合格体験記公開(京都大学文学部一般入試前期日程)

京都大学文学部に合格しましたGさんの合格体験記を公開いたします。
同大学を志望している方や、浪人を検討している方は是非ご覧ください。
下部には校舎長所見も記載しています。


①志望大学を決めた率直な理由は何ですか?
高1の時点で名前を知っていた大学であり、努力圏内にあるという判定が出て目指し始めました。
その後調べていくうちに「自由の学風」と数学を必要とする文理融合型の少人数制教養教育にも惹かれ、京大を第一志望に固めました。
数学の勉強を諦めたくなかったので、文系でありながら数学の勉強が必要なことが大きかったです。

②いつ頃から受験を意識した勉強を始めましたか?
高1の夏に目指し始めてから、勉強する際に京大への意識を持ち始めました。
実際に過去問を初めて解いたのは高1秋で、得意科目の英語と国語から挑戦しました。


③これまでの受験勉強の中で、特に苦労したことは何ですか?
数学の成績がなかなか上がらなかったことです。
現役時は駿台模試や京大模試で数学は偏差値30台となることが多々ありました。
高3になってからは学校の難関大文系数学のクラスに入りましたが、周りの文系に圧倒され、数学への苦手意識がますます蓄積していく負のスパイラルに入っていました。
同クラスで定期考査80点以上をとったことのない生徒は私だけ、文理問わず学年全体で実施する実力テストで20位以内に一度も入らなかった東京一工志望は私だけという黒歴史をもち、数学コンプレックスが酷かったです。

これまでの受験勉強の中で、一番決め手となったものは何ですか?
理系科目、特に数学の成績が向上したことです。
浪人をしたこの1年で、参考書の使い方、具体的に今学習すべき数学の単元、どのように公式を運用するか、どう問題にアプローチするか、そしてモチベーションの維持まで全てサポートしていただきました。
私は他の人より完成度が低く、一度説明していただいてもわからなかったり、一度または二度以上解いた問題を間違えたり、計算ミスをしまくったりと、かなりの問題人物です。
マステラの先輩方のように、一度間違えた問題を二度と間違えないようにすることも、ましてや問題設定の吟味などできる技量はありません。「きちんとやる」ことがなかなかできなかった私。
それでも、何度でも丁寧に優しく教え、励ましてくださった牧口先生に感動しました。
現役時は京大形式の模試で1大問すら正解できないほど数学が苦手でしたが、1年間お教えいただいた結果、今年度の京大直前模試では合格者平均レベルまで得点できました。
確実に力がついたことを実感しています。

来年以降の受験生にアドバイスをお願いします。
1.大学選びについて

現状の学力から大学選びをするのではなく、興味関心から選ぶこと。そのために、自己分析にたっぷりと時間をかけることをおすすめします。
もし「興味のある学問分野」がわからないのであれば、まずは学問ガイド的な新書を読むのもひとつの手です。
大抵の高校生は「〜学」が何を学ぶのか、それすらもわからないはずです。たとえば「医学」は何をするのでしょうか。
「法学」、「理学」、「文学」は?これらに対して答えられる状態にあることが大学選びのスタートラインです。
たった16〜18年間生きてきた中での思い込みで学問分野のイメージを決めつけるのはもったいないです。
私は高1でこの自己分析と学問分野の探求を疎かにしていました。
私のように、その時間があったらその分教科の勉強をするべきではないかと焦る人もいるでしょう。
しかし、絶対に疎かにしないでください。気持ちに余裕をもって自己分析〜などと言っていられるのは高1までです。
多少教科の勉強を削ってでも、ここは徹底しておくと良いです。後の受験勉強や人生への確かな道しるべになるはずです。


2.受験勉強について

苦手教科を得意教科にすることが合格への1番の近道だと思います。
信頼できる先生に相談すること、信頼できる参考書を反復することで自信がついてきます。
その自信を糧にして一定量の問題を解き続けることで、解ける問題が増え、少しずつ成績の伸びを感じられるようになります。
また、音読することも重要です。
英語の単語帳や長文問題集、過去問や社会科目の教科書を音読すると自然に身につき、焦っている試験中や眠い時でもふと知識が出てくることがあります。
数学など頭でしっかり考えることとあわせて、身体に染みつかせる音読も真剣に取り組んでみてほしいです。


3.浪人について

・家だと時間感覚が緩みがちな人は図書館などの公共施設に行くのも手です。

・浪人開始時に牧口先生から教えていただいた通り、勉強以外に幸せと思える何かをもつことも重要だと思います。たとえば晴れ空のなか散歩すること。また文字通り1日中勉強するべき環境の下では、自分が精神的に許せる日中の休憩は他にご飯の時間くらいです(遊ぶと自尊心が傷つくため)。ここで心の底から「空がきれいだ」「ご飯がおいしい」と思えると精神的に安定します。

・「合格できない」「もう無理」などの言葉をなるべく言わない方がいいです。諦めなければ合格できる、と思いつつ学習すれば、本当に合格できると信じています。


4.最後に

周囲からどれだけ否定されようと、自分がどうしてもその道がいいと選んだならば諦めない方が良いときもあると思います。
私は地方在住の貧困家庭で女子というトリプルビハインドがありましたが、支えてくださった尊敬する方々のご支援とめげない気持ちで合格できました。
「分不相応」と言われたら、「分相応」になれるよう努力すればいい。
そもそも現状より上の目指すレベルになるために勉強しているのですから、このような言葉でめげないでください。
また、「実家から県外出て〇〇大学いこうなんて思ってるの?近くの大学でいいんじゃない?」「そんな学歴つけたらお嫁さんの貰い手がなくなる」等々諭されましたが、合格ってしまえばこっちのものです。
人は色々なことをアドバイスしてくれますが、決して自分の人生に責任をとってはくれません。
よく考え、必要ないと思った雑音は気にしないでください。信頼できる大人を尊敬することをおすすめします。


<<校舎長所見>>
Gさんは2024年2月から浪人生枠で入塾してくれた生徒です。

地方在住で、最初は「よくこの塾を見つけたな!?」と思ったものでした。
体験記にも書いてくれた通り、恨みを持ってもおかしくないレベルで数学が苦手だった彼女ですが、
最後には共通テストでも7割超えで、他教科の支えもあり京大出願には十分すぎる得点率を叩き出してくれました。
これが自信につながったのだろうと思っています。

浪人生活は、そもそも最後まで完走すること自体が素晴らしいことです。
春に浪人を決めた人の半分は途中でめげてしまいますし、受験まで勉強を続けることができたとしても、
自分の夢を実際に叶える浪人生活ができるのは浪人生全体の1割もいないのではないでしょうか。
それをしかも宅浪で成し遂げる精神力も、賞賛に値します。

彼女の強さは、とにかく現状を自己分析してさらに言語化できる能力にあると思います。
浪人生コースは、毎日の勉強の進捗を日報という形で報告してもらっています。
この日報で、何をして何を学び何を思ったのかをしっかり言語化し、これから何をすべきなのかが分かりやすくまとめられていました。
この合格体験記も、言語能力を示す1つの証拠だと思います。
勉強をして学力をつけることも大事ですが、それを支える学習管理能力と言語化能力がずば抜けているのも勝因の1つのはずです。

大学生活は学業だけでなく、部活やアルバイトなど、やろうと思えばいくらでも初めての体験に触れることができます。
新天地で様々な楽しみが待っているはずです。
今回の経験をゴールにせず、糧にして大学生活を楽しんでほしいと思います。

この度は本当に、おめでとうございます。