第303回
日時: 2025年 12月20日(土) 15時~18時
場所: 明治学院大学・白金校舎 本館4階 1455教室
講演者: 後藤 良彰 (小樽商科大)
タイトル: 多変数超幾何関数のモノドロミーについて---Lauricella's F_C を例に
アブストラクト: 超幾何関数は特殊関数の中でも重要なクラスの1つであり, 微分方程式論はもちろんのこと,整数論や代数幾何学など幅広い分野と接点を持っている.
超幾何関数は多価関数となるため, 接続公式やモノドロミー表現を調べることにより大域的な挙動を知ることができる.
モノドロミー表現の研究は様々な観点から行われているが, 講演者は積分表示に付随するホモロジー群と交点形式を用いて調べている.
本講演では, まず最も基本的な Gauss の超幾何関数のモノドロミー表現とその周辺について解説を与える.
その後, 多変数超幾何関数のモノドロミー表現に関する結果をいくつか紹介する. 特に,
講演者がこれまで研究してきた Lauricella's F_C と呼ばれる多変数超幾何関数のモノドロミー表現やモノドロミー群の構造について, 少し時間を取って説明したい.
次回以降のセミナーはただいま日程をブッキング中です。確定まで今しばらくお待ちください。
第302回
日時: 2025年 11月22日(土) 15時~18時
場所: 日本大学理工学部タワースコラS305教室
講演者: 小泉 淳之介 (iTHEMS)
タイトル:Irrationality sequences
アブストラクト:正整数列の漸近挙動とその逆数和の無理性には密接な関係がある。たとえば正整数列(a_n)に対して log(a_n)/2^n が発散するとき、数列(a_n)の逆数和が無理数になることはよく知られている。こうした現象を踏まえ、ErdősとStrausはirrationality sequenceという概念を導入した。これは、自分自身の逆数和が無理数であるだけでなく、自身に「近い」数列の逆数和もすべて無理数になるような数列を指す。この概念については素朴ながら未解決の問題が数多く残っており、なかでもErdősとGrahamが提起した「2^{2^n} は(type 2)irrationality sequenceになるか」という問題は代表例である。最近では、KovačとTaoがirrationality sequenceの漸近挙動について複数の興味深い結果を得ている。講演者は、KovačとTaoの手法の適用範囲外にある二重指数的な数列の逆数和を考察し、a^{2^n} の整数部分が(type 2)irrationality sequenceとなる実数 a>1 が高々可算個であることなどを示した。また、irrationality sequenceの難しさが、ある種の力学系の難しさと結びついていることを観察した。こうした背景のもと、irrationality sequenceに関する先行研究と最近の進展を概観する。
世話人 村田 玲音(明治学院大)・川島 誠(明治学院大) ・齋藤 耕太(日本大)