西 真之 (Masayuki Nishi)

大阪大学 理学研究科 宇宙地球科学専攻

惑星内部物質学研究室 (近藤研)

惑星の内部は超高温・高圧の世界です。このような極限環境下における物質の挙動を実験により調べています。

地球惑星内部の水循環

水は地球の表層だけではなく地球の内部でも重要な成分であり、地球の進化に多大な影響を与えていると考えられています。超高圧下における含水鉱物の熱力学的安定性や脱水分解条件を調べ、地球や氷惑星内部の水の貯蔵循環モデルの構築に挑戦しています。

研究解説

  1. 地球中心核へ運ばれた水の挙動-中心核の表面のさび-

  2. 惑星深部の超高圧環境に耐える新しい含水鉱物を発見

  3. 超高圧下で安定な新しい水酸化鉄の発見

  4. マントル深部における新しい含水鉱物の発見~地球中心核付近への水の輸送~

地球内部の非平衡性

プレートやマントルを構成するケイ酸塩鉱物の高圧下における相平衡は、これまでの研究から既に解明されていま。これに対し、相転移のメカニズムや反応速度論に着目することで、相平衡を仮定せずに新しくマントルの鉱物構成モデルを構築することを目標にしています

研究解説

  1. 下部マントル条件下での拡散律速反応帯成長と非平衡相転移

  2. マントル遷移層の非平衡鉱物構成

隕石中の高圧鉱物の安定性

隕石中に見つかる高圧鉱物は、天体衝突時の衝撃により瞬間的に高い温度圧力が生じることで生成されたと考えられます。一方で、相平衡図に出現しない鉱物やアモルファス相等観察されています。相転移のメカニズムと反応速度論の観点から、 これらの高圧鉱物出現する温度圧力条件の解明に挑戦しています。

研究解説

  1. 高温下時分割放射光回折測定によるブリッジマナイトのアモルファス化反応の研究

温度圧力発生の技術開発

マルチアンビル型装置における温度圧力発生領域の拡張を目指しています。60万気圧を超える超高圧を維持しつつ地球内部温度(2000℃)を発生させることが可能です。またノ多結晶ダイヤモンドを試料上下に配置する6-8-2式加圧システムにより、室温150万気圧の圧力発生にも最近成功しています。ダイヤモンドアンビルセル実験によって先行的に報告されてきた地球深部の諸現象をより現実的に検証したいと考えています。

ダイヤモンド粒子の焼結

人工のダイヤモンド多結晶体高い強度を必要とする加工工具などに広く利用されています。高硬度の新しいダイヤモンド焼結体の生成法を探ることを目的として、特殊な手法で生産されたナノサイズのダイヤモンド粒子を原料としたダイヤモンド焼結のメカニズムを研究しています。

西 真之 (Masayuki Nishi)

大阪大学大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻

〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-1

nishimasa(at)ess.sci.osaka-u.ac.jp