果たす。本講演では、このブラックホール時空の幾何学的性質と流体的記述についてレビューを行う。一般相対論の基礎をまず導入し、この理論における解として得られるブラックホール時空とその性質について説明する。ブラックホールは時空の無限遠から観測されない領域として定義され、天体のような普通の物体とは本質的に異なるものである。にもかかわらず、ある状況下ではブラックホールの動的性質が流体と同様の振る舞いを示すことが知られている。このブラックホールの流体的記述に関する最近の研究の動向について紹介する。

「混相流」勉強会 第1回

2021年11月22日 (月) 13:30 - 15:30 (延長の可能性あり)

on Zoom

登録はこちらから: https://forms.gle/ohoNrfX24Le7BB8m6

参加登録後に件名「「混相流」勉強会第1回」というメールがGoogle フォームから自動配信されます。

届いていない方は、お手数をおかけしますがもう一度ご登録いただくか下記にメールにてご連絡をお願い申し上げます。

(迷惑メールフォルダもご確認お願いいたします)

登録いただいたアドレス宛に、締め切り後ZoomミーティングURLを送信いたします。

11/21(日), 13:11に参加登録者へミーティングURLを送信しました( 差出人: k13.matsue94@gmail.com )。

先に登録したのに届いていない方は松江 ( kmatsue@imi.kyushu-u.ac.jp )までご一報ください。 

未登録の方も引き続きの登録は可能ですが、世話人の都合によりご案内ができない可能性があります。予めご了承ください。


講演題目: 固体燻焼波面の挙動の理解へ向けた数理解析

講演者: 小林 俊介 氏(京都大学大学院理学研究科 附属サイエンス連携探索センター(SACRA)特定助教 / 理化学研究所 数理創造プログラム(iTHEMS)客員研究員)

概要: 本講演では,多くの燃焼現象に観測される固体の円形燻り燃焼に焦点を当てる.

例えば,床面近傍に設置された紙が一点から燃焼するとき,床面への熱損失により火炎が小さくなるため,同心円状に拡がる燻り燃焼が観測される.

近年,燻り燃焼による既燃領域と未燃領域の境界を界面と見做し,膨張する平面閉曲線の時間発展として捉えることで,時々刻々と変化する燃焼波面の挙動の追跡が試みられている.


そこで本講演では,実際の実験動画を紹介するとともに,界面方程式の導出とその背景を述べ,分岐解析や数値解析により得られた結果を紹介する.

具体的には,Kuramoto - Sivashisnky方程式が固体燻焼の数理モデルとして得られること,そして界面方程式がKuramoto - Sivashinsky方程式とある時空スケールで同値となることを述べる.

また界面方程式は同心円状に拡がる解を厳密解にもつが,この解の近傍における摂動の時間発展方程式は,4階の放物型偏微分方程式として導出される.

この摂動方程式に着目し,自明解から回転波が一次分岐解として現れること,そしてCrank - Nicolson型の数値計算スキームを提案し全離散近似解の収束性をオーダーととともに示す.


なお,本研究内容は,桑名一徳氏(東京理科大学),矢崎成俊氏(明治大学)との共同研究に基づく.


世話人

友枝 恭子(代表)
摂南大学理工学部住環境デザイン学科・基礎理工学機構 准教授

松江 要
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 教授(リエゾン戦略部門)
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 WPI准教授

佐々木 洋平
摂南大学理工学部建築学科・基礎理工学機構 講師

関連研究課題

科学研究費助成事業 (基盤研究C) 「障害物を持つ斜面を流下する粒子流の数学解析」
(代表: 友枝 恭子, JP21K03360, 2021年4月〜2024年3月)

科学研究費助成事業 (基盤研究C) 斜面の状態効果がもたらす懸濁液ダイナミクスの数学解析
(代表: 友枝 恭子, JP18K03437, 2018年4月〜2021年3月)

九州大学世界トップレベル研究者招聘プログラム (Progress100)「予混合乱流火炎ダイナミクスの流体力学的不安定性を基盤とした数理的普遍性の抽出」
(代表: 松江 要, 2018年9月〜2019年3月)

リンク (世話人の事業)

科学研究費助成事業 (基盤研究B) 有限時間特異性の包括的記述に向けた数学解析・計算機援用解析の展開
(代表: 松江 要, JP21H01001, 2021年4月〜2025年3月)