#368 アイデンティティの行為
今日から長野に来ています。避暑地で執筆を……と思って訪れ、綺麗な景色を眺める間もなく、パソコンの画面ばかり見つめております。
本日もあまり余裕がないため、ピーター・トラッドギル(Peter Trudgill)の『A Glossary of Sociolinguistics』の中から、いま書いている内容と関連する「act of identity」の項目をまとめるにとどめさせてくださいませ。
イギリスの社会言語学者ロバート・ル・ページ(Robert LePage)は、人が発するどのような発話行為も「アイデンティティの行為(act of identity)」であると考えました。人は自分がありたいと願う個人的・社会的なアイデンティティに従い、自分の持つ言葉のレパートリーの中から選択を行っています。たとえば、特定の集団に結びついた発音や文法形式、単語などを選んで使うことによって、このアイデンティティの表明がなされるのだそうです。
また定義の最後には、アコモデーションとの関連についても述べられています。相手の言葉に近づけようとする姿勢も、逆に遠ざけようとする姿勢も、すべてこの「アイデンティティの行為」として捉えることができるのだそうです。
参考
Trudgill, P. (2003). A glossary of sociolinguistics. Edinburgh University Press.
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[アイデンティティ]