地球の中心部に位置する核と、その外側に広がるマントルが接する「核–マントル境界」(深さ2900キロメートル)で起こる複雑な相互作用のメカニズムとその速度を明らかにし、地震波速度の異常の解明に挑戦しています。
*「基盤研究(B) 23K22593 (代表)」
ダイヤモンド中に閉じ込められた鉱物を人工的に合成し、地球内部でのダイヤモンドの形成メカニズムやそれを運ぶマントルの対流を研究しています。また、ダイヤモンド包有物を利用した新たな超高圧発生技術の開発にも取り組んでいます。
*「挑戦的研究(開拓)24K21208(代表)」
水は地球の表層だけでなく、その深部においても欠かせない成分であり、地球の進化に大きな影響を与えてきたと考えられています。超高圧環境下での含水鉱物の安定性や脱水メカニズムを基に、地球や氷惑星内部の「水の循環」の解明に挑んでいます。
*「基盤研究(B) 23K22593(代表)」「基盤研究(B) 19H01994(代表,終了)」「若手研究(A) 15H05469 (代表,終了) 」
隕石中で見つかる高圧鉱物は、天体衝突時の衝撃によって瞬間的に極限の温度と圧力が生じることで生成されたと考えられています。しかし、相平衡図には示されない未知の鉱物やアモルファス相も観察されています。私たちは、相転移のメカニズムと反応速度論の観点から、これらの高圧鉱物がどのような温度と圧力条件で形成されるのか、その謎の解明に挑戦しています。
*「挑戦的研究(開拓)24K21208(代表)」
プレートやマントルを構成する鉱物の高圧下での相平衡は、これまでの研究で多くが解明されています。しかしながら、単純な相平衡では理解することができない謎が残されています。相転移のメカニズムや反応速度論に着目することで、相平衡を仮定しない新たなマントル鉱物モデルの構築を目指しています。
人工のダイヤモンド多結晶体は高い強度を必要とする加工工具などに広く利用されています。高硬度の新しいダイヤモンド焼結体の生成法を探ることを目的として、特殊な手法で生産されたナノサイズのダイヤモンド粒子を原料としたダイヤモンド焼結のメカニズムを研究しています。
マルチアンビル型装置を用いて、温度・圧力の発生領域のさらなる拡張に取り組んでいます。現在では60万気圧を超える超高圧を維持しながら、地球内部に相当する2000℃の高温を発生させることが可能です。さらに、ナノ多結晶ダイヤモンドを試料上下に配置した6-8-2式加圧システムを用いることで、室温下で150万気圧の圧力発生にも成功しました。この成果により、ダイヤモンドアンビルセル実験で先行して報告されてきた地球深部の諸現象を、より現実的な条件で検証できるようになると期待しています。
西 真之 (Masayuki Nishi)
大阪大学大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-1
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