メガジョッキ
竹野弘識一人芝居公演
「凪の夢跡」
メガジョッキ
竹野弘識一人芝居公演
「凪の夢跡」
出演 竹野弘識
作・演出 合田基樹
2025年
6月27日(金) 19:00
28日(土) 15:00 / 19:00
29日(日) 11:00 / 15:00
@山小屋シアター
(広島市西区横川町3-12-3 アンゴラビル3F)
※受付開始・開場は開演の30分前
主催
メガジョッキ
協力
一般社団法人 舞台芸術制作室無色透明
山下雄士
── 夢をわたりあるく。
出演
竹野弘識
作・演出
合田基樹
スタッフ
宣伝美術 Chimichanga
舞台監督 池田典弘
照明 松村将嗣
音響 岸本夏芽
舞台美術 池田典弘、松村将嗣
演出部 京極結愛、中川愛望
制作 塚本明日香
料金
一般 2,500円
U-25 (25歳以下) 1,500円
高校生以下 500円
全席自由 (前売り・当日料金一律)
「凪の夢跡」
出演者・作者 / 演出家 紹介
出演
竹野 弘識 (メガジョッキ主宰)
Hironori Takeno
広島県広島市出身・在住。メガジョッキ主宰。高校で演劇部に入部し、舞台で生きることの楽しさを知ってしまう。大学入学と同時期に広島の劇団グンジョーブタイに所属し、2019年9月退団まで全公演に携わる。
2017年、自身の演劇プロデュースユニットであるメガジョッキを旗揚げ。企画・作・演出・出演を務める。
作・演出
合田 基樹
Motoki Gouda
島根県出身。高校から演劇を始める。
広島大学在学中、学内外の公演に参加する。
演劇引力廣島第13回プロデュース公演『五十嵐伝〜五十嵐ハ燃エテイルカ〜2016 広島版』に出演し、 メガジョッキ主宰・竹野と共演。 その後、演劇引力廣島で4年連続共演し、メガジョッキの旗揚げ公演や本公演、試演会に参加する。
────今回の舞台『凪の夢跡』は、合田基樹さんが作・演出を手がけ、竹野弘識さんが一人芝居に挑まれるスタイルです。まず、なぜこの形を選ばれたのか、お聞かせください。
合田基樹(以下、合田)
「2024年3月に試演会という形で『山椒魚』という公演を行いましたが、それはさらに前の2023年に『飛べない鳥たちよ、』という作品で僕がメガジョッキの本公演に出演したとき、「一人芝居をやってみたいね」という話があったのがきっかけでした。
竹野くんはもともと、自分で脚本を書いて演出して出演するという一人芝居のスタイルを続けていて、「他の人の書いた脚本でやるのも面白いかも」といった話が生まれていきました。その流れで、前回の『山椒魚』では僕が脚本を書いて、演出と出演は竹野くんが担当するという形で実現しました」
────前作は竹野さんが演出も担当されていたのですね。本作は合田さんが演出を担うことになった背景について、もう少し詳しく教えてください。
合田
「理由はいくつかあります。一つは、一人芝居というスタイルが俳優にとって非常に負担が大きく、演技と演出を同時に担うのはかなりハードだという点です。
竹野くん自身が脚本を書いて出演もする場合、演出イメージを持ちながら稽古することができますが、他の誰かが書いた脚本となるとそれは難しくなります。そのサポートとして僕が演出に入ることとなりました。
また、前回の『山椒魚』で自分の書いたものを竹野くんの演出・出演で見させてもらった経験から、「自分でも演出してみたい」「竹野くんの俳優としての魅力を引き出したい」という思いが生まれたのも、今回演出を手がけた理由のひとつです」
────竹野さんに伺います。前回は演出・出演をご自身で担当されましたが、今回は合田さんの演出で演じられるという形です。その違いについてどう感じていますか?
竹野弘識(以下、竹野)
「体感的にはまったく違いますね。自分で演出しながら演じると、主観と客観を行き来しなければならず、それがどうしてもうまくいかないこともあります。自分で自分を見るのは本当に難しい。
今回、合田くんという“目”があることがとても心強いです。僕自身は主観的に芝居を詰めることに集中できるので、その変化はとても大きいです。
また、演出という役割が別にあることで、舞台を“見せる”という視点から少し自由になれて、一層深く作品を追求できている実感があります」
────今回の作品『凪の夢跡』というタイトルには、どのような意味が込められているのでしょうか?
