YUTARO SAMPEI / 三瓶 裕太郎

Minute Repeater Requiem

[ Pocket watch ] Carbon steel, Brass, Stainless steel, Beryllium copper, Ruby
高校生の頃、吹奏楽に打ち込んだ経験から、数ある機構の中でも音を奏でるリピーターを選択しました。複雑な部品が必要だったため、CAD/CAMや、CNCフライス盤の制御等を試行錯誤しながら製作しました。単に時間を知るためではなく、昨年亡くなった愛犬へ捧ぐレクイエムとしての想いが強い作品です。
何層にも渡って重なり合った部品同士が相互に作用する為、二次元図面を三次元へと立体化させ、干渉の確認等を行います。また、三次元図面のデータを元に、CNCフライス盤の制御データを作ります。
円形に削り出した板から、受け(ブリッジ)、地板フライス盤、旋盤にて手動で基本的な加工を行います
時計旋盤の面板というアタッチメントに受けや地板を取り付け、座ぐり(中ぐり)加工を行います。
地板に必要なパーツを取り付けるための、ネジやピンを取り付けるための下穴を88個あけました。わずかなズレも許されません。
変わった形の歯車ですが、"分"をカウントするためのミニッツスネイルもCNCで削り出しました。機械でも加工出来なかった部分は、実態顕微鏡で見ながらヤスリを用い、手作業で加工します。