詳細

【基本ルール】

手札を使い切ったプレイヤーが勝ち抜けしていくバトルロイヤル型のカードゲームです。

プレイヤーは協力して、合成場で元素の【手】繋げて有機化合物を作ります。有機化合物を完成させたプレイヤーは手札を減らすことができる為、有利に立ち回ることができます。


【準備】

プレイヤー人数は2~6人(最適人数は4~6人)

全員が裏返しで1枚ずつ引き、カードの左下の原子量が大きかった人(記号等は0とする)がスタートプレイヤーになる。これはじゃんけんによって決定してもよい

スタートプレイヤーはカードをよくシャッフルし、それを左から順番に1枚ずつ7枚になるように全員に配布する

スタートプレイヤーは山札の一番上のカードをめくって場札とする。このとき、実験カードの時はそのカードを廃棄物処分場に捨て、山札をシャッフルしてやり直す。


図1.プレイする時のカード配置例

【ゲーム進行】


場札が決まったら時計回りにスタートプレイヤーの左隣のプレイヤーから順に1枚ずつカード出す。


手番に出せるカードがなければ場のカードをすべて手札に加え、山札の一番上のカードをめくって場札とする。このとき、実験カードの時は廃棄物処分場に捨て、やり直す


元素カードの手がなくなり、有機化合物が完成したら、完成させたプレイヤーは手札から好きなカードを廃棄物処分場に捨てる

完成させた有機化合物の名前を宣言し、正解した場合はさらにもう1枚を廃棄物処分場に捨てる


完成させたプレイヤーは山札の一番上のカードをめくって場札とする。

このとき、実験カードの時はそのカードを廃棄物処分場に捨て、山札をシャッフルしてやり直す。

続いて、次の出番のプレイヤーから順番にゲームを続ける。


山札がなくなった場合、化合物ライブラリーと廃棄物処分場のカードをまとめ、スタートプレイヤーがよくシャッフルし改めて山札とする。

化合物ライブラリーと廃棄物処分場のカードがなかった場合はその時点の残り手札の枚数によって順位を決める。


手札が残り枚になった時は「実験成功」を宣言する。

これを忘れると、ペナルティとして山札から枚引く。

ただし、次のプレイヤーがカードを使用したあとでの指摘ではペナルティは無効となる。

また、化合物を完成させた時やNMRの効果で、残り手札のカードを全て捨てた場合は宣言する必要はない。


手札を全て出し切ったプレイヤーの勝利。

最後まで手札が残っていたプレイヤーの負けとする。

2マッチ以上する場合は負けたプレイヤーをスタートプレイヤーとする。


  • 用語・設定資料

【手】

元素同士の結合のことを示しています。

実際の高校や大学の授業でも【手】と表現してイメージいやすいようにしていたことから、その元素が結合できる数を【手】の数として数値化しています。

矢印で示した【手】が埋まるようにカードを繋げると有機化合物ができるようになっています。




【カードの種類】総数54枚


・元素カード 総数42枚

元素をモチーフにしたカードです。

基礎となる炭素と水素以外は元素の特徴に合わせた効果を持つように設定しています。

それぞれ実際に他の元素と結合できる数を【手】として表記し、原子量や元素記号もカードに表記することでプレイする中で知識を蓄えれるようにしました。



実験カード 総数12枚

実験をモチーフにしたカードです。

動作や実験用語に合わせた効果を持たせています。


NMR 2枚 

次の手番のプレイヤーは場の元素の【手】を全て埋めるようにカードを出す。(このとき場に出したときの元素カードの効果は発動しない)

出せなかった場合、場の全てのカードを手札に加える。


混成軌道 4枚


場の隣り合う元素カードの【手】がそれぞれ1以上の残っていれば使用できる。このカードと手札の任意のカード1枚を裏側にしてつなげる。



ライブラリー検索! 2枚

化合物ライブラリーから、既に完成している有機化合物を一つを選ぶ。選んだ有機化合物を構成するカードすべてを手札が一番少ないプレイヤーの手札に加える。手札が一番少ないプレイヤーがたくさんいる場合は、次の手番が早く巡ってくるプレイヤーの手札に加える。



発注ミス 4枚

山札を一枚めくり、場の元素カードに繋げるように出す。

実験カードだった場合は次の手番のプレイヤーのターンをスキップし、実験カードは廃棄物処分場に捨てる


【IUPAC命名法】

IUPAC命名法は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)が定める、化合物の体系名の命名法です。


ルール解説の化合物名を宣言するところが難しそうと思った方々も多くいると思います。


実は化合物の名前には法則が存在し、材料が決まっていれば合成できる化合物の名前は簡単に決定できます。


ゲームのルールでは直接的な勝利に繋がる仕様ではなくあくまでも有利に進めることができるように調整しているつもりです。


実際に存在しない化合物ができた場合は命名できない為に命名法のページを作り、学習することでゲームにおいて有利に立ち回れるようにルール設定しました。


・単体 1つの元素でできた化合物

2つ繋がった単体は元素名が慣用名です。

O²〔慣用名 酸素〕


IUPAC命名法では元素名の前にギリシア語数詞(以下参照)をつけることで命名できます。


O³〔慣用名 オゾン〕→ IUPAC名 トリオキシゲン(trioxygen)


・有機化合物 炭素を中心とした化合物


1993に有機化合物の命名法はA, B, C, D, E, F, Hの部に分かれて定められています。


今回使用する元素とカードゲームの仕様上では、Aの一部の飽和炭化水素の命名法とCの一部のハロゲンからなる官能基を持つ化合物の命名法とDの一部のアルコールの命名法だけで説明できます。



A.飽和炭化水素(アルカン)の命名法


メタンからブタンまでは慣用名を用い、それ以降はギリシア語の数字の語尾をaneとすることでその名を得られます。




C.ハロゲン(ClおよびBr)からなる官能基を持つ有機化合物の命名法


Aの炭素の数による名前の前に元素によって異なる名前接頭辞をつけ、付いている個数は接頭辞の前にギリシア語の数字で表します。



D.アルコール(-OH)の命名法


アルコールは、-OHを持つAの命名で得た炭化水素の名前の語尾のeをolとすることでその名を得られます。

先端以外にヒドロキシ基が結合している場合は結合している炭素原子の位置を数字で表します。

複数の水酸基を持つ場合は、OHをHに置換した炭化水素の語尾eを水酸基の数のギリシア語 (2=di, 3=tri, 4=tetra, 5=penta,...) とolとすることでその名を得られます。



難しいと思ったところ、もっと知りたいと思ったところについてご自身で調べてどんどん深掘りしてください。

そんな知的好奇心を養っていただくことが、作り手の願いです。