時々君はふと 遠くを見つめていることがある静かな目で顔を少しだけ上げて首に巻いたタオルを指先で微かに弄りながらふと 遠くを見つめていることがあるまるで内面的に考え込むようにそれとも 外の物事に打たれたかのようにきっと 大人たちの沢山の言葉や名前が昼夜 君の頭を駆け巡っているのだろうけれどもそんな中何の言葉も名前も言わずにただ心と世界とをじっくり発酵させるようなそうしたひとりの時間が君にもあるみたいだ
その時 君の顔は可愛らしいというより どこか考え深げで大人たちよりも大人らしげな顔でまるで「詩」が降りてきた人であるかのようだ僕は良く 声をかけたり、ふざけたりするのも忘れてそんな君に見とれてしまう
「あっ」と言ってまた笑いながら君が歩き出すまでのほんの少しの間の出来事
(2026.6)