第306回
日時: 2026年 7月18日(土) 15時~18時
場所: 明治学院大学白金校舎 1456教室
講演者: 講演者: 遠藤 健太 (鈴鹿高専)
タイトル:Euler-Zagier型の多重ゼータ関数の臨界線上での値の稠密性について
アブストラクト:本研究では, Euler-Zagier 型の多重ゼータ関数において, すべての変数を同一とした関数の値分布について考察する. 1重の場合, この関数は Riemann ゼータ関数と一致する. 虚軸に平行な直線上での値の集合の稠密性に関しては, さまざまな結果が得られているが, Riemann ゼータ関数の臨界線上での値の集合の稠密性は, 現在も未解決の問題である.
一方, 多重ゼータ関数についても, 虚軸に平行な直線上での値の集合の稠密性に関しては, Riemann ゼータ関数の場合と同様の議論が可能である. しかし, 臨界線上での値の集合の稠密性については, 同様に未解決であった. 最近, 見正氏は Riemann 予想を仮定することで, 2重ゼータ関数の場合に, 臨界線上での値の集合が複素平面上で稠密となることを証明した.
本講演では, Riemann 予想の仮定の下で, 4重以上の Euler-Zagier 型多重ゼータ関数についても, 臨界線上での値の集合が複素平面上で稠密となることを示す.
2026年度は以下のご講演者を予定しています.
2026年 10月24日(土) 15時~18時 蛭子彰仁 (千葉工大) 場所: 明治学院大学白金校舎
2026年 11月7日(土) 15時~18時 原隆 (津田塾大) 場所: 明治学院大学白金校舎
2026年 12月12日(土) 15時~18時 小川原弘士 (城西大) 場所: 明治学院大学白金校舎
第305回
日時: 2026年6月6日(土) 15時~18時
場所: 日本大学理工学部駿河台校舎8号館3階832教室
講演者: 行田 康晃 (名古屋大学)
タイトル:一般化マルコフ数とディオファントススペクトルの対応
アブストラクト:古典的なマルコフ理論では,マルコフ方程式
x^2+y^2+z^2=3xyz
の正整数解に現れるマルコフ数が,マルコフ--ラグランジュスペクトルおよびマルコフスペクトルの離散部分を記述する。本講演では,この古典的な対応が一般化マルコフ方程式
x^2+y^2+z^2+k_1 yz+k_2 zx+k_3 xy=(3+k_1+k_2+k_3)xyz
に付随する一般化マルコフ数の枠組みへ拡張できることを解説する。
主定理として,(k_1, k_2, k_3)-一般化マルコフ数 n とその位置 i から定まる量
√(((3+k_1+k_2+k_3)n-k_i)^2-4)/n
が,ある二次無理数のラグランジュ定数であると同時に,対応する実不定値二元二次形式のマルコフ定数として実現されることを紹介する。
古典的な場合,この対応は Christoffel 語や Cohn 行列を通して記述される。一方で一般化された状況では,それらの役割を有理傾きの直線に付随する符号列から定まる周期的両側無限列と一般化 Cohn 行列が担う。この置き換えにより,マルコフ数とディオファントス近似を結ぶ古典的構成が,クラスター代数に由来する組合せ論的な枠組みの中で自然に拡張されることを説明する。
世話人 村田 玲音(明治学院大)・川島 誠(明治学院大) ・齋藤 耕太(日本大)