弱視と目の検査
弱視とは
生まれたばかりの赤ちゃんは明暗がわかるくらいで、はっきりとものは見えていませんが、生後6ヵ月を過ぎる頃から外界のものがはっきりと見えるようになってきます。
視力は「見る」という自然の訓練を通して徐々に発達し、およそ6歳頃までに完成されます。
この時期までに適切な視覚刺激を受けておかないと、視力の発達が妨げられて十分な視力が獲得できなくなってしまいます。
この状態を「弱視」といいます。
弱視は子供の2%にみられる頻度の高い疾患です。
弱視治療は、
早ければ早いほど高い効果が期待でき、
4歳以下で治療開始すれば、
95%の弱視は改善できるといわれています。
一方で、問題となるのは…
適切な治療を早期に開始しなければ、
恒久的な視覚障害になる可能性があり、
知的成長の障害や学力の発達の妨げにつながることもあります。
弱視の予防には、
視覚刺激の妨げになる原因を早期に取り除き、
視力発達を促すことが大切です。
視覚刺激の妨げになる原因としては、
● 屈折異常(近視・遠視・乱視)
● 斜視
● 不同視
などがあります。
検査は、いつ、どこでおこなわれているのでしょうか?
現在のところ、
健診としては、
市の3歳児健診で行われている視覚検査が唯一の検査です。
<3歳児健診での視覚検査>
1次検査・2次検査は、基本的に子供の受け答えをもとにした検査です(茨木市の現状)。
3歳児では、
検査内容をきちんと理解できない場合や、
答えをうまく表現できない場合も多くあります。
実際に、
検査が困難であったり、
最後までできないで終わる例は数多く見られ、
この子達は、
評価をしないまま、
精密検査にも進まずやり過ごす場合がほとんどです。
そして、
3歳児健診の機会を逃せば、
その後、自ら病院を受診する場合を除いて、
6歳までの間に視覚検査を受ける機会はありません。
スポットヴィジョンスクリーナー
スポット ビジョンスクリーナーは…
0歳6か月以上のお子様が、
お母さんに抱っこされた状態で、
たった数秒で、
近視、遠視、乱視、不同視、瞳孔不同など、
弱視の原因となる異常を検出することが可能な検査機器です。
お子様の検査に対する難しさを克服する機械といえます 。
スポットヴィジョンスクリーナーによる他覚的検査は、
まだ言葉で表現できない年齢のお子様の
目の疾患の発見に役立ちます。
当院では、
斜視や弱視の早期発見、
早期の治療開始
のために活用しています。
乳児健診の他、一般診察でも検査可能です。
次のうち該当する項目がある場合には、
一度検査をお勧めします。
ご兄弟やご両親いずれかに弱視の既往がある
片目つむりをする
テレビや絵本を見るときに、目を細めたり、首をかしげたり、顔を回したりする
階段を降りるのを怖がる
何となく、黒目の位置が偏っている気がする
テレビを非常に近い位置から見たがる
つまずきやすい、転びやすい
絵や物、人を見まちがえることがある
もし異常が見つかった場合には、
眼科専門機関にご紹介いたします。
3歳児健診で視力検査がうまくできなかった場合や、
お子さんの視力について気になる場合にも、
お気軽に当院へご相談ください。