①前期選抜
前期選抜(前期試験)は、2月初めごろに実施されます。ほぼすべての専門学科や総合学科、および一部の普通科で実施されます。自己推薦書や調査書(いわゆる内申書)の評価に加え、各高校・学科・コースが実施する検査(面接、小論文、学力検査、総合問題、実技検査など)から1つ以上がおこなわれます。前期選抜を行う高校のほとんどが、合格者の全部〜半分程度を前期選抜において決定します。多くの場合、調査書の内容は点数化されます。点数化の方法は高校・学科・コースによってさまざまです。
〈前期選抜での調査書点数化の例〉
◯四日市工業…中1〜3の9教科評定を換算した点数(90点満点)と評定以外の記載事項の評価点(最高20点)の合計(110点満点)
◯神戸(理数)…中3の9教科評定の合計(45点満点)
◯亀山…中3の9教科評定の合計(45点満点)
◯津西(国際科学)…中3の9教科評定の合計(45点満点)
◯津東…中3の9教科評定の合計(45点満点)
◯津商業…中1〜3の9教科評定の平均(45点)とその他(スポーツ、文化活動、生徒会など)の取り組みや実績の評価点(15点)の合計(60点満点)
◯津工業…中1〜3の9教科評定から換算した点数(70点)とその他(スポーツ、文化活動など)の取り組みや実績の評価点(15点)の合計(85点満点)
◯上野(理数)…中3の国語・理科の評定の各2倍と他7教科の評定の合計(55点満点)
工業・商業系の前期試験では、1年生・2年生時の成績も評価対象になっていることをぜひ覚えておいてください。
②後期選抜
後期選抜(後期試験)は、3月の2週目に実施されます。すべての高校・学科・コースで、調査書記載の3年生時の評定合計(5段階×9教科=45点満点)および「特別活動の記録」等の内容、受験者全員に課される5教科(英・数・国・理・社)の学力検査(筆記試験)の得点をもとにして合否判定がおこなわれます。後期選抜では、中1・中2の評定は評価対象になりません。また、面接・小論文・実技検査を実施する高校もあります。
後期選抜合格者の選考は、3段階でおこなわれます。
第1段階:
①調査書(内申書)記載の評定平均(内申点)の数字が高い順に募集定員の100%(高校によっては110%または120%)に当たる生徒を選びます。内申点が足りていないとここで除外されてしまい、不合格がほぼ確定します。
②全志願者について、学力検査の得点の高い順に、募集定員の80%に当たる生徒を選びます。
③ ①と②の両方に当てはまる生徒を合格とします。
第2段階:
第1段階の①で選ばれた者のうち、学力検査または実技検査の得点合計が高い順に、残り枠の2分の1に当たる者を合格とします。
第3段階:
各高校・学科・コースの「特に重視する選抜資料等」をふまえて、残りの合格者を選抜します。一般的に、進学校の普通科は学力検査の結果を、専門学科や総合学科は調査書の内容を重視する傾向にあります。第1段階の①で選ばれなかった人にはここしかチャンスがないのですが、内申点の低い人が選ばれることはほぼありません。
このように、三重県立高校の入試には、内申点が大きく関わっています。
内申点は長期にわたる中学校での実績評価です。
直前でジタバタしても後の祭りです。
したがって、県立高校への進学を志望する生徒の皆さんには、以下のことが必要です。
・一刻も早く「志望校合格にどのくらいの内申点が必要なのか」を把握しましょう。なんの根拠もなく「たぶん受かるやろ」と思い込んでいたら、痛い目を見ることになりかねません。
・そのうえで、必要な内申点が取れるような行動を心がけましょう(テスト対策、課題の提出、授業の受け方など)。地道な努力にが最大の受験対策です!
・特に、工業系・商業系に前期試験で合格したい場合、1年生のときから勝負は始まっていることを忘れないようにしましょう。