牧師からのご挨拶



「岩の上に」


建築家の安藤忠雄さんが若い日に、大工さんが家を建てる様子をじっと見ておられたそうです。すると、土台を造るのに何日もかかっていたのに、建物はあっという間に組み上がっていった。それを見て、「立派な上物よりも、土台を造るのが大変なんや。建築とはおもろいもんやなあ」と感心したそうです。

「生きる」ということにも同じことが言えるかもしれません。私たちはやっきになって、人の目に立派な「上物」を建てようとします。でも、自分の人生が何を拠り所としているのか、その「土台」のことまであまり考えません。人生の嵐にぐらついて初めて、自分がいかに脆く儚いものの上に、自分の人生を築いていたかに気付かされるのではないでしょうか。

イエス・キリストは、「ですから、わたしのこれらのことばを聞いて、それを行う者はみな、岩の上に自分の家を建てた賢い人にたとえることができます」と言われました。

聖書のことばは、私たちの人生の土台が何であるかを問いかけてきます。そして、私たちに新しいいのちと希望を与えてくれるのです。

今しばし立ち止まって、忙しい日々の中で忘れてしまっている大切なことを思い出す時を持ってみませんか。

心よりお待ち申し上げております。


2019年 8月

門戸聖書教会牧師 徳永 大