モルヌピラビルカプセル
特例承認
モルヌピラビルカプセル
特例承認
12月24日.厚生省はモルヌピラビルカプセルを特例承認した.
販売名はラゲブリオ®カプセル200mgである.
モルヌピラビルは、ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ酵素を阻害し.その酵素の作用の変異を促進する.本剤は,シチジンに類似したリボヌクレオシドであるβ-D-N 4-Hydroxycytidine 5′-triphosphate (NHC-TP) に代謝される.RNA複製の際,ウイルスの酵素は,新しく作られたRNAに,本物のシチジンを使う代わりに,NHC-TPを組み込む.
添付文書はこちらをクリックすると別ウインドウで見ることができる.トップに以下のコメントが付けられている.
本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において有効性、安全性、品質に係る情報は限られており、引き続き情報を収集中である。 そのため、本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書によ る同意を得てから投与すること。
2021年11月4日,イギリスで世界で初めて本薬品の使用が正式に承認された.一方,フランスはメルク社のモルヌピラビルの予約をキャンセルして.ファイザー社のパクスロビドを採用するという.モルヌピラビルの服用後の入院・死亡予防効果(約30%)が,パクスロビド(約90%)よりはるかに低いからという.新型コロナウィルスの飲み薬確保競争(両剤合わせて400-500万人分単位)が先進国間で始まったようであるが,日本製治療薬の登場は実現するのだろうか心配である.
パクスロビドについては,直前のブログを見てほしい.
(2021.12.25)