合田
「最初は前回の『山椒魚』を改稿して上演しようという話もありました。ただ、打ち合わせを重ねていく中で、竹野くんから「大きく変えてもいいし、完全に新作でもいいよ」というスタンスが伝わってきて、「じゃあ新しく書こう」となりました。
タイトルを考えていたときに、自分の中で「凪」「夢」「足跡」というキーワードが浮かんでいて、それらを組み合わせて『凪の夢跡』というタイトルに決めました。
“凪”は海の波がぴたりと止まる静けさを表す言葉。感情の起伏の激しい演劇の中で、あえて“静けさ”を大切にしたいという思いを込めています。
また、前作『山椒魚』では、VTuberを目指す人物の“将来の夢”を描いていました。僕自身も子どもの頃は夢がありましたが、成長する中で夢は変わっていきました。将来の夢があるからこそ頑張れるときもあれば、夢ゆえに挫折することもあります。その両面を描きたいと思っていました。
“夢”という言葉には“睡眠中に見る夢”という意味もあります。同じ言葉で全く異なる意味を持つこの言葉に惹かれ、両方の“夢”をテーマに据えました。
最後に“足跡”は、自分自身や竹野くんのこれまでの人生を振り返る節目として描いています。共に30歳という年齢を迎えるにあたって、自分たちの歩んできた道を見つめ直す。そんな想いも込めています」
────本作のモチーフには“鉄道”や“マルチバース”も登場しますね。
合田
「鉄道の“線路”という存在が象徴的だと感じています。人工的な道ですが、分岐があり、枝分かれしていくことがシンプルで分かりやすい。
そして人生も、選択によっていくつもの道に分かれていきます。あの時ああしていれば、AではなくBを選んでいたら、またはCを選んでいたとすれば──という分岐の感覚が年齢と共に実感を伴って強くなってきた気がしていて。その実感が、“マルチバース”というモチーフにも繋がっていきました」
────ここまで作品に込められた背景やテーマをお聞きしてきましたが、竹野さん自身は今回の一人芝居に臨むにあたって、どんなことを表現したいと考えていますか?
竹野
「僕自身の演技スタイルとして、“まっすぐさ”が一つの特徴だと思っていて、それはある意味での“誠実さ”でもあります。自分ではそれが武器だと思ってきました。
でも、今回はそのまっすぐさだけではなく、少し違った方向にもチャレンジしてみたいと感じています。これまでストレートな球ばかり投げてきたところに、変化球のような表現を少しずつ試しながら、稽古に取り組んでいるところです。
また、想像力を絶やさずに舞台に立ちたいと思っています。どうしても台本の“表層”だけを受け取ってしまいがちですが、その裏側まで読み解いて、言葉一つひとつを“実感”をもって発したい。僕自身が及ばない領域については、作者である合田くんに導かれながら、これまで“届かなかった部分”も通っていけるような役者でありたい。そう思いながら、稽古に立っています」
────お二人にとって「演劇」とは何か、伺ってもよろしいでしょうか。
竹野
「いま、稽古期間中なんですが、稽古がないときよりも生活習慣が安定していて、すごく健康なんですよね。よく眠れるし、食事も規則的になる。気づけば演劇が生活の一部になっている感覚があります。
公演が終わったらどうなるんだろう、とか、次はどうしよう、という不安もどこかにあります。でもそれって、もう自分にとって演劇が“離れられない存在”になっている証拠なんじゃないかと思っています」
合田
「竹野くんがVTuberなどデジタルな文化も好きな一方で、演劇のような“アナログ”な表現にも深く関わっているのは面白いなと思っています。
演劇は五感をフルに使って、生身の肉体で、その場にいる観客の前でライブで行う、とても原始的な表現です。数千年の歴史があるとも言われるほど、根源的な行為でもあります。
そして、“人間が人間を演じる”という、演劇にしかできない表現も魅力の一つです。自分ではない“他者”を演じることで、人間関係や社会、そして人間そのものへの理解を深めることができる。それが演劇の魅力だと感じています」
────最後に、この作品を通してお客様に伝えたいメッセージをお二人からお願いします。
合田
「まず、竹野くんの一人芝居そのものをぜひ観ていただきたいです。彼は本当に魅力的な俳優で、これまで見たことのない表情や声の響きが、この作品の中で出てくるはずです。
作品としては、僕と同世代、あるいはそれよりも若い方々にとっては、夢を追うときの切実な気持ちや、揺れる感情に共感してもらえる部分があると思います。
そして年上の世代の方々には、『そういう時期、自分にもあったな』と温かい目で見ていただければ嬉しいです。そうやって、それぞれの視点で楽しんでいただけたら何よりです」
竹野
「広島では、一人芝居自体がなかなか珍しい体験だと思います。まずはその“体験”を観に来ていただけたらと思います。
また今回は、高校生以下・25歳以下・一般と、チケットも分けて設定しているので、幅広い方に気軽に観ていただけるようになっています。観劇後は、ぜひ、作品を通して感じたことを聞かせていただきたいです」
────2025年6月 合田基樹・竹野弘識
メガジョッキ主宰
