研究内容
研究内容
私たち脊椎動物の主要な内分泌器官の下垂体の一部である「隆起部」の研究をしている。隆起部は、暗期のホルモンとして知られるメラトニンの受容体を脳内で最も高発現するため、日周的、季節的な生理現象の制御に関わっているのではないかと古くより考えられてきたが、その実態はいまだに不明なままである。本研究では、隆起部で日内リズムをもって産生される甲状腺刺激ホルモン、ニューロメジンUといったホルモンの、日周・季節制御、メラトニン、脳内恒常性との関係に注目して解析し、生殖や摂食、エネルギー代謝、睡眠などへの影響を研究している。
日周・季節、メラトニンの制御を受けて、隆起部でつくられるホルモンは日内リズムを示す。
外部の光情報がどういった経路を介して体内の生理現象の制御をもたらしているのかという疑問に、新たな知見を与えることができる。内分泌学や光生物学といった基礎研究の分野だけでなく、概日リズム障害といった臨床医学分野へも応用が期待される。昼と夜の環境サイクルと、自分の体のなかの生物時計のリズムが合わないために、生活に支障をきたすようなさまざまな問題、睡眠障害、不眠や朝起きられないといった障害の原因解明につながるような研究ができればと思う。