竹野 弘識 (たけの ひろのり)
近年の主な出演
ふわくせ冬のお祭り公演〜三作品一挙上演だ〜
作・演出 佐々木覚三 / 2025年1月26日@島根芸術文化センター「グラントワ」小ホール
「若手演出家コンクール2024」最終審査
「書込み訴え」
原案:太宰治 脚本:亀尾佳宏 演出:深海哲哉 / 2025年2月27日・3月1日@下北沢「劇」小劇場(東京)
山下 雄士 (やましたゆうと)
作曲家、編曲家、ピアニスト。
エリザベト音楽大学音楽(ピアノ専攻)卒業後、エリザベト音楽大学大学院(作曲)を修了。
第22回TIAA全日本作曲家コンクール室内楽部門入選。
第23回JILA音楽コンクール第3位。
第68回南日本音楽コンクール作曲部門優秀賞。
第18回弘前桜の園作曲コンクール第3位。
Golden Key Composition Competition 2021 Honorable Mention。
楽譜はティーダ出版より出版されている。
現在はDTMを用いた作曲、ストリングスやピアノを用いた編曲を積極的に行い、番組BGM、劇伴制作、歌物等作品は多岐に渡る。
Chimichanga (チミチャンガ)
京都市立芸術大学彫刻専攻卒業。立体表現とともに映像を用いた作品制作を展開している。 「直感的にシビれる」ことがコンセプト。 アートの文脈に限らず幅広い視点から切り込んでいきたいと考えている。
Gallery
ふくやま地域演劇まつり2024
メガジョッキ参加作品
「勇者タケノスと魅惑のブラックスミス★限界突破ときめきタイトス」
作・演出 竹野弘識 / 2025年1月18日
@福山市神辺文化会館小ホール
撮影 : @tk_jzs171
凪の演劇祭〜HIROSHIMAシアターフェスティバル2024〜
メガジョッキ2024年本公演
「君よ、溺れろ」
作・演出 竹野弘識 / 2024年9月28-29日
@JMSアステールプラザ多目的スタジオ
撮影 : 塚本明日香、中村美結
アステールプラザ芸術劇場シリーズ
【レジデンスコレクション】
メガジョッキ 2023年本公演
「飛べない鳥たちよ、」
作・演出 竹野弘識 / 2023年9月2-3日
@JMSアステールプラザ多目的スタジオ
撮影 : 塚本明日香
メガジョッキ第3回本公演
「人間ステーキ」
作・演出 竹野弘識 / 2022年12月24-25日
@コジマホールディングス西区民文化センター ホール
撮影 : 浅野堅一
過去の公演
メガジョッキ第1回本公演
「ツグノフの森」
作・G2 / 潤色・演出 竹野弘識 / 2017年12月16-17日@JMSアステールプラザ5F 視聴覚スタジオ
メガジョッキ第2回本公演
「タカラジマ、マジ、タカラ」
作・演出 竹野弘識 / 2018年12月21-22日@JMS アステールプラザ5F 視聴覚スタジオ
第七回中国ブロック劇王決定戦参加作品
「人間ステーキ」
作・演出 竹野弘識 / 2019年10月14日@広島市青少年センター ホール
メガジョッキ竹野弘識一人芝居公演
「ヒト肌脱ぐ」
作・演出・出演 竹野弘識 / 2019年12月22日@JMSアステールプラザ1F 市民ギャラリー
アステールプラザ芸術劇場シリーズ特別企画「どこでもシアター」
メガジョッキ竹野弘識一人芝居
「どこでもヒト肌脱ぐ」
作・演出・出演 竹野弘識 / 2020年10月25日@JMSアステールプラザ中ホールバルコニー西側(川側)エントランス
メガジョッキ 2020年に捧げるオムニバス公演
「愛と塵」
作・演出 竹野弘識 / 2019年12月26-27日@JMSアステールプラザ1F 市民ギャラリー ※新型コロナウイルス感染拡大の為、公演中止
メガジョッキ学校公演
「飛べない鳥たちよ、」
作・演出 竹野弘識 / 2021年11月9日@広島市立広島中等教育学校 講堂
メガジョッキ 2020年に捧げたかったオムニバス公演
「愛と塵」
作・演出 竹野弘識 / 2022年3月26-27日@JMSアステールプラザ1F 市民ギャラリー
広島市西区民文化センターアーティスト育成事業
メガジョッキ第3回本公演
「人間ステーキ」
作・演出 竹野弘識 / 2022年12月24-25日@コジマホールディングス西区民文化センター ホール
アステールプラザ芸術劇場シリーズ【レジデンスコレクション】
メガジョッキ 2023年本公演
「飛べない鳥たちよ、」
作・演出 竹野弘識 / 2023年9月2-3日@JMSアステールプラザ多目的スタジオ
メガジョッキ竹野弘識一人芝居試演会
「山椒魚」
作 合田基樹、演出・出演 竹野弘識 / 2024年3月23-24日@山小屋シアター
凪の演劇祭〜HIROSHIMAシアターフェスティバル2024〜
メガジョッキ2024年本公演「君よ、溺れろ」
作・演出 竹野弘識 / 2024年9月28-29日@JMSアステールプラザ多目的スタジオ
ふくやま地域演劇まつり2024 メガジョッキ参加作品
「勇者タケノスと魅惑のブラックスミス★限界突破ときめきタイトス」
作・演出 竹野弘識 / 2025年1月18日@福山市神辺文化会館小ホール
メガジョッキ
mega.zyokki@gmail.com